RF onlineは，韓国のCCRが開発し，日本ではセガによるサービスが行われていたタイトル。その後，ゲームオンが運営権を取得し，4月20日にサービス移管が行われた。
　セガによるサービスが終了してから，約2か月での再スタートとなったが，セガ運営時にプレイしていた人のキャラクターデータはそのまま移行されている（一部アイテムを除く）。移管発表後に，ゲームオンへ数多く届けられたという，熱心なプレイヤー達の要望が叶った形となったわけだ。また，このデータ移行に伴い，以前は四つあったサーバーが一つに統合され，新規サーバーが二つ立ちあげられ，3サーバー体制となっている。

 

　 　再開にあたっての最も大きな変更点は，基本プレイ無料のアイテム課金制になったこと。本家の韓国では，2006年9月からアイテム課金制へと移行しているので，そこで販売されているアイテムが日本でも扱えるようになるのは，嬉しいところだ。
　もちろんタイトル名と課金方式以外にも，新たに追加されたものや，セガ運営時とは異なる部分があるので，しっかりとチェックしておこう。

 

　再スタート時の変更点に触れる前に，まずは本作の基本を紹介しておこう。もちろん，本作のプレイ経験がある人は，この項を読み飛ばしてもらって構わない。

　RFZは，コラ，ベラート，アクレシアという3種族によるRvR（種族間対戦）を主体とした，SFとファンタジーが入り混じった世界が舞台の3D MMORPGだ。プレイヤー達は，ノバスと呼ばれる資源豊富な惑星で，その資源をめぐり，三つ巴の戦いを繰り広げることになる。
　コラは，フォースというさまざまな属性を持った魔力による攻撃を得意とし，アニムスという精霊を召喚できるのが特徴の種族だ。
　ベラートは，子供くらいの背丈の人型種族で，3種族のなかでは最もバランスが取れている。また，高い攻撃力と装甲を併せ持つ搭乗型のロボット，「機甲装備」を扱える。
　アクレシアは，脳以外の全身が機械化された種族で，高い肉弾戦能力と物理防御力を兼ね備えている。また，特殊兵器としてランチャーを扱うことができ，一撃必殺の攻撃が可能だ。

 

 

　RFZには，3種族が入り乱れて大規模な戦いを行うシステムとして，「聖戦」が設けられている。聖戦はクレッグ鉱山の採掘権をめぐって争われ，敵対する種族の統制装置を破壊するというのが目的。毎日8時間おきに3回行われており，誰でも参加できる（統制装置を攻撃できるのはレベル25以上）。

　 　なお，4Gamerでは，こういった基礎知識や，ゲーム序盤の進め方，聖戦の戦い方などを，特集で4回に分けて掲載している。あらたなスタートをきっかけにRFZを始める人は，そちらも併せてチェックしよう。

 

 

　ここから先は，RFZとなって変化した内容に触れていこう。RFZにおける3種族間のバランスは，韓国で行われているサービスに沿った形になっているという。最も大きなポイントとしては，ベラートのドライバーが扱える上位機甲装備，通称“黒機甲”のバランス調整が行われた点が挙げられる。

　パーティで挑むことになるバトルダンジョンにも変更が加えられ，レベル15〜50までの5レベル刻みに分割された。全体的に以前より，モンスター数が減ったり，棲息しているモンスターの攻撃力がレベル帯にあったものになったりと，練習用にも使えるようになっている。これで，レベルが低い段階でもパーティを組むメリットが生まれた。一緒に遊ぶ仲間を探すきっかけにもなってくれるだろう。
　その一方で，レベル41以上のバトルダンジョンでは，モンスターが強化され報酬も充実した。とくに，レベル41以上のバトルダンジョンでモンスターを倒すことで入手できる「武器の設計図」や「武器の破片」は，強力な古代武器を作り出す材料となる。聖戦で活躍したい人は，積極的に活用しよう。

 

　また，バトルダンジョンには，制限時間も設けられた。基本的に2分間で（3分や5分の場合もある），ザコモンスターを倒すと数秒加算されたり，最初のターゲットを倒すと制限時間のカウントが戻ったりする。これによって以前よりも緊張感がある冒険を楽しめるだろう。

　さらに，一般フィールドに点在している，ピットボスの行動が変更され，いままでと同じ戦い方では苦戦を強いられるようになった。また，敵をターゲットしたときに表示されるターゲットウィンドウに，モンスターの等級である「N」「A」「B」だけでなく，そのモンスターの属性が表示されるようになっている。これで，モンスターが使用してくるフォースなどが分かるわけだ。とくに強力なピットボスクラスになると，いくつものアイコンが並んでおり，どう攻略するべきかの指標になるだろう。

　このほかにも，レベル40以上で使えるマントの追加，聖戦時に敵種族と衝突するといった変更が行われている。また，トレードマシンは，ログアウトした状態でも72時間は出品情報を維持するように変更され，ログインし続ける必要がなくなったのも，ありがたい変更だ。

 

 

　アイテム課金制へと移行するにあたり，どんな有料アイテムが実装されるのかというのが気になる点だろう。本作のプロデューサーを務めるゲームオンの鹿野氏によると，有料アイテムは5月末以降の実装を予定しているとのことだ。
　実装が予定されている有料アイテムとしては，「ポーションなどの消耗品が主で，韓国で実装済みのアイテムはおおむね実装する」（鹿野氏）という。決定事項ではないが，回復用ポーションのほかにも，ピットボスのところへテレポートできるアイテムや，一時的にキャラクターの能力値を上げるアイテム，一定期間獲得経験値量を増加するアイテムなどを用意するとのことだ。
　ただし，「現在韓国で販売されている高額なアイテム（編注：日本円で数千円以上する）に関しては，日本のマーケット事情を考慮してからとなる」（同氏）とのことなので，すべてが持ち込まれるわけではなさそうだ。販売価格には幅を持たせるようで，数十円で買えるアイテムも販売されるかもしれない。

 

　運営方針としては，プレイヤーのニーズを把握し，満足度を上げられるように提供していくとのこと。バランス調整に関しても，現状では韓国版に準拠したものとし，しばらくは様子を見る必要があると鹿野氏はコメントしていた。さまざまな人達の意見を取り入れながらじっくりと運営をしていきたいとのことだ。

　なお，本作は韓国をはじめ，50の国や地域でサービスされているので，日本独自仕様を導入することは難しいようだ。しかしながら，「課金アイテムに関しては，状況に応じて開発元のCCRへ提案を行っていく」（同氏）とのこと。リーズナブルな枠の中で有益なアイテムの販売を期待したい。

 

 

　冒頭でも述べたように，RFZは約2か月で移管が完了し，サービスが再開された。有料アイテムの実装にはまだ至らないものの，もともとRFZが持っていた良い面を残しつつ，新たな段階へとステップアップされるだろう。
　なお，鹿野氏によると，サービス終了から再開までの時間をなるべく短くすることを優先したとのことで，今後の詳しい予定などは発表できる段階ではないようだ。とはいえ，基本的には韓国のアップデートに合わせていくとのことなので，韓国で発表されたレベル上限の上昇や惑星戦などは，あまりタイムラグがなく実装されるのではないだろうか。
　新規サーバーが用意された今は，これからプレイするにはもってこいのタイミングだろう。また，かつてプレイしていた人も，この無料化をきっかけに惑星ノバスでの冒険を，再び始めてみてはいかがだろうか。