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大規模バグフィックス&性能向上が図られた「ATI Catalyst 8.5」公開
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印刷2008/05/22 13:09

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大規模バグフィックス&性能向上が図られた「ATI Catalyst 8.5」公開

 AMDは,同社製デスクトップPC向けGPUおよびチップセット用ドライバスイート「ATI Catalyst」(以下,Catalyst)の最新版,「Catalyst 8.5」をリリースした。「Display Driver」のバージョンは8.493。対応GPUはATI Radeon 9500〜9800およびATI Radeon Xシリーズ以降のGPUと,ATI Radeon XpressおよびAMD 4シリーズ以降のチップセットで,Windows XP用および32/64bit版Windows Vista用がそれぞれ用意されている。
 最新ドライバへのリンクページはすでに更新してあるので,入手したい人はそちらからどうぞ。

4Gamerの最新ドライバリンクページ

 Catalyst 8.5は,新機能の追加が特徴とされている。もっとも正直なところ,その多くはゲームとあまり関係がないため,本稿では基本的に以下のとおり項目を紹介するに留めたいと思うが,グラフィックスドライバのアンインストールユーティリティが拡張され,「グラフィックスドライバのみアンインストール」するか「チップセットドライバも含めてすべてのCatalystドライバスイートをアンインストール」するかを選択できるようになったのは,目立った変更点といえるかもしれない。もちろん,Windows XP Service Pack 3を正式にサポートした点も,無視するわけにはいかないだろう。

●Catalyst 8.5の新機能
  • コンポーネントビデオ出力時の480i&480pサポート
  • グラフィックスドライバのアンインストールユーティリティ拡張
  • SECAM(SEquential Couleur A Memoire)方式サポート
  • HDMI接続時の1080p,1080p24モードサポート
  • Orca Driverに向けた,OpenGLにおける適応型アンチエイリアシングのサポート
  • Windows XP Service Pack 3正式対応

 またCatalyst 8.5では,主要な3Dゲームタイトルのいくつかで,パフォーマンス向上が図られているのも特徴だ。詳細は下にまとめたとおりで,かなり景気のいいパーセンテージが並んでいる。

●Catalyst 8.5におけるパフォーマンス向上
  • ATI Radeon HD 3000シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「Call of Juarez」で最大12%
  • Catalyst 8.5がサポートする全ATI製品の搭載環境において,「Microsoft Halo:Combat Evolved」で10〜30%
  • ATI Radeon HD 3000シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」で5〜35%
  • ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境において,DirectX 9版「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」で20〜50%
  • ATI Radeon HD 3800/3600シリーズ搭載環境において,DirectX 10版「World of Warcraft」で最大25%。ATI Radeon HD 3870 X2搭載環境では,より高いパフォーマンス向上が見られる

 最後に恒例のバグフィックスだが,Catalyst 8.5のそれは非常に大規模である。とてもすべてを紹介しきれないため,今回はゲームと直接的に関係する項目だけをピックアップしたので,この点はご了承を。
 ちなみにリリースノートからは,ゲーム関連以外だとATI Catalyst Control Center(以下,CCC)やマルチディスプレイ回りの問題が多く修正されている印象を受ける。Avivo HD関連のバグもいくつか潰されているようだ。

●Catalyst 8.5で解決した主な問題(Windows XP)
  • ATI Catalyst Control Centerの「Advanced View−Setting」から標準設定を「Optimal Quality」に指定し,かつ特定のゲーム内オプションを指定すると,「Crysis」でテクスチャが正常に表示されなくなる問題
  • ATI CrossFire(以下,CrossFire)を有効にしていると,「Colin McRae: DIRT」の起動に失敗する問題
  • ATI Radeon X1650シリーズ搭載環境で「Company of Heroes: Opposing Fronts」を実行すると,仮想メモリが足りないとして起動できない問題
  • 「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」で,アンチエイリアシングを4x/8x AAに指定すると,ゲームが反応しなくなる問題
  • ATI Radeon HD 2600シリーズ搭載環境でアンチエイリアシングを有効化すると,「Second Life」で画面表示がおかしくなる問題
  • 適応型アンチエイリアシングを有効化すると,「Tiger Woods PGA TOUR 08」で画面表示がおかしくなる問題
  • ATI Radeon HD 2600シリーズ搭載環境をApple製の30インチディスプレイと接続して「World of Warcraft」をプレイすると,GPUが正常なパフォーマンスを発揮できず,かつ断続的に画面がまたたく問題
  • 「World of Warcraft」で,GPUが正常なパフォーマンスを発揮できず,かつ断続的に画面がまたたく問題(※筆者注:すぐ上の問題とは別の,もう少し全般的な問題と思われる)
  • 「World of Warcraft」をウインドウモードでプレイしている状態から全画面モードへ切り替えようとすると,ゲームが反応しなくなる問題

●Catalyst 8.5で解決した主な問題(Windows Vista)
  • ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境で「Clive Barker's Jericho」を実行すると,画面表示がおかしくなる問題
  • CrossFire構成時に,解像度を1024×768ドット,アンチエイリアシングを4x AAに設定すると,「Colin McRae: DIRT」でパフォーマンスが上がらない問題
  • ATI Catalyst Control Centerの「Advanced View−Setting」から標準設定を「Optimal Quality」に指定し,かつ特定のゲーム内オプションを指定すると,「Crysis」でテクスチャが正常に表示されなくなる問題
  • CrossFire構成時に「Crysis」をプレイすると,「hallway of the ship」(※筆者注:原文ママ。宇宙船内を進むシーンのことではないかと思われるが詳細は不明)で影がちらつく問題
  • 「DOOM 3」で,ゲーム内オプションを「Ultra Quality」,解像度を1600×1200ドットに設定すると,テキスト周辺の画像が描画されない問題
  • CrossFire構成時に「Far Cry」をプレイすると,ゲーム尾冒頭で画面表示がおかしくなる問題
  • 64bit版Windows Vista環境で「Gears of War」を実行すると,画面表示が一瞬おかしくなり,デスクトップが見えてしまう問題
  • ATI Radeon X1100シリーズ搭載環境で「Enemy Territory: Quake Wars」のデモ版を実行すると,OSが反応しなくなる問題
  • CCCからアンチエイリアシングを有効化して「Microsoft Halo 2」をプレイすると,キャンペーンを読み出しているときやキャンペーンを終えるときに表示されるHalo 2のロゴがちらつく問題
  • 「Hellgate: London」で,ゲーム内設定が「Maximum」になっているとき,ゲームをいったん終了させ,再び起動すると,画面がちらつく問題
  • 「Monster Madness: Battle for Suburbia」で,3Dキャラクターがちらつく問題
  • ATI Radeon HD 3200/3100シリーズ搭載環境で「Shrek: The Game」を起動できない問題
  • 「Stranglehold」を起動できない問題
  • 「Richard Garriott's Tabula Rasa」で,ゲーム内設定の「Deferred Lighting and Dynamic Shadows」を有効化すると,画面表示がおかしくなる問題
  • CrossFire構成時に「Team Fortress 2」を実行すると,画面表示がおかしくなる問題
  • CrossFire構成時に「Lara Croft Tomb Raider: Anniversary」を実行すると,パフォーマンスが上がらない問題

 大規模アップデートとなった「Catalyst 8.3」を受けて,「Catalyst 8.4」ではバグフィックスに重点が置かれたわけだが,まだまだ十分ではなかったようだ。4月版ドライバスイートで解決したとされた問題が,今回の5月版bスイートのリリースノートで再びリストに入っていたりもしていることを考えると,「4月版で対処しきれなかった問題に再び取り組み,同時にCatalyst 8.3以降で生じたニーズに対応したもの=Catalyst 8.5」と捉えるのが正解かもしれない。

 ドライバアップデート作業は自己責任になってしまうので,この点は注意が必要だが,アップデート規模,とくにバグフィックスの規模からして,対象となるATI Radeonファミリーのユーザーは導入が正解ではなかろうか。
  • 関連タイトル:

    AMD Software

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