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Tegra
  • NVIDIA
  • 発表日:2008/06/02
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印刷2013/01/07 14:26

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NVIDIA,クアッドCortex-A15+72 GPUの「Tegra 4」を正式発表。Tegra 4搭載のAndroidゲーム機「SHIELD」も公開

Jen-Hsun Huang氏
 北米時間2013年1月6日,NVIDIAは,2013 International CESの開幕に先だって米ネバダ州ラスベガスで報道関係者向けカンファレンスを開催し,その場で,モバイル向けSoC(System-on-a-Chip)の新製品「Tegra 4」や,NVIDIAが直接開発するTegra 4ベースのモバイルゲーム機「Project SHIELD」などを発表した。
 本稿では,プレゼンテーションに立ったNVIDIAの総帥,Jen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏が語った内容を中心に,その内容をまとめてみたい。


Cortex-A15の4-PLUS-1+72基のGPUコアを採用

カメラ周りにも独自の強化が入る


 Huang氏はカンファレンスで,「モバイルにどれほどのコンピューティングパワーが必要なのだろうか?」と会場に問いかけ,クラウドの活用など,モバイルの応用が大きな変化を遂げている現状を示しつつ「もっとパワーが必要だ」と主張。今日(こんにち)のモバイル環境が要求するパワーを持つプロセッサがTegra 4だと続ける。

Tegra
 開発コードネーム「Wayne」(ウェイン)と呼ばれてきたTegra 4は,ARMv7アーキテクチャに基づくCPUコア「Cortex-A15」を4基,そして省電力のコア1基を搭載する,4-PLUS-1構成のSoCだ。複数のCortex-A15コアに省電力コアを組み合わせるアイデアは,ARMが「big.LITTLE」で実現しているが,big.LITTLEでは,Cortex-A15と組み合わせられる省電力CPUコアが「Cortex-A7」となるのに対し,NVIDIAが示しているブロック図を見る限り,Tegra 4では省電力コアもCortex-A15のように見える。
 ブロック図が正しいものであれば,という前提条件は必要だが,Tegra 4の4-PLUS-1も,かなりの独自性を帯びたものになっている可能性が高そうだ。

 また,ブロック図でその省電力CPUコアを左右から囲むように配されている小さなブロックはGPUコアで,その数72基。Tegra 3では12基だったので,その数は一気に6倍となったわけだ。Huang氏は今回のプレゼンテーション中,技術的な詳細を明らかにしなかったので,コアあたりの性能がTegra 3と同じなのか,動作クロックはどうなのかといったあたりは何とも言えないが,インパクトのある強化であることは確かだ。

Tegra 4の概要。スライド向かって右に見えるチップはソフトウェアモデムだが,これについては後述する
Tegra

 そんなTegra 4はどれだけの実力を持っているのか。Huang氏が最初に示したのが,Webページの表示速度だ。25もの著名なWebサイトを順繰りに開いていくというベンチマークテストで,性能に定評あるSamsung Electronics製タブレット「Nexus 10」とTegra 4搭載の試作機を比較したところ,Nexus 10が処理を終えるのに50秒かかったところ,Tegra 4搭載機は27秒で済んだという。

Nexus 10とTegra 4搭載機によるWebページ表示速度比較。Tegra 4機がNexus 10を圧倒する。ちなみにNexus 10はCortex-A15デュアルコアと「Mali-T604」を統合したSamsung Electronics製SoC「Exynos 5250」を搭載する製品だ
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 このベンチマークテストで比較すると,Tegra 4搭載機は,北米市場で高いシェアを持つ「Kindle Fire HD」比で3.5倍の性能を持ち,第4世代「iPad」に対しても優位性を発揮するとのことだ。

「OMAP 4470」搭載のKindle Fire HD比で3.5倍速いとHuang氏。最新世代のiPadよりも高速という
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カンファレンス会場になったラスベガスのホテル「PALMS」を背景に撮られたサンプル。左側が一般的なスマートフォンのカメラで撮影した写真で,明るい背景が“飛んで”いる。中央はiPhone 5で補正したもの,右側がTegra 4のCPAを用いて撮影したもので,HDR処理により人物と背景が破綻なく写っている
Tegra
 以上,“分かりやすい”スペックのほかに,Tegra 4の目玉としてHuang氏が紹介していたのが,「NVIDIA Computational Photography Architecture」(以下,CPA)と名付けられた機能だ。これは,スマートフォンやタブレットの内蔵カメラで素早く容易にHDR(High Dynamic Range)の静止画や動画撮影が行えるというもので,実際にデモも披露された。

 Huang氏によると,従来のスマートフォンやタブレット内蔵のデジタルカメラでは,専用のイメージプロセッサで処理してメモリに取り込み,さらにCPUで加工するという処理がシリアルに行われていたが,CPAではその流れを全面的に見直して,並列処理を可能にしたとのこと。その結果,iPhone 5では2秒かかっていたHDR撮影が,Tegra 4では0.2秒で可能になったという。

Tegra
Huang氏が示した,従来のスマートフォン内蔵カメラにおける画像処理の流れ。カメラからISP(Image Signal Processor)に送られて処理された画像データがメモリに取り込まれ,その後,CPUによる処理が行われる
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こちらがCPAの概念図。ISPとGPU,CPUが専用エンジンを介して接続され並列動作が可能になったことが大きな特徴とされる
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その結果,従来は2秒かかっていたHDR処理がわずか0.2秒で可能になったという。0.2秒で2コマの撮影を行い,合成することで,より自然なHDR写真を作り出せるというのがウリだ。「2秒というのは非常に長い時間で,それがたったの0.2秒で可能になる」とHuang氏は強調していたが,静止画のみならず動画にも応用できるようになったのは大きな強みだろう

 もう1つ,先ほど示したTegra 4のブロック図で隣に示されていたように,今世代では,4G LTE対応のモデムチップ「i500 Soft Modem」(以下,i500)が提供されるのも大きな特徴となる。
 i500は,NVIDIAが2011年5月に買収した英Icera(アイセラ)の技術を用いたもの。一部の処理にソフトウェアを用いることで,一般的なハードウェアモデムチップと比べて約40%もダイサイズを縮小できたというのが強みとなる。これまでNVIDIAは,Qualcommのように通信系チップをセットで提供できないことがモバイル市場における弱点の1つと言われてきたが,その弱点の大きな一部分がTegra 4世代では解消されることになるわけだ。

ソフトウェアモデム技術と,それをベースとするベースバンドプロセッサで知られていたIceraの手によるi500。一部にソフトウェア処理を用いる独自のアーキテクチャを採用し,一般的なモデムチップと比べてダイサイズを40%も削減できているのが大きな特徴とされる
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AndroidとPCの両方がターゲットとなる

NVIDIA製ポータブルゲーム機,Project SHIELD


Dead Trigger 2のデモ
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 以上,CPUコアとGPUコアのスペックが増し,周辺も強化されるTegra 4だが,ゲーム向けの拡張はないの? と思った読者も多いだろう。
 Huang氏は,Tegraファミリーに最適化された新作タイトル「Dead Trigger 2」のデモを紹介してTegra 4のグラフィックス性能をアピールしたくらいで,Tegra 4自体の期待を煽るようなことはあまり述べていなかったのだが,大きなサプライズが最後に用意されていた。それが,ポータブルゲーム機開発計画,Project SHIELDだ。

Project SHIELDは,「A Gaming Portable for Open Platforms」(オープンプラットフォームに向けたポータブルゲーム機)と位置づけられている

 Project SHIELDとは何なのか。端的に述べてしまえば,NVIDIAが密かに進めていた,Tegra 4搭載,Androidベースのポータブルゲーム機である。Huang氏が「ゲーマーにはコントローラが必要だよね」と語りつつ手に持ったProject SHIELDの実機は,正直,いかにもモックアップっぽかったのだが,その後,複数台の実動サンプルが登場したので,すでに完成度はかなりのレベルに達しているのではなかろうか。

Hunag氏が示したProject SHIELDの実機。モックアップのようにも見えるが,少なくとも別途2台の実動サンプルがカンファレンスには登場した
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 Huang氏は,3Dでリアルタイムレンダリングされたデモを用いながら概要を語っていたので,デモのスクリーンショットを使いながら,順にポイントを以下のとおり紹介してみたい。

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心臓部はもちろんTegra 4である
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38Whの大容量バッテリを搭載し「最大10時間もゲームをプレイでき,HDビデオなら約24時間も鑑賞できる」(Huang氏)
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サウンドシステムへのこだわりもProject SHIELDのウリだそうだ。モバイルデバイスとしては初というデュアルドライバーの搭載や内部構造の最適化により「Blu-rayクラスのサウンドを再生できる。(HTCが買収し,積極的に展開している)『Beats Audio』と比べても,周波数帯域などで2倍の性能を実現している」とHuang氏の鼻息は荒い
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アナログスティック2本や2系統4個のトリガーなど,入力系は現行世代の据え置き型ゲーム機準拠。「世界水準のコントローラを採用している」とはHuang氏の弁だ
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Huang氏はProject SHIELDが「ピュアなAndroid機」だと何度も繰り返していたが,あくまでもAndroidデバイスなので,すべてのAndroidアプリケーションが動作するとのこと。インタフェースはHDMI,USB Micro(-A?),3.5mmミニピン,microSDと,「すべて業界標準。特別な規格は何も使っていない。USB経由での充電も可能だ」(Huang氏)
天板部はカスタマイズが可能だそうだ。その方法は明らかにされなかったが,好みや使う場所によって変更できるとのこと
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タッチパネルを操作するHuang氏
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 ここまで紹介した画像からも分かるように,Project SHIELDはクラムシェル型のAndroid機で,ゲームプレイにあたってはゲームパッド部の利用が前提になると述べていいだろう。もちろん「ピュアなAndroid機」なので,タッチパネル操作も可能。タッチセンサーの反応速度は一般的なタッチ型デバイスの3倍に高められているという。
 ちなみに画面サイズは5インチで,解像度は1280×720ドット(296DPI)。NVIDIAは「Retinal」ディスプレイだと主張している。

4Kディスプレイでビデオを楽しめるというデモ。確かに滑らかだった
Tegra
 今回のデモでHuang氏は,LG Electronics製の4KディスプレイとProject SHIELDを接続し,4K解像度でビデオを滑らかに再生できることを披露。そのうえでTegra Zoneで配信予定の新作タイトル「Blood Sword: Sword of Ruin THD」「Real Boxing」を4Kディスプレイに出力してプレイできることも示していた。もっとも,ムービーはともかく,ゲームの解像度が実際に4Kだったかというと,かなり疑問も残るが。

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Tegra ZoneのゲームをProject SHIELDでプレイ。ディスプレイが4K解像度であることを強調していたが,ゲームそのものの解像度は4Kではないと思われる
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Android版「HAWKEN」を用いたマルチプレイデモも行われた

Project SHIELDから無線LAN接続したデスクトップPC
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 ただ,Huang氏がより強調していたのは,Project SHIELDが“単なる”Androidゲーム機ではなく,無線LAN接続されたGeForce GTX搭載機にインストールされたPCゲームやSteam(の「Big Picture」)をProject SHIELDでプレイできることのほうだ。
 カンファレンスでは,無線LANで「GeForce GTX 680」搭載のデスクトップPCへProject SHIELDから接続。そのうえでPC版の「Need for Speed Most Wanted」と「Assassin's Creed III」をプレイして見せた。見る限り,遅延は若干あるようだったが,プレイアブルかそうでないかといえば,プレイアブルといえるレベルの滑らかさだった。

PC版Need for Speed Most WantedをProject SHIELDからプレイするデモ
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PC版Assassin's Creed IIIをProject SHIELDでプレイするデモ
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Assassin's Creed IIIのデモでは,カメラがProject SHIELDとゲーム画面のそれぞれに寄ったので,こちらも掲載。確かに手元でPC品質の画面が動いている
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SteamのBig Pictureを操作するデモ。Big Pictureって何? という人は4Gamerの解説記事をどうぞ
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 AndroidとPCという,オープンプラットフォームのゲームが,どちらも1台のデバイスで楽しめるというわけで,Huang氏は,「Tegra Zoneと,2000タイトル以上を取り揃えるSteam。2種類のオンラインゲームストアが使える」ことをアピール。さらに「好きなところで,好きなスクリーンで,さまざまなゲームを楽しめる。iPodが音楽を変え,Kindleが読書に変革をもたらしてきたが,(今度は)Project SHIELDがゲーマーに変革をもたらす」とまで述べていたので,相当に自信がある雰囲気だ。
 NVIDIAはTegra 2〜3の時代にも,「PCをAndroidタブレットからリモートで操作することで,PCゲームをPCの外へ持ち出す」というアイデアに取り組んできたが(関連記事),ゲームパッドを標準搭載するProject SHIELDは,確かに大きなブレイクスルーとなるかもしれない。

NVIDIAの示す「Project SHIELD登場後のゲーム環境」
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 ただし,Huang氏は,Project SHIELDがどのように市場展開されるのか,そもそも発売されるのかといった点について,一切語っていない。
 市場において,ポータブルゲーム機は目下,スマートフォンやタブレットに押され気味であると伝えられている。Project SHIELDは従来のポータブルゲーム機と異なるコンセプトの製品ではあるが,だからといって,Project SHIELDの製造販売に手を上げるメーカーが出てくるかというと,正直,疑問だ。

 そこで考えられるのが,NVIDIAの直接販売である。GPUメーカーとして,基本的にはOEMとの取引がメインとなる同社だが,これまでも3D Vision Kitを自社流通させてきた実績があるので,NVIDIAが自らゲーム機というか,ゲーマー向けAndroidデバイスのビジネスに打って出る可能性はゼロではないだろう。今後どうなるか,現時点ではっきりしたことはなにも言えないが,ぜひとも製品化してほしいマシンだといえる。


GeForce GRIDあらため(?)

NVIDIA GRIDのサーバーシステムを披露


Tegra
 NVIDIAは2012年に,クラウドでゲームをサービスする「GeForce GRID」の構想を明らかにしていた(関連記事)。その製品版ともいえる「NVIDIA GRID」サーバーについても説明があったので,最後にまとめておきたい。

 さて,Huang氏が「世界で初めて,フルにGPUを組み込んだシステムを作り上げた」と述べつつ披露したのが,下のスライドで示されるサーバーシステムである。

NVIDIA GRIDの「GRID Gaming System」
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公開されたGRID Gaming Systemの実機(上)と,サーバーグリッドのイメージ(下)
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 「GRID Gaming System」と呼ばれるサーバーシステムはコンピュータグラフィックスの処理に最適化されており,搭載されるGPUがすべて並列で動作するのが大きな特徴になっているという。
 サーバーラック1台で搭載できるサーバーグリッドは20台。20台で最大240基のGPUを収容するとのことなので,単純計算すれば,サーバーグリッド1台あたりのGPU数は12基ということになる。
 その性能は「720台分のXbox 360に相当する」(Huang氏)とのことだ。

 NVIDIA GRIDでは,ミドルウェアによる適切なロードバランシング(=負荷分散)などにより,非常に低レイテンシでゲームをサービスできるとのこと。
 クラウドゲーミングの最大の利点は,性能がさほど高くないクライアントでも高精細のグラフィックスでゲームが楽しめる点で,デモでは実際に,LG Electronics製のスマートテレビや,単体GPUを保たないUltrabook上で「Trine 2」をプレイする模様が披露されている。

スマートテレビ(左)およびUltrabook(右)で3Dゲームをプレイするデモ。いずれもNVIDIA GRIDによるクラウドゲームサービスを用いている。ユーザーインタフェースも含めてNVIDIA GRID側でレンダリングを行っているため,性能の高くない端末でも快適にプレイできるのだという
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NVIDIA GRIDのパートナー。日本ではG-clusterが何かを始めそうだ
Tegra
 Huang氏によれば,NVIDIA GRIDのパートナーは現在のところ6社。ブロードメディアが展開している「G-cluster」が含まれているので,国内でも何らかの動きが期待できそうだ。

 ちなみに,Hung氏はPCゲームが成長著しい分野と強調してはいたのだが,ゲームプラットフォームはスマートフォンやタブレットなど横方向への広がりを加速させている。PCゲームを中心にGPUを展開してきたNVIDIAだが,今後はPCゲーマー向けのGPUだけで戦うのが難しいことも認識しているはずだ。

 今回のカンファレンスで紹介されたスマートフォンやタブレット向けのTegra 4,クラウドゲームサービスを実現するNVIDIA GRID,そして新たなゲームプラットフォームを提案するProject SHIELDは,いずれもこうした「横への広がり」に対応していこうとするNVIDIAの戦略を象徴するものといえるだろう。
 2013年も,NVIDIAの動向からは目が離せそうにない。

Project SHIELD特設ページ(英語)


※20:40頃,詳報に差し替えました
  • 関連タイトル:

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    SHIELD

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