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プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon\'s Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
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印刷2011/02/08 17:33

インタビュー

プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

ゲーム業界に入ったのは6年前!?
驚きの経歴を持つ宮崎氏


4Gamer:
 Demon's Soulsは,難しいからこそおもしろいタイトルだと思うのですが,宮崎さんはゲームに難しさは必要だと思いますか?

宮崎氏:
 僕自身は,必ずしもゲームに難しさが必要とは思っていないので,難しくないゲームももちろんアリだと思います。Demon's SoulsやDARK SOULSの場合は,「克服可能な難度」を作り出すというのがテーマなんです。料理に例えれば「すげえ辛いんだけどうまい」というような。

4Gamer:
 なるほど,料理の例えは分かりやすいですね。辛いはずなのにおいしく食べられてしまうと。

宮崎氏:
 僕はゲーム作りって,作業に意味を与えるものだと思うんですよ。じゃあそこにどういう意味を与えるの,となったとき,Demon's SoulsやDARK SOULSには達成感という意味を与えました。そして,その達成感のために,高い難度が必要だったんです。だから,与える意味が違えば,難度はなくてもよいと思います。

画像集#022のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた

4Gamer:
 甘いゲームもあれば辛いゲームもあるのであって,すべて辛くする必要はないということですね。でもいくら辛いといっても,Demon's Soulsはそこまで難しくしたつもりはないなんて話を,以前のインタビューでしていませんでしたか?

宮崎氏:
 ええ,Demon's Soulsにしても,DARK SOULSにしても,そんなにターゲット層を絞っているつもりはないですよ。指先の器用さがなければクリアできないという要素は,かなり減らしていますし。誰も信じてくれないですけど,すごくハードルは下げているつもりなんですよ,僕なりに。

4Gamer:
 デスペナルティもほぼないですし,理不尽な「厳しさ」はほとんど感じないですよね。

宮崎氏:
 実際に触ってみて,ダークファンタジーの世界観がダメだという人は無理かもしれませんが,苦手でないなら,深く考えずに遊んでほしいと思います。
 極端な話「スーパーマリオ」だって相当難しいじゃないですか。僕なんかステージ4あたりでクリアできなくなっちゃう世界なのに,1-1から遊んでるだけですごく楽しい。そういう遊び方でも,ぜんぜん構わないと思うんですよね。

4Gamer:
 マリオもシビアといえばシビアですからね。ゲームオーバーになれば,また最初から遊ぶことになるわけですし。面白いからまたチャレンジしてしまいますけど。

画像集#047のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 でしょう? そういう意味で,そんなにハードルを高くしているつもりはないんですけど,だったらもう少し世界観をなんとかしろって話になるので,そのへんはごめんなさい!

4Gamer:
 やっぱりハードル高いんじゃないですか!
 では,宮崎さんから見て,今のゲーマーは辛いゲームを食べられる人が増えている,もしくは減っているという感覚はありますか?

宮崎氏:
 うーん,どちらかといえば,こんなに辛くても食べてもらえるんだ! という驚きの方ですよね。とはいえ,私はこの業界に入って6年ほどしか経っていないので,プレイヤーの遊び方がどうこうみたいな話をする立場ではないのかな,とは思っています。

4Gamer:
 えっ。ゲーム業界に入って6年ですか? たったの?

宮崎氏:
 そうなんですよ。

4Gamer:
 ゲーム業界に入る前は何をされていたんですか?

宮崎氏:
 まったくゲームと関係のない,外資系のIT会社でアナリストとかアカウントマネージャーとかやってました。フロム・ソフトウェアに入ったには30歳のときで,それまでは普通のゲーマーでしたよ。

4Gamer:
 それはまた,どうしてゲーム業界に入ろうと考えたんです?

宮崎氏:
 もともとゲーム業界で働きたかったんですよ。でも大学院卒業後は,事情があってまとまったお金が必要だったので,とりあえず給与のいい会社を選んだんです。ものすごい簡単な理由ですよね(笑)。
 そこで4年ぐらい働いて,必要なお金は得たので,今度こそゲームを作りたいと思って。

4Gamer:
 では,そこで転職するにあたって,フロム・ソフトウェアさんを選んだのはどういう理由なんですか? まさかこちらも簡単な理由……ではないですよね。

宮崎氏:
 30歳で未経験のプランナーを雇ってくれる会社は,フロム・ソフトウェアを含めて数社しかなかったんです。それで,「キングスフィールド」が好きだったこともあってフロム・ソフトウェアの面接を受けてみたら,ラッキー! という。

4Gamer:
 未経験のプランナーとして転職って,かなり大きな決断ですよね。6年前というと,フロム・ソフトウェアさんのどのタイトルから開発に参加したのでしょうか。

宮崎氏:
 タイトルとしては,「ARMORED CORE LAST RAVEN」の途中から入りました。「ARMORED CORE 4」でメインプランナーという立場になったんですけど,途中でディレクターが交代になって,2作目でいきなりディレクターになってしまったんですよ。その後は,「ARMORED CORE for Answer」とDemon's Soulsでディレクターという形ですね。
 なので,プランナーとして入社したのに,僕がメインプランナーとしてクレジットされているタイトルはなかったりします。

4Gamer:
 そうなんですか。以前にお話をうかがったとき,ゲームデザイン周りの話などが非常にロジカルで理路整然としていたので,てっきり「業界歴が長いゲーム職人」さんなんだろうなぁと勝手に思っていましたよ(苦笑)。

画像集#044のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 ゲームが好きだったのは事実ですけど,業界歴は長くないですよ。だから,業界のことを語るのは苦手なんです。それほど詳しいわけでもないのに,いきなり「今のゲーム業界だけど,ゲームの遊ばれ方が変わったよね」とか言い出すわけにもいかないですって!

4Gamer:
 いやいや,そんなことないですよ(笑)。ちなみに,業界に入る前に,個人でゲームを作ったりもしていなかったんですか?

宮崎氏:
 個人で作ったこともなかったですね。フロム・ソフトウェアに入って初めてのことだらけでしたよ。「マップを作れ」といきなり言われて,もう「むうう……」と唸るしかない。懐かしいなあ。

4Gamer:
 うーん,すごいですね。異色の経歴といいますか。ちなみに,DARK SOULSでの肩書きはどうなっているんですか?

宮崎氏:
 ディレクター兼プロデューサーです。Demon'sSoulsのときはディレクターだけでしたけど,社内でプロデューサー的なこともやっていたので,仕事の内容はあまり変わってないんですけどね。
 でも,私は自分を本質的にはディレクターだと思っています。プロデューサーを兼任している理由は1つだけで,おもしろいゲームを作るという部分をコアにしてプロジェクトを進めるために,今回はそれが一番早かったんです。

4Gamer:
 おもしろいゲームを作りたいというのがメインであって,たくさん売れることにこだわりはないんですね。

宮崎氏:
 こんなこといったら殺されそうですが,すごく正直なところ,販売本数自体にはそんなに興味がないんです。関わったスタッフが十分に幸せになれるくらい売れればいいな,と思っているだけで,いっぱい売って俺ウハウハ,みたいな欲求もあまりないですし。
今回はプロデューサーもやってますけど,本当は絶対に向いてないはずですよ。

4Gamer:
 でも,名刺を拝見すると執行役員なんて書かれているんですが……。向いてないとも言ってられないのでは?

宮崎氏:
 そうなんですよね……。偉そうな肩書きだけ付いてきちゃって,正直戸惑っていたりします。


ゲーム作りにこだわるフロム・ソフトウェア
宮崎氏は萌えゲーも作ってみたい?


4Gamer:
 そういえば,難しいゲームの企画は通りにくいという話を,ゲーム開発に関わる方々からよく聞くのですが,Demon's SoulsやDARK SOULSを開発するフロム・ソフトウェアさんは,そうでもないんですか?

宮崎氏:
 いや,それはどこでも通りにくいんじゃないですかね。Demon's Soulsも難しいゲームとして企画を通したわけではないですよ。後で勝手に難しくしただけで(笑)。

4Gamer:
 あはは(笑)。なるほど,あの難度は企画が通ってから足したものなんですね。

画像集#029のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
宮崎氏:
 当時はプロデューサーの梶井さん(SCE)に説得……というか,押し切ってもらったりもしましたけどね。「あとは任せた!」と丸投げしてたんですけど。
 フロム・ソフトウェアはそういう企画に寛容ではあると思いますけど,Demon's Soulsのときはやはり「この難度でいいのか」という話はありましたよ。その点では,DARK SOULSはDemon's Soulsがヒットした実績があったので,話がすんなり進みました。

4Gamer:
 やはり,フロム・ソフトウェアさんでも難度の高いゲームを出すとなると,簡単に企画が通るわけではないということですか。

宮崎氏:
 でもフロム・ソフトウェアは,マーケティング主体ではなく,ゲーム作り主体の会社なので作りやすいと思います。儲かるゲームを作るという前に,「俺達としてみっともないゲームを作るのはやめようぜ」という理屈がまかり通ってしまう会社ですから。

4Gamer:
 それもまたすごい理屈ですね。ゲーマーとしてはグッとくる話ですけど。

宮崎氏:
 そのあたり,いい意味でも悪い意味でも,商売下手なんでしょう。“これが売れる”と分かっていても,格好よくなければ作らない。

4Gamer:
 マーケティング的に儲かりそうだと分かっていても,中身で勝負というあたり,先ほどの「宮崎さんの本質はディレクター」という話にぴったりじゃないですか。

宮崎氏:
 フロム・ソフトウェアだからこそ,なんとかプロデューサーをやれている部分もあるでしょうね。さすがに,マーケティング主体の会社だったらこうはいかないでしょう。フロム・ソフトウェアは,社長自体がゲーム作りに関わってきた会社ですし,ゲームそのものを作って生計を立てていこうというこだわりはありますよ。

画像集#024のサムネイル/プライドに懸けて死んでもらいます。「DARK SOULS」には「Demon's Souls」の魂が引き継がれているのかを宮崎ディレクターに聞いてきた
4Gamer:
 確かに,フロム・ソフトウェアさんから萌え萌えなキャラクターをドンと押しているタイトルとか,出ませんよね。

宮崎氏:
 苦手かもしれないですね。個人的には,萌えキャラが出てくるゲームとかでも全然アリなんですけど。作らせてくれるかどうかはともかくとして。

4Gamer:
 いや,その手のタイトルが出てきたら,かなり驚きますよ!

宮崎氏:
 でも,僕はJRPGとか萌えゲーとか普通にやりますよ。4Gamerさんでの評価が高いのを見て,「Steins;Gate」をプレイしたりとか。ああいうのも作ってみたいですね。

4Gamer:
 フロム・ソフトウェアさんが手掛けるSteins;Gateみたいなタイトルを想像すると,ものすごく難解なストーリーになりそうなんですが……。

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