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Access Accepted第543回:e-Sportsにおける「オーバーウォッチ」の光と影
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印刷2017/07/10 12:00

業界動向

Access Accepted第543回:e-Sportsにおける「オーバーウォッチ」の光と影


 2017年4月の段階で,登録アカウント数が3000万を超えたことが公式に発表された,Blizzard Entertainmentの「オーバーウォッチ」。その最強チームを決めるイベント,第2回「Overwatch World Cup 2017」のグループステージがいよいよ開幕する。11月の「BlizzCon 2017」で行われる決勝大会への出場権を賭けて,日本を含めた世界32か国のチームが激突することになるのだが,しかし,鳴り物入りで始まった「Overwatch League」については,プロチームの辞退が相次ぐなど,よくない話も聞こえてくる。今週は,そんなヒット作の世界大会にまつわる話題だ。


「Overwatch World Cup 2017」がついに開催


 「オーバーウォッチ」PC/PlayStation 4/Xbox One)の最強チームを決定すべく,世界32か国で選抜されたチームが激突する第2回「Overwatch World Cup 2017」が2017年7月14日の上海を皮切りに,ついにスタートする。
 現在,世界ランキング12位につけている日本チームの初戦は,7月21〜23日,オーストラリアのシドニーにあるStar Event Centreで行われ,そこではフィンランド,スペイン,そしてベトナムのチームと総当たりで戦うことになる。
 そして,各グループを1位で通過した8チームが,11月3日と4日,カリフォルニア州アナハイムで開催されるBlizzard Entertainmentのファンイベント「BlizzCon 2017」で行われる決勝トーナメントへ向かうことになるのだ。

前回は予選を勝ち抜くことのできなかった日本チームだが,現在の世界ランキングは12位と,レベルはかなり上がった様子。決勝大会への出場を期待したい

「Overwatch World Cup 2017」公式サイト


 この「Overwatch World Cup 2017」の特徴は,プロリーグに参加するチームの多くが多国籍であるのに対して,サッカーのワールドカップのように国の代表を選ぶことだろう。
 詳しくは公式サイトの当該ページをチェックしてほしいが,「オーバーウォッチ」のプレイヤーの投票によってコーチとなる3人の競技委員が選ばれ,彼らが妥当だと思われる選手を選ぶという仕組みになっている。このようにして決まった日本チームのメンバーは,オフェンスにAktm選手とTa1yo選手,サポートにClaire選手とyoz選手,タンクにdeartn選手,そしてflexにはJasper選手という布陣になっている。果たして,彼らはどのような活躍をし,今後につながるであろう,どんな体験を持ち帰ってくれるのだろうか。

 2016年5月に正式ローンチされた「オーバーウォッチ」は現在,登録アカウント数が3000万を超える大ヒット作となっている(関連記事)。ディレクターのジェフ・キャプラン(Jeff Caplan)氏は,以前から何度も,「オーバーウォッチは,e-Sportsを念頭に置いたゲームではない」と述べ,こうしたイベントはプレイヤーが求めたものであるとしている。とはいえ,キャプラン氏の言葉を額面どおりに受け取っていいのか,筆者としては疑問だ。

 韓国などで大会が盛んに行われた「スタークラフト」の高い人気により,e-Sportsのポテンシャルを見たBlizzard Entertainmentは,続く「Heroes of the Storm」「Hearthstone」など,新たなジャンルに参入した作品は,いずれも対戦を強く意識したものになっている。既存のオンラインFPSとは一線を画す,同社が得意とする世界観を前面に押し出した“ファンタジーFPS”ともいえる新作「オーバーウォッチ」ではあるが,FPSというジャンルに新作を送り込むにあたって,e-Sportsを念頭に置かなかったとは考えにくい。また,「Overwatch League」のスタートも,十分な準備期間があったと思わせる手際の良さだった。


雲行きが怪しい「Overwatch League」


 「BlizzCon 2016」が始まった2016年11月5日,Blizzard Entertainmentは「Overwatch League」の設立をアナウンスした(関連記事)。ホームとなる都市に本部を置き,大会の賞金だけでなく,プロ選手として報酬を得られるシステムを作るという,アメリカンフットボールやサッカーなどのプロスポーツを思わせる内容で,「オーバーウォッチを使ったエコシステムの形成」を目的にしたという。

 ところが最近,エコシステムの中核となるべき,世界で名が知られたプロチームが次々と「オーバーウォッチ」の大会への参加を取りやめているのだ。FnaticTeam DignitasNinjas in Pyjamas,そしてSplyceといった名門プロチームに続き,最近はEvil Geniusesが,「オーバーウォッチ」のチームを解散しメンバーを自由契約にすることを発表した
 Evil Geniusesは解散の理由として,6月に開催されたContendersというe-Sportsイベントで結果を残すことができず,メンバーがお互いにうまく協調できなかったことを挙げている。

 現在のところ,「Overwatch League」をメインにしているのは,韓国のOGN APEXと中国のOverwatch Premier Seriesくらいで,アメリカを含む多くの地域で今後,リーグが開催できるのかさえ分からない状況だ。競技スポーツとしての「オーバーウォッチ」に赤信号が灯ったとするのは大げさかもしれないが,いささか雲行きが怪しいことは間違いない。

5人対5人のチーム戦がデフォルトともいえる中,あえて6人対6人というチーム編成にした「オーバーウォッチ」。1年で3000万の登録アカウント数を記録しているが,「Overwatch League」が本格的に始動するのは,予定より大きく遅れた2018年第1四半期になると思われている
Access Accepted第543回:e-Sportsにおける「オーバーウォッチ」の光と影

 北米の大手スポーツメディアのESPNは,5月11日付けの記事でこのことを取り上げ,Blizzard Entertainmentがプロチームに対して非常に高い契約金を要求しているのではないかと述べている。
 記事によると,Blizzard Entertainmentはリーグに参加したい団体がホームとなる都市や地域の代表であると正式に認可されるための費用として,2000万ドル(約20億円)を要求しているという。
 この費用は「バイ・イン」(Buy-in)とも呼ばれており,記事には例としてNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のニューイングランド・パトリオッツを運営するKraft Groupが,アメリカ北西部におけるバイ・イン契約を行ったことが書かれている。ニューヨークやロサンゼルスなど,人口の多い都市では高額な契約条件になるそうで,そのためスポンサーが集まらない状態になってしまっているという。

 ちなみに,世界最大の競技プレイヤー人口を誇る「League of Legends」のバイ・イン費用は180万ドルなので,「オーバーウォッチ」はその11倍を超える金額になる。しかも,Blizzard Entertainmentは収益が見込まれた場合のみ,2021年から利益の分配を行うとしているとも書かれており,事実なら参加チームは今後5年近く,収益をグッズ販売などに頼るしかない。

 真偽はともかく,いくら大きなメーカーがスポンサーに付こうと,20億円というのはおいそれと投資できるような金額ではない。さらに「Overwatch League」は地域に根づいたチーム作りが前提になっているだけに,国籍を超えた精鋭でメンバーを構成している多くのプロチームにとって,本部の設置や選手の移動といった負担も生まれそうだ。「Overwatch League」のような1本のゲームに頼ったエコシステムの構築は前例がなく,現実的ではないという声もある。

 このESPNの記事を報じたGameSpotの記事に対してBlizzard Entertainmentは,「出所不明の噂を信じないように」と読者であるゲーマーに求めている。筆者としても,ESPNの記事の正確性を判断するだけの材料は持っていない。とはいえ,トップチームの相次ぐ離脱は間違いないので,今後の動きには注目すべきだろう。

「Overwatch World Cup 2016」の決勝に進出したスウェーデン代表チーム。あくまでもBlizzard Entertainmentのルールに則った“国家代表”ではあるが,スウェーデンらしい青と黄のユニフォームだ
Access Accepted第543回:e-Sportsにおける「オーバーウォッチ」の光と影

 1997年,全米規模で開催された初めての賞金制トーナメント,「Red Annihilation Quake Tournament」で,優勝者の“Thresh”ことデニス・フォン(Dennis Fong)さんが,「Quake」の開発者であるジョン・カーマック(John Carmack)氏の所有するフェラーリ328を賞品として受け取った。

 それから20年が経過し,日本を含めた世界の多くの地域でプロゲーマーにアスリートビザが発行されるなど,e-Sportsは市民権を獲得しつつある。しかし,その運営方法に関してはまだまだ混沌とした雰囲気で,今回のBlizzard Entertainmentの一件もその印象を強くする。多くのプロスポーツも,さまざまな変遷を経て現在の姿に落ち着いており,新たなe-Sportsも安定期に入るまでにはまだ時間がかかるのかもしれない。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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