― 連載 ―

※ゲームの中で起きることは,ゲームの中だから起きるのです。決して本当にやっていはいけません。おじさんとの約束だ。


 ヨー,ホーミー! ワザーップ? 大学を卒業したら,ソウルフルでヒップホ ップなストリートギャングになって自動車のタイヤを盗んだり,壁にスプレーで落書きしたり,自動販売機から取り忘れのツリ銭をゲットしたりしたいと思ってアメリカ西海岸に渡った筆者にとって,まさに待望のタイトル「Grand Theft Auto:San Andreas」の連載だ。
 親兄弟も含め,ただの一人も善人が出演せず,モラル的にかなり問題のある人々から,モラル的にかなり問題のあるミッションを次々に受け,裏社会を順調に成り上がっていく主人公カール・ジョンソン(CJ)の生活は,まさにヒップホップでソウルフルでR&Bで,えーと,そんな感じ。我々,現代人の忘れていた熱い何かを思い出せてくれるが,はっきりいって,あんまり思い出さないほうが身のためである。
 さて今回は,主にロス・サントスの中でとくにクールなミッションをピックアップして紹介していくぞ。街中でこんなことやっちゃっていいの,おい!?

●ギャング・ウォー

武器の調達はおなじみのAmmu-Nationで。んーと,ここはちょっと違うようだが,立ち寄らずにはいられない

 兄貴のスィート(比較的悪い人)から「Doberman」というミッションを受けるのだが,これは「ブラザーよ,グレン・パーク(比較的悪い場所)のテリトリーが対立グループの手に落ちてかなりファッキンなので,おまえ一人で武器を持って殴りこんで敵を皆殺しにしてリスペクトをゲットしろ」という,間違えた優しさにあふれたもの。オーライ兄貴。
 かくして,ほとんど何も考えずに鉄砲玉となったCJはグレン・パークへ出かけて,紫色のウェアがちょっとおしゃれなBallasのやつらを2,3人ほど血祭りに。すると,たちまちお楽しみの「ギャング・ウォー」が勃発する。

 几帳面に3波に分かれて襲ってくる敵をことごとく返り討ちにすると,見事にテリトリーはグローブ・ストリートギャング団(緑)のものになりました。これ以降,マップ上の各テリトリーが色別で表示され,この縄張りを巡って方々で争奪戦を繰り広げることになる。これが「ギャング・ウォー」だ。
 筆者は一時これに熱中し,ほとんどのテリトリーを確保。多大なリスペクトを得たが,ストーリーの展開上,CJはロス・サントスから逃げることになってしまうので,結局は無駄な血が流れただけであった。ファッ○!

グレン・パークはオレたちのもの。次々に襲ってくる敵を片っ端から倒していけばいいだけ。とはいえ敵は多い リスペクトが増えると,仲間を連れて殴り込みができるようになる。とはいえ連中,ときどきどっかへ行っちゃう
抗争を始めるには,そこらの敵をなぎ倒すだけ。だが警官に見られると手配されてしまうので,けっこう難しい ギャング・ウォーが始まると一般市民は姿を消す。いるのは敵と警察だけ。じゃまだなあ,おまわりさん このように,テリトリーの配置は,マップ画面で確認できる。テリトリーの確保はリスペクトをはね上げる

●悪徳警官は恋のキューピッド

 ロス・サントスでは,警官だって立派な悪人だ。自称C.R.A.S.H.という悪徳警官3人組がCJに命じたのは,「俺らに代わって,Vagos(黄)のやつらの頭を冷やしてやれ」というもの。了解,おまわりさん。正義のためだ。かくしてCJは指示されたアドレスに向かい,敵のおしゃれな黄色いバンダナを頭ごと吹き飛ばし,家の中に火炎ビンを投入。めらめらと燃え上がる家。そのときである! ガラスを割って助けを求める一人の少女がいるではないか。
 炎をものともせず,なんとか少女を助け出すCJ。かくして,二人は熱い男女交際を始めたのである……。って,あのね,自分で火をつけといて,その了見はないんじゃないの,と思うが,ストリートではそんなことはノープロブレム。クール!

あたりの敵を一掃したら,火炎ビンを窓から投げ込む。あんまり炎に近づくとCJが悲鳴を上げるので要注意だ これがその少女,デニース。敵の家で何をしていたのか訊いたら,「私は冒険が好きなの」とのこと。よく分かんない
消火器は武器と同じ扱いなので,うまく取れなかったらTabキー(デフォルト)を押して,武器セットの交換を 救助が成功すると,これ以降,ガールフレンドになってくれる。デートが成功すると,うひひ,うひひ

こいつはクール! 「ガールフレンド」

 ミッション「Burning Desire」をクリアすると,最初のガールフレンド,デニースと付き合える。やったー,ガールフレンドだー。いえー! ファーッ○! と喜んでいたが,いざ付き合ってみると,食事に連れてけだのドライブだの極めて面倒。しかも放っておくと,こちらが殺し合いで忙しいというのに,怒りの電話。うーん。もしかすると,世の中,本物のガールフレンドもこんなものかもしれないなあ,と46歳の私は思うのだった。

暴力の合間の心休まるひと時。CJの顔もゆるみっぱなし,ってのはウソ。デートを成功させるのは結構大変 セックスアピールを上げるため,衣装を変えたり髪型を変えたりと面倒だったらありゃしない。もう,やめた!

●「抗争終結の話し合い」が実は罠

 ストリートのオキテは,「1に暴力2に暴力,3,4がなくて,5にちょっとだけ話し合い」だ。ミッション「Reuniting the Families」では,スィートが抗争終結のため,ほかのファミリーとの話し合いに行くが,どう転んでもそれはやっぱり罠以外の何者でもなかったから驚いたなあ,もう。ジェファーソンモーテルを舞台に,激しいガンアクション全開だ。

話し合いは罠だった。スィートが警官隊に包囲された! なんとかモーテルに飛び込んで,兄貴を救出するのだ 警官隊はSWATまで投入。モーテル内では激しい撃ち合いが続く。ま,そんなに大した敵ではないんですけどね 関係ない部屋に飛び込むと,恐怖に怯えたキレイなお姉さんがCJを大歓迎。いちゃいちゃしている場合じゃないのに
殺し合いに疲れた人は,清涼飲料スプランクをグッと一杯どうぞ。たったの1ドルで体力回復効果抜群 兄貴を助け出し,ヘリコプターまで撃墜するという,なんでもあり状態。だが警官隊もしつこく追ってくる ここからは追ってくるパトカーとのチェイス。あ,白バイ警官をひっかけちゃった。大丈夫ですか,おまわりさん

●変な女!

 詳しくは書けないが,わけあってCJはロス・サントスを脱出する。行き着いた先はバッドランドと呼ばれる田舎地帯だ。広い畑。平屋の家並み。カントリーミュージック。そしてデブの女。ジス・イズ・アメリカ。田舎暮らしの筆者としては,たいへん落ち着く景色である。うう。
 ここでまず出会うのが,カテリーナという変な女。この名前を聞いて,GTA3のプレイヤーなら「もしかして?」と思うところだ。筆者も思った。だが,あちらがソフィスティケートされた"悪い女"という雰囲気だったのに対し,こちらはスペイン訛りでうるさくまくしたて,何かというとすぐに発砲するファッキンな女だ。

強盗4件連発

カテリーナに従って,順不同で強盗を4件こなさなければならないCJ。言う事を聞かないと殺されちゃうのだ。トラック強奪,銀行強盗,コンビニ強盗,場外馬券売り場襲撃と,もうやりたい放題。最後はカテリーナに新しい彼氏が出来てホッとするCJだが,この新恋人って……

「ボクのアルバム」by CJ

 新登場した「カメラ」は,撮影した光景がスクリーンショットとしてファイルに保存されるという小洒落たアイテム。ここに,CJが撮影した数々のショットを公開しよう。町の平凡な日常がよく分かるカットばかりだ。

■■松本隆一(ライター/学生/ストリートギャング)■■
3Dサウンド技術を存分に堪能できる「Grand Theft Auto:San Andreas」のため,7.1chサラウンド対応のサウンドカードを新調した松本氏。これで激しい銃撃戦の中心に身を置いているかのような,あるいは次々と自動車事故が発生している交差点のど真ん中に立っているかのような,あるいは口汚いスラングを連発する怒り狂ったアフリカ系アメリカ人ギャングが,まるで自分のすぐ背後に立っているかのような臨場感を味わえるものと期待していた松本氏だったが,どうやらスピーカーを持っていなくてファッキンなご様子。うーんリスペクト。
タイトル Grand Theft Auto:San Andreas
開発元 Rockstar North 発売元 Rockstar Games(Take Two Interactive)
発売日 2005/06/07 価格 49.99ドル
 
動作環境 対応OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9以上),Pentium III/1GHz以上[Pentium4またはAthlon XP以上推奨],メインメモリ:256MB以上[384MB以上推奨],グラフィックスカード:GeForce 3以上[GeForce 6シリーズ以降推奨],グラフィックスメモリ:64MB以上[128MB以上推奨],HDD空き容量 3.6GB以上[フルインストール時4.7GB以上]

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