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立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
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印刷2011/06/22 21:35

イベント

立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート

画像集#002のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 本日(2011年6月22日)より24日まで東京ビッグサイトで第19回「3D&バーチャルリアリティ展」が開催されている。昨年から「産業用バーチャルリアリティ展」から名称が変更され,より民生寄りになった本イベント,年々規模が大きくなっているのだが,今年はいちだんと出展も来場者も増えた印象だ。
 世間では昨年各社が力を入れていた,いわゆる「3Dテレビ」がいま一つ盛り上がり切らず,コンテンツ不足感が否めない昨今だが,「立体視は当たり前」で長年やってきた当展示会では,より大画面で,よりインタラクティブなものが目立っていた。

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VRは4Kディスプレイ時代に向けた動き


画像集#003のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 立体視ディスプレイについては,各方式が一巡した感じでさほど目新しい方式はない。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)による本格的なVR体験ができるデモが増えていたり,次世代の4K2Kディスプレイと,そのコンテンツにフォーカスが移っているようだ。現状のフルHDの4倍の情報量を持った映像での立体視デモなどがあちこちで行われていた。
 4Kの大画面ディスプレイで最大のものは,壁一面をリアプロジェクタにしたような200インチの「DLP 4K Wall」のデモ。投影サイズは対角線で約5mに及ぶが,大きさよりも壁一面が丸ごとディスプレイになっていることのインパクトが強い。プロジェクタは,クリスティ・デジタル・システムズによるDLP方式の「D4K35」。3素子のDLPを使い,時分割でないカラー表示を行っている。プロジェクタ本体は壁の向こう約5m後方に設置されているとのこと。

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他社の4K立体視ディスプレイ
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プロジェクタ3台による立体視映像デモ


等身大VR映像表示の例
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 大画面展示ということではこちらも大きかった。毎回凝ったコンテンツを出展するソリッドレイ研究所は,ミニシアターで同社のVRオーサリングツール「オメガスペース」で作成した映像のデモを行っていた。立体視はNVIDIA 3D Visionによるもの。
 3面プロジェクタ映像は,左右については視野角いっぱいに広がる感じで臨場感がすばらしい。プロジェクタなら,液晶ディスプレイのマルチ画面ではどうしても気になる継ぎ目をほぼなくせるので,マルチ画面の立体視向きとはいえるかもしれない。
 没入感という意味では,画面サイズはかなり重要で,視野角いっぱいに広がる画面は,ある意味理想的な映像環境といえるだろう。まあ,ゲームでは画面の端まで見渡せないと困ることも多いのだが,プレイ中の迫力は段違いだ。同社の3DVisionに対応したプロジェクタは,ゲーム用としてもチェックしておいていいかもしれない。

画面に継ぎ目のないマルチ画面
画像集#009のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート


手持ちのディスプレイを裸眼立体視ディスプレイに?


画像集#010のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 「業界初」だという後付けの立体視フィルタ「Pic3D」を展示していたGlobal Wave。これはレンチキュラー方式の裸眼立体視フィルタで,まさにフィルタとして液晶ディスプレイの前面に取り付けるだけで,普通の液晶ディスプレイを立体視ディスプレイにすることができるというもの。
 レンチキュラー方式の立体視ディスプレイは以前からあるのだが,3D専用ディスプレイになってしまうので,2Dコンテンツなどで支障が出るのが難点だった。Pic3Dは後付けフィルタなので,取り外して2Dディスプレイに戻して使うことも自在となっている。
 わりと適当に取り付けても大丈夫というのがウリだとのことだが,設置されていた1台は取り付けがちょっと曲がっているようで,太い凸凹の筋が出ているような見え方になっていた。後付けフィルタ式で取り付け精度が悪いとそのように破綻して見えることもあるようだ。それでも,かなり手軽に取り付けられる印象ではあった。

iPad用のフィルタ
画像集#023のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 すでにiPad用の後付けフィルタとして発表されており,富士通では,この春からのESPRIMOシリーズでこの方式を採用している。
 プレイヤーソフトウェアとのセットということで,基本的には立体映像のコンテンツを見るためのものなのだが,カスタムとしてはリアルタイム映像に対応したものも対応可能とのこと。YouTubeの立体視コンテンツにも対応している。
 液晶ディスプレイのドットピッチに適合させたフィルタが必要なので,需要に応じて対応するということのようだが,会場には,21インチと23インチフルHDに対応したフィルタが展示されており,この2種類だけでもかなり多くのディスプレイに転用できそうではあった。
 Global Waveでは,8月から,

  23インチ(1920×1080ドット)
  21.5インチ(1920×1080ドット)
  15.6インチ(1366×768ドット)
  12.1インチ(1280×800ドット)

に対応したフィルタを発売開始するという。23インチ用で1万5000円前後の実売価格になる模様だ(iPad用やiPhone用も発売予定)。
 現状では映像コンテンツを見るしか使い道がないのでちょっと割高な感じだが,ゲームに利用できるようなドライバができればちょっと面白い存在になるかもしれない。

http://www.pic3d.net/

左のようにフィルタの取り外しも簡単にできるようになっているESPRIMOのディスプレイ。右はiPhone用のフィルタ。パララックスバリア方式のものは以前ニューサイトが出していたが,これはレンチキュラーによるもの
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新感覚の3Dモデリングツール「Leonar3Do」


画像集#016のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 マーカーレスモーションキャプチャシステムを各種扱っているゼロシーセブンでは,今回はちょっと変わったデバイスも出展していた。「Leonar3Do」(レオナルドと読む)は,デスクトップ3Dバーチャルリアリティキットとサブタイトルが付けられた3Dモデリングツールだ。
 まず,ディスプレイの上部3か所にセンサーを取り付け,コントロールボックスに接続。コントロールボックスには,さらに液晶シャッター方式の3Dメガネと「Bird」と呼ばれる入力デバイスが接続される。
 このBirdを使って空間にアクセスするわけだが,雰囲気としては,ケーキのデコレーション用絞り袋を空間的に使ってモデリングするような感じといえばいいだろうか。空間上に表示された物体に,直接モリモリできるようなツールとなっている。
 多分にイメージ映像となっているのだが,以下のムービーを見ていただくのが分かりやすいだろう。


立体の五目並べ
画像集#017のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 ちなみに,液晶ディスプレイは75Hz以上に対応しているものが必要で,120Hz対応品が推奨されており,GPUはNVIDIA(GeForce 8以降)とAMD(Radeon HD 2400以降)に対応している。日本での発売時期や価格などはまだ未定。

 また,Birdを入力デバイスとしたゲームのデモなども行われており,立体視時代の入力デバイスの例としても注目しておきたい。

http://www.leonar3do.com/

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パーソナル(?)な3DプリンタuPrint


画像集#020のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 パーソナルな3Dプリンタとして展示されていた「uPrint」。以前紹介したこともあるデバイスで,とくに更新情報はないのだが,改めて紹介しておこう。
 「パーソナル」とされているが,198万円からと自家用車価格なので,個人所有はできなくもないかもしれないが,まだまだ難しい感じだ。それまでの外車価格から国産車価格になったという感じだろうか。個人的にはあと一桁頑張ってほしいところ。
 ABS樹脂を積層していく方式なので,彩色を同時に行えないものの,できあがったモノはかなり丈夫。ABS樹脂はアイボリーの単色のみだが,上位機種のuPrint Plusでは9色の樹脂が使用可能なので,パーツごとに出力すれば基本色のガンダムくらいは再現できそう。こういうのが一家に一台あると楽しいだろうなあ。

http://www.marubeni-sys.com/de/uprint/

左はuPrint Plus。右は出力サンプル
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高密度レンチキュラー式立体印刷


画像集#021のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート
 ユーホウが展示していたのは立体視用の静止画印刷技術。レンチキュラーレンズを使用したものだ。表面に凸凹した筋の入ったレンズフィルムになっているタイプのシールなど,立体画像としては最もお馴染みなタイプではあろう。それの高精度版だと思えば間違いない。
 展示されていたのは中国製レンチキュラーレンズシートを使って,同社が高精度印刷を施したもの。印刷精度が400dpiでレンチキュラーレンズが100lpi(Lines per Inch)ということで,中国の技術も国産のスーパーレンチキュラーに迫るところまできているのが驚きだった。
 高密度レンチキュラー印刷は見た目に高精細で,それなりの品位の高立体画像を実現可能だ。なんでも,中国版VOGUE誌の外装を立体印刷で行った実績もあるとのことで,コスト,クオリティともに実用(?)段階になっているようだ。使用例としてゲームパッケージに使用したイメージサンプルがあったのだが,これなどはかなりイケる気がする。とくに3DS版とか。
 同時に展示されていた「ECO Hi-Vision 3D」印刷は,インクジェットを使ったもので,レンチキュラーとは別の方式による大画面立体視印刷技術のようだ。見た目は高密度レンチキュラーよりやや粗いものの,大きさという点では圧倒的だ。

画像集#022のサムネイル/立体視映像は高密度化,新型入力デバイスも「3D&バーチャルリアリティ展」レポート

http://www.ciz.co.jp/

「3D&バーチャルリアリティ展」公式サイト

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