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テコンキッド,ホムンクルス,新ダンジョンと料理に注目? 「RO」ノーグハルトアップデート直前レポート&インタビュー
2006/07/03 23:58
中央が「テコンキッド」,左はテコンキッドから転職した「拳聖」,右が「ソウルリンカー」
 7月4日と目前に迫った,MMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)の「ノーグハルト」アップデート。新マップ「ノーグハルト」に用意される二つのダンジョンや,ひさびさに追加される1次職「テコンキッド」などを,ガンホー・オンライン・エンターテイメント社内で一足先に体験してきた。新ダンジョンであるタナトスタワー,アビスレイクそれぞれの特徴や,既存職業への追加スキルなども含めて,新しいプレイ要素を順次紹介していこう。

■多芸多才,魅せるスキル満載の「テコンキッド」

 「アルケミスト」や「モンク」といった2-2次職,または「ハイプリースト」「プロフェッサー」など転生後の2次職実装が続いたROで,テコンキッドは久しぶりの1次職追加となる。武器を持たず,華麗な足技で闘うこの職業は,ユニークなスキルを数多く習得できる。今回はテコンキッドとその2次職「ソウルリンカー」のスキルから,いくつかの技をお見せしよう。
 テコンキッドはスキルの種類がとても豊富だ。「フェオリチャギ」「ネリョチャギ」「トルリョチャギ」「アプチャオルリギ」など,テコンドーに由来する攻撃スキルを発動する前には,それぞれ「〜の構え」と名が付いたスキルを発動させておく必要がある。例えば「アプチャオルリギの構え」を事前に使用すれば,キャラクターは攻撃時に20%の確率でアプチャオルリギの構えを取る。そのタイミングに合わせ,2〜3秒以内にアプチャオルリギを発動させれば見事技が決まるというわけだ。この,〜の構えは複数を重ねて使用できるので,タイミングさえ合えば,敵に連続して大ダメージを与えられる。

 このほかに,実用性の高そうなスキルとして「ティオアプチャギ」「暖かい風」などがある。ティオアプチャギは,遠くからターゲットした敵の懐に飛び込んで攻撃を加えるものだ。また,暖かい風を使用すると攻撃に5分間だけ属性付与が行える。レベル2なら風属性,レベル5なら念属性とスキルレベルごとに属性が決まっており,MAXレベルの7まで取れば全属性をカバーできる。
 これまでも,プリーストなら聖属性を,セージなら火や水属性を武器に付与できたが,どちらも触媒を毎回消費するうえに,2次職にならねば使えないスキルだった。暖かい風を使えば,効果こそ5分と短めだが,1次職の段階から,エリアやモンスターの性格に合わせて頻繁に属性付与ができるのだ。


画面上段:アプチャオルリギの構えから,技がうまく決まった瞬間。構えに合ったスキルを憶えていて,きちんと発動させるのはなかなか難しいかも
画面中段:こちらは特定範囲内の敵にダメージを与える,「フェオリチャギ」。フェオリチャギの構えからの発動率は15%とやや低め
画面下段左:静止画では分かりにくいが,画面右端ギリギリの距離からターゲットしたエギラに飛びかかり,蹴りを入れている瞬間だ
画面下段右:風属性を付与するソウルリンカー。ROでは属性による与ダメージ差が大きいので,属性武器を買うお金がない序盤,大いに役立ちそう


 制作担当の廣瀬高志氏をして「トリッキーな動きが多い」と言わしめるテコンキッド。実際,どんな場面で使えば大きなご利益があるのか,じっくり考える必要のあるスキルが多い。
 例えば「タイリギ」を使うと,キャラクターは確かに驚くほどのスピードで歩けるが,真っ直ぐにしか進めず,小さな障害物にぶつかっただけで立ち止まってしまう。実用性は微妙なところだ。その一方でタイリギにはもう一つ,移動開始からすぐに動きを止めると“スパート状態”になり,STR値が上がるという,まったく別の効用がある。フィールドで期待されるのは,むしろこちらだろう。

 同様に「ノピティギ」は,キャラクターの進行方向に沿って大きくジャンプするスキル。間に障害物があっても,着地地点が移動禁止セルでない限り跳べてしまうので,従来は迂回しなければいけなかった崖上などでも近道できてしまう。このスキル,うまく使えばGvGでも利用できそうだが,テコンキッドはあくまで1次職。過大な期待は禁物である。

画面左:タイリギを使用すると,真っ直ぐだけだが素早く歩ける。そして,キャラクターの背後には足跡がペタペタとつく
画面右:ノビティギを使った瞬間。煙が上がっているのが元の地点で,大きな弧を描いてジャンプし,着地しようとしているところ


■支援というよりブースト役の「ソウルリンカー」

過去最強のナイトの名を得たナイトの魂を呼び寄せ,対象に憑依させるスキルを使ったところ。ROの世界観にしては珍しい霊的な力を持つのがソウルリンカー
 テコンキッドからの転職先としては,先に述べたように「拳聖」と「ソウルリンカー」の二つがある。拳聖がテコンキッドからの比較的順当なアップグレードであるのに対して,名前からして少々特殊な職業,ソウルリンカー。そのスキルを幾つかお見せしたい。ソウルリンカーは,テコンキッドへの道を断って霊魂の力を操る道を選んだという,変わった設定の職業だ。そのためこの職業を選ぶと,テコンキッド時代に覚えた攻撃系スキルの多くは使えなくなってしまう。代わりに身につけるのが,その名前の通り魂をリンクさせる,すなわち憑依系スキルである。
 ソウルリンカーは,大まかに三つの系統のスキルを習得できるが,メインは「職業名+魂」の名が付く魂系スキルだ。「ハンターの魂」,「プリーストの魂」,「セージの魂」などそれぞれの職業に対してのみ使えるスキルで,このスキルを受けたキャラクター側は,特定のスキルの効果が飛躍的に上がったり,本来使えないスキルが一時的に利用できたりするようになる。今回はロードナイトのキャラクターで「ナイトの魂」をかけてもらったところ,本来は存在しない片手剣の振りが速くなる「ワンハンドクイッケン」のスキルが使えるようになった。

 スキルの半分以上をこの支援系スキルが占めるソウルリンカーだが,攻撃スキルも少ないながら習得可能だ。ただ,スキルポイントの上限を考えると取捨選択はなかなか厳しい。また,ソウルリンカーの育成はいわゆる荊の道。テコンキッドが近接攻撃系,すなわちSTRやDEX,AGI値重視なのに対し,ソウルリンカーはINT値重視になる。転職までの道のりはもちろん,転職後もソロプレイはお勧めしづらい。どちらかというと,ギルドメンバーやいつも一緒に遊ぶ仲間のために支援スキルを習得し,守られながら成長するというプレイスタイルが中心になると思われる。

 時間の都合上,もう一つの2次職「拳聖」を試すことはできなかったが,テコンキッドとソウルリンカーを体験してみた感想としては,今回追加された新職業とその2次職は,初めてROをプレイする人というよりは,一通りの職業を経験した既存プレイヤー向けの性格が強いということ。そのユニークなスキルは,見るのもプレイするのも楽しいが,完全な前衛職とはいえないし,支援といってもアコライトやプリーストのように支援スキル全般に通じているわけではないため,どの職業と組んでもありがたがられる能力とは必ずしもいえない。先述のとおり,プレイする仲間がある程度決まっていれば後方支援に役立つチャンスも多いので,3キャラ目くらいにのんびり育成するには向いているようだ。

画面左:スキルリストの最後に「ワンハンドクイックケン」が追加されている。ただし,「ツーハンドクイックケン」のレベル10を取得しているのが前提条件
画面右:ソウルリンカーが持つ攻撃魔法「エスマ」は対モンスターのみで,対プレイヤーキャラ攻撃には使用不可。ダメージ値は(40+ベースレベル)%と固定されている


防御能力のほとんどない盗虫やポリン相手とはいえ,28万というとんでもないダメージを出しているのが分かるだろう
 さて,テコンキッドという新しい職業が導入されるのみならず,今回のアップデートでは既存の職業に関しても,スキルの追加が行われている。まずは,以前のニュース記事で何度かお伝えている,ホムンクルス関連の新要素から行こう。
 今回は亜種ホムンクルス4種および,従来のホムンクルスも合わせた8種それぞれの進化形が実装されるわけだが,それに合わせてホムンクルス専用スキルも増えている。
 もともと「フィーリル」と「バニルミルト」は好戦的な性格だが,進化したフィーリルは一層強力な攻撃を繰り出す。その頂点が「S.B.R.44」というスキルだ。ただし,前提条件はアルケミストとの親密度が高いこと(関係が「極めて親しい」であること)。そして,苦労して築き上げた親密度を大幅に下げることで,敵に大ダメージを与えることができるのだ。中ボスクラスなら一人でも倒せるかもしれない威力を秘めている代わりに,スキル使用後の新密度は「大嫌い」に。つまり二度は使えない,まさに奥義というわけだ。

 ナイトの新スキル「チャージアタック」は,一応遠距離攻撃となっているが,イメージ的には離れた敵に自ら突進して体当たりし,敵を弾き飛ばす形でダメージを与える技だ。クルセイダーの「シールドブーメラン」やハンター系の遠距離攻撃とはちょっと意味合いが異なる。また,対象との距離が離れれば離れるほど威力が増すものの,同時に詠唱時間が伸びるため,使いどころが難しそうだ。

 ウィザードにはもともと,ハイド中の敵を暴く「サイト」と,詠唱者の周囲7セルにいる敵にダメージを与える「サイトラッシャー」というスキルがあるが,「サイトブラスター」はその変形スキル。詠唱すると炎がプレイヤーキャラの周囲を2分間旋回し,その間に接近した敵を攻撃してくれるというものだ。ただし,適用範囲は隣接する1セルだけであり,1回ダメージを与えると効果は消えてしまうので,攻撃スキルというよりはいきなり真横にポップしたモンスターから身を守り,牽制する意味合いが高そうだ。

画面上段:ナイトの新スキル「チャージアタック」。対象は敵1体。敵がいる位置へ飛び込んで攻撃することになるので,敵のターゲットをそらし,後衛を守るには便利かもしれない
画面下段:ウィザードの追加スキル「サイトブラスター」。エフェクトは「サイト」と一緒だが,炎の色が薄く,目を凝らさないと見えなかったり。ダメージを与えると共に敵をはじき飛ばす効果がある


■新ダンジョン「タナトスタワー」と「アビスレイク」

ハープにまたがった少女型モンスターは,与ダメージが2倍になる魔法「レックスエーテルナ」を使ってくる。これは聖職者たる「プリースト」が使う魔法であることからも,本来なら敵対するはずがない,聖なる存在であることが分かる
 前回のリヒタルゼンアップデートでは,「ジュピロス」,「生体工学研究所」という二つの高レベルプレイヤー向けダンジョンが実装されたが,今回のノーグハルトアップデートでも同様に,新ダンジョン「タナトスタワー」と「アビスレイク」が登場する。初級〜中級プレイヤーには残念だが,この二つもやはり完全に上級プレイヤー向けの難度ということで,目安としてベースレベルが最低80以上は要求されるダンジョンだ。
 全12階層からなる「タナトスタワー」は誰が,何のために建造したのかはっきりとしない謎に包まれた塔。上層階へ進むためにはメンバーの職業やパーティ人数などに制限があるので,みんなで観光がてら……という目的には合わないようだ。ここを攻略したければ転生2次職がメンバー中最低2人は欲しいところ。謎解き要素も多く含まれるダンジョンなので,バックストーリーもまとめて楽しめるだろう。

画面左:タナトスタワーの1F。まるで天使のような姿のモンスターは,その名も「守護する者」。手にした髑髏を使って攻撃してくる
画面右:タナトスタワーの7Fには,不思議な白い物体「プラズマ」や,本型モンスター「デスワード」などが出現する


特定のアイテムを持っていると,地底ダンジョンへの道が開かれる
 人でなく,神族・魔族の手によるものかもしれないという話はさておいて,とにかく人工的な構造物である「タナトスタワー」に対し,「アビスレイク」は自然の地形そのものが要塞としての形を成しているという仕立てのエリアだ。
 ダンジョンそのものもハイレベルだが,入り口付近に出現するモンスターも決して弱くはない。ダンジョン内部には各種属性のドラゴンが徘徊しており,なかには「ウォーターボール」「ファイアピラー」などプレイヤーと同じ魔法を使用してくる者もいる。イメージとしては既存マップ「タートルアイランド」に似たエリアなので,こちらはレベル差をあまり気にせず,ギルドメンバーで気軽に遊びに行ける場所になるだろう。


画面左:金銀財宝の上でドラゴンに取り囲まれる。緑のドラゴンは尻尾で強力な打撃を,青いドラゴンは魔法「ウォーターボール」で攻撃してくる
画面中:うっかりボスモンスター「データルザウルス」とかち合ってしまい,あっけなく散る。カタいロードナイトでも瞬殺である
画面右:ここでは新アイテムにして,「料理」の材料となる「おいしい魚」や「イチゴ」も手に入る。どんなレシピになるかはお楽しみ


■制作担当 廣瀬氏が語る「ノーグハルト」アップデート

 アップデート「Episode5.01 The Republic of Schwarzwald〜シュバルツバルド共和国〜」の第3弾に当たる,今回のノーグハルトアップデート。テストプレイでは時間の関係であまり試せなかった料理とレシピの話などを含め,ガンホー・オンライン・エンターテイメント コンテンツ制作部 第一制作課の廣瀬高志氏に,今回のアップデートの見どころについて聞いてきた。


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。テコンキッドは本当に久しぶりの1次職実装になりますよね。テコンキッドが活躍できるのは,どういった場面が想定されているのでしょうか?

廣瀬氏:
 活躍,ですか。テコンキッドはあくまで1次職なので,そのままで活躍するのはちょっと難しいですね。いま触っていただいて,だいたいお分かりのことと思われますが,非常にトリッキーなキャラクターで,とにかく強力なパワーを求めるといったプレイヤーさんには,あまり向かないかもしれません。
 ソウルリンカーに転職した後には,例えばGvGで役立つスキルもありますし,障害物を跳び越せる「ノピティギ」を利用したりすれば,攻城戦で相手を攪乱したりできるでしょうね。とくにソウルリンカーはソロプレイでなく,決まったメンバーで遊びに行くときのキャラクターという傾向が,韓国でも強いようです。

4Gamer:
 育成も楽ではなさそうですね。

廣瀬氏:
 そうですね,ソウルリンカーは「セージ」に似た存在で,キャラクター育成は荊の道だと思ってください。セージはマジシャンから転職するキャラクターですから,魔法でモンスターと戦い,転職後も引き続き魔法で育成できますよね。でもテコンキッドは近接攻撃で育成したのに,ソウルリンカーになったとたんに支援職ですから,INT値の高さが急に要求される。その意味では育てるのが本当に大変な職業です。

4Gamer

 ところで,ひさびさの1次職実装にあわせて,キャラクタースロットが増える予定はないのでしょうか?

廣瀬氏:
 今回に限らず,新しい職業が登場すると必ず出る要望なのですが,たいへん残念なことに,私の一存で決められる事柄ではありません。すでに30種を超える職業があり,今後忍者などの新職業も登場する予定ですので,そうした要望は増えることと思いますが,現時点では引き続き検討していきますとしかお答えできません。




4Gamer:
 なるほど。うーん,検討が前進することを切に祈っています(笑)。次に新マップについてですが,基本的に高レベル向けのエリアと考えてよいんですよね?

廣瀬氏:
 タナトスタワーに関していえば,単にモンスターが強いから上層階に行けないというのではなく,ほかにもいろいろと制限があります。全12層のうち7層以上には「生体工学研究所」の3層目と同じような制限がついてきますから,自然と必要レベルなどは決まってしまいますね。2〜3層目でも目安として最低レベル80はないと安定して戦えないでしょう。
 アビスレイクも同様に,竜族は足が速くて逃げきれないですからレベル80台は必須だと思います。そもそもダンジョン以外のフィールドも厳しいですし。

4Gamer:
 そういえばアビスレイクでは,「おいしい魚」と「イチゴ」が出ましたが,これは完全に新アイテムですよね?

廣瀬氏:
 そうです。これらはそのままでも食べられますが,例えばイチゴは「イチゴ味のおにぎり」という料理の素材になります。タナトスタワーでのドロップアイテムとして見たと思いますが,今回実装される「料理本」にはレベル1からレベル10まであって,所持している料理本のレベルに合った料理が作れます。

4Gamer:
 料理は,職業,レベルとも問わず誰でも作れるんですか?

廣瀬氏:
 基本的にはそうです。料理本はノービス以外のキャラクターなら誰でも,クエストをこなすことで入手できます。クエストは1キャラクターあたり1回受けられますし,ほかの人から料理本を譲ってもらうことも可能です。

4Gamer:
 出来た料理は,どんな効能を持っているのでしょうか?

廣瀬氏:
 回復系ではなくて,ステータスアップ効果がメインですね。材料を集めるのがたいへんな上位レシピには,ステータスが+10になるものもありますよ。

4Gamer:
 料理は,レシピさえ持っていれば100%成功するんですか?

廣瀬氏:
 いいえ。ブラックスミスの武器製造に似たシステムで,調理器具があるんですよ。ブラックスミスだと「エンペリウムの金敷」など高級な道具を使うほど成功率が上がったのと同じように,調理器具の良し悪しで成功率が変わります。料理の成功率は,キャラクターのステータスとは無関係ですね。

4Gamer:
 調理器具はすぐ手に入るんでしょうか。

廣瀬氏:
 低級なものはお店で買えます。ただし,一番高級な「幻の調理器具」は,モンスターからのドロップでしか入手できません。

4Gamer:
 料理が実装されれば,レシピのための素材を売るお店も増えたりして,露店がちょっと賑わいそうですね。

廣瀬氏:
 そうですね。人気料理を売る,専門の露店ができたりするんじゃないかなと思ってるんですよ。




4Gamer:
 えーと,料理のことばかり聞いてしまいましたが,タナトスタワーとアビスレイクの楽しみどころとしては,新素材集めがメインになるのでしょうか?

廣瀬氏:
 うーん,全体としていうと,以前からアナウンスしてきたとおり,タナトスタワーではNPCと話すことで,RO世界の過去を知ることができたり,謎解き部分を楽しんだりできます。また,アビスレイクはモンスターの出現率が高いので,どちらかといえば,こちらは経験値効率を求めて遊びに行く場所ですね。

4Gamer:
 前回のリヒタルゼンアップデートと,今回のノーグハルトアップデート,とくにタナトスタワーの謎解きは,ストーリー的につながっているのでしょうか? 前回はプレイヤーキャラ型の敵,今回は天使型の敵と,どちらも世界のタブーに触れる感じが共通していると思うのですが。

廣瀬氏:
 いいえ。直接つながっているわけではありません。リヒタルゼンで出てきたレッケンベル社がタナトスタワーに関わっていたりとか,背景はもちろんつながっていますが,直接にストーリーラインが連続していたりはしないです。

4Gamer:
 そうなのですか。RJC 2006の会場で説明を聞いたときから,同工異曲のエピソードなのだと思っていました。そういうわけではないのですね。えー,まだまだお聞きしたいことはいっぱいあるのですが,今回はあまりお時間がいただけないとのことで,最後に,今回のアップデート全体をとおして,プレイヤーに楽しんでもらいたいポイントを,あらためてお聞きできればと思います。

廣瀬氏:
 テコンキッドは上位2次職追加以来,久しぶりに最初から育てられるキャラクターです。ひたすら強くなる目的のキャラクターと違い,“魅せる”技が多く,楽しいスキルも多い職業ですから,ぜひチャレンジしてみてください。

4Gamer:
 そうそう,今回のアップデートとは直接関係ないのですが,このところROでは,ゲーム内がいろいろ騒がしい様子です。この機会にプレイヤーさんにぜひお伝えしておきたいメッセージがありましたら,お願いします。

廣瀬氏:
 そうですね……。私からプレイヤーのみなさんに今お伝えしたいことといえば,ゲームを楽しく,良くしていきたいという気持ちは,私もプレイヤーのみなさんと同じですし,まさにそれが私の仕事であるということです。最近はとくに不正行為対策に関するご要望をさまざまにいただいておりますが,我々も決して現状に満足しているわけではありません。より一層対策を強化し,みなさんに満足してプレイしていただける環境を提供していきたいと思っています。

4Gamer:
 分かりました。本日はお忙しいなか,ありがとうございました。

 高レベルプレイヤー向けの新ダンジョンのみならず,ひさかたぶりの1次職追加を伴う今回のアップデート。具体的な時期は明らかでないものの,RJC 2006のカンファレンスでは「次の次のアップデート内容」として忍者とガンスリンガーの追加もアナウンスされている。今後のROは地域や狩り場の拡充のみならず,プレイヤーキャラクターの職業の充実も,一つのポイントとなる様子。つまりは,長期にわたってROを楽しんでもらうための措置といえるだろう。
 そう考えると,テコンキッドのいささかトリッキーな性格も,ある程度理に適ったものに見えてくる。上級者向けダンジョンの追加も含め今回のアップデートは,新規プレイヤーにとってプレイしやすい材料を増やし,間口を広げるといった方向でなく,むしろ既存のROに慣れ親しんだ人に向けて,より高レベルの課題と,一風変わったプレイを同時に提案するものといえよう。既存職業への新スキル追加も含めて,いずれのアプローチにせよ,当面のターゲットは主として既存プレイヤーということだ。
 ともあれ,ゲームに新たな課題が追加され,プレイ内容が豊かになっていくことは歓迎すべき展開だ。新ダンジョン,新アイテム,新スキルに加えて新職業まで用意されたノーグハルトアップデートを,存分に楽しんでほしい。(ライター:麻生ちはや)


ラグナロクオンライン
■開発元:Gravity
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2002/12/01
■価格:プレイ料金:1500円/月(税込)
→公式サイトは「こちら」

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