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GeForce GTX 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/05/23
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印刷2013/05/30 22:00

レビュー

GeForce GTX 700シリーズの第2弾,“高メモリクロック版GTX 680”はありやなしや

GeForce GTX 770
(GeForce GTX 770リファレンスカード
GIGABYTE GV-N770OC-2GD)

Text by 宮崎真一


GeForce GTX 700
 日本時間2013年5月30日22:00,NVIDIAはハイエンド向け新型GPU「GeForce GTX 770」(以下,GTX 770)を発表した。型番から想像できるとおり,23日に発表された「GeForce GTX 780」(以下,GTX 780)の下位モデルに当たる。

 GTX 780は,低価格版「GeForce GTX TITAN」(以下,GTX TITAN)ともいえる構成で,「GeForce GTX 680」(以下,GTX 680)と比べると,性能も価格も高い製品となっていたが,GeForce GTX 700シリーズの第2弾となる本製品はどうだろうか。とくにGTX 680との力関係は気になる人も多いのではなかろうか。

 今回4Gamerでは,NVIDIAのリファレンスカードと,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)製のクロックアップモデル「GV-N770OC-2GD」の計2枚を入手できたので,その実力を明らかにしてみたい。

GeForce GTX 700
GV-N770OC-2GD
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売(販売代理店)
価格:未定(※2013年5月30日現在)
GeForce GTX 700
GTX 770リファレンスカード


GPUコアはGTX 680と同じGK104を採用

スペックもほぼGTX 680そのものだが,メモリは速い


GeForce GTX 700
GTX 770 GPU。ダイ上の刻印は「GK104-425-A2」だ。GTX 680だと「GK104-400-A2」だったので,「GK104」に続く3桁数字が25だけ大きくなったことになる……が,少なくともGPUコアだけ見たら,リネーム品と言われても反論できないだろう。それくらい,GTX 770とGTX 680のGPUコア仕様はよく似ている
GeForce GTX 700
GK104コアのブロック図
 GTX TITANと,その低価格版であるGTX 780のさらに下ということで気になる人も多いだろうGTX 770のGPUコアだが,もったいぶらずに言うと,「GK104」だ。つまりは,「GeForce GTX 680」(以下,GTX 680)と同じである。
 記憶力のいい読者は,「GTX 680はGK104のフルスペック製品だったのでは? 何が変わったの?」と思ったかもしれないが,実のところ,GTX 770のGPUコア自体はGTX 680から何も変わっていない

 GK104は,TSMCの28nmプロセス技術を採用して製造され,35億トランジスタを約294mm2のダイサイズに集積したGPUコアだ。Keplerアーキテクチャを採用するので,シェーダコア「CUDA Core」が192基集まって,L1キャッシュやテクスチャユニット,それにジオメトリエンジン「PolyMorph Engine 2.0」などとセットになり,演算ユニット「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX)を構成する点や,SMXが2基集まって,ラスタライザたる「Raster Engine」とセットの“ミニGPU”たる「Graphics Processing Cluster」(以下,GPC)を成す点が大きな特徴となる。
 GK104のフルスペックでは,GPCを4基搭載するので,CUDA Coreの総数は(192×2×4)で1536基。GTX 680はまさにこのフルスペックだったが,先ほども述べたとおり,GTX 770とGTX 680ではGPUコアの仕様が変わっていないため,GTX 770でもCUDA Core数は1536基になっているというわけだ。

 念のため付け加えておくと,64bit幅のメモリコントローラ4基で256bitメモリインタフェースを実現し,メモリコントローラと対(つい)になる格好で8基1パーティションのROPユニットを4パーティション搭載する仕様にもまったく変化はない。

NVIDIAの謳う「GTX 770のポイント」。グラフィックスメモリの転送速度7Gbps(※4Gamerの表記でいう「7GHz相当」)が強調されている
GeForce GTX 700
 いよいよ,GTX 770というGPUは,好意的に見てもGTX 680のリビジョンチェンジ品に過ぎないのではないかという話になってきそうだが,GTX 680との決定的な違いは,実のところメモリクロックにある。GTX 770のグラフィックスメモリクロックは,2012〜2013年のハイエンド市場向けグラフィックスカードで定番となっている約6GHz相当ではなく,約7GHz相当,具体的には7010MHz相当(実クロック1752.5MHz)へと,大幅に引き上げられているのだ。
 NVIDIAのパートナー各社から登場しているクロックアップ版GTX 680カードに,メモリクロック7GHz超級を実現した製品は(少なくとも筆者の知る限り)ないので,この点がGTX 770における最大の特徴ということになるだろう。

 ちなみにGTX 680は,ハイエンドGPUとしてはメモリバス帯域幅が狭く,結果として超高解像度環境でスコアを落とす傾向があった。その点,メモリクロックが7GHz超級へと引き上げられたGTX 770では,メモリクロック分の約16.7%,具体的には192.26GB/sから224.32GB/sへとメモリバス帯域幅が広がり,弱点に手が入ったことになる。
 384bitメモリインタフェースを持つGTX TITANやGTX 780,あるいは競合の「Radeon HD 7970 GHz Edition」(以下,HD 7970 GE)だとメモリバス帯域幅は約288GB/sあるので,まだギャップは20%以上も開いているわけだが,縮まったのは確かだ。

GeForce GTX 700
後述するテスト環境で試したところ,リファレンスカードの最大ブーストクロックは1149MHzだった。GTX 680リファレンスカードだと同1110MHzだったので,(個体差を無視すれば)3.5%程度は最大ブーストクロックが上がった計算になる
GeForce GTX 700
GTX 770の主なスペック。グラフィックスメモリ2GBモデルだけでなく4GBモデルも用意される
 一方,GPUコア側の動作クロックはベース1046MHz,ブースト1085MHzと,GTX 680の同1046MHz,1058MHzから若干上がっているが,この程度はカードメーカー各社のクロックアップ版GTX 680でも実現されていたので,とくに目新しさはない。

 なお,GTX 770では,GTX TITANやGTX 780と同じく,「GPU Boost 2.0」が実装されており,これもGTX 680との差別化要素となる。もちろん,GPU Boost 2.0の目玉機能である「Temperature Target」(温度ターゲット)はGTX 770でも利用可能だ。詳細はGTX TITANの解説記事を参照してほしいが,GTX 770では,Temperature Targetのサポートで,GPUコアの温度に余裕がある場合に,より高い動作電圧を許容して,より高いGPUコアクロックを狙えるようになっている。

 そんなGTX 770のスペックを,従来製品や競合製品ともどもまとめたものが表1だ。



リファレンスカードはGTX 780そっくり

GIGABYTEはオリジナル基板を採用


 ここからは入手した2枚のカードを順に見ていこう。

■GTX 770リファレンスカード

 まずはGTX 770リファレンスカードだが,その外観はGTX 780のリファレンスカードとほとんど同じ。ぱっと見の違いはGPUクーラー上の刻印くらいである。

GTX 770とGTX 780両リファレンスカードを並べたところ。いずれも左がGTX 770だ。GPUクーラー上の刻印と,基板背面でレイアウトが異なっているという違いはあるものの,ほぼ同じと述べて差し支えない
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

PCI Express補助電源コネクタは6ピン+8ピン構成。GTX 680よりも規模は大きくなった
GeForce GTX 700
 そういう状態なので,カード長は実測266.7mm(※突起部含まず)と,もちろんGTX 780リファレンスカードと同じ。PCI Express補助電源コネクタが6ピン×1,8ピン×1という構成なのも,GTX 780リファレンスカードから変わらずである。
 GTX 680のリファレンスカードだとカード長は実測253mm(※突起部含まず)なので,GTX 680比だとちょっと長くなったことになるが,そうなった理由は一にも二にも,GTX 780やGTX TITANと同じGPUクーラーを搭載したためだろう。

GeForce GTX 700
 そのGPUクーラーは,見た目はもちろんのこと,「Vapor Chamber」(ヴェイパーチャンバー)を搭載していたり,70mm角相当のブロワーファンを採用していたりといった,細かな仕様もGTX 780やGTX TITANのリファレンスカードから変わっていない。カバー部の刻印を除けば,その仕様はまったく同じものなのではないかと思われる。

GPUクーラーを取り外したところ
GeForce GTX 700
 一方,GPUクーラーを外したところで見える基板は,搭載するGPUコアが異なるためか,GTX 780リファレンスカードのそれとは外観が変わっている。GPUコアとグラフィックスメモリチップの枚数が異なるのは当然として,GTX 780だとぱっと見てすぐに6+2フェーズ構成と推測できるのに対し,GTX 770の場合,合計6フェーズなのは分かるが,GPU用とメモリ用の内訳は分からないというのも,大きな違いといえそうだ。
 4+2フェーズ構成だったGTX 680と比べて電源回路の規模が大きくなっているかは何ともいえないところである。

GTX 770(左)とGTX 780(右)の両リファレンスカードで基板を比較してみたところ。デザインはいろいろと異なる
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GDDR5メモリチップ
GeForce GTX 700
 なお,動作クロック7GHz超級を実現するGDDR5メモリチップは,Samsung Electronics製の「K4G20325FD-FC28」(0.28ns,2Gbit)だった。8枚搭載してグラフィックスメモリ容量2GBを実現するところはGTX 680リファレンスカードと同じだ。


■GV-N770OC-2GD

GV-N770OC-2GDではブーストクロックが1241MHzへ達した
GeForce GTX 700
 一方のGV-N770OC-2GDは,冒頭で紹介したとおりのクロックアップモデルで,コアクロックは定格の1046MHzから1137MHzに,ブーストクロックは定格の1085MHzから1189MHzへと,それぞれ10%弱ずつ引き上げられている。メモリクロックはリファレンスどおりの7010MHz相当だ。
 なお,後述するテスト環境で試した限り,ブーストクロックは1241MHzまで上がったのを確認できている。

GV-N770OC-2GD。GTX 770リファレンスカードと同じく,基板の背面側にメモリチップは搭載しないデザインになっていた
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

 カードサイズは実測278mm(※突起部除く)と,リファレンスカードより11mmほど長い。ただ,基板自体は実測253mmと,GTX 680リファレンスカード並みになっていた。GIGABYTE自慢のGPUクーラー「WINDFORCE 3X」が基板後方へはみ出しているため,カード長が長くなっているわけである。

GV-N770OC-2GDとGTX 770リファレンスカードを並べたところ。カードの全長はGV-N770OC-2GDのほうが長いものの,基板長自体はリファレンスカードのほうが長かった
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

従来のWINDFORCE 3Xクーラーは,ファンの角度が微妙に異なっているものもあるが,GV-N770OC-2GDが搭載するWINDFORCE 3Xは,見る限り,標準的な角度でファンが配置されているようだ
GeForce GTX 700
 GV-N770OC-2GDが搭載するWINDFORCE 3Xクーラーは,3基搭載する80mm角相当のファンと,ヒートシンク&フィン部の一部に用意する傾斜によってエアフローを制御し,最適な空気の流れを作るというのがウリ。また,2ブロックに分かれたヒートシンク&フィン部は太い径のヒートパイプ2本と標準径のヒートパイプ4本で接続されている――正確を期すと,2つのブロックをつないでいるのは5本だが,ヒートパイプ自体は6本用意される――など,なかなか豪勢な作りになっている。

WINDFORCE 3Xクーラー単体。エアフローを重視した設計なのが,ヒートシンクのデザインからよく分かる
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GeForce GTX 700
GPUは銅板,メモリチップは熱伝導シート経由でそれぞれヒートシンクと接触する
GeForce GTX 700
基板に寄ったところ
 GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,取り外した時点で保証は受けられなくなる。その点はくれぐれも注意してほしいが,今回,あえてクーラーを取り外してみると,GTX 770リファレンスカードとも,GTX 680リファレンスカードとも異なるデザインの基板が姿を見せた。PCI Express x16インタフェースの近くにGIGABYTEロゴと製品名がシルク印刷されていることからしても,GIGABYTEオリジナル基板だと見てよさそうだ。

 電源回路は見る限り8+2フェーズで,リファレンスカードより規模が大きい印象を受ける。一方,GPUやメモリチップ周りのデザインはリファレンスカードと同じで,搭載するメモリチップもリファレンスカードと同じだった。

GeForce GTX 700
電源部は見る限り8+2フェーズ。回路のデザインはGIGABYTEオリジナルと思われる
GeForce GTX 700
搭載するメモリチップはリファレンスカードと同じK4G20325FD-FC28である


リファレンスカードとGV-N770OC-2GDの両方をテスト

比較対象のスコアはGTX 780レビュー時のものを流用


 テストだが,今回のシステムは表2のとおり。比較対象となるGPUは,表1でその名を挙げたGTX 780とGTX TITAN,GTX 680,HD 7970 GEとなる。もちろん,GTX 770のテストにはリファレンスカードとGV-N770OC-2GDの両方を用いるので,グラフ中は前者をGTX 770,後者をGBT 770 OCと書いて区別する。


 ちなみにこのテスト環境は,GTX 770カードの2枚を追加したことを除けば,GTX 780テスト時のものと完全に同じだ。また,

  • テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション14.0準拠とした
  • テスト解像度は1920×1080ドットと2560×1600ドットの2パターンとした
  • テストに用いるCPU「Core i7-3970X Extreme Edition/3.5GHz」では,テスト時の状況によって自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の挙動が変わる可能性を排除すべく,同機能をマザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化した

という点でもまったく変わらないため,今回,GTX 770の2製品以外のスコアはすべてGTX 780のレビュー記事から流用することにした。この点はあらかじめお断りしておきたい。

外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,DisplayPort×1,HDMI×1。GTX TITANやGTX 780と同じだ。外排気がそれほど重要ではないGV-N770OC-2GDでは排気孔が一部塞がったブラケットデザインになっていた
GeForce GTX 700
 GTX 770のテストに関わる話をしておくと,同GPUを搭載したグラフィックスカード2枚のテストに用いるドライバは,NVIDIAから全世界のレビュワーに配布された「GeForce 320.18 Driver」で,これ自体はGTX 780のレビューに用いたものとまったく同じである。NVIDIAはGTX 780の発表に合わせ,レビュワー向けと同じバージョン番号でWHQL認証を得た公式最新版ドライバも公開しているが(関連記事)この公式最新版ドライバだとGTX 770はサポートされていないので,「公式最新版と基本的に同じものだが,GPUサポートの異なる320.18ドライバを使っている」という認識をしてもらえればと思う。

 なお,GTX TITANとGTX 680のスコアを320.18 WHQLベースで計測し直さず,「GeForce 320.14 Driver Beta」で取得したスコアを流用する理由は,5月24日の記事で指摘しているように,320.18 WHQLとの間に最適化周りの違いがないためである(※もちろんスケジュールの都合というのもあるが)。
 一方,北米時間5月29日に公開された「Catalyst 13.6 Beta」をHD 7970 GEのテストに用いていないのは,純粋にスケジュールの都合による。


GTX 780比で80%強,GTX 680比で115%程度の性能

クロックアップの効果は相応にある


 以下,3D性能のグラフは,基本的に主役の2製品を一番上とし,あとはGeForce→Radeonの順で並べてあるが,グラフ画像をクリックすると,「3DMark」(Version 1.1.0)はスコア順,ゲームアプリケーションベンチマークは解像度2560×1600ドットのスコア順で並べ替えたグラフを表示するようにしてある。このことを最初にお知らせしつつ,順に見ていこう。

 グラフ1は3DMarkのスコアで,GTX 770は,GTX 780比で81〜82%,GTX TITAN比で74〜76%,GTX 680比で108〜109%,HD 7970 GE比で98〜99%というスコアになった。GTX 780のレビュー記事でも指摘したとおり,GTX TITANとGTX 780の間にそれほどのスコア差はないのだが,それと比べると,GTX 780とGTX 770のスコア差はかなり大きい。
 一方でGTX 680とのスコア差は1割に満たず。GTX 770はあくまでもGTX 680の高クロック版といった印象であり,GTX 780の下位モデルとして見ると,スコアはやや離されすぎな印象が否めないところだ。

 なお,GV-N770OC-2GDは,GTX 770リファレンスカードに対して約6%高いスコアを示し,“2番手グループ”の中で気を吐いている。

GeForce GTX 700

 実際のゲームアプリケーションを前にするとどうか。「Far Cry 3」の結果をまとめたグラフ2,3だと,GTX 770のスコアは対GTX 780比で84〜91%程度となった。グラフィックス描画負荷が低い局面では差を詰めるが,高くなると3DMarkと似た傾向になっていく。
 GTX 680に対して1〜4%しかスコア差を付けられていないのも気になるところだが,Far Cry 3は,メモリ周りの仕様が似通っている場合,比較的素直にGPU性能差を出すので,GPUがほとんど変わっておらず,動作クロックにもそれほど大きな違いのない影響が出ているといえるだろう。その証拠に,GPUクロックが大きめに引き上げられたGV-N770OC-2GDでは,GTX 770リファレンスカードに対して7〜14%高いスコアを示せている。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 グラフ4,5にテスト結果を示した「Crysis 3」でも,GTX 770とGTX 780の力関係は変わらず。「標準設定」では対GTX 780で89〜90%に留まるGTX 770ながら,「高負荷設定」では82〜84%と,スコア差が広がる。
 GV-N770OC-2GDとGTX 770リファレンスカードの関係性は,3DMarkやFar Cry 3とほぼ同じ。GV-N770OC-2GDはリファレンスカードに対して4〜11%高いスコアを示した。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 Far Cry 3やCrysis 3と比べると描画負荷がかなり低くなり,いきおいグラフィックスメモリ負荷も低くなる「BioShock Infinite」のスコアがグラフ6,7だ。解像度や負荷設定にかかわらずGTX 770はGTX 780比で86〜87%程度のスコアにまとまっているため,これがGTX 770とGTX 780との間にあるGPUの実力差ということになりそうである。
 GTX 680に対してGTX 770が1〜3%程度,GTX 770に対してGV-N770OC-2GDが6〜9%高いスコアというのは,おおむねGPUクロックどおりと述べていいだろう。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 公式の高解像度テクスチャパックを導入することでグラフィックスメモリ負荷は大きく高めてある一方,2013年のハイエンドGPUにとって演算負荷自体は高いものでなくなっている「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)のスコアをまとめたものがグラフ8,9だ。

 ご覧のとおり,標準設定では負荷が低すぎてスコアの頭打ちが発生しているため,ここでは「Ultra設定」の結果を見ていくが,GTX 770が示す対GTX 780のスコアは,1920×1080ドットで約85%のところ,2560×1600ドットでは約75%にまで落ち込んでいく。HD 7970 GEの逆転を許すどころか,2560×1600ドットでは対HD 7970 GE比でも約89%のスコアしか示せていないのも示唆的で,極端にグラフィックスメモリ負荷の高いゲームを前にすると,GTX 680と同じく,GTX 770も足回りの弱点を露呈する可能性があることは押さえておきたい。
……もっとも,実フレームレートは60fps超なので,2560×1600ドットでもまずまずの体感速度でプレイできることは期待できるのだが。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 続いて「SimCity」のテスト結果をまとめたものがグラフ10,11となる。SimCityは,今回取り上げたようなGPUからすると描画負荷が低めのタイトルだが,そうなると,BioShock Infiniteと同じように,解像度やグラフィックス設定にそれほど左右されず,GPU間で一定のスコア差がつくようになる。GTX 770はGTX 780の88〜9%程度,GTX 680の101〜104%程度だ。また,こういうテスト条件だとGPUクロックの引き上げが有効であるということも,GV-N770OC-2GDのスコアからは見て取れよう。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 BioShock InfiniteやSimCityと同じく,ハイエンドGPUにとっては負荷の低いゲームアプリケーションとなる「F1 2012」の結果がグラフ12,13で,標準設定だとスコアは全体に頭打ち気味だ。そこで高負荷設定を見ていくと,ここではなかなか面白い傾向が見られる。高負荷設定でグラフィックスメモリ負荷が高まることを受け,GTX 770のスコアはGTX 780比で82〜95%となる一方で,GTX 680に対しては17〜18%程度と,ここまでで最も大きなスコア差を付けるのだ。メモリ性能+α分なので,GTX 770が持つ動作クロック分の優位性がほぼそのままスコアに反映されたような印象である。
 スコアの頭打ちがまず生じていないと思われる2560×1600ドットで,GTX 770に対し,GV-N770OC-2GDがやはりほぼGPUコアクロック分となる約9%のスコア差をつけているのも興味深い。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700


GTX 680から消費電力が最大35W増加

GPUクーラーの冷却性能はGTX 780とほぼ同じ


GeForce GTX 700
 GTX 770のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は230W。GTX 780の250Wから下がってはいるものの,GTX 680の195Wと比べれば35Wも増加してしまっている。PCI Express補助電源コネクタの仕様もGTX 680の6ピン×2(合計225W仕様)からGTX 770ではGTX 780やGTX TITANと同じ6ピン+8ピン(合計300W仕様)へと変わってしまっているわけだが,消費電力はGTX 780とGTX 680のどちらに近くなるのか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用い,システム全体の消費電力で比較を行ってみよう。

 テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイの電源がオフにならないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時とすることにした。

 その結果がグラフ14で,アイドル時に大きな違いはない。そこでアプリケーション実行時に目を移すと,GTX 770はGTX 780と比べて17〜47W低い一方,GTX 680に対してはCrysis 3で「むしろ1W低い」という結果になったのを除けば,8〜33W高い結果となった。
 GK104が35億に対しGK110は71億と,見事に倍のトランジスタ数があることを踏まえると,GTX 780に引き離されたのは妥当といったところだが,GTX 680とのスコア差を見るにつけ,動作クロックの引き上げ,とくにメモリクロックの引き上げが消費電力に与えるインパクトは小さくなさそうだ。
 なお,GV-N770OC-2GDの消費電力はGTX 770リファレンスカード比でさらに13〜32W高いものとなっている。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
GeForce GTX 700

 3DMarkの30分間連続実行時点を「3DMark時」とし,アイドル時ともども,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.7.1)からGPU温度を取得した結果がグラフ15だ。
 テスト時の室温は24℃で,システムはPCケースに組み込まない,いわゆるバラック状態に置いたときのものとなる点に注意してほしい。

 今回テストしたグラフィックスカードのうち,GTX 770とGTX 780,そしてGTX TITANでは(おそらく)まったく同じGPUクーラーを搭載しているわけだが,結果,3製品のGPU温度はアイドル時,高負荷時ともほぼ同じになった。同じクーラーを搭載し,同じようにTemperature Targetが設定されているので,この結果は妥当と述べていいだろう。
 なお,WINDFORCE 3Xクーラーを搭載するGV-N770OC-2GDのGPU温度はさすがに低く,3連ファン仕様の大型GPUクーラーを搭載するメリットが出ている。


 気になるGPUクーラーの動作音だが,毎度,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,GTX 770とGTX 780の間に大きな違いは感じられない。GTX 780のときと同様,NVIDIAはGTX 770のクーラーがGTX 680のそれより静かで,かつ,動作音の変動も少ないとアピールしているのだが,実際にはだいたい同じ感じだ。「ハイエンド市場向けグラフィックスカードとして,うるさいというほどではない」という感じである。
 一方,GV-N770OC-2GDのWINDFORCE 3Xクーラーは,それらと比べると明らかに静かだ。「Radeon HD 7990」の3連ファン搭載クーラーほどの驚きはないが,少なくともGTX 770リファレンスクーラーと比べて動作音が小さいことは断言してしまって問題ないだろう。


その実態は“GTX 685”もしくは“GTX 680 Ti”

メモリ性能は確かに上がったが……


 以上のテストから,GTX 770は,GTX 680と比べると,メモリクロック分は確実に性能向上が見込める一方で,その分,消費電力も増大した製品とまとめることができそうだ。イメージとしては“GTX 685”あるいは“GTX 680 Ti”といったところ。メモリクロックを除けば,目新しい部分はGPU Boost 2.0くらいなので,GTX TITANの低価格版という位置づけであるGTX 780以上に地味な印象が拭えない。

北米市場におけるメーカー想定売価は399ドルとされている
GeForce GTX 700
 なおNVIDIAによれば,日本市場における搭載グラフィックスカードの想定売価は4万9980円前後とのことだ。GTX 680カードの実勢価格はグラフィックスメモリ2GB版で4万6000〜5万8000円程度(※2013年5月30日現在)なので,最安値ではGTX 680より高くなりそうであるものの,おおむね置き換えるような感じになるのではなかろうか。なので,「GTX 770の登場で値下がりしたGTX 680を狙う」というのでなければ,4万円台後半から5万円台におけるグラフィックスカードの選択肢は,今後,GTX 770になるはずである。
 あるいは,GV-N770OC-2GDのようなクロックアップモデルだと,GPUクロックを引き上げた効果が相応に出るので,予算に余裕があるならそちらを狙うのも悪くないだろう。

 型番整理の都合上,GeForce GTX 700シリーズでGeForce GTX 600シリーズを置き換えなければならないNVIDIAにとっては必要な1ピース。GTX 770というのは,そういうGPUである。

GeForce製品情報ページ

GeForce公式ページ「GeForce.com」(英語)

  • 関連タイトル:

    GeForce GTX 700

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