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「ATI Catalyst 10.6」登場。ビデオ周りの新機能とCFX関連の最適化がキモ
対応製品は,デスクトップPC向けがATI Radeon HD 2000〜5000シリーズと「AMD 740G」を除くAMD 7世代のチップセット,ノートPC向けはATI Mobility Radeon HD 2000〜5000シリーズのGPUと「ATI PowerXpress」対応のチップセット。デスクトップPC向けはWindows XP・Vista&7用が,ノートPC向けはWindows Vista&7用がそれぞれ公開されている点も含め,このあたりは2010年5月版となる「ATI Catalyst 10.5」と同じだ。
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(※ノートPC向けドライバに関しては,本稿の最後に「Catalyst Mobility 10.6の制限事項」としてまとめたとおり,いくつか注意点がある)
「Display Driver」のバージョンは8.741で,先月のそれからは0.018の引き上げとなる2010年6月版ATI Catalystだが,トピックは,「Adobe Flash Player 10.1」のGPUアクセラレーション対応に向けた最適化を中心とするビデオ周りの新機能,そして,ATI CrossFireX(以下,CFX)を中心としたパフォーマンスの最適化といったところになるだろう。
2010年5月版で正式サポートされた垂直リフレッシュレート120Hz対応ディスプレイに関し,さっそく問題が一つ潰されているほか,長らく続いている“「Battlefield: Bad Company 2」の読み出し時間が長くかかる問題”へもさらなるメスが入るなど,バグフィックスの規模も順当なレベルにまとまっているといえそうだ(※いい加減Bad Company 2の件はケリを付けてほしいとも思うが)。
以上の新機能や最適化,バグフィックスに関しては,下記のとおりリリースノートの和訳を試みたので,興味のある人はチェックしてほしい。
ドライバのアップデート作業は自己責任となるので,この点は注意してほしいものの,全体としては,試してみるだけの価値を持ったアップデートになっているといえるのではなかろうか。
●Catalyst 10.6における新要素
・Adobe Flash Player 10.1におけるH.264のGPUアクセラレーション正式対応
- 対応製品はATI Radeon HD 5000&4000シリーズ,“ATI Mobility ATI Radeon HD 400”シリーズ以上(※リリースノートより原文ママ。おそらくATI Mobility Radeon HD 4000シリーズのことだと思われる),ATI Radeon HD 3000以上のグラフィックス機能統合型チップセット
- 低ビットレートのビデオ再生時に生じるブロックノイズを低減
- 対応GPUはATI Radeon HD 5000シリーズ
- 高圧縮率プログレッシブ方式ビデオの再生時に生じるモスキートノイズを低減
- 対応GPUはATI Radeon HD 5000シリーズ
- ATI Radoen HD 5000シリーズではOpenGL 4.0,それ以外のサポート対象製品ではOpenGL 3.3に対応
●Catalyst 10.6におけるパフォーマンス向上
- 3DMark Vantage:ATI Radeon HD 5970搭載環境で総合スコアが最大5%
- Batman: Arkham Asylum:ATI Radeon HD 5970搭載環境で最大10%,ATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大5%
- Aliens vs. PredatorのDirectX 11ベンチマーク:ATI Radeon HD 5970のCFX環境で最大10%,ATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大4%,ATI Radeon HD 5700シリーズのCFX環境で最大3%
- Company of HeroesのDirectX 10モード:ATI Radeon HD 5970のシングルカード&CFX環境で最大5%,ATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大7%
- Colin McRae: DiRT 2のDirectX 9モード:ATI Radeon HD 5970およびATI Radeon HD 5800シリーズのシングルカード環境で最大10%,ATI Radeon HD 5700シリーズのシングルカード環境で最大4%
- Crysis Warhead:ATI Radeon HD 5000シリーズのCFX環境で最大5%
- The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena:ATI Radeon HD 5970のシングルカード&CFX環境で最大13%,ATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大15%,ATI Radeon HD 5700シリーズのCFX環境で最大8%
- Tropics Benchmark:ATI Radeon HD 5000シリーズのCFX環境で最大8%
- World in Conflict:ATI Radeon HD 5970のシングルカード&CFX環境で最大8%,ATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大6%
- Wolfenstein:ATI Radeon HD 5970のシングルカード&CFX環境およびATI Radeon HD 5800シリーズのCFX環境で最大18%,ATI Radeon HD 5700シリーズのシングルカード環境で最大11%
●Catalyst 10.6で解決した問題(Windows XP・Vista・7共通)
- 「Battlefield: Bad Company 2」で,マップの読み出しに尋常ではないほど長い時間がかかる問題
- ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)の「Desktops&Displays」に割り当てたホットキー設定が,CCCを閉じて再び開くと保持されない問題
●Catalyst 10.6で解決した問題(Windows XP)
- ディスプレイ側のリフレッシュレートが120Hzのとき,SDもしくはBlu-rayビデオを再生すると,デスクトップの表示がおかしくなる問題
- 「Age of Empires」のオンラインマルチプレイで,「strategy button」をクリックすると,エラーメッセージが表示され,ゲームがプレイできなくなる問題
●Catalyst 10.6で解決した問題(Windows Vista)
- 「Assassin’s Creed」のDirectX 10モードで,ゲーム画面表示をウインドウからフルスクリーンに切り替えられない問題
- マルチGPU環境で「Battlefield: Bad Company 2」を実行し,ゲーム画面とデスクトップ表示の間を切り替えると,画面がちらつく問題
- ディスプレイ側のリフレッシュレートが120Hzのとき,SDもしくはBlu-rayビデオを再生すると,デスクトップの表示がおかしくなる問題
- CCCの「Video」−「All Settings」にある「Basic Color」の設定内容が正しく反映されず,(設定しても)デフォルト値に戻る問題
- CFX環境で最初にCFX動作を無効化したとき,CCCの「Desktop Properties」−「Color」にある「Contrast」値が0になる問題
- 「Company of Heroes: Opposing Fronts」で,テクスチャが光って見える問題
●Catalyst 10.6で解決した問題(Windows 7)
- CCCから「Super-sample AA」を有効化し,「The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena」のゲーム内アンチエイリアシング設定も有効化すると,「Pitch Black」のステージで,壁の表示がおかしくなる問題
- CFX動作を有効化した状態で,「BioShock 2」のDirectX 9&10モードをプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- CFX構成時に,ディスプレイを接続しないままOSを起動すると,CFX動作が無効化される問題
- 「Battlefield: Bad Company 2」で,ごく一部の場所において,芝や作物がランダムに描画される問題(※「ごく一部の場所」がどこを示しているのかは分からない。作物=畑だとすると,シーンは限られる気もするが……。原文は「Grass and crops are no longer rendered randomly at unusual locations in “Battlefield 2: Bad Company” game scenes」)
- CFX環境で,Super-sample AAを有効化すると,「TimeShift」の実行後,画面に何も表示されなくなったり,画面が固まったりする問題
- 「Heaven Benchmark 2.1」でテッセレーションを有効化すると,アプリケーションが機能しなくなる問題
- CFX環境で「Grand Theft Auto: Episodes from Liberty City」を実行したとき,高いグラフィックス設定を行えない問題
- CFX環境で「Crysis Warhead」のDirectX 9モードを実行し,ゲーム側の「Shaders Quality」と「Post-Processing Quality」をいずれも「Enthusiast」に設定すると,フレームレートが低下する問題
●Catalyst Mobility 10.6の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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