― 連載 ―

ハートマン松本の全軍突撃! バトルフィールド2
諸君! ヘリと戦闘機さえ飛ばせられれば最高だ
今回はヘリと戦闘機の操縦をまとめて訓練する。教官である筆者も未熟ゆえ毎晩泣かされている分野なだけに心配だが,バトルフィールド2における航空機の威力は絶大なため,地上でしか活躍できないという兵士諸君は,張り切って訓練に参加するように

 新米パイロット諸君,アメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊ナイトストーカーズヘようこそ。私が訓練教官の松本隊長である。さて今回は,「バトルフィールド2」(以下,BF2)における最強の存在といっていい,戦闘ヘリコプターと航空機について訓練する腹づもりである。ちなみに第160特殊作戦航空連隊ナイトストーカーズとは,いうなればヘリの特殊部隊みたいなものだ。ま,ここでは戦闘機も,もののついでに扱っちゃいますけどね。

 我が部隊のモットーは「ナイトストーカーズは決して屈しない」であり,歩兵や地上兵器と比べて格段に操作が難しいBF2の航空兵器を自由自在に操るには,不断の努力と研鑽が必要だ。しかし,厳しい試練の先には,必ずや素晴らしい「勝って勝ってまた勝っちゃってガッハッハ,イッヒッヒ」が待っているはずなので,諸君もぜひ諦めずに頑張ってほしい。では搭乗! ファッ○ンアイリーン!

ジョイスティック,キーの設定は,この画面で行う。設定自体は非常に簡単だ。間違えたらESCキーでクリア

 それでは,まず入力デバイスについて始めよう。なに? まさか,キーボードとマウスで戦闘機を飛ばそうとしているのではないだろうな? ここはぜひジョイスティックを使ってほしい。てゆうか,使わなければならないのだ。それも"三軸"のやつだ。つまり上下/左右だけでなく,"ひねり"の利くタイプのものである。この三軸めが,航空機のラダーを担当することになる。
 さらに付け加えるなら,推力の入力を受け持つ"スロットル"のバーは,大きいほど微調整が利くので望ましい。戦闘機の場合は常に最大推力(ミリタリーパワー)で飛んで問題ないが,ヘリコプターの操縦には微妙なパワーの調整が要求される。センターの出せるものならなお素晴らしいが,スロットルが別ユニットになったジョイスティックは,一般にとても高価なので,ここはやる気とお財布の相談だ。ジョイスティックに付いたボタンの割り振りはお好みでいいが,よほどひねくれた性格の諸君でもなきゃ,トリガーをプライマリーウェポンにバインドするのが常識だろう。
 ここに教官のバインドをお見せするので,なんだったら参考にして構わないぞ。なんせ担当編集者のように,ここのセッティングで挫折する人もいるらしいので,分からなかったら人のを真似るところから始めるのが一番だ。

ホバリング状態に入ると,中央に四角いマークが出る(よく見りゃ八角形だけど)。左の縦バーがスロットル。左が昇降計。どちらも操作してから反応するまでやや時間がかかるので,慣れが必要。一番下の長方形は副操縦士の視線の向き。これで副操縦士の攻撃の意図を判断する。パイロットになったら常に気にかけていなくてはならない

 さて,諸君はマウスルックをご存じだろうか? コックピットに座り,コントロールキーを押しながらマウスを移動させると,周囲をぐるぐる見回せるという機能であり,空中戦で最大の効果を発揮する。競馬馬みたいに正面ばっかり見ていたのでは,敵の接近に気づかないであろう。
 エースパイロットを目指すには欠かせない機能だが,これが個人的にちょっとやっかいである。つまり「右手でジョイスティック,左手でマウス」ということになるので,筆者のように狭い机でプレイしていると腕が交錯して,何がなんだか分からなくなるので注意が必要だ。
 その代わりといってはなんだが,正面視点(デフォルトでF9キー),背後視点(同F10キー)をジョイスティックの手近なボタンに割り振っておけば便利である。フライバイ視点はあんまり使わないので,放っておきたまえ。


ヘリでも拠点を占領できる(実にズルイ!)。機体の下方や左右の様子はマウスルックを使ってチェックする フレアを撒き散らしたヘリを,地上の対空ミサイルから見たところ。こうして熱源誘導ミサイルを欺瞞するのだ
【ヘリコプター編】
兵員輸送ヘリコプターHH-60Hシーホーク。実戦で使いこなしているプレイヤー(チーム)はまだ少ないようだ

 ただ飛ばすだけなら,それほど難しくない。まったくの初心者のパイロット諸君は,平地に機体を置き,操縦桿(ヘリコプターの場合,コレクティブピッチレバーなんて呼ぶとそれらしくてカッコいいぞ)に触らず,スロットルだけで上下する練習からスタートだ。うまく上昇したら操縦桿を前に倒し,前進開始。至極簡単だ。
 ただ,ヘリコプターの原理からいって,そのまま操縦桿を倒しっぱなしにしているとどんどん降下していくので,適宜,操縦桿を戻したり,スロットルを開いたりして高度を維持したまえ。そして,前進に不自由がなくなったら,後進だの左右だのを織り交ぜつつ,機体に慣れていこう。このへんは練習,練習,また練習だ。


 ヘリコプターの最大の特徴は,空中で静止できることにあり,これを「ホバリング」と呼ぶ。好きなところでホバリングできるようにならないと,ヘリ本来の戦闘力の半分も発揮できないぞ。

マウスルックで操縦席から斜め後ろを見る。空中戦では,先に敵を発見した側が有利になるのは当然のこと
 ホバリングのコツは「正しい推力を感得する」ことにある。コックピットに座ってHUD(ヘッドアップディスプレイ)を見てみたまえ。スロットルは左の縦バーだ。機体によって若干異なるが,だいたい推力30%前後がホバリング状態に入れる目安だ。バーの下にある数字が速度である。機体が前進しているなら,そっと操縦桿を引いてみよう(後進しているなら,前へ倒す)。数字が減っていくのが分かるであろう。操縦桿を微妙に押したり引いたりして,その数字が0になったときがホバリング状態だ。
 ホバリングに入ると,HUDの真ん中に"四角いマーク"が表示されるはずだ。もし機体がゆっくり降下しているなら,そのマークは上へ,左へ流れているなら,マークは右に移動するはず。つまり,このマークを常に中心におくように操縦すれば,バッチグーなのである。さあ,やってみたまえ。

 ホバリングは非常に役に立つ機動(マニューバ)だ。コントロールポイントの真上でホバリングすれば,なんと拠点が占領できてしまうではないか。着陸時にも欠かせないし,コパイロットの放つTV誘導ミサイルや搭乗員の扱うミニガンの命中率もホバリングの腕次第。ここを重点的に練習,練習,また練習だ。

 ホバリングできるようになったら,次のステップは水平移動だ。これは,ホバリング状態で操縦桿を左右にそっと動かすことで実現するが,これにもスロットルの微妙な開閉が要求される。開きすぎると上昇してしまうし,そのままではもちろん降下する。操縦桿の操作も極端なまでの繊細さを要求されるが,それでもあんまりフラつくようなら,ジョイスティックを疑ってもいいかもしれない。ちゃんとセンターの出ていないジョイスティックって,結構あるみたいだからね。古いと軸がガタついたりするし。

至近距離での,敵機との撃ち合い。飛行のときは必ず副操縦士を乗せておきたい。でないと攻撃力半減以下だ
 さらに上級者になれば,水平移動と同時に逆方向にラダーを当て,機首が常に同じ方向を向くようにすることも可能だ。実戦では「目標を攻撃しながら敵の誘導ミサイルをよける」といった機動を要求される場合がしばしばであり,これもできるようになっておく必要があるだろう。ミサイルを撃つ副操縦士の視界を確保するためにもこのマニューバは必須。はっきり言ってかなり難しいが,ここまでやれれば,もう新米パイロット卒業だ。勲章,しかも,エキスパートだって夢じゃない。

【戦闘機編】

 戦闘機を飛ばすのは,そんなに難しいことではない。スロットルは常に全開でほぼ構わないし,「バトルフィールド1942」のレシプロ機と違い,複雑なマニューバを繰り返しても速度が落ちるようなヤワなエンジンではないのだ。だが,それでも空中戦に勝てないとお嘆きの新米パイロット諸君も多いだろう。なぜ勝てないか? それは撃ち落されるからである。当たり前である。まずは撃ち落されないことを考えなければならない。

F-18 E/Fスーパーホーネット戦闘機。熱源誘導ミサイル6発,爆弾2発,そして20mm機関砲を搭載する
 BF2では,敵のミサイルが自機をロックオンした場合,ビビーっという警告音が鳴るようになった。これが鳴ったら,何をさておいても回避行動を取らなければならない。ちなみに警告が断続音の場合は,敵のレーダーにサーチされたことを意味するので,まだちょっと余裕がある。
 回避行動の基本は「アフターバーナー」だ。左シフトキー(デフォルト)を押すことで一定時間アフターバーナーが作動し,最大速度を得られる。これで敵機の追撃をかわし,あわよくばミサイルを避けるのだ。また,対空ミサイルはすべて熱線追尾式なので,「フレア」の使用も有効だ。アフターバーナーと同時に熱源であるフレアを空中にばらまき,追尾をかわすのである。
 問題は,アフターバーナーもフレアも一度使ってしまうと,もう一度使えるまである程度の時間がかかるため,乱発できないということである。「ここ一番!」で発動しなければならないのだが,どこが「ここ一番!」なのか分からないうちに撃ち落されてしまうこともしばしばだ。このへん,数を重ねることで自然に身につくところである。敵機のパイロットの技量なども関係するし。

 前述のように,対空ミサイルはすべて熱線誘導方式なので,違う熱源のそばをかすめて追尾するミサイルを誤魔化すという戦術も考えられる。マップ「ZATER WETLANDS」では,中央の天然ガス工場に廃ガスを燃やす鉄塔が3本立っており,この熱源を熱線誘導ミサイルが感知してしまう。この間を駆け抜けることで敵のミサイルをかわせるとは思うのだが,教官の場合「ミサイルをかわしても鉄塔に突撃して自爆」なんてこともあるので,さらなる研究が求められる。てへへ。また,太陽を偽の熱源にしようとする作戦はうまくいかない。

熱源誘導ミサイルをかわすため,鉄塔などの熱源を有効に使えるはず。ミサイルが勝手にロックしてしまうのだ

 敵の攻撃をしのいだら,今度はこちらの番だ。基本的な空中戦マニューバである,「インメルマンターン」(上昇しながらハーフループをし,水平状態になったら機体を反転させる),「スプリットS」(機体を反転させて,下向きにハーフループをする)くらいはぜひ身につけておきなさい。「バレルロール」,「シザーズ」といった高等技も身につけたいが,個人的な経験からは,横方向より縦方向の機動を使ったほうが敵を欺きやすいような気がする。ただし「うっかり地面に激突」だけには注意していただきたい。カッコ悪いからね。
 うまく敵機の後方につけたら,ロックオンの表示を待ち,ミサイルを送り込むのだ。この場合,レーダーが「対空」モードになっていないと敵機にロックオンしてくれないので注意が必要。デフォルトでキーボードの「1」だ。ミサイルはケチケチしないで6発全弾発射。ちゃんとロックオンしていれば,どれか1発ぐらいは当たってくれるだろう。
 結果がどうなるか確認したいところだが,即座に反転し補給に向かうのが小粋なパイロットのやることだ。この,補給に向かう段階は非常に危険でもあるので,視点を頻繁に変えて,敵機や地上攻撃に注意することが必要。

ドッグファイトができる腕前になれば一人前のパイロットといえる。常勝できる腕前ならエースパイロットだ
 逆に,敵機がミサイルを撃ち尽くして補給に帰るときこそがチャンスともいえる。慌てて空母に駆け戻るF-35など,おいしいカモだ。たいてい,気が焦ってまっすぐに飛んでいるし,背後なんか見やしない。もう一つのチャンスポイントは,敵機が上がったばかりで浮き足立っているところ。飛行場から飛び上がろうとしている敵機を見たら,「うふふ」という気持ちを押し殺してぴったり背後につけよう。敵は何が起こったのかも分からないはずだ。うふふ。

意外な戦闘力 輸送ヘリコプター

 アメリカ海兵隊の「シーホーク」,中国軍の「Z-8」,MECの「ヒップ」,以上3機種が輸送ヘリコプターであり,ゲームにおける人気はいたって低い。兵士をあっちからこっちへ動かすだけで,ミサイルも撃てやしない機体だから。しかしこの輸送ヘリコプター,BF2に新規導入された「小隊システム」と併用すると,意外な戦闘力を発揮するから驚きだ。

 輸送ヘリコプターの乗員は6名であり,小隊の最大兵士数と同じ。一個小隊を乗せた輸送ヘリコプターをコントロールポイント付近に移動させ,アサルト兵がジャンプ,もしくはパラシュート降下して一気に拠点を制圧することが可能なのである。しかも,パイロットが小隊長であれば,リスポーン地点はヘリの中。たとえ敵にやられても,次から次へと飛び出せるのである。小隊の中にエンジニアが乗っていれば,多少の被弾もその場で修理できる。さらにヘリ自体にも拠点制圧能力があるので,拠点の真上にホバリングすれば言うことなしだろう。
 対空兵器には気をつけなければならないが,まさに輸送ヘリコプターは小隊システムのためにあるといっていいのである。この作戦をやられて,開始15分足らずで惨敗した私が言うのだから間違いないのだ。しかし,こうなってくると,ラペリング(ロープ降下)が出来ないのがなんとも惜しいかな。パラシュートもいいけど,ラペリングのほうが100倍カッコいいと思うのである。なお,この作戦をやりすぎて嫌われても責任は一切持てない。

搭載兵器について

機関砲

 20mm機関砲は戦闘機の基本兵装であり,対地攻撃にも対空攻撃にも効果を発揮する。とくに,ミサイルのなかなか当たらない対ヘリコプター攻撃には,機関砲が最も有効となるだろう。

爆弾

 戦闘機には2発,戦闘爆撃機には4発の爆弾が搭載される。レーダーを対地モードに切り替えると,人が乗った兵器の存在を知らせてくれる。爆弾は放物線を描いて落ちていくので,なかなかうまく命中しない。降下しながら放出すれば,やや確率が高くなるだろう。戦闘爆撃機には,減速装置がついた命中精度の高い爆弾も搭載されている。

熱源誘導ミサイル

 レーダーを対空モードに切り替え,照準に敵機を捕らえると,この熱源誘導ミサイルのロックオンを知らせる警告音が鳴る。ロックオンがうまくいくと音が変わるので,あとは発射するだけだ。単純に熱源を追うだけなので,敵機のフレア投下にはだまされてしまう。

レーザー誘導ミサイル(戦闘爆撃機のみ)

 副操縦手が右クリックすることで,レーザー誘導ミサイルの使用が可能になる。発射後,副操縦手がレティクルをターゲットに合わせ続けることにより,そこへミサイルが命中するのだ。この兵器を有効に使用するには,爆撃航程に入った機体を安定して飛ばす必要があり,正副操縦手の呼吸が合っていなくてはならない。ミサイル自体の破壊力は抜群だ。

ロックオンした目標を追う熱源誘導ミサイル。フレアを避けるため,一拍おいてから発射するのがセオリー 命中! 飛散した敵機の破片によってダメージを受けることもあるので,要注意。ただちに補給に戻れ
戦闘爆撃機のレーザー誘導ミサイルの画面。TV誘導ミサイルと違い,カメラを左右に振れる 対地モードにしたHUD。人が乗った地上兵器をマークしてくれる。速度が高いので爆撃は結構難しい

ロケット

 操縦手が使える唯一の武器。無誘導で飛翔し,あまり正確ではないため,当てるには練習が必要。搭載弾数が多いので,一発必中を狙わず,ともかく乱射するといいだろう。

機関砲

 航空機と異なり,独立したターレットにマウントされているため,広い射界を持っているのが特徴。破壊力も十分で,対地,対ヘリコプター攻撃に活躍してくれるだろう。

TV誘導ミサイル

 副操縦手が右クリックすることで,TV誘導ミサイルの使用が可能になる。航空機のレーザー誘導ミサイルと違い,飛翔中にレティクルをクリックすることで,ミサイルの飛行方向を変えられ,より高精度な射撃ができるのが特徴。しかも射程距離が長く,あらゆる地上兵器を一発で破壊する威力を持っている。とはいえミサイルの速度が高いので,そう激しい方向転換は難しい。正確な照準にはヘリコプターが安定している必要があり,レーザー誘導ミサイルの場合と同様,正副操縦手の呼吸が合っていなくては威力は発揮できない

高い位置から無誘導ロケットを撃ちまくる。まあ,動き回るヘリコプターにはなかなか当たるものではないが とはいえ,たとえ流れ弾であろうと,うまく命中すれば撃破は容易。航空機の機体というものは脆弱なのだ
副操縦士の機関砲は視界が広く,このようにかなり下方へも向けられる。地上攻撃には非常に便利だ 輸送ヘリコプターのミニガン。相手が装甲車でも破壊する威力がある。砲身の焼き付きには注意したい TV誘導ミサイルの映像。発射後も,マウスクリックで飛行経路を変えられるというハイテク兵器だ
■■松本隆一(ライター/学生/教官)■■
フレズノ在住の松本教官は,8月11日〜14日までダラスで開催されていた「QuakeCon 2005」へ,4Gamerスタッフとして単独で派遣される。今回の連載では,1週間飛ばさないと腕が鈍るといわれるBF2のヘリの講釈を垂れねばならず,この取材が大変な命取りになった模様。取材終了後,急いでBF2の練習に戻るのかと思いきや,ずっと「DOOM 3」で遊んでいたらしい。なんでも,DOOM 3の優勝者が2万5000ドルを手にするのを目の当たりにしたそうだ。サーイェッサー!
タイトル バトルフィールド 2
開発元 Digital Illusions CE 発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 2005/07/07 価格 オープンプライス
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/1.70GHz以上(Pentium 4/2.40GHz以上推奨),メインメモリ:512MB以上(1GB以上推奨),グラフィックスメモリ:128MB以上(256MB以上推奨)

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