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[E3 2006#061]The Adventure Company,2006年の新作アガサはあのオリエント急行
2006/05/12 22:40
 2005年10月にThe Adventure Companyから発売された「Agatha Christie: And Then There Were None」は,ミステリの女王アガサ・クリスティの小説「そして誰もいなくなった」を原作とするアドベンチャーゲーム。孤島に建つ謎の屋敷に招かれた10人が次々に姿を消すという推理小説の古典的傑作だ。そして今年,The Adventure Companyが贈るアガサ・クリスティ原作アドベンチャー第2弾が,「Agatha Christie: Murder on the Orient Express」なのである。デベロッパも「そして誰も〜」と同じく,AWE Games
 日本では「オリエント急行殺人事件」として知られる本作だが,もしかしたらクリスティの作品中,日本では最も知られた作品ではないかという気がしつつ,同時にまた最もアレンジが難しい作品ではないかという気もする。理由はまあ,後にするとして,プレイヤーが操ることになる主人公は,偶然オリエント急行に乗り合わせたAntoinette。彼女は原作に登場しない人物だが,ベルギー人の有名な私立探偵エルキュール・ポアロ氏を助けて,事件の謎を解くことになる。
 ポアロの相棒といえばアーサー・ヘイスティングス大尉と相場が決まっているが,親父二人よりは妙齢のご婦人のほうが映像栄えするというものですね。



 West Hallの奥,あまり人通りの多くない場所にしつらえられたDreamCatcher(The Adventure Companyは同社のブランド)のブースはまるっきり商談向きに作られていて,我々メディアが足を踏み入れにくい雰囲気。とはいえ,頼めば親切に説明してくれるという,同社の贈り出すピュアなアドベンチャーゲームとそっくりなムードを感じる(まあ,「ペインキラー」はその限りではないとしても)。

 クリスティもの第一弾の「そして誰も〜」は,原作とそっくりな展開,というわけではなく,ストーリーをいろいろと変化させ,原作のファンも十分に楽しめる作りになっていた。この「オリエント急行〜」でもその路線を継承し,いろいろなアレンジが加えられているとのことだ。もちろん,例によってマウス一つでほぼ何でもできる操作性の簡単さや,プリレンダで描かれた美しい背景に加え,3Dのキャラクターの影が正しい位置に落ちるというシャドウイング技術など,ちゃんと進歩もしている。
 とはいえ,さて,ストーリーを変化させるといっても,本作の場合,どうすればいいのだろう。「オリエント急行〜」の謎の醍醐味は,もちろんあっと驚く犯人の正体にある。「そりゃないだろ」と「うまい!」が半分半分の気持ちになるのは,本作ならでは。だって犯人はあれ以外ないでしょ,なーんて……,とブースにいるときから買う気持ち満点になってしまった筆者なのである。(松本隆一)


Agatha Christie: Murder on the Orient Express
■開発元:N/A
■発売元:The Adventure Company
■発売日:2006/11月中
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060512224041detail.html