― 連載 ―

トラックマニア マニアックス

第2回 マシンが「アクロバティック」に走る姿を紹介

 

 ある意味イカれたドライブゲーム,トラックマニアシリーズを日本に広めようというわけで始まった週刊連載「トラックマニア マニアックス」。前回は登場する車とゲームモードを中心にお伝えしてきたが,今回は「トラックマニア サンライズ エクストリーム」(TMSE)の「アクロバティック」な走行の数々を紹介していこう。
 「トラックマニア」シリーズにおいて,ドライビングテクニックみたいなものはあまり必要ないかもしれない。血眼になってタイムを刻む楽しさよりも,派手なアクロバティック走行を「うら〜」とか「きゃ〜」とか言いながら楽しむ。これがトラックマニア流の楽しみ方である。今回は,その魅力を垣間見てもらおう。

 

 

まずはぶっ飛びのムービーをチェック!

 トラックマニアの真の姿は,静止画では伝わりにくい。コースのトリッキーさやアクロバティックさ,何がブッ飛んでいて何かイカれているのか,まだピンときていない人もいるだろう。そこで,後半に登場する難しめのコースの,プレイムービーを用意してみた。筆者が自分でプレイして撮影したものなので,途中でミスをしているのはお恥ずかしい限りではあるが,そこもまた参考になるはずである。

 

プレイムービーその1
(41.4MB:2分48秒,WMV)
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プレイムービーその2
(36.0MB:2分26秒,WMV)
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プレイムービーその3
(18.6MB:1分15秒,WMV)
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すべての走行を制せ! ムチャな「走り」を大紹介

 

ブースターでビンビン強制加速

 黄色や赤色の矢印マークの付いた「ブースター」を通過すると,強制的にフル加速する。赤色のほうが加速力は高いが,黄色も連続して通過することで,どんどん加速されていく。スーパーカータイプでは最高速度900km/hオーバーにもなるから,もはや車のスピードではない。このブースターを使った圧倒的なスピード感はクセになるが,シャレにならないスピードなので,ちょっとした起伏で挙動を乱すし,気づいたらどこかへ吹っ飛んで行ったり,クラッシュしたり,瞬きしているヒマもない。

 

 

大小さまざまなジャンプスポット

 どのコースも,スタートからフィニッシュまで一度もジャンプせずに走り切るなんて,トラックマニアじゃあり得ない。平坦なところでも突然コースが切れて飛ぶ,ブースターで加速して上り坂を利用して飛ぶ,ジャンプ台を使って飛ぶなど,大小さまざまなジャンプスポットが登場する。まっすぐ飛び出すだけじゃなく,ときに斜めに飛ばないと道がないところもある。
 それにしても,ほかに言葉が見つからないくらい,とにかくぶっ飛ぶ。3秒くらいで着地するジャンプは可愛いもので,山を一つ飛び越すなんてこともザラだ。ビルの間を飛び抜けて,さらに山を飛び越して,小さな浮島状態のフィニッシュ地点へピンポイントで着地という,「ホントにドライブゲーム?」とさえ思ってしまうようなコースもある。ともかく,派手にジャンプしてなんぼなトラックマニアでは,思わず仰け反ってしまうようなジャンプにいちいちビビっていたら,ライバルより速く走れない。というか,それではつまらない。

 

どんな仕組み? アクセル&ブレーキで飛距離コントロール

 「ジャンプしすぎて飛びすぎた」「着地点をピンポイントで狙いたい」「平坦なところへ着地させたい」なんてときは,空中でアクセルを全開にすれば飛ぶ勢いが落ちるのを少しだけ緩められ(さすがに加速はしない),ブレーキをかければ飛距離を落とせるという具合に,多少のコントロールが可能だ。飛距離コントロールは使うことが多いので,思いどおりにコントロールができるようにマスターしておくべし。

 

 

飛距離が足りない! 水面ジャンプでコースへ復帰

 派手にジャンプしてみたものの,コースから大幅に外れて海へ転落……なんてのはあきらめるしかないが,「ちょっと飛距離が足りなかった!」なんて場合はあきらめちゃいけない。このゲームでは,「水面でバウンドしてコース復帰」なんて道が残されている。コースによっては明らかにジャンプでは飛距離が足りず,水面バウンドが必須なところもある。「ぼよ〜ん」とジャンプしてコースへ戻るのは奇抜で面白い。ただし,水面に対して車が水平に近くないとバウンドしない。前下がりでは音もなく水の中へ突進だ。水の中も平気で走れちゃうのだが,まぁリトライしたほうが無難だろう。

 

並行するコースへスタントターンでUターン

 前方に向かって飛び出すだけの,普通のジャンプ台ではなく,直角にそそり立つ垂直ジャンプ台も登場する。オフィシャルキャンペーンの「スタント」では,垂直ジャンプ台を使い,ほぼ真上にジャンプして空中で車をスピンさせることで,スタントポイントを獲得できる。これは比較的簡単で楽しい。
 難しいのが「レース」「エクストリームレース」チャレンジに登場する垂直ジャンプ台だ。並行するコースの垂直ジャンプ台へUターンして飛び移ったりと,「カースタントマンでも無理だろ!」というエアトリックを使うわけだ。ターンして飛び移るだけなら簡単だが,できるだけ飛距離を短く,進行方向を向いた状態で着地となると非常に難しい。

 

ハーフパイプをスピードを落とさずに抜けろ

 大ジャンプと並んでインパクトがあるのが,アイランドステージに登場するハーフパイプ(チューブ)やループだ。ハーフパイプはスノーボード競技で見られるような,まさに筒を割ったようなコースで,コーナー部分に多く設置されている。
 バンク状になっているため,ハイスピードでコーナーに進入し,高いスピードを維持したままコーナーを抜けられる。ただし,ハーフパイプに入ると車はアウト側(つまり上方)へと流されていくので,微妙なコントロールが必要だ。ライン取りも重要で,走り方次第ではスピードが極端に落ちてしまう。ハーフパイプが連続してコークスクリューのように配置されているコースもあり,ねじれながら360度回転して走ることもある。いかにスピードを殺さずに走り抜けられるかがポイントだ。

 

コークスクリュー360度回転ループにビビるな

 アイランドステージだけでなく,コースト,ベイステージにもループは登場する。ハーフパイプと同様にコークスクリューのように配置されたものもあるが,すんなり通過できるはずだ。ループに入ると強制的に外部視点に切り替えられるため,空間識失調(方向を見失う)を起こし,右に動かしたいのに左に行っちゃったみたいな状況になりやすい。
 思わず笑ってしまうのが,360度回転せずに逆さ状態で空中に放出されるタイプ。空中では左右に動けず,逆さ状態で着地するわけだ。うまくクラッシュしてくれれば,普通の状態に戻せる(ひっくり返る)という,なんともダイナミックな方法なのだ。こればかりはテクニックうんぬんより運次第。それゆえにうまくいかないことが続くと,イライラも募る。

 

大ジャンプ後の連続トリックは着地が決め手

 トリッキーな仕掛けが単発で登場するならなんとかなるが,これらが連続して現れると難度は強烈に上がる。車の向きを変えつつ大ジャンプして,遠く離れたハーフパイプへ着地。そのままスピードを殺さずに次のハーフパイプへ移ったり,ループ上に走り抜けたりなど,一発でのクリアが難しいものも出てくる。着地のとき車体が進行方向へ向いていないとスピードが落ちるため,最初にジャンプするときのスピード,角度が重要だ。最初から最後まで流れるように走り(飛び?)抜けないと,まず通過できない。

 

 

 

 

次回予告

 

 というわけで,今回はTMSEのアクロバティックな部分に触れてきたが,そんじょそこらのドライブゲームでは味わえないイカれた走りを楽しめるのが,お分かりいただけただろうか。ちょっと夏バテ気味になっている人も,アドレナリンを吹き出させてぶっ飛び,スカッとしてみてはいかがだろうか。

 

 さて,7月28日に元祖トラックマニアを最新ゲームエンジンでリメイクした「トラックマニア オリジナル」(TMO)が発売された。そこで順番が前後してしまうが,次回は「TMSEとどこが違うの?」「TMOはどんな感じなの?」という部分を見ていこう。

 

 

 

 

■■UHAUHA(ライター・マニア)■■
先週のプロフィールで,4Gamerの佐々山がUHAUHA氏の自宅を訪問したことについて軽く触れたが,その目的は巨大な某機材に関するレポート記事作成のため。一通りの検証が終わったあと,巨大な機材を二人がかりで解体し,なんとかUHAUHA邸宅の倉庫にしまい込み,帰路についた佐々山。家に到着後,すぐメールチェックしてみると,「また使ってみたくなったので,組み立てて遊びました」というUHAUHA氏からのメールが届いていたという。
タイトル トラックマニアサンライズ エクストリーム
開発元 Nadeo 発売元 オーバーランド
発売日 2006/06/30 価格 6800円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 98/2000/ME/XP/XP Professional 64-bit Edition(+DirectX 9.0b),CPU:Pentium III/500MHz以上[Pentium 4/1GHz以上推奨],メインメモリ:128MB以上[256MB以上推奨],グラフィックスチップ:DirectX 9対応以上,グラフィックスメモリ:16MB以上[64MB以上対応],HDD空き容量:900MB以上,オンボードグラフィックスは動作対象外,オンラインプレイ時は56kbps以上のネットワーク環境必須

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http://www.4gamer.net/weekly/trackmania/002/trackmania_002.shtml