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印刷2012/11/22 12:00

インタビュー

現行のグローバルMMORPGには負けたくない――「FINAL FANTASY XIV」のグランドフィナーレ直後に公開された新生FFXIVの新情報について吉田直樹氏にいろいろ聞いた

 2012年11月11日17:00,MMORPG「FINAL FANTASY XIV」(以下,現行版FFXIV)がグランドフィナーレを迎え,一旦のサービス休止(※)に入った。これは,すべてが刷新される「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」PC / PS3,以下,新生FFXIV)のサービスに向けたものだ。
※データは新生FFXIVに引き継がれないが,条件付きで現行版FFXIVのワールドが再稼働している。詳細は「こちら」

ファイナルファンタジー14 | FF14 | FINAL FANTASY XIV

 また,同日19:00から配信された「第4回プロデューサーレターLIVE」(以下,レターライブ)では,本タイトルのプロデューサー兼ディレクターを務めるスクウェア・エニックスの吉田直樹氏が,サービス休止と同時に公開された最新トレイラー「時代の終焉」について解説するとともに,新生FFXIVに関する新たな情報を公開している。
 4Gamerでは,その翌日となる11月12日,レターライブで明らかとなった情報を踏まえ,さまざまな疑問を吉田氏に聞いてみた。

「第4回 プロデューサーレター LIVE」の動画とQ&A
(FINAL FANTASY XIV 公式FORUM)

「FINAL FANTASY XIV」The Lodestone



現行版FFXIVの終わりと新生FFXIVのスタートを飾るトレイラー「時代の終焉」


4Gamer:
 まずは,現行版FFXIVがグランドフィナーレを迎えたということで,お疲れ様でした。

吉田直樹氏(以下,吉田氏):
 いえいえ,まだまだ新生FFXIVの作業がありますから。とは言え,いまは燃えカス気味です(笑)。

4Gamer:
 今日は,先日配信されたレターライブで公開された情報について,いろいろ教えていただければと思うのですが,その直前で公開された「第七霊災」を描いたトレイラー「時代の終焉」では,蛮神バハムートが登場するという衝撃の展開でしたね。てっきり終焉をもたらすのはメテオ――衛星「ダラガブ」の落下によるものだとばかり……。

吉田氏:
 あれは,2010年末に運営開発体制を作り直す決断をしたときから,バレないように仕込んできたもので,新生FFXIVを作ると決断したときから「ダラガブ」はバハムートの拘束具という設定だったんです。
 ですから現行版FFXIVの各シーンを録画している方は,検証してみると面白いんじゃないでしょうか。例えばネール・ヴァン・ダーナスは,最後にダラガブ――つまり,バハムートから力を受け,メガフレアが使えるということを提示していました。

4Gamer:
 伏線がバッチリと仕込まれていたんですね。

ダラガブが激突すると思いきや,その中からバハムートが
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吉田氏:
 はい。ほかにも,ネールがどのあたりからバハムートの支配下に置かれるのか,彼のセリフの変化から読み取れるようにとか。あとはクエストのテキストに,帝国がイシュガルドから蛮神について研究している神学者を誘拐してきたというエピソードを入れて,バハムートの存在を示唆していました。割とあざとくヒントを出しているので,いま見返して「ああ,やられた!」と思ってもらえると,僕としては本望です(笑)。

4Gamer:
 バハムートだったのか……と,改めて検証しているプレイヤーは多いでしょうね。

吉田氏:
 そもそも,僕はずっと「FFらしく行きます」と言ってきて,でも“FFらしさ”の象徴のひとつであるバハムートには,一度も触れてこなかったんですよね。

4Gamer:
 言われてみると,確かにそうでした。

吉田氏:
 いつか聞かれるんじゃないかと,ずっとヒヤヒヤしていて……。チームのスタッフにも,「ネタをもらしたら,タダじゃおかないぞ」と,ずっと厳命してましたし(笑)。

4Gamer:
 第1弾トレイラーでは,ダラガブが崩れていくシーンがありましたよね。当時は,あれがそのまま大地に降り注ぐのだろうと思っていたんですよ。見事に引っかかった感じですが。

吉田氏:
 あれも大きなヒントで,僕としては,おっしゃるような捉え方をされるか,それとも「中に何かいるんじゃないの?」と気づかれるか,一つの賭けでした。ギリギリセーフだろうと,あの形にしたんです。

4Gamer:
 なるほど。しかし本当に,現行版FFXIVをきちんとプレイした人にしか分からない仕掛けばかりですね。

吉田氏:
 今回のトレイラーは現行版FFXIVのエンディングですし,これまでの2年間,ずっと応援してくださった方への恩返しという意味もあります。ですから,そうした皆さんにだけ意味が伝わればいいというコンセプトで作っています。
 実は追加のムービーも制作中で,今回のトレイラーと合わせて新生FFXIVのオープニングとして仕上げます。きちんとセリフを加えて編集するので,次は新生FFXIVから始めるという方にも分かりやすい内容になります。



帝国/蛮族との戦いを経て「大迷宮バハムート」を舞台に「第七霊災」の謎を解明


4Gamer:
 それにしてもトレイラーの最後,光に飲み込まれた冒険者やミコッテのヤ・シュトラなど祈りを捧げていた彼女達は,あのあとどうなってしまったのか。いろいろ気になるところです。

吉田氏:
 そもそもバハムートはどうなったのか,という疑問もありますよね。

4Gamer:
 そう,一時的に冒険者が飛ばされた(?)としても,新生FFXIVのαテストで公開されているグリダニアの風景を見ていると,エオルゼア自体は完全に滅んだというわけでもなさそうですし……。

吉田氏:
 そうした部分は,新生FFXIVの「大迷宮バハムート」のストーリーで語られていきます。

4Gamer:
 新生FFXIVで登場する新コンテンツですね。その大迷宮バハムートは,かなりの高難度のレイドになるという話でしたが,新生FFXIVのメインストーリーみたいなものは,ここが中心になるのでしょうか。

吉田氏:
 いえ,最初から説明すると,新生FFXIVのメインストーリーには3つの軸があります。
 1つ目は帝国との戦いですね。2つ目は蛮族と蛮神を食い止める戦いです。蛮神は,惑星のエネルギーを吸い取ることで現世に出現するので,放っておくと惑星そのものの存在が危うくなります。この2つの軸が絡み合って,メインストーリーの大半を構成しています。
 そして3つ目が,はたして第七霊災とは何だったのかという謎を解き明かしていくという軸で,その舞台が大迷宮バハムートになります。つまり,まずメインストーリーをレベル50に達するまでにクリアしてもらい,その先に大迷宮バハムートが待ち受けているんです。大迷宮バハムートは,もはやグランドカンパニーは関係ない,冒険者にしか解き明かせない謎として存在しています。

バハムートの再封印を試みるも力およばず。冒険者達の運命は風前の灯火といったところか……
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4Gamer:
 なるほど。エンドコンテンツの一つとして機能するんですね。

吉田氏:
 メインストーリーの中には,(時代の終焉トレイラーで冒険者を救った)ルイゾワにゆかりのある人物なども登場します。同じストーリーを体験していく中でも,現行版FFXIVをプレイして予備知識のある方と,新生FFXIVから始める方では,少し視点の異なる楽しみ方になるでしょうね。

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冒険者を救ったのち,光に包まれるルイゾワ
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4Gamer:
 そもそも,バハムートが誰に封印されていたのかも気になるところです。

吉田氏:
 そこにはクリスタルタワーの存在も関係しています。この辺りは,現行版である程度キーワードを提示しているので,分かっている方もいるでしょう。とは言え,新生FFXIVで改めて語られますので,予備知識が必要になることはありません。

4Gamer:
 クリスタルタワーと言えば,ボスの名前が示唆されていたような……。

吉田氏:
 クリスタルタワーには,やっぱりあのボスがいないと(笑)。それに,例えば大迷宮バハムートの最後に,バハムートとの対決がなかったら逆に驚きますよね。そうしたお約束は,あまり隠すつもりはありません。ただし,新生FFXIVのラストがどうなるかについては,もちろんお話できなくて,それはこれから順次披露していくコンテンツやクエストで語られると思っていただければ。

バハムートのコンセプトアート。大迷宮バハムートの最奥で待つのか,それとも?
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大迷宮バハムートで入手できる報酬……らしき装備品のコンセプトアート
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レターライブで明らかになった気になる新要素。FATEシステムは意識せずに多人数バトルに参加できる?


4Gamer:
 では,レターライブのQ&Aで出た内容に関しても,教えてください。まずは,プレイヤーの名前の変更が可能になるとのことですが。

吉田氏:
 新生FFXIVでは,当初から予定していた種族/性別が揃いますので,改めて好みの名前を付けたいという方もいらっしゃると思います。ですが,それでまたレベル1から始めるのもしんどい話です。そこで今回は,一度キャラクタークリエイションをやり直す権利を全プレイヤーに提供します。それと同時に,非常にご要望の多かった,名前の変更についても,今のところ技術的には可能そうですと。やはり長年付き合っていくキャラですから,容姿を変えたら名前を変えたくなるのも無理のない話です。

4Gamer:
 NPCなどがそうですが,種族ごとに似合った名前もありますからね。ちなみに,名前が変わることによる影響などはどうでしょうか。

吉田氏:
 運営・開発チームでは,キャラIDで把握していますので,名前が変わっても困ることはなさそうという結論ですね。

4Gamer:
 ということは,例えばフレンドリストなども,キャラIDに紐付く形で自動的に書き換わるのでしょうか。

吉田氏:
 そうなります。ですから技術的な面での問題はありません。

4Gamer:
 種族や名前を変えたことを,ほかのプレイヤーに伝えるうえで,システム的なフォローはありますか?

吉田氏:
 さすがにそれは,お互いに伝え合ってもらうしかないですね。そこを懸念するようなら,最初から変更しないでいただきたいなと……(笑)。「変わったから,あらためてよろしくね」と周囲に言って回るのが面倒だと思う人は,わざわざ変えなければいいわけですし。例えば携帯電話の番号を変えること自体,結構なストレスになりますよね。なので,今回も種族や名前を変えられるとは言っても,実際に変える人がどの程度になるか,思ったよりは多くないんじゃないかと予想しているんです。

4Gamer:
 確かにそうかも知れません。

吉田氏:
 それよりも心配なのは,名前を変えるときに綴りを間違えて入力したというGMコールが来ることですね。正直なところ,僕らとしては,決定前に念入りにチェックしていただくよう,ダイアログでアラートを表示するくらいしか対策がないので。

4Gamer:
 ああ,新キャラだったら間違えてもデリートして作り直せばいいだけですが,ある程度レベルが上がったキャラだとそうもいかないですね。

吉田氏:
 ええ。一度きりのことですから,ぜひ慎重にお願いしたいです。

本日,グリダニアのレベル10帯を歩く動画およびスクリーンショットが公開されている。動画を直下に,画像を本文中にそれぞれ差し込んでいるので,インタビュー内容を確認しながらチェックしよう
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4Gamer:
 細心の注意が必要ですよね。続いて,ボーンが入っているので,揺れるという衝撃(?)のコメントがあったキャラクターの胸についてですが,キャラクター作成のUIがムービーで公開されたときに「もっと大きく!」みたいな意見もあったみたいですね(笑)。

吉田氏:
 ありましたね。ですが,種族/部族によって大小の幅が異なるんですよ。例えばルガディンの女性ならそれなりに大きくできますが,ミコッテだとサンシーカーはある程度まで,ムーンキーパーだともう少し大きくできるという感じです。ここは,担当スタッフもかなりこだわっている部分ですね。

4Gamer:
 ただ,あまりやりすぎると,なんというか品がないというか……。

吉田氏:
 ええ,ですから揺れ方にも「奥ゆかしく」という指示を出しています(笑)。あと女性プレイヤーから見た場合,ここはもう少し慎重にすべきだと思っていますので,そのあたりもしっかり気を使っています。

4Gamer:
 ほかに特徴的な動く部分――ボーンが入っている箇所はありますか。

吉田氏:
 ミコッテの耳や尻尾にもボーンが入っています。ララフェルやエレゼンの耳もそうですから,動かそうと思えばできます。
 ただ動くかどうかよりも,大きさや形を変えられるほうにこだわりを持つプレイヤーが多いと考えています。ですから,例えばミコッテの尻尾ならライオンっぽいものとか,もっとシャープな,より猫っぽいものなど,5種類くらい用意しています。

4Gamer:
 細かいところでは,髪型も随時増やしていくとのことですね。そうなると,また変更したくなるんですが,散髪できますか。

吉田氏:
 美容院のようなコンテンツを入れます。一時期はやっていたカリスマ美容師みたいなNPCを立てて,クエストをクリアすると「いつでもキミをビューティフルに」みたいな感じでいきたいなと(笑)。髪型や色だけでなく,フェイスペイントなども変更できます。さすがに,顔の造形や体型といったものは無理ですが。

4Gamer:
 そこまで根本から変わってしまうのは,やりすぎでしょうね(笑)。
 続いて,レターライブで公開された大きな要素としては,戦闘コンテンツの「FULL ACTIVE TIME EVENT」(FATE)がありましたね。説明を聞いた限りでは,ノートリアスモンスター(NM)が出現した場合,自動的に周囲のプレイヤーとパーティマッチングされるというイメージに思えたのですが,パーティバランスなどはどうなるのかが気になります。


吉田氏:
 まずNMの定義ですが,ほかのMMORPGのいわゆるネームドモンスターとは異なります。新生FFXIVの場合,NMは通常のモンスターが突然変異して巨大化したとか,凶暴になってしまったなどの設定で,出現したフィールドゾーン全体に警報が流れます。
 そしてNMの周辺に近づいたプレイヤーは,全員が同一のパーティにいるのと同じ状態になるので,とくにマッチングされるというわけではなく,そのまま戦闘に参加できるシステムを目指しています。

4Gamer:
 ああ,なるほど。ざっくりと言うと簡易的なレイドコンテンツなんですね。これはパーティではなく,一人で参加しても大丈夫なんですか?

吉田氏:
 大丈夫です。専用ウィンドウを開けば,参加プレイヤーのリストを確認できますが,ヒーラー以外はとくに意識する必要はないと思います。そしてNMに与えたダメージや参加時間などによって,一定以上の貢献が認められたプレイヤーには,リワード取得の権利が発生します。このときのリワードのロール判定は,権利のあるプレイヤー各自に対して行われます。

4Gamer:
 つまり,限られたリワードを判定で奪い合うという形式ではないんですね。

吉田氏:
 権利を得たすべてのプレイヤーであれば,運の善し悪しはあると思いますが,何かしらアイテムが入手できます。ですからNM出現の警報が流れたら,ワーッと集まって,皆で攻撃して,お互いに助け合って,NMの討伐に成功したら各自がリワードをもらって解散という運びになります。またNM出現というのはFATEの一例に過ぎず,襲撃してきた盗賊団から拠点や街を守る防衛戦や,チョコボや要人を目的地まで護衛するミッションなどもあります。
 加えて,レベルシンク(※コンテンツの定められたレベルに対して,そのレベルを上回っているプレイヤーを同一のレベルにシンクロさせる,レベル制限の一種)がありますので,高レベルプレイヤーが低レベルエリアのFATEを荒らすようなことはできなくなっています。逆に言えば,高レベルプレイヤーキャラクターの強さが調整されるので,どのエリアで発生したFATEでも,その場にいるプレイヤーと一緒に楽しめるというわけです。

4Gamer:
 一つのFATEに対する,参加人数の制限はありますか?

吉田氏:
 とくに人数制限を設けてはいません。ただ,プレイに支障が出る人数に達するようであれば,最初からインスタンスゾーンを用意して,一定人数を超えたら新しいインスタンスゾーンを作って,半分を移動させるようなシステムの導入を考えるかもしれません。
 このシステムは技術的には実現可能なのですが,なにぶん,コストのかかることなので,はたして本当に導入が必要なほどコンスタントに人が集まるのか,αテストの負荷試験結果や,βテストで動向を見ながら検討します。
 
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