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印刷2013/11/20 00:00

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VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート

 AMDが米国で開催していた開発者向けイベント「AMD Developer Summit 2013」(略称,APU13。以下略称表記)では,AMD以外の企業による講演も多数実施された。そんなAPU13の会期3日目に,ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)「Rift」の開発元として名高いOculus VRのCEOであるBrendan Iribe氏が,「Virtual Reality - A New Frontier in Computing」と題した基調講演を行った。

画像集#001のサムネイル/VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート
E3 2013でRiftを体験中の筆者
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Brendan Iribe氏(CEO,Oculus VR)

 Iribe氏は,クラウドゲームサービス企業であるGaikaiのChief Product Officerや,ゲーム用UIミドルウェアメーカーであるScaleformのCEOを歴任した経歴の持ち主で,Oculus VRには2012年に入社したという。ゲーム技術やゲーム関連ビジネスに精通した氏は,基調講演の中で,Riftの次期バージョンや将来に向けた課題,そしてハードウェアとソフトウェアの革新に関する持論を披露した。興味深い内容が満載だった講演の概要をレポートしたい。


次期バージョン「Rift V1」では6自由度の検出が可能に


 そもそもRiftがどういった製品で,何ができるのかについては,4Gamerでもたびたび記事にしているので,それらの記事を参照してほしい。ここではごく簡単に述べよう。

仮想現実HMD「Oculus Rift」の開発者向けキットを入手したのでさっそく使ってみた。これがゲームの未来か?


 Riftは,顔の前につけるゴーグルの中に,中央を縦に仕切った1枚の液晶パネルを置き,拡大光学系レンズを通して,その映像を左右の目それぞれで見るという,シンプルな構造のHMDである。
 HMDで“光学的な歪み”のない映像を見せるには,高価なレンズを多数組み合わせる必要があった。しかし,Riftは歪みが出ることを承知で安価なレンズを使い,歪みをキャンセルするようにわざと歪ませた映像をGPU側でレンダリングさせることで,レンズを通して表示された映像は正常に見えるという仕組みを採用したことが,既存のHMDと大きく異なる点だ。
 また,Riftの内部には,角速度センサーと加速度センサー,磁気センサーが内蔵されており,装着者が頭を動かす動きを,上下,左右,時計回り/反時計回りの3軸自由度(3 Degrees of Freedom。以下,3DOF)で検出する「モーショントラッキング」機能を備えている。ゲーム側はこの情報をもとにして,プレイヤーが見ている方向の映像を表現できるというわけだ。

Riftの液晶パネルには,このようにGPU側で歪ませた映像が表示される。これをレンズ越しに見ると,アスペクト比16:9のゲーム画面に見える
画像集#012のサムネイル/VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート

 Riftではどのようなゲームを実現できるのか。その例として,CCP Gamesが開発中のシューティングゲーム「EVE Valkyrie」を,Riftでプレイしたデモムービーを掲載しておこう。これを見ると,プレイヤーがコクピットの中で任意の方向を見て敵を確認したり,追いかけている敵の動く先を見ている様子が分かり,Riftならではの圧倒的な没入感が伝わってくるだろう。
 ちなみにこのゲームは,Riftの製品版が発売されるタイミングに合わせてリリースされる予定とのことだ。


 Riftの開発者向けキットは,液晶パネルに7インチタブレットに使われる程度のサイズと解像度を備えた安価なものを使用し,レンズもシンプルな構造をしているおかげで,300ドルという低価格を実現している。だがIribe氏は,「Rift最大の特長は低価格ではなく,むしろモーショントラッキングにあり,その機能を圧倒的な低遅延で実現していることこそが,最大の訴求点だ」と述べている。

6種類の動きを検出可能にしたRift V1が,もうじき発売されるとのこと
画像集#015のサムネイル/VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート
 現在提供されている開発者向けキットは,あくまでもプロトタイプであり,Oculus VRでは製品版の開発を進めている最中だ。次にリリースする予定の「Rift V1」では,現在の3DOFに,左右移動,上下移動,前後移動を加えた6種類の動き(6DOF)を検出可能にしたものになるという。なお,最終的な製品版のリリース時期については,今回も公表されていない。


開発者向けキットで見えたRiftの課題は「表示遅延」

その解決方法とは?


 Iribe氏は開発者向けキットのリリースによって,「製品版で解決すべき課題が,いくつか見えてきた」と述べる。その1つが,遅延時間のさらなる短縮だ。

 下の図を元に説明しよう。Riftが検出した頭の動き情報は,USB経由でPCに送られる。ここでまず約1msの時間を要する(図左の「USB」部分)。次に,PC側のゲームが60fps(60Hz)でレンダリングされていた場合,動き情報を受信してから映像が生成されるまで,約16msの遅延が発生する(図左下のGame Engine)。
 さらに,PCから映像が出力されて,リフレッシュレート60Hzの液晶パネルに書き込まれるまでに,約16msを要する(図右下のWrite Display)。そのうえ,開発キットに採用された液晶パネルは,応答速度が最長で16msであるため,書き込まれた映像が正しい表示状態になるまで,さらに16msがかかる(図右のPixel Switching)。
 つまり,プレイヤーが頭部を動かして,その動きに追従した映像が表示されるまで50ms弱,ほぼ3フレーム分に近い時間を要するわけだ。これだけ表示遅延があると,ゲームによってはプレイに支障を来すこともあるだろう。

Riftの開発者向けキットでは,入力から表示までこれだけの時間がかかっていた
画像集#013のサムネイル/VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート

 そこでIribe氏は,「この時間を15msまで縮めることが,Riftの当面の目標だ」と述べた。具体的には,ディスプレイパネルに応答速度1ms以下の有機ELパネルを採用して,Pixel Switchingを大幅に短縮するほか,リフレッシュレートを90Hz(90fps)程度にまで高めることで,Write Display部分の時間を11msにまで短縮することを狙っているという。

Iribe氏が目標として挙げた,入力から表示までの時間。ディスプレイパネルの変更やリフレッシュレートの高速化のほかに,ゲーム側の改良も求めている
画像集#014のサムネイル/VRディスプレイがゲームの表現を変える? 次期バージョン「Rift V1」の話題も出たAPU13基調講演レポート

 だが,“所要時間15ms以下”を実現するには,「Rift側だけでなくゲームエンジン側のメカニズムにも改良が必要になるだろう」と,Iribe氏は訴える。
 現状では,ゲーム側の所要時間が16msとなっていたが,目標とする所要時間の図では,これが2msまで短縮されている。フレームレートにすれば500fpsでの表示に相当するわけで,明らかに現実離れした数字だ。
 もちろん,Iribe氏は「500fps(500Hz)で表示できるゲームを作れ」と言っているわけではない。氏が言いたいのは,「ゲーム映像のレンダリングシステムと,各種センサーからの測定値を処理するゲームロジック側の動作を,非同期にすべきである」ということだ。

 レンダリングシステムは,有機ELパネルのリフレッシュレートと同じ90fpsを表示できるように動作させる。その一方で,各種センサーからくる測定値(頭の動きや傾き)の処理は,レンダリングとは非同期に500fpsの高周期で行わせておく。そのうえで,あるフレームを描画するときには,前に描画したフレームでの測定値から現在までの測定値を累積的に処理して,フレームの描画に反映させるのだ。
 これは,Xbox 360用のレーシングゲーム「Forza Motorsport」シリーズが採用した手法に似ている。Forza Motorsportのレンダリングシステムは60fps単位で動いているが,物理シミュレーションはそれと非同期に,360fps(360Hz)相当で動作しているのだ。これを踏まえて考えれば,500fpsでの処理が決して非現実的な要求ではないことが想像できるだろう。

 こうすることで,描画される映像は90fps間隔でも,映像の動き自体は,プレイヤーからの入力を500fps相当で反映したものにできるため,「プレイヤーにはとても自然に感じられるようになる」とIribe氏は述べていた。

 Iribe氏によれば,この所要時間15ms以下の“有機EL版Rift”は,「近い将来に実現可能であることを,確信している」とのこと。実際,すでに所要時間20ms以下を達成した有機EL版Riftが存在しており,Oculus VRの社内や,協力関係にあるValveでテスト中なのだそうだ。
 この有機EL版Riftが,製品版として登場したら面白いところだが,さすがに現時点では,販売するかも含めて「まったく未定」(Iribe氏)とのことだった。

 ちなみに,Oculus VRが遅延問題に続く目標としている課題は,「プレイヤーの手の描画」だという。視界が完全に仮想世界に取り囲まれて,没入感が高まれば高まるほど,プレイヤーは「自分の手が見えないこと」に違和感を覚え始めるという報告が出ているそうだ。
 「これを実現するには,Rift側にカメラを搭載するといった工夫が必要だろう」と,Iribe氏は述べていた。


「ゲーム映像表現は30年間進化していない」(Iribe氏)


 Iribe氏による基調講演では,Riftのロードマップや課題だけでなく,「Riftによってどのようなゲームの映像表現が可能になるのか」といった話題も語られた。というより,Iribe氏が基調講演の主題としたのは,むしろこちらのほうだ。

 Iribe氏はまず,「ハードウェアとソフトウェア」の関係性について語った。「新しいハードウェアがコンテンツ(ソフトウェア)の革新をもたらし,革新的なコンテンツは,それを動かせる新しいハードウェアの販売を促進する」というのは,至極当たり前の理屈だと誰もが思うだろう。しかしIribe氏は,「これをゲームに当てはめてみると,その“進化の方向性”が変化しなかったのではないかと思えてくる」というのだ。

 「8bit CPU時代のPCやゲーム機は,8〜256色といった限りある色数と,数百×数百ドット程度の解像度でゲームを表現していたものだ。それが32bit時代に入ると,リアルタイムの3Dグラフィックスでゲームを表現できるようになり,ゲームファンを熱狂させた。そしてゲーム開発者もまた,“各時代の最新ゲームグラフィックス表現”に夢中になったわけだが,これを冷静に概観すると,ただ解像度と色数が増えて,そして各ピクセルに適用できる演算量が,劇的に増加しただけといえなくもない」と,Iribe氏は振り返る。つまり,表現力の進化が,「写実的な映像を表現する」方向だけに偏っていたのではないか,というわけだ。

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講演で提示されたグラフィック表現の例。左は,Apple II用に1982年に登場した「Ultima II」で,右は2012年に登場した「RAGE」の画像。劇的な変化を遂げはしたが,その方向性は偏っていたのではないかと,Iribe氏は問いかける

「スマートフォンのゲーム映像は,ゲーム機に迫るようになった。だからといって,そのゲーム映像体験が,ゲーム機を上回ったとはいえない」とIribe氏は述べる
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 PCやゲーム機の進化とは別の方向性を見せるのが,スマートフォンやタブレットのゲームだ。Iribe氏は,「これらは何百万〜何億という人がカジュアルにゲームを楽しむという革新をもたらし,ゲームとプレイヤーの距離感を縮めた」と肯定的に評価する。だが映像表現の進化に関しては,これらもPCやゲーム機と同じ方向を向いているだけで,「その小さい画面で,PCやゲーム機でのゲーム体験を超えたものが得られるかと問われれば,『Yes』と即答はできないだろう」と,Iribe氏は指摘する。

 ゲーム機に接続されるディスプレイデバイスと,そこに表示するグラフィックス表現は,実は1980年代からリニアな進化しかみせてはいないのではないか……というのが,Iribe氏の持論というわけだ。

 もちろん,ゲーム表現には映像のリニアな進化以外に革新がなかったと,Iribe氏が考えているわけではない。たとえば,WiiリモコンやKinectなどの「ナチュラルモーション入力システム」を,「人間とゲーム世界のインタラクションにゲームパッドとは異なる革新をもたらし,ゲームの楽しみ方を変えた」と評価している。
 だが,そんなWiiやKinectであっても,「映像表現という意味では,従来から大きな変化はない」というIribe氏の指摘を,否定できるものではないだろう。


VRディスプレイがゲーム表現を変える


 では,どういう方向で進化すれば,ゲームの映像体験に革新的な違いをもたらせるのか? Iribe氏が示した答えは,Riftに始まるOculus VRの「Motion-Tracked Orthoscopic Display」。意訳すれば「動きに追従して正しい映像を見せるディスプレイ」といったところだが,さすがに英語でも長すぎるので,Iribe氏はシンプルに「VR(バーチャルリアリティ)ディスプレイ」と表現していた。

「ゲームの映像体験に,革新的な違いをもたらす進化は“VR”にあり」とIribe氏。それを実現するのが「Oculus VRのVRディスプレイに他ならない!」という
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 HMDや3D立体視といった要素は,Riftだけのものではない。ソニーの「HMZ」シリーズは,その好例だろう。だがIribe氏は,そうしたHMDとVRディスプレイは違うものとしている。「既存のHMDが,プレイヤーの映像体験に立体感や没入感をもたらした功績は大きい。しかし,依然として映像は目線の前に固定されたもので,左右の目それぞれに見せるピクセルを増やしただけという,従来の映像表現の延長線上の進化に留まっている」とIribe氏は述べ,VRディスプレイとは目指す方向性が異なると説明した。
 また,眼鏡型ディスプレイとして話題の「Google Glass」のようなARデバイスは,その多くが現実世界に情報を投射しているだけで,「本当の意味でのARですらない」とIribe氏は切り捨てる。たしかに,どちらもRiftとは目指す方向性が異なる商品であることは,読者も同意するのではなかろうか。

ソニーのHMZシリーズは,没入感の高い大画面の3D立体視を実現するが,VRではない(左)。ARデバイスは視野に情報を投影するもので(右),これもVRではないとIribe氏は指摘した
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 HMD型のVR製品は,今までにもさまざまな製品が開発,販売されていた。中にはエンターテイメント用途への応用を謳ったものもある。そうした既存製品と比べて,最もゲーム体験に最適化した形で開発されているのが,RiftであるとIribe氏は主張する。

 Iribe氏は,「現在のゲーム映像は『それが当たり前だから』という理由で,プレイヤーに対して不自由で理不尽なプレイ体験を強いている」問題を抱えているという。
 たとえば,FPSのカメラは,プレイヤーが走ると上下左右に揺れたりするものの,基本的に映像は水平を維持したままだ。壁に張り付いて,そこから頭を出して銃撃するときでも,映像はほぼ水平のままである。これは,テレビやディスプレイが水平のまま動かず,プレイヤーも画面の前に相対して,視線が水平になる位置にいるからだ。
 別の例として,バイクのレースゲームを一人称視点でプレイすることを考えてみよう。バイクは曲がりたい方向に車体を傾けるので,運転者は身体を傾けながら,真っ正面よりも先の曲がる方向を注視する。しかしゲームの場合,視界は基本的に車体正面を捉えているため,コーナーの先が見えず,現実世界よりもかなり怖い思いをするものだ。

VRディスプレイを使えば,コクピット視点のゲームも正面だけでなく,プレイヤーが見たい方向を見られるようになり,“乗ってる感”が増すだろう(画像は「HAWKEN」のもの)
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 RiftのようなVRディスプレイならは,頭を向けた方向のゲーム世界をリアルタイムに表示できるので,視界が水平や進行方向に固定されたゲーム映像表現とは一線を画した,より自然なゲームを体験できる。FPSなら,首を傾けるようにして壁の向こうを覗くことができるし,その視界は首の傾きを反映して切り取られるだろう。バイクゲームならば,コーナーの奥先を凝視するような映像を表現できるようになる。

 また,Iribe氏は,「スケール感の表現にもVRディスプレイは有望だ」と主張した。テレビやディスプレイはどうしても,画面サイズに応じたスケール感しか得られない。だがVRディスプレイの場合,画面サイズ自体が小さくても,画面に描かれた物体が現実世界にあるかのようなスケール感で表現できるのだ。巨大なボスはとてつもない巨体で恐ろしく見えるし,広大な景観から,プレイヤーのちっぽけさを感じるといった表現が可能になるというわけだ。

ゲーム内で表現されるキャラクターの背丈が,自分との相対感で感じられるように表現できる。アイコンタクトも自分の目線で行われるようになるので,感情移入を高める効果も期待できそうだ
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 Iribe氏はVRディスプレイを使うことで,「キャラクターとの会話シーンも,より感情移入が増すだろう」としている。VRディスプレイによる1人称視点でキャラクターの前に立つと,それが現実の人間と同じような目線の高さで見えるからだという。
 キャラクターとのアイコンタクトも,こちらの目を見ているかのように感じられるので,初対面のキャラクターを前にすると緊張感を覚えたり,お馴染みのキャラクターにはより深い親近感を覚える,なんてことが実現可能になるかもしれない。

 Iribe氏は最後に,こうしたVRディスプレイやVRゲームが「世界を変えるだろう」と宣言。とくにインディーズゲームの開発者達が,積極的に取り組んでくれていると述べて,基調講演を締めくくった。
 VRディスプレイとVRゲームは,未開拓な分野だからこそ,自由な発想を持ったインディーズゲームの開発者達に注目されているのだろう。彼らの新しい発想が新しいデバイスと融合した先に,どんな新しいゲーム世界が切り開かれるのか,今から楽しみである。

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APU13の展示会場では,Riftの体験コーナーもあった(左)。右写真は,オンラインレースゲーム「iRacing」のリプレイ映像を見ている筆者。後ろを向くと車体の後方が見え,さらにその後ろから追い上げてくるクルマが見えることに,思わず感動する。レーシングゲームのリプレイ映像が,ライド系アトラクションになってしまうのは,VRディスプレイならではだろう

Oculus VR 公式Webサイト(英語)


AMD Developer Summit 2013 公式Webサイト(英語)


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