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日本AMD,Intel日本法人に対して60億円の損害賠償請求訴訟を提起
2005/06/30 18:24
会見場で口角泡を飛ばす日本AMDの吉沢俊介取締役
 日本AMDは本日(6月30日)都内で会見を開き,30日13時をもって,米Intelの日本法人であるインテルに対し,総額約60億円という巨額の損害賠償請求訴訟を起こしたと発表した。この訴訟は,2005年3月8日に公正取引委員会が行った独占禁止法違反に基づく排除勧告に対して,インテルが応諾,つまり争わない姿勢を見せたことを受けたもの。米国のAMD本社も27日付けでIntelを独占禁止法違反で提訴しており,これと足並みを揃えた格好になる。
 日本AMDの吉田俊介取締役によれば,今回請求する60億円は,インテルの違法行為によって失われた,本来得られるべき利益に相当するとのこと。また,日本AMDは報道陣に訴状の要約を公開し,市場を独占する立場を利用したインテルが,日本AMD,そしてAMD製CPUを排除するため,以下のような行為を行っているとした。

1.東芝,ソニー,日立,NEC,富士通に対して巨額の資金提供を行い,東芝,ソニー,日立に対してはAMD製CPUを採用させないようにした。またNECと富士通に対しては,採用数や採用するモデルに制限をかけた
2.国内のPCメーカー各社に対して資金提供を行い,製品カタログやWebサイトから,AMD製CPU搭載モデルを削除するよう指示した
3.AMD製CPU搭載PCを使って行われる予定だった某社のイベントが行われる直前に,それらPCをすべて買い取り,代わりにIntel製CPUを搭載したPCを無償で提供することで,イベントをIntel製CPU搭載PCを使って行わせた
4.日本AMDのCPU新製品発表イベントに参加を予定していたAMDの顧客(メーカーなどと思われる)に圧力をかけ,参加を辞退させた
5.PC雑誌の編集者に圧力をかけ,あるPC雑誌に掲載予定だったAMD製CPUに関する記事を削除させたほか,AMD製CPUの性能を検証する記事の内容を変更させた



今回の訴訟の意義について説明する柳田幸男弁護士
 日本AMDの顧問弁護士団の一人である柳田幸男弁護士は「Intelのような国際的独占企業の地位濫用を明らかにして,市場の正しい競争原理を回復すること,そして,消費者の利益を守ることが今回の訴訟の目的」としている。

 注意したいのは,これらはあくまで日本AMDの言い分ということである。断るまでもないが,審理が確定するまでは,同社が正しいのかどうか分からない。訴状そのものの公開予定はないそうなので,同社がどのような証拠をつかんでいるのかも,現時点では不明だ。

 あと気になるのは,「圧力をかけられたPC雑誌」だろうか。具体的な誌名は明らかになっていないものの,日本AMDの顧問弁護士団の一人である米山一弥弁護士は「(訴状に事実として記載するだけの)確証を持っている」と明言する。だが,いずれにせよこうした場合,当事者である雑誌名を明示しない言い方には問題があるだろう。その点について,日本AMDの責任ある説明を求めたいところだ。(佐々山薫郁)

6月30日18時50分追記:18時45分に日本AMDから「『訴訟の要約』の中で,パソコン雑誌に関する記述がございますが,私どもが現在把握しているのは、すでに廃刊になっている雑誌に関するものです」(原文一部抜粋)というメールが送られてきたので,報告しておきたい。

6月30日19時10分追記:IntelはAMDから米国で独禁法違反訴訟を起こされたことについて,最高経営責任者であるPaul Ottelini(ポール・オッテリーニ)氏のコメントを発表した。
「インテルは常に,事業展開する国々における法律を尊重しています。私たちは,顧客に最良の価値を提供するために積極的かつ公正に競争しています。これは今後も変わりません。
 過去数年,インテルは他の独占禁止法の訴訟に関わり,同様の問題に直面してきました。これらの問題のすべてで,私たちにとって満足のできる解決になりました。私たちは,AMDの申し立てに全く同意することはできません。今回の訴訟も,これまで同様,有利に解決すると固く確信しています」(以上,インテルによる日本語訳)
Athlon 64
■開発元:AMD
■発売元:日本AMD
■発売日:2003/09/24
■価格:モデルによる
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.06/20050630182455detail.html