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AMD,最新タイトルでの大幅な性能向上を実現した「Catalyst 7.10」公開
さて,2007年10月版のドライバスイートでは,複数のゲームタイトルにおいて,性能の向上が図られているのが最大の特徴だ。具体的には下に示したとおりとなっている。
●ATI Catalyst 7.10におけるパフォーマンス向上
- ATI Radeon HD 2600/2400,ATI Radeon X1300/X1550のCrossFire構成時に,「Battlefield 2142」で5〜23%
- ATI Radeon HD 2000シリーズのCrossFire構成時に,DirectX 10版「BioShock」で最大70%
- ATI Radeon HD 2600/2400のシングルカード,あるいはCrossFire構成時に,「Call of Duty 2」で最大6.7%
- ATI Radeon HD 2000シリーズのシングルカード構成時にDirectX 10版「Call of Juarez」で最大34%,CrossFire構成時には同42%
- ATI Radeon HD 2900/2600のシングルカード構成時に,DirectX 10版「Company of Heroes」で最大31%,ATI Radeon HD 2000シリーズのCrossFire構成時には最大80%
- ATI Radeon HD 2000シリーズのシングルカード構成,あるいはATI Radeon X1000シリーズのシングルカード/CrossFire構成時に,「Enemy Territory: Quake Wars」で最大23%
- ATI Radeon HD 2400,ATI Radeon X1950 XTX/X1650 XT/X1300/X1550のCrossFire構成時に,「F.E.A.R.」で最大16%
- ATI Radeon HD 2000シリーズのCrossFire構成時に,DirectX 10版「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」で最大20%以上
- ATI Radeon HD 2000シリーズとATI Radeon X1000シリーズのCrossFire構成時に,「Supreme Commander」で最大30%。このときATI Radeon X1650/X1300/X1550では82%以上
- ATI Radeon HD 2900 XT/2600のシングルカード構成時にDirectX 10版「World in Conflict」で20%以上。CrossFire構成時には14〜67%かそれ以上
- ATI Radeon HD 2000シリーズのCrossFire構成時に,DirectX 9版「World in Conflict」で最大70%
どちらかというと,CrossFireおよびDirectX 10にフォーカスした内容だが,最新タイトルやビッグネームでの大幅なパフォーマンス改善が見られており,なかなかインパクトがある。このリストを見るだけもアップデートの価値がありそうだが,Catalyst 7.10では新機能も追加されているので,ゲームに関連したバグフィックスと合わせて,以下,箇条書きでお伝えしたい。
●ATI Catalyst 7.10で追加された新機能
- ATI Radeon X1000シリーズでの適応型アンチエイリアシング(Adaptive AA)
- ATI Radeon HD 2600/2400でのSoftware CrossFire(※CrossFireリンクケーブルがなくてもCrossFire動作が可能に)
●ATI Catalystで解決した主な問題(Windows XP)
- CrossFire構成時に「Colin McRae: DIRT」を実行すると,ゲームの起動に失敗し,エラーメッセージが表示される問題
- 「Stranglehold」をプレイするときに「dynamic resources」(※原文ママ)を使用すると,ゲームの動作がつっかえたような感じになる問題
- OpenGLモードで「Google Earth」を実行すると画面表示がおかしくなる問題
- Software CrossFire構成時に,デュアルディスプレイをクローンモードに指定できない問題
●ATI Catalystで解決した主な問題(Windows Vista)
- CrossFire構成時に「Call of Juarez」を実行し,ゲーム側のグラフィックスオプションを高く設定すると,ゲームが停止する問題
- ATI Radeon HD 2900搭載環境で「Call of Juarez」を実行し,LANを利用したマルチプレイをセットアップしようとすると,画面表示がおかしくなる問題
- 「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter」のプレイ中に[Alt]+[Tab]キーを押すと,Windowsが反応しなくなる問題
- AFRモードでCrossFireを有効化して「Grand Theft Auto: San Andreas」をプレイすると,ゲームのオープニングで画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に「Heroes of Might and Magic V」をプレイすると,画面が点滅したり表示がおかしくなったりする問題
- コンポジットビデオ出力のスライダ設定が,[適用]ボタンを押さずとも適用されてしまう問題
- ゲーム側のグラフィックスオプションを最高に設定するとWindowsのエラーメッセージが表示される問題
- ディスプレイとHDMI接続しているときにケーブルのホットプラグを行うと,ディスプレイを認識できなくなる問題
- ATI OverDriveの警告メッセージ表示がおかしい問題
- ATI Radeon X800搭載環境で「The Chronicles of Riddick: Escape From Butcher Bay」をプレイすると,画面が非常に暗くなる問題
- ATI Catalyst Control Centerに,いくつかの高解像度設定が選択肢として用意されていなかった問題
このほかCatalyst 7.10では,高解像度ビデオ関連のバグフィックスが多数修正されているようだ。一方で,以下のとおり,最新ゲームタイトルがらみでは,まだ修正し切れていない問題もいくつか残されている。
●Catalyst 7.10で未解決の主な問題
- Windows XP環境で「Enemy Territory: Quake Wars」を実行すると,画面表示の一部がおかしくなる。また,ATI Radeon X850では水の表現など特定の画面表示がおかしくなる問題もある
- ATI Radeon HD 2000シリーズを搭載するWindows Vista環境において,デュアルリンクDVIでディスプレイ接続した状態で「BioShock」や「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」「World in Conflict」を実行すると,いくつかの解像度を選択できない
- CrossFire構成のWindows Vista環境でDirectX 10版「Call of Juarez」をプレイすると,画面がちらつくことがある
- Windows Vista環境でSuper AAとソフトパーティクルを有効にして「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると,特定条件で画面表示がおかしくなる
- Windows XP/Vista環境で「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」を実行し,アンチエイリアシング設定を4x/8xに指定すると,ゲームが反応しなくなることがある
総じて,パフォーマンスの改善も含め,ゲーム関連で大規模な修正が行われたと言えるレベルにある。ATI RadeonファミリーのGPUやグラフィックス機能統合型チップセットを利用しているなら,ひとまずアップデートしておいて損はないだろう。ドライバのアップデート作業は自己責任となるが,2007年夏以降の新作3Dゲームタイトルを積極的にプレイしている/したい人には導入を勧めたい。
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