― 特集 ―

クローズドβテスト版「飛天online」ゲームの詳細と日本展開を聞く

Text by aueki 

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飛天onlineの戦闘と対人戦は?

 

4G:
 敵のレベルはどこに表示されるのでしょう?

 

大久保氏:
 敵にカーソルを合わせることで,「同じぐらいの強さだ!」とか「とても強い!覚悟が必要だ!」みたいなのが出ます。これは……「弱いものイジメいくない!」とか出てますね(笑)。

 

4G:
 それにしては硬くないですか?

 

大久保氏:
 現在のパーティが二人とも戦闘職ではありませんので(医師と陰陽師)。

 

4G:
 海外のゲームだと,ちょっときついバランスのことも多いのですが,日本版でのバランス調整はどうでしょうか?

 

大久保氏:
 そういうのは全然問題なくカルチャライズでいけると思います。テスターの反応を見て決めたいですね。

 

多くの職業が用意されているので,パーティでの戦闘は非常に多くのバリエーションを持つ

 

4G:
 分かりました。ところで,コンボというのはなんですか?

 

大久保氏:
 チャットウインドウのところにコンボゲージがあり,攻撃をしていると溜まっていきますので,これをコンボのボタンで発動させるんです。

 

4G:
 “スパII”のゲージみたいなもんですね。

 

大久保氏:
 それとだいたい同じです。

 

流派(ギルド)関係の管理を行うNPCもあちこちにいる。流派に所属していないと入れない場所もある

4G:
 一般的にいうギルドが「流派」にあたり,パーティが「旅団」となるのはちょっと違和感があるのですが。

 

大久保氏:
 実は私達もそのように変えようとしていたのですが,開発の都合上,2バイト文字2文字がよいということだったもので。もちろん,そのあたりまで含めて変更できないわけではありません。ただ,そういう都合と世界観の点からこれでいいかなと。

 

4G:
 私見ですが,このゲームに世界観を求めている人は,ほとんどいないのではないでしょうか? それよりは,広い層に親しみやすいゲームにしたほうがよいと思いますが。

 

大久保氏:
 そうですね。検討してみたいと思います。

 

4G:
 流派というのはかなり大きな単位でしたっけ?

 

大久保氏:
 最初はレベル20以上のキャラクター6人です。流派にもレベルがありまして,レベルごとに人数が変わってきます。確か,レベル×10+15人くらいだったと思います。それとGvGの機能が台湾では近日公開となっています。

 

基本的なPvPとして,決闘が用意されている。クローズドβテストではGMサポートが間に合わないので,スタックすると決闘で殺してもらうしか……

 

4G:
 GvGですか。日本では当分必要なさそうな気がしますね。PvPについてはどうなっていますか?

 

大久保氏:
 サーバーの設定でPvPが可能にできますので,クローズドβテスト中に一度は試したいと思っているんですが。

 

4G:
 PvPサーバーですね。PvPサーバーにするとどこでもPKできる設定になるんですか?

 

大久保氏:
 それはマップごとに設定できます。

 

4G:
 さすがに街ではできないとか?

 

大久保氏:
 細かく試してないのですが,どこでも設定できるのではないかと思います。当面はPvPを封印しておきますが,これも要望次第で,PvPエリアの設定なども行うかもしれません。

 

ペットについて

 

 ガチャコインを使って,ゲーム内のペットガチャを操作するところなどを見せてもらった。コインを持ってペットガチャを操作すると,いろいろな属性のペットの「卵」が出てくる。

 

 

大久保氏:
 最初は卵のままですが,このままでもペットとして行動します。ペット用のNPCがいまして,経験を積んでそこにお願いすると,次の段階に進化するようになっています。

 

ペットは「ペットガチャ」にガチャコインを入れて手に入れる。クエストでも入手できるようになる

4G:
 ペットガチャはかぶることはあるんですか?

 

大久保氏:
 もちろんあります(笑)。

 

4G:
 ですよね(笑)。

 

大久保氏:
 台湾では,ガチャでは出ないレアペットなども実装されていますので,そのあたりは日本でも独自にいろいろやっていきたい部分ですね。

 

4G:
 ペット取得はかなり難しいんでしょうか?

 

医師は注射器を武器として戦ったり,プレイヤーの回復を担当する

大久保氏:
 ガチャコインはまだ実装されていませんので(注:GMキャラが配布していたりはする)まだ使えませんが,今後追加していく予定です。あるクエストでガチャコインを入手できるようにする予定です。

 

4G:
 コイン獲得のクエストはすぐに分かるようなものなのですか?

 

大久保氏:
 そんなにすぐには分からないと思いますが,おそらく見つかれば口コミですぐに広がるのではないかと思います。

 

4G:
 どのくらいのレベルからできるクエストでしょう?

 

大久保氏:

これは,たくさんの敵が一斉に襲ってくるグループでの訓練のクエストの例。ペットクエストもこんな感じ?

 NPCのペットを守るというクエストなんですよ。モンスターが一斉に襲いかかってくるので,ソロだとちょっと厳しいですね。レベル20から受けられます。場所自体はレベル10ちょっとでもなんとか行けますけど。ただ,ペットは見た目が面白いので注目はされていますが,正直いって……。

 

4G:
 あまり使えない?(笑)

 

大久保氏:
 かもしれませんね。能力値が高い場合は,戦闘ではかなり助かるとは思いますが,これは調整が入るかもしれません。現状ではコマンド3種類しかありません。

 

4G:
 お使いとかはどうなんでしょう?

 

大久保氏:
 それは実装される「予定」になっていますが,現時点ではまだですね。

 

日本での独自展開について

 

4G:
 日本でのローカライズはどのような方向で考えていますか?

 

大久保氏:
 当たり前のことですが,ユーザーの意見をどんどん取り入れていきたいですね。開発側は本当によく協力してくれているので,よい方向に生かしたいです。  こういうのはスピードが大事だと思うんです。要望が出て,それを開発元に送って修正していると,どうしてもかなり時間がかかってしまいます。例えば,店売りしていない特定のアイテムを店売りしてほしいとか,もしそれがGMツールレベルで設定できるのであれば,すぐにでも対応していきたいですね。
 とにかく公式掲示板であるとか,有名掲示板であるとか,Blogであるとか,なんらかの方法で要望を発表してもらえれば,できるだけ汲み取っていきたいと思っています。もちろん,そのようなところばかり見てはダメというのも分かってはいますが(笑),実際にゲーム内でプレイヤーキャラクターと交流したり,生の声を素早くつかみ取っていきたいですね。

 

4G:
 がんばってください。要望は個人差も大きいので大変だと思いますけど。とりあえず,新しいゲームということで,早くゲームの色を確立していくのが大事じゃないでしょうか?

 

伐採の様子。採集スキルは,最終場所のNPCからその場に適した採集用具を買って行う

大久保氏:
 ゲームの色としては,あからさまには言ってませんが,やはり「出逢い」というのを押し出していきたいですね。

 

4G:
 結構あからさまにいってませんか?(笑) オフラインイベントをやるとかも聞いていますが……。

 

大久保氏:
 そうですか?(笑) そういうのも含めて,いろいろとやっていきますよ。オフラインイベントについては,ガマニアで大きなものをやるだけでなく,ネットカフェ単位とかでやっていったりも考えています。オフラインイベントは,出たい人だけ出ればよい性格のものですよね。オフラインでの出逢いのを求めている人については,別途いろいろ考えています。
 ネットゲームのヘビーユーザーならともかく,なかなか「こんにちは」とかも言えない人っているじゃないですか。そういう人が,人と交流せずになんとなく面白くないなってやめちゃうのはすごく残念でしょう。それが,人とすれ違ってドキドキとハートが鳴ることで話しかけるきっかけにもなればいいなと思っています。

 

4G:
 始まってみないと分からないのですが,全体的なサーバーの雰囲気がどうなるかが重要でしょうね。ゲームによってはいろいろありますし。

 

大久保氏:
 そうですね。オープンチャットをすると怒られる場合もありますね。そのへんはイキモノだと思うので,プレイヤーさんに委ねたいです。できるだけ殺伐としたゲームにはしたくないのですが。

 

4G:
 そのあたりでチャット窓の大きさが重要になってくると思うのですが。オープンメッセージとほかのメッセージが分けて表示されたり,フィルタリングできたりすればかなり変わってきますし。

 

 

 実は,以前サービス開始が決まった時点で話をしたときに,よくするためにはなんでもするということだったので,「じゃ,チャット周りはEverQuestと同じにしてください」と要望を出して「同じにさせます」と即答は得ているのだが……(あれは結構開発しんどいと思うけど)。

 

 クローズドβテストは台湾とほぼ同じ状態でやっているが,日本での独自展開についてはかなり意欲的だ。

 

 

大久保氏:
 開発会社は非常に協力的なので,日本での反応が良ければ,日本向けにかなり力を入れてもらえると思います。現状でも,かなり日本向けにがんばってもらっているので,βテストで良い結果を出して,日本からの意見をもっと取り入れてもらえるようにしたいですね。

 

 

 

 もともとSoftstarとGamania(台湾)が兄弟会社のような間柄で(会社も隣で社長同士も親しい),かなり融通は利きそうなことも合わせ,独自展開に向けての環境は悪くないようだ。
 クローズドβテスト時点では,残念ながら文字化けなども多く見受けられ,ローカライズはまだまだといった印象を受ける。日本独自仕様も十分テストしてから実装していただきたいところ。そうなると,もう2回くらいクローズドβテストが必要そうな気もするのだが……。

 

 さて,掲載されている大久保氏の写真を見れば,かなり個性的な髪型をされていることが見て取れると思う。実は,ガマニア社内で担当の公募があった際に,どうしても飛天をやりたかった大久保氏は,意気込みを見せるにあたり,頭をモヒカン刈りにして,見事担当の座を射止めたという。プレゼン内容より意気込みにかけた行動派である。
 かつて,エターナルカオスに日本独自のアイテムを大量に持ち込んだ実績を持つ氏の手腕に期待したい。

 

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タイトル 飛天オンライン 第弐之季節(旧題:飛天online Dream of Mirror)
開発元 SOFTSTAR ENTERTAINMENT 発売元 ガマニアデジタルエンターテインメント
発売日 2006/01/27 価格 基本プレイ無料(アイテム課金)
 
動作環境 CPU:1.4GHz,メモリ:256MB,グラフィックスメモリ:64MB

(C) 2003-2007 SOFTSTAR ENTERTAINMENT INC. All Rights Reserved.
Publshed by Gamania Digital Entertainment Co., Ltd

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http://www.4gamer.net/specials/hiten_int/hiten_int_02.shtml