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国内のオンラインゲーム市場を見る

Text by TAITAI



 プレイ時間別だが,「2時間程度」と回答した人が30.1%と最多。次いで「3時間程度」と回答した人が21.1%となった。ちなみに社会人は65%が2時間程度かそれ以下のプレイ時間であり,プレイ時間が多いコアゲーマーほどゲームへの消費金額が高い傾向があることも明確に確認できた。
 視点を女性に限ってみると,短い時間しか遊ばないライトユーザー層と長時間遊ぶヘビーユーザー層という,両極の割合が高めになっている点も興味深いデータかもしれない。



 これは,主に"プレイするプラットフォーム"に関するデータだ。所持率のデータではない点に注意してほしい。
 さて,PCパッケージゲームとPCオンラインゲームの割合が高いのは4Gamer読者なればこそという感じだが,やはりプレイステーション2とゲームボーイアドバンスの稼働率が比較的高めとなっているようだ。また低年齢ほどより多岐に渡るプラットフォームでゲームを遊んでいることも分かるほか,とくに中高生が,携帯電話のゲームに対する抵抗があまりない点は注目すべきポイントだろう。
 また女性のオンラインゲームのプレイ率が高い点は,昨今無料で提供されているMMORPGなどが,ゲームにあまり興味のなかった新規顧客層をうまく開拓しているという証明なのかもしれない。さらに女性についていえば,携帯ゲーム機との親和性も非常に高い傾向がある模様。PSPに比べてニンテンドーDSの所持率がかなり高い点も興味深い。
 最後となるが,プレイ時間とオンラインゲームの相関性がかなり高い点が,やはり最大のポイントだといえるだろう。職業別では大差がないプレイ率も,時間別では明確な差となって現れている。



 今度はユーザーのPC環境についてのデータを見てみたい。
 大枠で見れば,2.5GHz前後のCPUがメインストリーム。中高生や女性は総じてスペックが低い傾向にあり,また「分からない」の割合が非常に高いことから見ても,PC自体の初心者であることが伺える。中高生などは,その約4割前後が2GHz以下のCPUを使っている状況で,あまりにハイスペックを要求するゲームは,やはり低年齢層にとってなかなか遊びづらいタイトルであるようだ。



 こちらはビデオカードのデータ。傾向としてはCPUとほとんど同じで,中高生と女性がローエンド,社会人や大学生が比較的ハイエンドなカードを所有していることが分かる。ただ,CPUよりも「分からない」の割合が全体的にかなり高くなっており,ビデオカードに関する情報がまだまだユーザーに行き渡っていない現実が伺える。
 全体を見てみると,ミドルエンド上位からハイエンドクラスを所持する割合は20%に届かない程度。ミドルエンドが30%,ローエンド+その他が50%と続く。ただ4Gamerの読者ということもあり,どちらかといえばコアゲーマーの比率が高めなのは明らかだろう。オンラインゲーム市場全体でみれば,ローエンドビデオカードを使うユーザーはもっと多いのではないかと推測される。



 これはユーザーに「オンラインゲームの魅力」について尋ねた結果。やはりコミュニケーション部分を重視する割合が圧倒的に高く,次に「ゲーム性」,「長時間遊べる」という項目が並ぶ。見所としては,プレイヤーの年齢層が低くなるほど「コミュニケーション」部分へのニーズが高い点だろう。逆に年齢が高くなるにつれ,次第にコミュニケーション部分へのニーズは減少していくようだ。これは別のデータの話で恐縮なのだが,中高生は「友達とゲームを遊ぶ」割合が非常に高いなど,"横の繋がり"が強い点はよく見られる傾向だ。友達勧誘キャンペーンなどは,若いユーザー層ほど効果的なのかもしれない。
 また女性に関しても,コミュニケーションを重視するという傾向が特に強いことが確認される。これは個人的な見解となるのが,この結果は女性の性質であるというだけではなく,女性の中で高い割合を占める主婦層のニーズ……つまりは一般的に主婦が欲しがちだといわれる「社会性」(=人付き合いをしたい)に対する補完である,という見方も出来るのではないだろうか。