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[E3 2005#193]JoWooDの3作品「Gothic 3」「SpellForce 2」「Panzer Elite Action」をまとめて紹介
2005/05/27 23:41
 オーストリアを拠点とするパブリッシャJoWooD Productionsのブースでは,「こちら」で紹介した「Stargate SG-1:The Alliance」以外にも,多くのタイトルが展示されていた。
 大作ではないが,どこかに見どころを持ったタイトルを数多く用意しているというのは,いかにもJoWooDらしい。それぞれにユニークな特徴を持つ作品達を,まとめて紹介しよう。(ライター:星原昭典)


■Gothic 3

 「Gothic 3」は,ドイツを中心に全世界で150万本を売り上げているという"Gothicシリーズ"の最新作。ファンタジー系のシングルプレイ専用RPGである本作のセールスポイントは,それ自体がまるで生きているかのような「ディープでインタラクティブなゲーム世界」であることだ。

 実際にどのようなことができるのか,いくつかブーススタッフに聞いたことを紹介しよう。
 例えば町の入り口にガードが立っていて,中に入ることができないとする。当然プレイヤーはなんらかの侵入方法を探すことになるわけだが,Gothic 3に用意されている正解は,一つではない。賄賂を渡して通してもらう方法もあれば,このガードを殺してむりやり中に入ることも可能だ。変わったところでは,自分を羊に変えて通過するという方法もあるという。
 このように,Gothic 3では一つのミッションに対して,最低三つ以上の達成方法が用意されているとのことだ。

 さらに本作では,ファクションも重要になっている。それぞれの神を中心とした三つの大きなファクションが存在し,プレイヤーがどの立場をとるかによって,ゲームの内容が変化していく。ミッションをどの方法で達成したのかも,このファクションに影響を与えるようだ。振る舞いによっては町に入りづらくなったり,農民に襲われるようになったりするという。

 NPCのAIの出来にも注目してほしいとのことだった。プレイヤーのファクションに合わせてNPCが態度を変化させるだけでなく,悪いことをしたくない傭兵がプレイヤーの攻撃命令を拒否したり,一度迷惑をかけた町民がその後は冷たくなったりと,文字どおりインタラクティブな反応をいたるところで目にできるとのことだ。

 ゲーム内で実行可能なことがいくつもあることを目標としたゲームデザインは,とくに欧米で人気が高い。本作も,システムに縛られることなくゲーム世界を自由に生きることが可能な,懐の広い作品に仕上がりそうである。発売は,2006年の第1四半期が予定されている。



■SpellForce II:Blend of Perfection

 日本語版も発売された「SpellForce」(スペルフォース)の続編「SpellForce II:Blend of Perfection」は,クエストを達成したり,自キャラクターを成長させたりといったRPGの要素と,数多くの兵士からなる部隊を率いるRTSの要素を融合させた作品だ。
 前作で使用されていたものとはまったく異なる新しいゲームエンジンを使用して作られており,また,数々の新要素が追加されている。

 登場する勢力はAlliance of Light,Hordes of Chaos,Brotherhood of Darknessの三つで,もちろんそれぞれに異なったヒーローと異なったユニットを持っている。さらに今作では,飛行するユニットや騎乗可能なユニットが登場するとのことだ。
 詳細は不明だが,画面上には"タイタン"と呼ばれる大型の特別なモンスターの姿も確認できた。

 成長させることのできるスキルの種類は100以上に増加し,自分のキャラクターをよりユニークにカスタマイズできるようになった。
 マルチプレイ部分も強化されており,シングルプレイで使用したキャラクターをマルチプレイに持っていけるほか,PvP,PvAI,Co-opなどの多彩なモードが実装される。また,単純に要素を追加するだけでなく,余分なところをスリムにする方向での改良も行われているようで,ワーカーユニットは1種類に統合され,ゲームの展開もよりスピーディなものになっているという。発売は2005年第4四半期の予定だ。



■Panzer Elite Action

 "Panzer Elite"と聞くと,やはりJoWooDが扱っていた硬派なウォーストラテジー「Panzer Elite」を思い出すが,この「Panzer Elite Action」は,コンシューマ機でもリリースが予定されていることからも分かるように,もっと手軽に遊べる作品となっている。

 ブースで実際にプレイしてみたが,FPSライクに戦車を操縦して,バンバンと砲撃し,敵を倒すという爽快感を重視した作りになっているようであった。
 画面内にインタラクティブな要素が多く,樹木をなぎ倒して進軍したり,視界を遮る小屋を破壊したりすることが可能だ。これらによって,戦車の持つパワーを実感できるだろう。
 ちなみに味方戦車と通信しながら,固まってゴトゴトと進軍していく様子はどことなくユーモラスだった。まるで味方戦車同士がしゃべっているようにも見えた。

 ライトに楽しめる作りになっているとはいえ,ミリタリー要素に手抜かりがあるわけではないようだ。ゲーム中には25〜30種類程度の戦車が登場する予定で,そのグラフィックスの質は高い。ザラリとした戦車表面の質感は,男子なら誰でも持っているであろう兵器への関心を刺激するのに十分なクオリティだった。破壊された車両がもうもうと上げる噴煙や,当時の写真を研究して作ったというフィールドの景観と相まって,ゲーム画面はとても奥行きが感じられるものとなっていた。

 シングルプレイのストーリーは三つのパートからなっており,プレイヤーはそれぞれでドイツ軍,ロシア軍,アメリカ軍のコマンダーとなる。
 ドイツ軍パートでは「スターリングラードの攻略」,ロシア軍パートでは「クルスクの大戦車戦」,アメリカ軍パートでは「バルジの戦い」といったように,第二次世界大戦の有名な戦いをたどっていくような展開になるようだ。
 ミッションは全部で18個用意され,中には戦車らしからぬ"スニーク色の強い"ものもあるというから面白い。発売は2005年の冬を予定している。


Gothic 3 日本語マニュアル付英語版
■開発元:Piranha Bytes
■発売元:フロンティアグルーヴ
■発売日:2007/02/02
■価格:7140円(税込)
SpellForce 2: Shadow Wars
■開発元:Phenomic Game
■発売元:JoWooD Productions
■発売日:2006/04/24
■価格:39.99ドル
→公式サイトは「こちら」
Panzer Elite Action
■開発元:ZootFly
■発売元:JoWooD Productions
■発売日:2006/03/24
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050527234108detail.html