新作紹介 : シークレット オブ エヴァンゲリオン

一諜報部員の目を通じてエヴァの裏側を解き明かすアドベンチャーゲーム

シークレット オブ エヴァンゲリオン

Text by ginger
2007年6月11日

 

 「新世紀エヴァンゲリオン」を題材としたアドベンチャーゲーム「シークレット オブ エヴァンゲリオン」が,サイバーフロントから6月28日に発売される。本作は,2006年12月に発売されたプレイステーション2版に,新規イベントCGやエヴァンゲリオンクイズなどを加えてPC向けに移植したタイトルだ。
 テレビアニメの第17話〜24話と,劇場版の物語がベースになっており,プレイヤーが扮する特務機関NERV(ネルフ)の諜報部員 剣崎キョウヤの目を通じて,アニメでは語られなかった,物語の裏側に隠された謎を解き明かしていく。ゲームにはこのほかに,ストーリーの鍵を握る人物として,加賀ヒトミというオリジナルキャラクターが登場する。もちろん,シンジやアスカ,レイといったアニメでお馴染みの主要キャラクターも登場する。

 

 

 

本作に登場するオリジナルキャラクター

 

●剣崎キョウヤ
 特務機関NERV諜報部第一課所属のエージェント。人間的な感情を持たず,任務を忠実にこなすことに生きる糧を見出していたが,次第にNERV司令官 碇ゲンドウの行動に疑念を抱くようになる。葛城ミサト,赤木リツコ,加持リョウジとは大学時代からの知り合い。第三使徒「サキエル」との第一次直上会戦で瀕死の重傷を負ったが,わずか一週間で職務に復帰する。この奇跡的な生還の謎を解くこともゲームの目的の一つだ。
●加賀ヒトミ
 NERV技術開発第一課所属の科学者。赤木リツコの片腕として,ダミーシステム/ダミープラグの製作に携わり,エヴァに取り込まれた碇シンジのサルベージ計画においても中心的な役割を果たす。科学に理想を抱き,形而上生物学の博士号を24歳で取得した才女だが,紅茶の茶葉に間違って緑茶をブレンドしたり,うっかりミスでL.C.L.溶液を頭からかぶったりと,意外とドジな一面を持つ。

 

 

一諜報部員の目を通して解き明かされる物語の“謎”

 

 ストーリーは,NERVのアメリカ第2支部が消滅する直前,剣崎キョウヤによって第2支部から謎の“実験素材”がNERV本部に搬送されるところから始まる。ゲームはチャプター構成となっていて,行き先を選択することで進めていく。チャプターごとの行動可能回数は決められており,その中で任務を遂行しつつ,物語に隠された謎を追っていくのだ。

 

 本作ではマルチエンディングが採用されており,プレイヤーの行動によって大きく三つのストーリーが展開するほか,碇シンジ,綾波レイ,惣流・アスカ・ラングレーとの人間関係によってもストーリーが分岐する。また,物語の要所では,アニメのシーンを用いたムービーがふんだんに挿入される。

 

 

 

新たに追加された「エヴァンゲリオンクイズ」で
エヴァ度をチェック

 

●クイズ

 エクストラモードには三つのメニューがあり,PC版への移植に当たって新たに追加されたのが,この「エヴァンゲリオンクイズ」。クイズは初級/中級/上級に分かれており,初級から順番にチャレンジしていく。ゲームオーバーとなってもそのレベルからリトライが可能で,上級レベルをクリアすると……?

 

●イベントCG

 エクストラモードには,アドベンチャーゲームでは必須ともいえる,イベントCG鑑賞モードも用意されている。PC版で追加されたものも含め,全部で188枚ものイベントCGが用意されている。当然,一度のプレイですべてを集めることはできないので,繰り返しプレイが必要だ。

 

●シナリオチャート

 プレイヤーがこれまでに見たことがあるシナリオは,エクストラモードの「シナリオチャート」で確認できる。シナリオの流れは大きく三つに分かれており,一度見たシナリオは明るい色で表示されるので,ゲームの攻略に役立てよう。

 

 

すでにエヴァを知っている人のための追加説明

 

 本作では,登場人物や専門用語の解説などは一切なく,テレビアニメの第17話〜24話と,劇場版のストーリーを元にしていることからも分かるとおり,完全にエヴァンゲリオンファン向けのゲームとして位置づけられている。したがって,本作を十分楽しむためには,ある程度の予備知識が必要だ。
 ストーリーは,主人公が諜報部のエージェントであるという視点をうまく利用して,アメリカ第2支部と共に消滅したとされるエヴァンゲリオン四号機の行方や,加持リョウジ死亡の真相,戦略自衛隊に襲撃され,死亡したと思われていた葛城ミサトのその後などが明かされていく。また,アニメでは分かりにくかった「人類補完計画」の真相や,碇ゲンドウの思惑なども分かりやすく説明されているので,エヴァファンであれば一見の価値がある。主人公以外のキャラクターはすべてボイス付きで,主要人物のボイスにアニメ放映当時のままのキャストが当てられているのも,古くからのファンには嬉しいところだ。
 ただ,どのルートを選択しても,アニメ本編の大きな流れ自体は変えられないのがやや残念。本作はあくまで,アニメ本編で語られなかった事件の裏側を“補完”するためのゲームであると考えておこう。

 

 

タイトル シークレット オブ エヴァンゲリオン
開発元 N/A 発売元 サイバーフロント
発売日 2007/06/28 価格 8190円(税込)
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP/Vista(+DirectX 9.0c),CPU:Pentium 4/1.60GHz,メインメモリ:512MB以上,HDD空き容量:1.3GB以上

(C)GAINAX・カラー/Project Eva. (C)2006,2007 CYBERFRONT

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/preview/secret_of_eva/secret_of_eva.shtml