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[E3 2006#146]隠れた注目作? 三人称視点のファンタジー剣術アクション「Elveon」
2006/05/15 20:38
 E3では,誰もが待ち焦がれるような大作タイトルとは別に,これから有名になっていく気配が濃厚な,しかしまだそれほど知られていないタイトルに,ふっと出くわすことがある。筆者にとっては,Kentiaホールの一角にあるクローズドブースで発見できた「Elveon」がそれだ。

クローズドブースの様子


■よどみのないモーションから繰り出される
■美麗な剣術アクション


 Elveonは,独10TACLE STUDIOSが開発中の,三人称視点アクションだ。プレイヤーは主人公となるエルフを操り,さまざまなタイプの近接武器を駆使して敵を打ち倒していくという,痛快な内容になる。

 ……と書くと,それこそ三国無双シリーズのように,一対多での戦闘を想像する読者もいると思うが,Elveonで追求されている痛快さは,剣術のモーションや駆け引きの部分がもたらすもの。10TACLE STUDIOSの担当者は,核となる戦闘システムには相当力が入っており,「キャラクターの動きはマーシャルアーツのモーションキャプチャーによって作られている」と述べていた。果たして筆者が見た限り,モーションにぎこちなさはまったくなく,日本産の3D格闘ゲームと比較しても遜色のない動きといえる。




 駆け引きの部分は,戦闘スタイルを“起点”として形作られるようだ。例えば,主人公の用いる武器は,両手剣と両手槍のほか,短剣による二刀流と,合わせて3パターンが現時点では用意されていた。両手剣で相手を打ち倒し,両手槍で遠距離から攻撃し,さらにスピードと防御を重視する局面では二刀流を選択,といった感じ。状況に合わせて武器を持ち替え,武器の特徴を活かした戦い方をする必要がある。
 この手のゲームにありがちな,“回転斬り”“ジャンプ斬り”を交えたコンボ技はもちろん多数用意されているのだが,同時に“剣術らしさ”が追求されているため,いかにもゲーム的な,無茶なアクションをプレイヤーキャラクターがしないのは好印象。まあでも,エルフが両手剣を振り回しているあたりはちょっとどうかという気がしなくもないが。



 なお,ゲーム自体は,広大な世界を旅するような作りになっているようで,RPGほどではないにせよ,自由度はそれなりに高いようだ。ストーリーは,メインと別に,10TACLE STUDIOSいわく「膨大な」量が用意されるとのこと。



 最後に,グラフィックス関連の品質が高いことも指摘しておこう。Unreal Engine 3を採用していることもあってか,全体的に破綻のない美しい画面で,とくに光源処理が美しい。たいまつの炎が鎧に反射するあたりや,夕日をバックにした木洩れ日などには,目を見張るものがあった。今回,ブースで見せてもらえたのはXbox 360版だったが,PC版ではこれと同等か,それ以上のグラフィックスクオリティになるとのことだったので,期待したい。

 2006年8月にドイツで開催されるゲームショウ「GC 2006」では,プレイアブルバージョンが出展される予定。そのバージョンの出来次第では,2007年のE3で大きな注目を集めることになりそうだ。(川崎政一郎)


Elveon
■開発元:10TACLE STUDIOS
■発売元:10TACLE PUBLISHING
■発売日:2007/Q2
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060515203826detail.html