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印刷2011/04/18 00:00

レビュー

オープンエア型を採用したDHARMAPOINTの第3弾ヘッドセットを検証する

DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD23BK)

Text by 榎本 涼


DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD23BK)
メーカー:DHARMAPOINT(シグマA・P・Oシステム販売)
問い合わせ先:シグマインフォメーションセンター 0120-917-498
実勢価格:8200〜9500円程度(※2011年4月18日現在)
DHARMAPOINT
 筆者本業の都合で発売からだいぶ間が空いてしまって申し訳ないが(編注:榎本氏はゲームなどのサウンドデザイナーである),今回は,シグマA・P・Oシステム販売の展開するゲーマー向け製品ブランド「DHARMAPOINT」から登場したヘッドセット第3弾,「DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD23BK)」(以下,DRTCHD23BK)を取り上げたい。

 ゲーマー向けデバイスブランドとしては珍しく国内設計を貫くDHARMAPOINT。そのヘッドセット製品第3弾となるDRTCHD23BKは,「下2桁の1桁めは製品形状,2桁めは基本仕様の世代をそれぞれ示す」というDHARMAPOINTの命名ルールに則って,形状も音質面も第1弾や第2弾製品から変更されていることになるが,果たしてその実力はどれほどのものだろうか。


往年のビンテージヘッドフォンを思わせる設計

シリーズ初のオープンエア仕様を採用


全体として大型ということもないのだが,バンド部やマイク,マイクの軸などが大きいため,大きく見える
DHARMAPOINT
 アナログ接続の2chヘッドセットというシンプルな仕様が採用されたDRTCHD23BK。同製品が持つ外観上の大きな特徴は,全体がそれほど大振りというわけではないのに,構成するパーツ類がどれもかなり大きいということだ。DHARMA TACTICAL HEADSETはこれまで,価格対性能比が高いというプラス評価とは別に,耐久性に問題があるというマイナス評価も集まり気味だったが,今回は後者に向けた対策をしてきたな,という印象である。

 全体のカラーはDHARMAPOINTらしい黒。合皮製のパッド部分とエンクロージャの一部にツヤがあるものの,全体的なツヤ消し仕様が,やはり従来製品同様に貫かれている。一言でまとめるなら,ビンテージヘッドフォンを思わせる,「いい感じに渋い」ルックスだ。

DHARMAPOINT
網目模様の金属で覆われたエンクロージャを採用
DHARMAPOINT
スピーカー部が赤い布で覆われているのはDHARMA TACTICAL HEADSETに共通の仕様だ
 そのエンクロージャ部だが,ポイントは2つ。1つは,DHARMA TACTICAL HEADSETとして初のオープンエア型(開放型)が採用されている点である。エンクロージャのカバーは網目の金属だ。
 オープンエア型は装着時のストレスが少なく,高域の伸びがよくなる一方,低域が抜けやすくなったり,マイクが音漏れを拾ってしまいやすくなったりという欠点も併せ持つので,そのあたり,DHARMAPOINTがいかにして欠点を潰しつつ長所を伸ばしてきたかが,後段のテストにおけるポイントとなる。

 もう1つは,53mm径と,このクラスにしてはかなり大きめのスピーカードライバーを採用する点だ。DHARMA TACTICAL HEADSET第1弾の「DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD01BK)」でも50mmドライバーを採用していたが,それよりさらに大きいのである。

 ちなみに,スピーカードライバーにはボイスコイル(=音の発生源)にCCAW(またはCCA。カッパークラッド・アルミワイヤーのこと)を使用しているとわざわざ謳われていたりもする。

DHARMAPOINT
右エンクロージャーには白いロゴが刻まれている。両エンクロージャには分かりやすいL/R表示も入っているので,ぱっと手にしたとき左右は判断しやすい
DHARMAPOINT
イヤーパッドのカバーは合皮製で,肌触りがいい
 一般的な2-wayスピーカーシステムだと,高域担当のトゥイーターにはアルミ線,中低域担当のウーファスピーカーには銅線がそれぞれ使われることが多い。そこで,アルミ線に銅をコーティングしたハイブリッド型となるCCAWを用い,それとネオジムマグネットを組み合わせることにより,2-wayスピーカーシステム的な実装をしてきたわけだ。
 スピーカードライバーは基本的に,大きいほど重低域の最低能力に優れるという特性がある。53mmドライバーとCCAWの採用は,フルレンジスピーカー一発で高域から低域までの再生効率を高め(て,オープンエア型の弱点を克服し)ようということなのだろう。

 スピーカードライバーを囲むようになっているイヤーパッドカバーはシワのある合皮製で,汗を吸収しない一方,耳への当たりが柔らかく,安物の布製カバーのような,ちくちくして不愉快な感じがしない。クッション素材もほどほどに柔らかく,粘りのあるものになっており,総じて頭を挟み込むフィット感は良好だ。

エンクロージャ部の可動域は広い
DHARMAPOINT
 エンクロージャは付け根部分が前後90°回転し,内側にも畳める仕様。可動範囲は大きく,そして軽いが,遊びは少ないため,無駄にグラグラしたりはしない。

 ヘッドバンド部の長さ調整を行うアジャスターは従来製品の金属剥き出しでなく,本体と同じようなツヤ消しプラスチックで覆われている。そのためか,バンド長調整時のクリック感は軽く,やや甘めで,調整は行いやすい。
 そしてヘッドバンド部だが,こちらはイヤーパッドと同じ合皮製カバー付きのクッションながら,“盛っている”感はなく,触ってみるとやや固めだ。

長さ調整用アジャスターはプラスチックで覆われている。ヘッドバンドは見た目以上に固め
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分解には対応していないものの,畳めばここまで小型化できる
DHARMAPOINT
頭頂部には,DHARMAPOINTのロゴがさりげなく入っている

 というわけで,作りは見た目同様,しっかりした印象で,いきおい,装着感はかちっとした,いかにもDHARMAPOINT製ヘッドセットらしい感じになっている。横方向の締め付けは割と強めで,圧迫感も多少あるため,緩めの音楽鑑賞用ヘッドフォンから乗り換えると違和感があるかもしれないが,強すぎて頭が痛くなるほどではない。
 ちなみに実測重量は364g。ケーブルを重量計から除いた参考値は312g前後で,最近のヘッドセットとしてはやや重めだ。

マネキンに取り付けてみたところ。固定はしっかりしており,同時に,きつすぎるほどではない
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マイクブームも使い勝手は良好


 マイクブームも本体に合わせて大柄。マイク自体も大型だ。自由にグリグリ動かせるような感じではないが,狙った場所にピタッと決まるのは好ましい。
 大きなマイク部分には取り外し可能なメッシュクッションが取り付けられており,付属でもう1つ,同じものが予備として用意されている。マイクは単一指向性のコンデンサマイクで,PCのマイク入力から電源を取るタイプだ。

マイクブームの可動域(左,中央)とマイクユニット(右)。マイクブームの軸は上下90°,合計180°の可動域がある
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 ケーブルは硬質なツヤ消し黒色で,長さは実測2.5m。しっかり硬めで強度があると見るか,取り回しがややしにくいと見るかは人それぞれだろう。
 そんなケーブルには,左エンクロージャから約0.3mくらいのところにインラインリモコンが用意されている。ロータリー式のボリュームコントローラとマイクのオン/オフを切り替えるスライドスイッチが用意されているだけで,ロゴもなくシンプルだ。
 ただ,スライドスイッチは少し固すぎる。経年劣化で緩くなるだろうから,初期値はこのくらいでいいのかもしれないが,少なくとも最初のうち,片手で操作するには少し慣れが必要だろう。

アナログケーブルはごくごく普通,といったところ。リモコンにもこれといった個性はない
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パワー感のある,比較的フラットな出力音質

ただし中高域に多少のクセもある


 以上を踏まえつつ,テストに入っていきたい。
 PC用ヘッドセットを想定した筆者のレビューでは,基本的に,ヘッドフォン部を試聴で,マイク部を波形測定と録音した音声の試聴とでそれぞれ行う。
 まず,ヘッドフォン出力品質のテストにおいては,「iTunes」によるステレオ音楽ファイルの再生と,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4)マルチプレイのリプレイ再生を主に行い,それを基に評価する。
 一方のマイク入力に関しては,とくに波形測定方法の説明が長くなるため,本稿の最後にテスト方法を別途まとめてある。基本的には本文を読み進めるだけで理解できるよう配慮しているつもりだが,興味のある人は合わせて参考にしてもらえればと思う。
 なお,テストに用いたシステムはのとおり。DRTCHD23BKは「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium HD」(以下,X-Fi Titanium HD)と接続した。


 まずヘッドフォン部からだが,音楽を聴いて最初に感じたのはパワーだ。「オープンエア型ゆえに,重低域を中心として音が抜け気味になるのではないか」という懸念はいきなり払拭された。搭載する53mmのスピーカードライバーのおかげか,重低域から高域までしっかり伸び,中域も十分出ているため,それがパワー感につながっているのだろう。
 よくあるドンシャリ傾向の音質とは異なり,重低音はアゴが震えるほどきつかったりしないし,高域も耳が痛くなったりするような強さではない。強すぎず弱すぎず,いい意味で「ほどほどの」重低音と高音に留まっている。得てして「やり過ぎ」になってしまう最近のヘッドセットとは明らかに一線を画しており,好ましい方向性だ。

 ただ,中高域にはわずかながら“えぐみ”も感じられる。その分,輪郭もかっちり聞こえるのだが,ほかの帯域は柔らかめなのに,中高域だけややキツめなので,この点が気になる人はいるかもしれない。

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 また,作りが原因なのかどうか,オープンエア型らしい開放感のようなものは感じない。どちらかというとストレスの少ない密閉型に近い印象だ。音漏れも非常に少ないため,「エンクロージャ部のメッシュは見せかけ?」「本当は密閉型?」と思うくらいである。オープンエア型というより,セミオープンエア型と紹介したほうが,実態には即しているのではないだろうか。

 次に,X-Fi Titanium HDでCMSS-3Dheadphoneを有効化してCall of Duty 4をチェックしてみると,音楽視聴時の印象をそのまま受け継ぐ感じの音が聞こえてくる。中高域にピークがあるのと,重低域までたっぷり再生されているのとで,自分の撃つ銃声には迫力が感じられ,かつ非常に前に出てくるのだ。ただ,上から下までしっかりバランスよく出ているため,高域で耳が痛い感じはない。

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 バーチャルサラウンドヘッドフォンの効果も良好。後方のサラウンド感,定位感(「音がどこから鳴っているのか」の分かりやすさ)が十分にあるだけでなく,CMSS-3Dheadphoneが苦手とする前方の定位感もけっこうしっかりしている。この点では「DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD12BK)」と似た印象と述べてよさそうだ。

 ……と,いいことずくめのようだが,もちろん,気になる点もあった。
 最も引っかかったのは,CMSS-3Dheadphone有効時に生じる独特のモジュレーション感(変調感)が強く,コーラスがかかったような音で聞こえること。それだけヘッドセットの再生能力が高いという見方もできるが,普通なら気にならない部分が気になるので,注意が必要だろう。
 位置情報としての音をしっかり聞き取れることと,ゲームのサウンドやBGMを楽しく聞けることが,ゲーマー向けヘッドフォンにおける2大要素だとすると,DRTCHD23BKは割と前者寄りのチューニングになっている。

 もう1つ,今回のテストシステムでは,インラインリモコンからマイクをミュートしたとき,PCの内部ノイズを多く拾い気味だったことも指摘しておきたい。ディスクのシーク音が聞こえたりするわけではないし,マイクをオンにするとむしろ目立たなくなったりもするので原因は不明だが,環境によっては,何も出力していないとき,「ジー」という音が聞こえる可能性がある。
 ちなみにこのノイズは,筆者が確認した限りゲームアプリケーションの実行時にしか発生しなかった。


マイクは低域が強く

やや柔らかめの音質傾向


 続いてはマイク入力だが,周波数および位相特性のテスト結果は下にグラフ画像で示したとおり。例によって1.4kHz付近の落ち込みはテスト用オーディオ信号の出力に使用しているスピーカーセットのクロスオーバー周波数なので,その点は無視してもらえれば幸いだ。
 DRTCHD23BKのスペック上,周波数特性は50〜16kHzだが,グラフを見る限りは50〜12kHzといったところか。12kHz付近より上では急激に落ち込んでいるので,「16kHzまで」と言い切るのは難しい。一方,下限の公称50Hzはほぼ仕様どおりと述べてよさそうだ。
 ただ,その特性はフラットではない。40〜180Hz付近と7kHz周辺に山がある,いわゆるドンシャリの周波数特性である。

 なお,モノラル入力で,とくにノイズキャンセラーなどは搭載していないためか,位相特性は問題なかった。

2つあるペインの上側に示した周波数特性は,グリーンがリファレンス。オレンジがDR-GA500のアナログ接続時だ。1.4kHz付近にある大きな落ち込みは,スイープ波形の出力に用いたADAM製モニタースピーカー「S3A」のウーファとトゥイータとのクロスオーバーポイント(※2つのスピーカーユニットが持つ周波数帯域の交わるポイント)である
DHARMAPOINT

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 実際に音声を入力してみると,単一指向性で,音を拾うポイントを絞っているせいか,ノイズは割と少なめ。低音が強く,高域がやや物足りないという,周波数計測結果を踏襲した結果になっており,「多少鼻づまり気味の音質傾向」とまとめられよう。乱戦では多少通りにくい声になりそうだが,男性の平均よりも低い声の人だと,しっかり入力されるというメリットもある。

 気になったのは,自分の声もモニタリングできるようにしていると,必ずエコーが2回発生する点だ。例えば「あ」と発声した場合,1秒ずつ遅れて2回「あ」「あ」と聞こえるのである。2回も聞こえるというのは珍しいが,オープンエア型の設計を採用するデメリットが出たと思われる。
 ゲーム中,自分の声をモニタリングしたいという人はあまりいないと思われるので,目くじらを立てる必要はないと思われるものの,あまり歓迎すべき事態ではないのもまた確かだ。


ゲーム用ヘッドフォンとしては合格点を大きく上回る

マイクはもう少しパリッとしてもよかったか


製品ボックス(上)と内容物一覧(下)
DHARMAPOINT
DHARMAPOINT
 DHARMA TACTICAL HEADSETといえば,ビンテージ系のデザインで,低域から高域まできれいに伸びるバランスのよい音が特徴だったが,第3弾製品としてのDRTCHD23BKも,そのラインは維持している。ヘッドフォンとしてはやや中高域にクセがあるものの,致命的ではなく,むしろ「従来製品より“ガチの”ゲームプレイに向く」と言ってもいいくらいだ。「気持ちよく音を聞くよりは,情報としての音を漏らさず聞き取る方向に寄せた,モニタリング用ヘッドフォン的な出力音質」と評することもできる。

 一方,マイク部は物理的に少々大きく,けっこう目障りなのと,周波数特性がハイファイ方向にチューニングされ,ドンシャリ傾向になっているのが減点材料。このところ,ヘッドセットのマイク音質傾向はプレゼンスの効いた,2〜4kHz付近にピークのある周波数特性のものが多く,ゲーム中「張った」声でしゃべるとしっかり聞こえる製品が多いのだが,DRTCHD23BKでは,音質傾向が甘めというか,柔らかめになっているのだ。「Skype」などを用いた純然たるボイスチャット用ならこれでいいのだが,銃声や爆発音が飛び交う戦場で使うことを考慮すると,もう少し存在感のある音質でもよかったように思う。

 というわけで,マイク部分を手放しで褒めるわけにはいかないながらも,総合点はかなり高いところにある,というのが,DRTCHD23BKに関する結論となる。Made in Japanでこそないものの,Designed in Japanとして良質なヘッドセットを出し続けてくれることに敬意を表したい。
 アナログ接続のゲーム用ヘッドセットを探しているのであれば,選択肢として検討に値する製品だ。

DHARMAPOINTのDRTCHD23BK製品情報ページ



マイク特性の測定方法

PAZのデフォルトウインドウ。上に周波数,下に位相の特性を表示するようになっている
DHARMAPOINT
 マイクの品質評価に当たっては,周波数と位相の両特性を測定する。測定に用いるのは,イスラエルのWaves Audio製オーディオアナライザソフト「PAZ Psychoacoustic Analyzer」(以下,PAZ)。筆者の音楽制作用システムに接続してあるスピーカー(ADAM製「S3A」)をマイクの正面前方5cmのところへ置いてユーザーの口の代わりとし,スピーカーから出力したスイープ波形をヘッドセットのマイクへ入力。入力用PCに取り付けてあるサウンドカード「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium」とヘッドセットを接続して,マイク入力したデータをPAZで計測するという流れになる。もちろん事前には,カードの入力周りに位相ズレといった問題がないことを確認済みだ。

 測定に利用するオーディオ信号はスイープ波形。これは,サイン波(※一番ピュアな波形)を20Hzから24kHzまで滑らかに変化させた(=スイープさせた)オーディオ信号である。スイープ波形は,テストを行う部屋の音響特性――音が壁面や床や天井面で反射したり吸収されたり,あるいは特定周波数で共振を起こしたり――に影響を受けにくいという利点があるので,以前行っていたピンクノイズによるテスト以上に,正確な周波数特性を計測できるはずだ。
 またテストに当たっては,平均音圧レベルの計測値(RMS)をスコアとして取得する。以前行っていたピークレベル計測よりも測定誤差が少なくなる(※完全になくなるわけではない)からである。
 結局のところ,「リファレンスの波形からどれくらい乖離しているか」をチェックするわけなので,レビュー記事中では,そこを中心に読み進め,適宜データと照らし合わせてもらいたいと思う。


 用語とグラフの見方について補足しておくと,周波数特性とは,オーディオ機器の入出力の強さを「音の高さ」別に計測したデータをまとめたものだ。よくゲームの効果音やBGMに対して「甲高い音」「低音」などといった評価がされるが,この高さは「Hz」(ヘルツ)で表せる。これら高域の音や低域の音をHz単位で拾って折れ線グラフ化し,「○Hzの音は大きい(あるいは小さい)」というためのもの,と考えてもらえばいい。人間の耳が聴き取れる音の高さは20Hzから20kHz(=2万Hz)といわれており,4Gamerのヘッドセットレビューでもこの範囲について言及する。

周波数特性の波形の例。実のところ,リファレンスとなるスイープ信号の波形である

 上に示したのは,PAZを利用して計測した周波数特性の例だ。グラフの左端が0Hz,右端が20kHzで,波線がその周波数における音の大きさ(「音圧レベル」もしくは「オーディオレベル」という)を示す。また一般論として,リファレンスとなる音が存在する場合は,そのリファレンスの音の波形に近い形であればあるほど,測定対象はオーディオ機器として優秀ということになる。
 ただ,ここで注意しておく必要があるのは,「ヘッドセットのマイクだと,15kHz以上はむしろリファレンス波形よりも弱めのほうがいい」ということ。15kHz以上の高域は,人間の声にまず含まれない。このあたりをマイクが拾ってしまうと,その分だけ単純にノイズが増えてしまい,全体としての「ボイスチャット用音声」に悪影響を与えてしまいかねないからだ。男声に多く含まれる80〜500Hzの帯域を中心に,女声の最大1kHzあたりまでが,その人の声の高さを決める「基本波」と呼ばれる帯域で,これと各自の声のキャラクターを形成する最大4kHzくらいまでの「高次倍音」がリファレンスと近いかどうかが,ヘッドセットのマイク性能をチェックするうえではポイントになる。


位相特性の波形の例。こちらもリファレンスだ
 位相は周波数よりさらに難しい概念なので,ここでは思い切って説明を省きたいと思う。PAZのグラフ下部にある半円のうち,弧の色が青い部分にオレンジ色の線が入っていれば合格だ。「AntiPhase」と書かれている赤い部分に及んでいると,左右ステレオの音がズレている(=位相差がある)状態で,左右の音がズレてしまって違和感を生じさせることになる。
 ヘッドセットのマイクに入力した声は仲間に届く。それだけに,違和感や不快感を与えない,正常に入力できるマイクかどうかが重要となるわけだ。
  • 関連タイトル:

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