2005年秋のFPS祭り,トリをつとめるのは2002年の「Serious Sam: The Second Encounter」以来,3年半ぶりの続編となる「Serious Sam 2」だ。日本ではサイバーフロントから発売が予定されている(メディア向けにアナウンスはされていないが,公式サイトにはしっかり発売日も“今冬”と書かれているではないか)。
有名なシリーズではあるが,すでに知らない人もいると思われるので説明しておこう。「Serious Sam」は,まさにFPS界の最右翼なタイトル。リアルに再現された何かとか,複雑で画期的なシステムとか,緻密で感動的なストーリーとか,そういったものは一切ない。単純明快,膨大に湧いて出る敵をひたすら撃って撃って撃ちまくるという,気分爽快シューティングの代表作だ。

まずは注目したい「2」の新要素をピックアップしていこう。最大の特徴は,劇的な変化を遂げたビジュアルだろう。Serious 2エンジンが,前作の100倍以上のポリゴン数による緻密で美しいグラフィックスを提供してくれる。
クリーチャーやオブジェクトなどの質感も素晴らしいのだが,それ以上に背景の美しさが素晴らしい。大自然だったりメルヘンだったりSFだったりと,こんな脳天気シューティングに,なぜこんな美しいフィールドが必要なのか不思議なほどだ。血と肉塊で汚すには多少気が引けるが,まぁ仕方がない。

「アーーーー!」と絶叫しながら突進してくる爆弾男などで知られるように,Serious Samといったらクレイジーなクリーチャーがてんこ盛り。広大なフィールドの四方八方から,そんなクリーチャーがひたすら猪突猛進してくるのだ。
今回も大きいのやら小さいのやら,速いのやら遅いのやら,さまざまなクリーチャーが主人公サムを目がけて突進してくる。プレイヤーの成すべきことは,ただひたすら殺戮の限りを尽くし,彼らを根絶やしにすることだ。

以前よりアナウンスされていた,Serious Sam 2の新要素「乗り物」。今さらFPSで乗り物が新要素といわれても別に驚きはしないが,まぁ本作の場合ちょっと面白い乗り物が多いので許したい。
トゲの生えたボールの中に入って,ゴロゴロ転がりながらクリーチャーを踏み殺していく球体,よく分からないけどサムが上にベタッと張り付いて操作する大砲など,開発者は3年も掛けてこんなものを考えていたんだなぁと思うと感慨深い。

大量のクリーチャーをひたすら撃ちまくるFPSの場合,マルチでは協力プレイ「Co-operation」(Co-op)を楽しみたい! と考えるシューターが多いようである。前作Serious Samでは,このCo-opが大好評だったが,もちろん今作「2」のマルチプレイでも最大16人でCo-opが楽しめる。
問題は,今のところマルチプレイ人口があまり多くない点だ。いくらなんでも,もうちょっと盛り上がってもいい気がするのだが……。
- 撃ちまくりたい
- とにかく撃ちまくりたい
- そして笑いたい
- マルチプレイはCo-opがしたい
今週で最終回となる2005年秋FPSの祭り。怒濤の大作4本を立て続けに紹介してきたが,自分に合ったFPSは見つかっただろうか。中には「前作と比べてイマイチ」などネガティブな意見が聞こえてくる作品もあるが,実際にプレイした限りではどれも面白く,水準以上のクオリティはクリアしている。
今回の「Serious Sam 2」は,とくに前作を知らない人でもまったく問題なく遊べる作品である。体験版もあるので,ぜひアドレナリンをドバドバ出しながら豪快に撃ちまくってほしい。
















