ニュース
[GC 2005#22]Rick Goodman最新作「R&F:Civilizations at War」
2005/08/20 01:40
 「Rise & Fall:Civilizations at War」は,ギリシア,ローマ,エジプト,ペルシアという過去に存在した四つの巨大帝国をテーマとしたRTSだ。開発を手がけるのは,古くは「Age of Empires」の開発に携わり,その後「Empires」を世に送り出したRick Goodman氏率いるStainless Steel Studiosである。

 本作の基本的なゲームシステムは,"リソースを集めて,建物や兵士を作り,軍隊を編成して,敵対勢力を倒す"というRTSの定番フォーマットからそう外れたものではない。
 鉱物などの資源はワーカーユニットを使って集めるし,兵士はバラックのような建物に指示を出すことで作成する。しかし,他作品との決定的な相違点も持っていて,それは,ヒーローモードとストラテジーモード,二つのモードを使い分けながらゲームを進めていけるところである。
 ストラテジーモードというのは,つまり一般的なRTSだ。視点はナナメ上方からの俯瞰が基本で,戦略をこらしつつユニット達に指示を出して敵勢力の撃破を狙うモードである。対してヒーローモードは,各勢力に何人か用意されている単騎のヒーローユニットのみをプレイヤーが操作するモードだ。視点は三人称固定となり,操作もW/A/S/Dキーを使ったアクションゲームに準じたものになる。まるで,ストラテジーである本作が突然「真・三國無双」のようなコンシューマ系のアクションゲームになってしまったような感じを受ける。この感覚はとても新鮮だ。
 なおストラテジーモードとヒーローモードは,プレイ中好きなときに切り替えられる。ストラテジーモードで全体への指示を出した後に,強力なヒーローを重要なポイントに手動で連れて行き,部下達のために突破口をみずから切り開くような戦い方も可能だ。

 ユニークなユニットであるヒーローには,それぞれ得意な能力が用意されている。今回見られたデモストレーションのヒーローは弓が得意なようで,それを使って戦っていた。単に弓を撃てるだけでなく,より強力な炎の矢なども切り替えて撃つことができていた。さらにヒーローは魔法のような力を行使することもできるようだ。リアルな歴史に取材したRTSとしては珍しいフィーチャーだといえるだろう。



 GC 2005では,プレイアブルなバージョンを三つ並べての展示が行われていた。ヒーローモードの三人称視点画面は,とても動きがあって見栄えが良いためか,常に誰かがプレイしている状態。RTSをプレイするにはまだ早いかなと思われるような小学生くらいの少年が,ヒーローモードでバリバリと敵を倒して楽しんでいる姿が見られたのが印象的だった。それくらいヒーローモードはコンシューマライクな仕上がりなのである。

 マルチプレイには,最大で8人が同時参加できる。既報ではマルチプレイ中にヒーローモードとストラテジーモードの切り替えはできないとなっていたが,今回聞いてみたところ,「可能だ」との返事だった。このモードを切り替えつつ進めるプレイ感覚こそ,本作ならではの要素なので,それがマルチプレイでも行えることは大きい。
 一般的なモードのほか,チームベースモードのバリエーションとして,二人のプレイヤーが同一の文明を担当し,一方がストラテジーモードで軍隊を指揮し,もう一人はその文明のヒーローの操作に専念するというモードがあるという。これまでにないタイプの協力プレイが求められそうなところが興味深い。



 昨今のRTSでは,簡単にマルチプレイの対戦相手を探し出せるような仕組みを持っているかどうかも,ヒットするための重要なポイントだ。Rise & Fallにもそのようなマッチメイキングシステムなどが用意されるのかと聞いてみたが,どうやらとくに専用のプレイ環境やシステムを用意する予定はないようだ。
 発売予定の2005年の第4四半期まではまだ間があるので,製品がファンの手元に届くまでに,さらなるブラッシュアップが加えられることだろう。(ライター:星原昭典)


Rise & Fall: Civilizations at War
■開発元:Midway Games
■発売元:Midway Home Entertainment
■発売日:2006/06/12
■価格:49.99ドル
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.08/20050820014025detail.html