米Auzentechは,HDMI 1.3a準拠のPCI Express x1版サウンドカード
「Auzen X-Fi HomeTheater HD」を,世界市場で2009年1月最終週に発売すべく準備中だ。
Auzen X-Fi HomeTheater HD。最近のミドルクラスサウンドカードは,電磁波を防ぐというカバーで全体を覆うことが珍しくないが,「アナログ段だけならまだしも,アナログ段とデジタル段をまとめて覆ったらEMIシールドの意味がない」(Auzentech)という理由により,Auzen X-Fi HomeTheater HDは“剥き出し”になる
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AuzentechのWebサイトにあるAuzen X-Fi HomeTheater HDの紹介ページ
Auzen X-Fi HomeTheater HDは,その名のとおり,Creative Technology(以下,Creative)製のサウンドチップ「X-Fi Xtreme Fidelity」(型番:CA20K2-2AG HF)を搭載する製品。その大きな特徴は,下記の2点にあるといっていいだろう。
- HDMI 1.3aに完全準拠し,「Dolby TrueHD」および「DTS-HD Master Audio」フォーマットによるマルチチャネルサラウンドサウンドのロスレスエンコードに対応する
- 1080/24p映像に対応し,2-3プルダウン処理をすることなくビデオを入出力できる
Stephane Bae氏(President, Auzentech)
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今回4Gamerでは,来日したAuzentech社長のStephane Bae氏から,「動作するサンプル」とされるカード本体を短時間ながら見せてもらうことができたので,そのポイントを写真でお届けしたい。見ただけなので,残念ながら“火を入れる”ところまでは踏み込めていないが,おそらく国内初公開。ぜひチェックしてもらえれば幸いだ。
写真で見る,Auzen X-Fi HomeTheater HD
HDMIインタフェースは,最新世代のAVアンプなどにも用いられているSilicon Image製HDMIレシーバ「SiI9135」とHDMIトランスミッタ「SiI9134」により実現。写真左端に見えるのはAtmel製の「AT89C51」で,これはHDMIインタフェースの制御装置として機能していると思われる
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外部インタフェース(左)。HDMI入出力各1系統を持ち,基本的にはグラフィックスカードからのHDMIビデオ出力を入れ,サウンドストリームと一緒に出すこととなる。カードにはブリッジコネクタも見えるが(右),「現時点では存在しないが,対応グラフィックスカードが出てくれば,ここを利用して内部データ転送を行える」(Bae氏)とのこと
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アナログ段に採用されるD/AコンバータはCirrus Logic製の「CS4382」で,これはCreativeの「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium」シリーズと同じ
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アナログ段はフロント2chのみOPAMPの交換が可能(※サンプルはNational Semiconductor製の「LM4562」を搭載していた)。残る5.1ch分はJRCの定番製品「4580」×3だった。アナログ段にのみ,ニチコン製のコンデンサが採用されているのも目を引く
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アナログ入出力はミニピンで,付属の専用アダプタを利用する仕様だ
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ところで本製品は,「Auzen X-Fi Home Theater 7.1」として,2008年9〜10月の発売に向けて開発が進められてきたカードと,基本的には同じものだ(
関連記事)。Bae氏によると,パートナーのソフトウェアベンダーが製品投入スケジュールを変更したことによる影響――
先のリリース文から推測するに,パートナーとはCyberlinkのことだと思われる――で,発売日を2009年に変更せざるを得なくなったという。
残念ながら国内発売についてはまだ分からないが,
日本法人が設立されている以上,遅かれ早かれ何らかのアナウンスはあるだろう。必ずしも100%ゲーマー向けというわけではないものの,デジタル周りの充実した多機能サウンドカードを探しているなら,ひとまずそのスケジュールを憶えておいて損はないはずだ。