本日はコンクエストモードのマップについて学ぼう。角の駄菓子屋からの帰り道でも迷子になる諸君であるのは重々承知だが,コンクエストモードの場合,ルールもまた微妙に絡んでくるので,地理に精通していなければ,必勝態勢は望めないのである。
未来新兵諸君! 未来の未来戦士を目指して日夜研鑽しているだろうか。ご苦労様である。この「バトルフィールド2142」も,発売以来すでに約2か月が過ぎたかと思うと,時の過ぎるのは早いものである。もう年末だし。よって,ここまでしっかりとついてきた諸君なら,もう新兵とは呼べないだろう。これからは,未来古参兵と呼ぼう。さあ,未来古参兵諸君,今日もビシビシしごいて,泣いたり笑ったり飲んだり食ったりできないようにしてやるからな。気をつけ!
さて,今回もマップについて学習する。前回もマップだったが今回もマップだ。なぜならマップが好きだから,ではなく,前回はタイタンモードのマップで,今回はコンクエスト(Conquest)モードのマップだからである。まあ諸君にとっては「カッパの川流れ」……,じゃなくて「カッパに水練」ではあろうが,ここでちょっとこのコンクエストモードについて説明しよう。これは,「バトルフィールド1942」(2002年)から200年ぐらい連綿と続く伝統と格式を誇るゲームモードであり,チケットと呼ばれる謎めいた数字を減らし合い,ゼロになったほうが負け。
チケットを減らすには,敵の兵士をアレしたり,敵の兵器をアレすることが必要だが,もっとも影響あるのが「拠点の制圧」なのである。マップのところどころにある拠点をより多く,より長く制圧したほうが勝つわけだ。
さて,そんなコンクエストモードだが,細かく分けると以下の3種類がある。
●アサルト
攻撃側は占領不可能の拠点を一つ持っており,残りの占領可能な拠点は,守備側がすべて占領している。攻撃側のチケットは自動的に減っていき,敵の拠点を占領することでそれを遅らせることができる。ゲームでは攻撃側はPAC軍,守備側をEU軍となっている。
●ヘッドオン
おたがいに占領不可能な拠点を一つずつ持ち,マップにある中立の拠点を奪い合う。半数以上の拠点を占領すると,敵のチケットの減少速度が早くなる。
●ダブルアサルト
おたがいに占領可能な拠点を一つずつ持ち,すべての拠点を奪い合う。
という感じだ。丸暗記するように。
それを知らないと,ガンガン攻め込んで敵拠点を取らないと負けてしまうアサルトマップなのに,全軍で拠点防御に全力を傾けていたら負けてしまった,という不測の事態に陥ってしまうかもしれないのである。今さら何言ってやンでぇ,とっくにご存じ,という兵士諸君は大丈夫なので,思う存分戦うがよい。
またしても前置きが長くなった。では,コンクエストモードに登場する10枚のマップをさっそく見ることにしよう。各マップに簡単な説明も添えているが,16人用マップはシングルモードでのプレイも可能なので各自学習してもらい,添えた説明はだいたい32人用以上のマップでの話だと理解したまえ。さあ,今週も地獄の戦場へレッツゴー!
旧ユーゴスラビアの首都,ベオグラードの戦いは市街戦だ。16人,32人用ともにヘッドオンマップで,お互いに占領不可能の拠点を持ち,マップ内の中立拠点を奪い合う。32人用マップで最も重要な拠点は,一段高い場所にある拠点「彫像」だろう。ここにバトルウォーカーがリスポーンするからだ。戦車,APCも出てくるが,航空機は登場せず,その入り組んだ地形のせいもあって,歩兵同士の白兵戦がいたるところで発生する。NetBatと各種未来ガジェット,そしてなによりチームワークが大切だ。
16人用,32人用共にアサルトマップ。初期配置では,攻撃側のPAC軍は占領不可能の拠点を一つ持ち,残りの拠点はすべてEU軍側が押さえている。バトルウォーカーは出てくるが,戦車や航空機が登場しないため,まずは最寄りのEU軍拠点である「港湾施設」をめぐる正面衝突が起きる。ここを押し切れないと,PAC軍はズルズルと負けてしまうだろう。EU軍のバトルウォーカーは最も北の拠点にリスポーンするので,前線に出るまで時間がかかる。そのため,PAC軍は序盤勝負だ。コマンダーによる砲撃のうまいヘタも戦況に大きく影響する。
こちらもアサルトマップ。高低差の大きなマップで,高い位置にいる守備側のEU軍のほうが,狙撃にグレネードの投擲にと,何かと有利だ。PAC軍歩兵は弾雨をかいくぐりながら,坂を駆け上っていかなくてはならない。ただ,唯一登場する大型兵器のバトルウォーカーはPAC軍の拠点にしかリスポーンしないので,これを有効に使えば位置的な不利は挽回できるはずだ。とはいえ,EU軍本部への攻撃に多大な出血を強いられることは間違いない。
ビルの建ち並ぶ未来のベルリンでは,約200年前に起きたものと同じ激しい市街戦が繰り広げられている。大型兵器として攻撃側のPAC軍,守備側のEU軍ともにバトルウォーカーとAPCが登場する(32人用の場合)ため,大通りではミサイルやバルカン砲弾の飛びまくる息をもつかせない戦闘が繰り広げられ,また複雑な内部構造を持つ数多くの建物では過酷な白兵戦が頻発する。重要拠点はもちろん「十字路」であり,PAC軍がここを突破できるかどうかが戦況を決めるのだ。
戦場は広く,兵器類も豊富なアサルトマップ。攻撃側のPAC軍の場合,自らの野営地から敵の拠点に近づくには,コンクリートブロックがじゃまっけな隘路を通らざるを得ず,しかもEU軍の拠点「前線」には背の高い建物があるため,こちらの接近が容易に暴露してしまうという不利な地形。拠点「前線」はまさに最前線で,そこでの正面衝突は避け得ない。16人用マップを除いて待望の航空機が登場する。とはいえ,出てくるのはガンシップのみで輸送機はなしだ。いったん前線を抜いてしまえば,あとの勝負は互角か,もしくはややPAC軍有利で推移するだろう。
いずれのサイズのゲームモードも,お互いに占領不可能の拠点を持つヘッドオン。マップの真ん中にある「中央基地」の取り合いが戦闘の中心になることは,一見して明らかだろう。32人用以上では,戦闘機,輸送機,戦車,バトルウォーカーなど,すべての種類の兵器が登場するので,いたるところで派手な戦いが繰り広げられる。マップは広く土地は開けており,徒歩で移動などしていたら戦闘機の餌食になるか,戦争が終わってしまうだろう。
こちらもすべてヘッドオンマップ。水路を挟んで拠点が東西に分かれるため,中央の拠点「コア」をどちらが占領するかで勝敗が変わってくる。水路があるため地形はやや入り組んでおり,地理に詳しくなければ余計な回り道を強いられたりする。(16人用マップ以外では)やはり,序盤は輸送機を使って空から展開するのがいいだろう。多くの拠点で強力な兵器がリスポーンするので拠点を奪われれば奪われるほど不利になる。
16人用マップだけはダブルアサルトで,お互いが占領可能な本拠地からスタートする。32人用,64人用はアサルトマップとなる。すべての種類の兵器が登場する(例によって,16人用では航空機は登場しないが)うえ,マップが広めで地形も比較的単純であるため,アサルトの場合,攻め側であるPAC軍がやや有利か。ただ,EU軍の最終拠点に到達するためには橋を渡る必要があり,「橋周辺を守り切ってEU軍の勝ち」となる場合も多くある。
雨の降りしきるアフリカの港町は,16人用がダブルアサルト,32人用がヘッドオンとなっている。どちらも航空機,戦車は登場せず,最強の兵器はバトルウォーカーとなる。各拠点とも,奥まった場所にあったり障害物が設置してあったりで,歩兵の肉薄しか接近方法がない。したがって白兵戦が主体となるだろう。狙撃兵やセントリーガンなどが活躍し,チームワークに優れたほうが勝利を収めるのだ。
いずれのサイズのマップもモードはヘッドオン。お互いに占領不可能な拠点を持ち,残る中立拠点を奪い合う。16人用のマップでも比較的広く,兵器類も豊富なため,輸送機やAPCによる序盤の部隊展開がキーポイント。確実な占領と維持が重要になる。川と大きな壁があるため,航空機による効率的な移動が重要になるが,上空は雪が降り続き視界が悪い。
教官は新しモノ好きなので,タイタンモードをプレイすることが多いが,サーバー状況を見ると,コンクエストも依然としてかなりの人気である。いろいろとケレン味の多いタイタン戦より,個人の技量が問われ,シビアな戦いを強いられるコンクエストのほうを好むプレイヤーもまだまだ多くいるのである。ビバ,コンクエスト!
とはいえ,これまた前回言ったようなどうだったかしらだが,デフォルトの10枚はどれもちょっとお行儀が良すぎる気はしないでもない。まあ,本編にくっついてくるのだから当然と言えば当然なのだけど,そろそろ意表を突いた個性的な戦場にも期待したい。「バトルフィールド2」を考えても,必ずしも有利不利のないマップが人気,というわけでもなく,かえっていささか「カブいた」戦場に人気が集まっていたりなんかする。
今現在,拡張パックやブースターパックに関する公式のアナウンスはないが,来年になればおそらく何かしらの動きがあるはずだ。あってほしい。ぜひあって。というわけで,無責任だが楽しみに待っていよう。待つだけならお金はかからない。
というわけで,ちょっと気が早いが,未来古参兵諸君,よい正月を過ごすように。気をつけ! 解散!