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印刷2011/02/04 12:00

レビュー

「Sandy Bridge時代のOptimus」が持つ実力を,エントリーGPUで確認してみる

GeForce GT 540M
(Acer Aspire AS5750G-F74E/K)

Text by 宮崎真一


GeForce 500M
 Intelのグラフィックス機能統合型CPU(や一部チップセット)を搭載したノートPC上で,同グラフィックス機能とNVIDIAのGPUとを,必要に応じて自動的に切り替えられる機能,「Optimus Technology」(オプティマステクノロジー,以下 Optimus)。GPUが必要ないときにはCPU側のグラフィックス機能を,GPUのパワーが必要なときは外部アクセラレータ的にGPUを自動的に選択して動かすことで,バッテリー駆動時間とGPU性能とをいずれもできる限り最大化でき,同時に,わずらわしいグラフィックス機能の切り替えから解放される,というものである。

Aspire AS5750G-F74E/K
メーカー:Acer
※2011年2月4日現在,販売停止中
GeForce 500M
 本機能は,当然のように最新のSandy Bridge世代でもサポートされており,いくつかのノートPCメーカーから,実際にOptimusを採用したノートPCが登場してきている。4Gamerではそのなかから,「GeForce GT 540M」(以下,GT 540M)搭載のAcer製ノートPC「Aspire AS5750G-F74E/K」(以下,AS5750G)を独自に入手したので,最新世代のOptimusと,GeForce 500Mシリーズの実力検証を行ってみたいと思う。

 なお,今回入手した個体は英語キーボード&英語OSの北米版であり,後述するように,国内販売されているAS5750Gと100%同じ仕様ではない。また,“Intel 6シリーズチップセット問題”のアオリを受け,2月4日時点において国内モデルの出荷は停止されているので,その点はご注意を。
 今回はあくまで,GPU周りを中心としたテストレポートとなるので,この点はあらかじめお断りしておきたい。


GT 540MのスペックはGT 435Mとほとんど同じ

CPUにはSandy Bridge世代のi7-2630QMを採用


今回入手したのは北米モデルなので,キーボードは英語配列。15.6インチタイプということもあり,10キーも用意されていた
GeForce 500M
 テストに先立って,AS5750Gと,搭載されるコンポーネントを概観しておこう。
 AS5750Gは15.6インチワイドのグレアパネルを採用するノートPCで,パネル解像度は1366×768ドット。GPUとしてGT 540Mを搭載するのは先述のとおりだが,組み合わされるCPUは,「Intel HD Graphics 3000」(以下,HDG3000)を統合した「Core i7-2630QM/2.0GHz」(以下,i7-2630QM)となっている。

本体底面とACアダプタ(左),そしてアクセスできる部分の蓋を外したところ(右)。右の写真でバッテリー用スペースの左に,Mini PCI Expressスロット用っぽい空きスペースが用意されているのだが,今回入手したAS5750Gでは,何のインタフェースも用意されていなかった。裏蓋を安全に開ける方法が分からなかったため,残念ながらGPUの刻印を確認するところまでは辿り着けていない
GeForce 500M GeForce 500M
液晶パネル部を閉じた状態で4側面から。本体前面のインタフェースはダミーカード方式の5in1カードリーダーのみで,HDMI&D-Sub 15ピン,サウンド入出力,有線LAN接続用のRJ-45,USB 2.0×1は本体左サイド,USB 2.0×1,USB 3.0×1は同右サイドと,主要インタフェースは両側面に散っている
GeForce 500M GeForce 500M
GeForce 500M GeForce 500M

 ちなみに,今回4Gamerで入手したAS5750Gと,国内流通版のスペックをまとめたものが表1となる。基本的には同じだが,前述したOSとキーボードのほか,HDDの回転数が異なるので,この点は押さえておいてもらえれば幸いだ。

※日本エイサーのWebサイト,そしてキーボード周辺に貼られたシールではいずれもグラフィックスメモリ容量は2GBとされているが,製品ボックスに貼られたスペックシートでは「up to 1760MB Turbo Cache」となっているので,ここから実際の仕様を推測している

GT 540Mのイメージカット
GeForce 500M
 さて,今回の主役となるGT 540Mだが,まず,超越関数ユニットやキャッシュメモリ,テクスチャユニット,頂点処理エンジン「PolyMorph Engine」などと一緒に「Streaming Multi-Processor」(以下,SM)を構成するCUDA Coreの数は48基。そして,2基のSMがGraphics Processing Cluster」(以下,GPC)となっているため,48(CUDA Core)×2(SM)×1(GPC)で,96 CUDA Core仕様のGPUということになる。
 ちなみにこの構成は,デスクトップPC向けGPUコア「GF108」(GeForce GT 430)のアーキテクチャを踏襲するもの。そのため,テクスチャユニット数はSM 1基あたり8基で,合計16基となっている。メモリコントローラは64bit×2で,合計128bitだ。

「GPU-Z」(Version 0.5.1)実行結果。スペックの一部を確認できる(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで全体を表示します)
GeForce 500M
 ROP周りの詳細は明らかになっていないものの,GF108コアと同じなら4基だろうと推測しつつ,GT 540Mのスペックをまとめたのが表2である。モデルナンバーからすると,デスクトップPC向けGPUと同様に,500Mシリーズで400Mシリーズから物理設計の最適化が入った可能性はあるのだが,実際に入った(=「GF118」コアが採用されている)のか,単なるリネームなのかは分からない。NVIDIAの場合,デスクトップPCとノートPCとで,モデルナンバー設定ルールが異なっていたりもするので,こればかりはどうしようもない,といったところである。

※ピンク色を重ねた項目は筆者推測


アプリケーションプロファイルでGPUを自動切り替え

「どちらのGPUを利用するか」も指定可能


 AS5750Gでは,グラフィックス機能として基本的にHDG3000を使いつつ,描画負荷が高いアプリケーションを実行すると,その処理担当が,OptimusによってGT 540Mへと自動的に切り替わる。
 Optimusの動作原理そのものは,2010年2月に発表されたときから基本的に変わっていないが,本稿でも簡単に紹介しておくと,

 NVIDIAのノートPC用グラフィックスドライバである「Verde Notebook Driver」に「CPU側のグラフィックス機能とGPUのどちらを使うか」が記述されたアプリケーションプロファイルが用意されており,「GPUを使う」と設定されたアプリケーションの場合,その実行がトリガーとなって,GPUが起動される

NVIDIAコントロールパネルからOptimusの挙動を制御可能。有名どころのアプリケーションに対してはあらかじめ設定が行われている
GeForce 500M
といったイメージ。3Dゲームアプリケーションの場合,ドライバソフトウェア上の設定は通常「Use global setting(Auto-select:NVIDIA GPU)」になっており,アプリケーションプロファイルに応じた切り替えが行われる。ゲームだから絶対にGPU駆動,というわけではなく,HDG3000でも問題なく動くようなタイトルの場合は切り替わらないので,通常はこの設定で問題ないだろう。
 設定項目にはこのほか,「High-performance NVIDIA processor」「Integrated graphics」も用意されていて,対象となるアプリケーションに対して前者を選択した場合は強制的にGPUが有効,後者を選択した場合は無効になる。

「Manage 3D Settings」の[Add]ボタンから,アプリケーションを追加できる
GeForce 500M
 ただ,アプリケーションプロファイルも万能というわけではないので,インディーズ/同人ゲームや,体験版などをプレイするにあたっては,ユーザーが手動で設定を追加することもできる。また,NVIDIAコントロールパネルの「Desktop」メニューから,「Add “Run with graphics processor”to Context Menu」にチェックを入れておけば,実行ファイルに対する右クリックからコンテキストメニューを開き,GPUとCPU側グラフィックス機能のどちらを使うのか,起動時に毎回指定するといったことも可能だ。

「Add “Run with graphics processor”to Context Menu」を有効にすると,アプリケーションを右クリックから起動するとき,「GPUとCPU側グラフィックス機能のどちらを使うか」を選択できるようになる
GeForce 500M GeForce 500M

GPUアクティビティのスクリーンショット
GeForce 500M
 同じく「Desktop」メニューに用意された「Display GPU Activity Icon in Notification Area」というチェックボックスを有効にしておくと,「GPUアクティビティ」というアプリケーションが常駐し,「現在どのアプリケーションがGPUを利用しているのか」を目視で確認できるようになっているのも,地味に便利だ。


GT 540MとHD3000両方でテスト

比較対象にはi7-750+GT 430というマシンを用意


 というわけで,ここからは実際にGT 540MのOptimusノートPCがどの程度の性能を持つのかチェックしていこう。
 AS5750Gのスペックは表1で紹介済みだが,i7-2630QMは,4コア8スレッド処理が可能なCPUで,搭載するLLC(Last Level Cache)容量は6MB。「Intel Turbo Boost Technology 2」により,動作クロックは最大2.90GHzまで上がるようになっている。HDG3000の動作クロックは650〜1100MHzだ。

 そして,今回の比較対象だが,いろいろ悩んだ結果,表3のシステムを用意することにした。GPUが「GeForce GT 430」(以下,GT 430)なのはいいとして,CPUは,「一世代前の4コアエントリーモデル」くらいが,ちょうど釣り合うのではないかという判断が働いた結果となる。一言でまとめるなら,「ゲーマー向けPCを名乗るには,GPU性能的にちょっと厳しいシステム」といったところか。


 念のため,i7-2630QMとi5-750のスペックを表4にまとめておいたので,参考にしてほしい。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション10.2に準拠するが,GT 540Mのスペックを考慮して,「S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat」と「Colin McRae: DiRT 2」のテストは省略。同じ理由で,「高負荷設定」でのテストは行わないことにしたが,「Battlefield: Bad Company 2」(以下,BFBC2)と「Just Cause 2」はそれでも“重い”ことが容易に想像できるため,今回はSandy Bridgeのグラフィックス性能レビュー記事で用いた「特別設定」を採用することにした。
 残る「3DMark06」(Build 1.2.0)と「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),「バイオハザード5」は,レギュレーションに従って「標準設定」「エントリー設定」を用いる。

 解像度は,AS5750Gが最大で1366×768ドットなので,これと1024×768ドットを選択することとした。

 なお以下,AS5750GでGT 540Mを利用した場合を「AS5750G(GT 540M)」,i7-2630QMのHDG3000を利用した場合を「AS5750G(HDG3000)」,そして比較対象として用意したデスクトップPCは「i5-750+GT 430」と表記する。


エントリークラスのデスクトップPCには若干届かず

一方,HDG 3000比では倍以上のスコア


 順に見ていこう。
 グラフ1は,3DMark06の総合スコアをまとめたもの。AS5750G(GT 540M)のスコアは,i5-750+GT 430比で95%程度のところにある。AS5750G(HDG3000)と比べると216〜223%というスコアになっており,単体GPUを搭載するメリットをはっきり見て取れる。
 なお,グラフには示さないが,1366×768ドット時のCPU Scoreは,i5-750+GT 430が4359に対し,AS5750G(GT 540M)が5027,AS5750G(HDG3000)が5043だった。


 続いてグラフ2〜6は,1366×768ドット解像度で,3DMark06の「Feature Test」を実行した結果だ。
 グラフ2は「Fill Rate」(フィルレート)のスコアをまとめたものになるが,「Multi-Texturing」でAS5750G(GT 540M)がわずかだがi5-750+GT 430を超える結果を残した。動作クロック的に,GT 540MがGT 430を上回る理由はないことを考えると,GeForce 500Mシリーズで物理設計が見直されている(≒GF108をベースにした新しいGPUコアを採用している)可能性もありそうだ。
 ……もちろん,これだけで断定するのは危険だが。


 「Pixel Shader」(ピクセルシェーダ)と「Vertex Shader」(頂点シェーダ)のテスト結果がグラフ3,4。いずれのテストでもAS5750G(GT 540M)はi5-750+GT 430に一歩及ばず,「GT 540MとGT 430は(ほぼ)同一アーキテクチャで,動作クロックだけ異なる」気配を感じさせている。
 なお,Vertex Shaderの「Simple」でAS5750G(HDG3000)のスコアが高いのは,頂点処理をCPUコア側で行っているためではないかと思われるが,はっきりしたことは分からない。


 グラフ5,6は,Shader Model 3.x世代における汎用演算性能を見る「Shader Particles」(シェーダパーティクル)と,長いシェーダプログラムの実行性能を見る「Perlin Noise」(パーリンノイズ)の結果。前者でAS5750G(GT 540M)がi5-750+GT 430に大きく置いて行かれる理由ははっきりしないが,CPU側の規定動作クロックが“効いている”のかもしれない。
 なお,いずれのテストでもAS5750G(GT 540M)がAS5750G(HDG3000)に有意な差を付けている。


 以上の傾向を踏まえながら,ゲームアプリケーションにおけるテスト結果を見ていきたい。
 グラフ7は特別設定のDirectX 10モードで実行したBFBC2の結果。AS5750G(GT 540M)は,i5-750+GT 430比での90〜95%ほどのスコアを示しており,「グラフィックス設定を落としさえすれば,平均60fpsを出すことも不可能ではない」ことが分かる。


 続いてグラフ8は,Call of Duty 4の結果となる。ここでも,AS5750G(GT 540M)のスコアは,i5-750+GT 430の93%ほど。AS5750G(GT 540M)の3D性能は,i5-750+GT 430から若干低いレベルと,そろそろ断定してもよさそうである。


 グラフ9に示したJust Cause 2でも,AS5750G(GT 540M)がi5-750+GT 430より若干低いスコアを示すというその傾向は変わらない。
 ただ,ここで注意してほしいのは,AS5750G(HDG3000)のスコアがAS5750G(GT 540M)に並んでいること。NVIDIAコントロールパネルからHDG3000の使用を強制しても,アプリケーションを実行するとGT 540Mに切り替わってしまったため,このような結果になっている。要するに,Optimusがうまく動作しなかったわけだ。ここではグラフの色を変えているので,AS5750G(HDG3000)の値はあくまでも参考程度に捉えてほしい。


 性能検証の最後はエントリー設定で実行したバイオハザード5だが,ここでは3DMark06のShader Particlesと同じく,i5-750+GT 430とAS5750G(GT 540M)のスコア差が開き気味(グラフ10)。とくに,よりCPU性能がスコアを左右しやすい1024×768ドット設定時に,前者が後者に対して約21%もの差を付けている点は看過できないところだ。4コア4スレッド動作で規定クロック2.66GHzというi5-750と,4コア8スレッド動作で規定クロック2GHzのi7-2630QMの比較でこうなっている以上,ここでもCPUの動作クロックがスコアに影響していると見るべきだろう。



GT 540Mの利用による消費電力増は10数W程度か

デスクトップPCとの違いは歴然


 Optimusのメリットとして挙げられる消費電力もチェックしておきたい。
 今回は,ACアダプタによる給電状態を前提に,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を計測してみた。OSの起動後,30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時とし,アイドル時ともども各時点の数値をスコアとしてまとめている。

 その結果はグラフ11のとおり。AS5750G(GT 540M)は最高でも100Wを超えておらず,152〜182Wを示したデスクトップPCとは比較にならない低消費電力ぶりを確認できよう。AS5750G(HDG3000)との比較でも,Optimusによる切り替えが上手くいっていないJust Cause 2を除けば,10〜16W高いだけである。
 同時に,アイドル時の消費電力が14Wと,非常に低いことも評価できる。Optimusにより,GPUの電源がカットされるのが効いているようだ。

 なお,アイドル時におけるAS5750G(GT 540M)のスコアがN/Aなのは,とくに問題があったからではなく,「アイドル状態では自動的にGT 540Mが無効化される」ためである。



カジュアルタイトル用としては十分か

機能する限りOptimusの使い勝手は良好


GeForce 500M
 Just Cause 2でHDG3000に上手く切り替わらなかったという不具合をどう捉えるかで評価は変わりそうだが,実際にテストした感触としては,そのほかでストレスなく自動切り替えが行われたという点で,おおむね良好と言っていいのではないかと思う。発表から1年経って,ずいぶんと熟成が進んできたというか,ユーザー側でとくに何も気にしなくても,必要になったら自動的にGPUが有効になり,また不要になったら無効になるというのは,使いやすいしラクという印象だ。
 仮にプロファイルへタイトルが登録されていなかったとしても,ユーザー側で登録できるとか,単体GPUが使われているか目で見て確認できる手段が用意されているとかいったあたりも,プラス評価の要因となる。

 しかも,本機の実勢価格は10万円以下(だった)。Intel 6シリーズチップセットの回収騒ぎさえなければ,カジュアルゲーム用や,サブで動かしておきたい3Dゲームオンライン用ノートPCとして,十分に買い得感のある製品として勧められただけに,いまこの瞬間,販売が停止されていて購入できないというのは,なんとも残念と言わざるを得まい。

 現在,Acerおよび日本エイサーは,国内における対応方法を検討中のこと。チップセットの交換を伴うため,近々にどうにかなる話ではないのだが,なるべく早いタイミングで販売が再開されることを期待したいところだ。

AS5750G国内版の製品情報ページ

NVIDIAのOptimus情報ページ

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