祖堅正慶氏のハードスケジュールが暴露された「Before the Fall: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」発売記念トークライブをレポート

　「「ファイナルファンタジーXIV：新生エオルゼア」（PC / PS4 / PS3 / PC / Mac / PS4 / PS3）」パッチ2.xの楽曲を収録したサウンドトラックCD「Before the Fall: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」が8月26日に発売された。その発売を記念したストアイベントが同日の21：00に，タワーレコード新宿店のイベントスペースにて開催されたので，本稿ではその模様をレポートしよう。

「Before the Fall: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」公式サイト

「ファイナルファンタジーXIV：新生エオルゼア」公式サイト

「ファイナルファンタジーXIV：蒼天のイシュガルド」公式サイト

　発売されたサウンドトラックCDには，パッチ2.2，パッチ2.3，パッチ2.4，パッチ2.5の楽曲が収録されている。プレイヤー目線で簡単に説明すると，「リヴァイアサン」や「ラムウ」「シヴァ」，「シルクスの塔」に「闇の世界」，「フロントライン」や「ゴールドソーサー」，「ハード：ハラタリ修練所」から「スノークローク」などの曲が収録されている。ちなみに，筆者のお気に入りの曲は大迷宮バハムート：真成編3で流れる「灰より生まれし者」。何時間聴いていたか分からない，良い思い出だ……。
　
　今回のイベントは，「ファイナルファンタジーXIV」のサウンドディレクター祖堅正慶氏が登壇してのトークライブ＆サイン会となっていた。サイン会は整理券が必要なのだが，予約分以外は早々に配布が終了したようだ。


　イベントスペースには，かなり多くの人が集まったため，トークライブは定刻より少し早めの開始となった。「Pa-Paya」の軽快なBGMに合わせて祖堅氏が登壇すると「なんでPa-Payaなんだよ！もう1回。もっと荘厳なやつ。」と，BGMにリクエストをつけて会場は大爆笑。そのまま祖堅氏は一度退場し入場がやり直しになった。再度，祖堅氏が登場すると，その頭には荘厳な召喚士の頭防具が装備されていた。しかしBGMはやっぱり「Pa-Paya」だった。


　トークコーナーに入る前に，ステージ上で重大なニュースが発表された。なんと，この「Before the Fall: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」がオリコンの8月25日付デイリーCDアルバムランキングで1位を獲得したのだ。その発表を聞いた瞬間，会場からは大きな歓声と拍手が祖堅氏に送られた。「うそでしょ？明日にはどうせ0が1個増えて10位になってるから！」と，さすがの祖堅氏もかなり驚いた様子だった。
　
　お待ちかねのトークコーナーでは，祖堅氏が司会者や来場者からの質問に答えるという質疑応答形式で，楽曲の制作秘話や，日頃から忙しいと噂の仕事のスケジュールが明らかとなった。
　最初に「お気に入りの曲はあるんですか」という質問に，「作ってるときのことなんか何も覚えてないんですよ。このサントラには，全曲にコメントを付けています。今回は61曲あるんですが，61曲分の愚痴がそこに書かれています！是非，ご覧になってください。」と答え，さらに「しかも，このコメントを書いてるときって，『蒼天のイシュガルド』の作業が大詰だったんですよ。結局間に合わなくて，編集作業の横でコメントを書いていたので，どこかのコメントに“今，（蒼天のイシュガルドの）○○って曲を編集しています。”って書いてます。」と一番最初の質問から，噂のハードスケジュールが露わになる回答だった。


　会場に駆け付けたプレイヤーに「何かお気に入りの曲ある？」と祖堅氏が聞くと，「雪上の足跡〜蛮神シヴァ前哨戦〜」や「リヴァイアサン」などの声があがった。祖堅氏は「リヴァイアサンは3曲入ってるからね。」と今回プレイヤーからの熱い要望で収録された，女性ボーカル版の紹介をしていた。ちなみに，リヴァイアサンの楽曲は，喫煙所でアニー先輩こと白杉浩嗣氏に肩を叩かれた瞬間に頭に鳴り響いて出来上がったという，制作秘話も明かされた。
　
　続いて「開発スタッフから人気だった曲は？」との質問に，「バトルチームの権代光俊さんはシヴァの後半（忘却の彼方〜蛮神シヴァ討滅戦〜）とか，スノークローク（秘密坑道〜氷結洞窟 スノークローク大氷壁〜）が好きらしいよ。」と回答。まったく曲調が違う2曲に「よく分かんない人だよね。」とつぶやいて会場の笑いを誘っていた。


　スタッフが用意していた質問にすべて答え終わったところで，会場にいるプレイヤーから質問を求めることに。
　
Q.曲を作っているときの息抜きはどうしているんですか。
A.曲だけじゃなくて，ボイスや効果音の編集，後輩たちの評価，部署間の闘争とか，そういうこともやってるから1日中曲に浸っているということもないので，気が付いたら息抜きできてます。

Q.今まで食べたキャベツ太郎の数を教えてください。
A.総生産量の10分の1ぐらいは食べてるんじゃないですかね。

Q.いつ寝てるんですか。
A.自分でもよく分からないけど，気が付くと寝てます。2，3時間は寝てますよ。寝られない日も……。いや寝られる日もありますよ！

Q.寝られる日“も”あるんですか？　寝られない日のほうが多いんですか。
A.寝られない日の方が……いやいや，寝れますよ。何言ってるんですか（笑）。僕はどこでも寝られますよ。大江戸線でよく寝ています。

Q.納期が一番厳しかった曲は？
A.曲ではないですが，パッチ2.5。パッチ2.5の締切日がファンフェスティバルの翌日で，ライブをやった数時間後にはデスクの前で仕事してましたからね！

Q.1週間休みをもらえたら何をしたいですか。
A.11年間行けていないRISING SUN ROCK FESTIVALに行きたいです。

　質問が終わると，ステージ上で生演奏が行われることに。「出がけに聞いてびっくりした。なんで言わないの！」と，スタッフに愚痴を言うシーンもあったが，ここでは「蒼天のイシュガルド」から「HEAVENSWARD」と今回のサウンドトラックCDにも収録されている「魔大戦の傷跡 〜腐敗遺跡 古アムダプール市街〜」が演奏された。


　演奏後はサイン会が行われ，新宿タワーレコードには長蛇の列が出来上がった。スタッフに聞いたところ，今回配布した整理券は約300枚にもおよぶとのこと。祖堅氏は短い時間ながらも，参加者一人一人に声をかけながらサインをして約2時間にも及ぶイベントは終了した。



　ちなみに，このサウンドトラックにはお馴染みの「シークレット」楽曲が存在している。今回はとても「イイ」言葉がパスワードになっているとのこと。入力はアルファベットの半角で2文字だ。
　また，特典のミニオン「ザ・プライモグズ」はCDについている帯の裏にシリアルコードが記載されているので，捨ててしまわないように注意しよう。