「DOOMSDAY」キャンペーンは,基本的に第二次世界大戦終結の数か月後に始まる。つまり大日本帝国はすでに降伏した後なのであって,当然ながら日本ではプレイできない。1945年10月2日段階で,日本という国はアメリカの一部であり,傀儡政権による属国状態ですらないのだ。
しかしながら,こうした設定でもちょっと手間さえかければ,無事日本をプレイできる。今回はその「ちょっとした手間」の中身と,焼け跡から復興する日本に,核戦争のなかで何ができるのかを中心にお送りしよう。
この連載は,第二次世界大戦あるいはその後の歴史に関わった,いかなる国や民族,集団あるいは個人をおとしめる意図も持っていません。ときに過激な表現が出てくることもありますが,それはあくまでゲームの内容を明確に説明するためのものですので,あらかじめご了承ください。
すでに本作をプレイしている人なら想像がつくと思うが,日本でのプレイは,とりあえず日本という国を独立させる作業から始まる。前述のとおり日本を占領しているのはアメリカなので,アメリカの意思なしに日本の独立はあり得ない。そこでまずアメリカでDOOMSDAYキャンペーンを開始する。
ゲームが始まったらいきなり進行を止め,「外交」タブを選んで,「独立を与える」を選択する。アメリカが独立を与えられる国としては,日本と朝鮮が候補に挙がるはず。そこで日本を選択し,早速独立させよう。
それに伴ってプレイヤーには,一つの意思決定が求められる。というのも,同じ外交タブから日本を選択することで,「傀儡政権を解体する」かどうかが選択できるのだ。傀儡政権を解体しない場合,日本はアメリカの属国となり,アメリカ以外とは外交交渉を行えなくなる。ただしその見返りに,アメリカは属国に対して手厚い資源援助を行ってくれるはずだ。
一方傀儡政権を解体すると,日本は本当の意味で独立国となる。アメリカ以外との外交も可能だし,どうしてもそうしたいなら連合国から脱退して共産圏に入ることも可能だ(地上に共産圏が残っていればの話だが)。そうしたフリーハンドの一方,アメリカからの資源援助はかなり手薄になる。アメリカが面倒を見てやらねばならない「独立国」など,世界中にあるのだから仕方がない。
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試しに傀儡政権を解体しないままプレイしてみた日本。アメリカから手厚い援助が届くので,資源のストックが尋常な数値ではなくなる。売却するだけでかなりのお金も手に入る |
中国共産党は基本的にソビエト側につくことになる。せめてこのキャンペーンでソビエトにつかなければ,中国の覇者は手堅いところなのに
実のところ属国のままでも完全独立しても,当面のゲーム展開はそれほど変わらない。どうやらAIの英仏は依然として日本を敵国と捉えているようで,連合軍恒例の青写真交換大会にも日本は交ぜてもらえないし,英仏とまともなレートで資源貿易ができることもまずない。イタリアはかつてのよしみで日本に青写真を送ってくれるが,逆にいえば独立国になったところで,ある程度まともに支援してくれる国はアメリカとイタリアしかないということだ。
だが今回は,あえて日本を完全に独立させる方向でプレイを開始した。日本の技術開発力はやはり無視できないものがあり,連合軍から見ても,青写真を供給する国が一つ増えることには,それなりの意義があるはずだ。
ここまでの作業が終わったらセーブして,ゲームを一度終了(降伏)し,メインメニューに戻る。
メインメニューに戻ったら再びシングルプレイのDOOMSDAYキャンペーンを選択,先ほどセーブしたデータをクリックしてから,画面上に並ぶ国旗のうち,適当なものを右クリックしよう。プレイ可能国がずらっと並ぶ,その一番下に「日本」という選択肢が現れるはず。これを選ぶと上の国旗群に日の丸が現れ,晴れて日本でのプレイが可能となる。
日本再軍備計画。石油産出が+9.2なのにストックがまるでないのは,日本を基地にしている連合軍が使いまくっているから
さて,ゲーム開始直後の日本には,文字どおり何もない。ICは0,陸海空すべてにわたって軍隊なし,である。とはいえ,ICと資源生産力は時間とともに回復するので,安心してプレイを進めよう。IC0でも技術開発のラインは1本必ず残るから,早めに研究しておきたい分野を選んでおくのもよい。
ICがそこそこ回復したあたりから,何をすべきかを考えることになる。なにしろ前もって計画を立てておこうにも,その場の状況に合わせたプランを考える以外に手がない。ある程度事前に決まっている状況といえば,
- 朝鮮半島での米ソ対決
- 日本近海の制海権と制空権は連合軍が完全掌握
- ヨーロッパでは赤軍が大攻勢
- アメリカの核2発がソビエトに
このうち3.と4.についてはただ,そうですか,と言うほかない。行動選択上重要なのは2.で,これはつまり日本列島に赤軍が大挙上陸してくることには絶対にない,ということだ。核戦争のさなかでも,日本の安全はとりあえず確保されているのである。
1.はというと,一番近い戦場は朝鮮半島であるという以上の意味はない。作ったばかりの軍隊で,いきなり数十個師団同士がぶつかり合う戦場に乗り込んでも,何ができるわけでもないからだ。
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核の最初の2発がウラルの工業地帯に落ちたため,3発目がモスクワに投下されることに。IC損害より国民不満度上昇が厳しい |
AIソビエトはたいていこの手の愚かな機動で朝鮮半島を失う。だが,アメリカAIも負けず劣らずなので,ここから赤軍を逃がしたり |
アメリカのドクトリン開発状態を引き継ぐので,空軍ドクトリンはこの豪華さ。そりゃ空軍主力にしたくもなるというもの。陸も強すぎるくらいには強いが
一方で国内の状況はというと,ICは修正後で65。修正前は50台なので研究ラインは3本,研究機関は戦前のものをそのまま引き継いでいる。東京裁判は引き続いての戦争騒ぎでスルーされたのか,東条英機らもそっくりそのまま残っている。研究分野については,航空機を含めいっさい掣肘はなく,思う存分やれる。ただし,陸軍ドクトリンなどはすべてアメリカ式に置き換わっているので,旧日本軍っぽい夜襲や浸透包囲は難しい。ドクトリン放棄&再研究という手はあるものの,再研究が終わるまでに,それをお見舞いする相手が残っているかどうか……。
いずれにせよ,国内の軍事的安全が確保されている以上,考え得る方向性は四つある。
- 再軍備を急ぎ,戦争に直接参加
- 技術開発と物資生産に注力し,青写真と物資を連合国にばらまく
- 工場を建て続けて自国のICを増やす
- 敵国にスパイを送り込み,諜報工作で国家経営を妨害する
なぜだか樺太が大好きな米軍。気持ちは分かるけど,もっと戦略的に意味のあるところを優先してはいかがか
1.について考えると,なにしろ激戦区では20~30個師団がぶつかり合う世界なので,よほど環境に適した部隊を構築するか,あるいは激戦区でないところに攻め込むかしない限り,はかばかしい成果は上がらないだろう。さりとて青写真&物資提供では自国領は絶対に増えないので,ある程度の野心を持つならば,再軍備への道は避けられない。
2.は,この環境,この時代の日本がやるとして,もっとも合理的かつリアルな政策である。技術開発力は世界でも指折りであるし,研究ラインこそ3本しかないとはいえ,どこかニッチな領域を徹底して研究していけば,超大国アメリカに技術面で貢献することだって可能だ。再軍備さえしなければ物資は絶対に余るので,売ってお金にするもよし,石油にするもよし,無償援助するもよしだ。
3.は,2.と併行して史実の日本が採った道のりといえる。2.を1年くらいやってから3.に移行すると,「もはや戦後ではない」という言葉がどれほど無責任な放言だったかよく分かるが,そういった感慨を抱く以外,プレイヤーにできることはほぼない。
4.はこれまでの回でも見ていただいたとおり,最小限の手間で最大限の効果を上げるものだが,ただ戦争に勝つならともかく,勝ったうえで領土的野心もということになると,あまりいただけない。クーデターで自国の領土は増えないし,諜報工作で敵の防御体制をズタズタにしたとしても,それにかかる費用が膨大すぎて,肝心の敵国を占領するのは他国の軍隊ということになりかねない。援護としては素晴らしいが,日本にとって実利がないのだ。
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将来的な領土問題解決のため(?),なんとなく北方領土に向かってみようとする新生日本軍,というか警察予備隊(?)。でもゲーム内での名称は帝国海軍 |
さて,微妙で奇妙なリアリティを楽しむ本連載としては,2.や3.が順当な選択なのだが,そのとおりにすると,
日本の基本ICは最終的に80を超え,研究ラインが5本になった。戦争は実質2年で終結し,連合国が圧勝した。
これで終わってしまう。リアルなのはよいが,面白くないというか,プレイヤーが介在する意味があまり感じられない。
4.でドタバタな展開を選ぶのも悪くないものの,DOOMSDAYキャンペーンでは世界全体のキャッシュフローが小さすぎて,派手に諜報活動を行うには自国内での資金生産能力(=IC)がなくてはいけない。資源や物資を積み上げたところで,困ったことに世界にそれを買ってくれる顧客など,そうそういないのだ。また終戦までにソビエトのユニット生産を5回妨害し,研究を3回遅延させました,という報告で終わるのも寂しい。
ということで,今回は1.の路線を採るとともに,「大国には1~2歩及ばないが,小国というほど小さくはない」国がどのように戦況に対応し,自陣営を支援していけるのかを試したい。
警察予備隊(?)の輝かしい戦歴の第1ページは北方領土から。取っても何があるわけでもないんですがね
先の大戦で甚大な被害を出したということなのか,初期段階の日本には労働力=人的資源が28しかない。仮にこれをそのまま陸上戦力に振り替えると,歩兵2個師団+αで終了である。ということは,のっけから陸上戦力をあまり拡充しすぎるわけにはいかない。
また,戦争が終わろうが再独立しようが,日本は相変わらず島国である。海外遠征するには空挺降下するか,上陸作戦を実施するか,いずれかの手立てが必要となる。そしてどちらにしても,海を渡った部隊に補給を続けるには商船団が必要になる。だが,これらの前提となるブツは一切存在しない。
というわけで,まずは再軍備の基盤となる商船群の生産から着手しよう。護衛艦は,制海権という言葉がバカバカしく思えるくらいの大艦隊が日本海に蠢いているので,まったく不必要だ。
並行して輸送艦も生産する。まずは1隻あればよい。商船の数が揃わないうちに大遠征すれば補給切れ大会になるだけだし,4~5ユニットの輸送艦隊で上陸作戦を仕掛けたくても,4~5個師団が揃うのはだいぶ先の話になる。
陸上兵力として何を作るかには,選択肢が多い。一番汎用性の高い選択は「歩兵」で,これに随伴旅団を付ければ,たいていのことに使える。大戦力がひしめく戦闘を支援するなら砲兵を付ければよいし,あくまで単体で突破力を求めるなら,軽戦車/重戦車/自走砲といった選択肢もある。
別の意味での汎用性を求めるなら山岳歩兵だ。日本の周辺はこれでもかというくらい山が多い。正確にいうと,広い平原はウラル以西のヨーロッパと北アメリカにしかない。そして平原で戦う限り,歩兵のみで戦車に対抗するのは非常に厳しい。戦車の量産が難しい国としては,平原で正面切って戦わないのが大前提となり,そうなると戦車が攻撃にペナルティを受ける地形で強さを発揮する山岳歩兵は,理想的な選択肢の一つとなるだろう。最終段階まで技術開発を進めても,石油消費が発生しない(通常の歩兵は0.1発生する)のも魅力だ。生産が遅い,基本スペックで歩兵に若干劣る,人的資源を歩兵の1.5倍消費するという弱点はあるが,その弱点に見合う性能は持っている。まあ最大の弱点は,随伴旅団のバラエティに乏しいことか。
ピンポイントでの活躍を狙うなら海兵だ。強襲上陸という作戦は,戦略バランスそのものを塗り替える力を秘めている。防備が手薄な海岸に向かっての上陸と,素早い撤収の繰り返しは,敵国沿岸プロヴィンスのIC/資源生産に大きな打撃を与え,前線の動きを攪乱する効果がある。
民兵という選択肢も忘れてはならない。戦力として期待するのは間違っているし,労働力に乏しい国で数に任せた戦闘はできないのも事実だが,彼らもれっきとした陸上部隊である。つまり,プロヴィンスの占領が可能なのだ。火事場泥棒しかしないと心に決めれば,最高のコストパフォーマンスを誇る兵科である。
一撃必殺を志向するなら空挺もあり得る。均衡状態にある戦場に舞い降りる空の神兵は,戦闘の帰趨を一瞬で塗り替えるし,天嶮の地に篭もった敵であっても,空挺作戦には脆いものだ。最大の弱点は,輸送手段も含めて,生産日数や要求ICがあまりに大きいことだろう。
自動車化歩兵/機械化歩兵/軽戦車/中戦車という選択肢もあるものの,これらはすべて石油依存度の高い兵科である。そして戦後日本は世界有数の石油輸入国,アメリカから石油を買えるにしても,のっけからこれらに頼りすぎるのは危険だ。
戦後初の国産飛行機。制空権はアメリカが取ってくれるので爆撃に専念してかまわない。なお機種についてはツッコミ禁止である
さて,海上,陸上戦力については上述のとおりだとして,日本にはそのほかに,空軍という選択肢もある。空軍は必要ICこそ全般に高いが,労働力消費は1ユニットあたり2.0。さらに輸送艦がなくても海外遠征が可能となる。もちろん空軍でプロヴィンスの占領はできないので,決定的な軍事行動には陸軍が必須とはなるが,ある程度以上の数が揃った空軍は,端的にいって恐るべき存在だ。
空軍を作る場合も,小国以上大国未満の国にとって,合理的といえる選択肢がいくつかある。明らかに使いやすいのは戦術爆撃機である。打撃力としては近接攻撃支援機に劣るが,なにしろ足が長い。長距離を飛ぶことが多いので迎撃が怖く,迎撃を恐れて戦闘機と編隊を組むと爆撃力が落ちるというジレンマを,前作「ハーツ オブ アイアンII」では抱えていたが,護衛戦闘機を旅団として付けられるようになった「ドゥームズデイ」では,ちょっとした迎撃機程度ならば返り討ちにできる空戦能力と,高い爆撃性能の双方を,比較的バランスよく保持できる。
敵軍に航空戦力がいるとは限らないが,陸上部隊は必ずいる。そもそもいないときには,戦争が終わっているのだ。日本にとって戦闘機も有益な選択ではあるが,これは戦術爆撃機より早く失業してしまう。ちなみに戦術爆撃機は索敵機としても優秀なのだが,末期の戦術爆撃機は十分に足が長いので,索敵しつつ敵を殲滅してしまう能力を持っている。
意外と使いにくいのが迎撃機と近接攻撃支援機。これらはスペック的には優秀なのだが,なにしろ航続距離が短い。必要に応じて航空基地を生産し,自国占領地で速やかに展開できるだけの体力のある国でないと,常時活躍させるのは難しい。同盟国占領地には空港を配置できないので,結局はある程度以上のプロヴィンスを占領できる陸上戦力が必須になるのだ。まあ,押し寄せる敵から自国を守るのがメインなら話は別なのだが。
海軍爆撃機は,活躍できる状況と期間が限定されるものの,その活躍一つで戦争の行く末を変え得るので,敵の海軍が強力であれば十分に価値がある。もっとも,DOOMSDAYキャンペーンでは海軍力と空軍力に差がありすぎるので,この兵科を選ぶメリットは実質存在しない。
戦略爆撃機と輸送機は趣味の世界である。輸送機には空中補給という技があるぶんまだ活路があるが,戦略爆撃機は横綱相撲専用グッズといえるだろう。
といったわけで今回の日本は,山岳歩兵+砲兵を陸軍の主力とし,これを戦術爆撃機で支援する方向で軍隊を組織する。砲兵は正面火力が必要な戦域への派遣部隊のみに配備し,基本的には「空の砲兵」にその代わりを務めさせる予定だ。
こうなっちゃえば放置していてもアメリカが朝鮮半島を取るだろうと思っていても,なぜか赤軍の脱出を許すあたりが奥ゆかしくて困る
DOOMSDAYキャンペーンの朝鮮戦争は――というかこの戦争自体そうなのだが――基本的にアメリカの勝利で終わる。だがそうはいっても,ときどき余分な包囲攻撃を受けて余計な被害を出しているシーンにも遭遇する。
日本の状況を鑑みるに,朝鮮半島付近で戦闘が行われているころに戦術爆撃機が1~2個と,陸軍が2個師団も出来ていれば上々といったところか。とりあえずこれだけあれば十分なので,朝鮮半島の米軍を支援しよう。
爆撃機はとりあえず朝鮮半島の空港に送って,地上攻撃を行わせる。朝鮮半島の戦いは部隊の動きが激しいので,阻止攻撃よりも地上攻撃で戦力をすり減らしたほうが効果的だ。またソ連をプレイした経験からいうと,優勢に戦争を進めている場合ですら,最初2年くらいの間,ソ連の人的資源とICはカツカツなので,阻止攻撃で局地戦の勝敗に寄与するよりも,戦力そのものを削って人的資源と戦力補充ICに負荷をかけたほうが,嫌らしくてよい。
陸軍は福岡に集め,赤軍の防備が薄くなったプロヴィンスに強襲上陸をかける。上陸に成功したところで放置しておくと,上陸用舟艇が勝手に基地に帰ってしまうので,作戦を行った海域にとどまるようあらためて指示を出しておく。上陸直後に海に追い落とされて全滅では,大いにあり得るだけに話にならない。
こうして獲得したプロヴィンスに,固執する必要はまったくない。そもそも維持できるものではないのだ。この上陸作戦はあくまで陽動であって,赤軍前線の動きが乱れさえすれば,それで成果は上がったと考えるべきだ。部隊が動けば戦術爆撃機による地上攻撃の効果は跳ね上がるし,塹壕修正を失った部隊は簡単にアメリカ軍の突破を許すだろう。
あとは軍隊らしからぬセリフ「まだいける!は,もう危ない!」を合い言葉に,素早い撤退を心がける。一度占領したプロヴィンスは,軍隊がいなくなっても,敵国に再占領されるまで自国の占領地である。敵国にとって見れば,再占領しない限り,軍隊がいないにもかかわらず包囲/補給切れ/撤退先なしといった判定を生み出す,いまいましい壁が立ったも同然なのだ。そのうえ危険な「強襲上陸」ではなく単なる「海上輸送」で大兵力の上陸を許してしまう土地になるので,とうてい放置してはおけない。
デーン人(ヴァイキング)さながらの海賊的上陸作戦をあちこちに仕掛けていくと,赤軍の動きはかなり怪しくなる。福岡からは,朝鮮半島はもちろん遼東半島も上陸地点として狙えるし,北海道からはVPプロヴィンスであるオホーツクとウラジオストックが射程に入る。
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海賊その1。ウラジオストックにはわずかとはいえICもあるので,ソ連の経済にもちょっぴり打撃を与えられる。この後はすばやく撤退 |
海賊その2。オホーツクはVP1を持つだけでなく,北方から朝鮮半島に向かう援軍の通過点。弱そうな援軍と守備隊に嫌がらせをしてから,撤退 |
こうやって上陸しては逃げ,逃げては上陸しているうちに,アメリカ軍と共同で包囲網を作るチャンスも生じるので,そのときは迷わず包囲を完成させる。アメリカ軍は自動車化/機械化が行き渡ったお金持ちの軍隊なので,歩兵中心の赤軍とは足の速さがまるで違う。もしかしたら逆包囲かも,と思うような状況でも,まず間違いなく連合軍の包囲の手が結ばれ,とどめの一撃が下されるほうが早いのだ。
かくして,アメリカの手助けを通じて国土の復興と再軍備を遂げるという,ある意味まことに日本らしく気まずい展開が幕を開けた。次回はこの続きで,さらに大胆な作戦の立案と実行を通して,シャレにならない戦前日本の悲願を達成してみよう。
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いま一つぱっとした戦果のあがらない朝鮮方面に,日本の部隊が援軍として向かう。上陸目標は大連だ |
たとえ研究ラインが少なくても,アメリカの研究が手薄なところを狙えば青写真提供にまで至り得る |