剣と魔法の世界を舞台にした「PvP特化型」のMMORPG
「アレスオンライン 〜戦いの系譜〜」(以下,アレス)はオリンポス62年という架空の時代/世界を舞台に,対立する2国間の争いを描いたMMORPGだ。世界観は中世ヨーロッパをモチーフにしており,硬派な西洋ファンタジーの雰囲気を漂わせる。
システム自体は馴染みのあるレベル制のクリックゲー(W/A/S/Dキーなどによるキーボード操作での移動には対応していない)だが,前面に押し出されたPvP要素と,それを盛り上げるさまざまなシステムが整備されており,新鮮味はないが非常に良くまとまっているゲームシステムだ。
四種類のクラス
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勢力を個性化させる国家システム
プレイヤーはキャラクター作成時に「エンパイア」「アライアンス」どちらの国家勢力に属するか選択することになる。所属した国家勢力によって,キャラクターが覚えるスキルの効果,装備したアイテムの性能が変化するので,少し注意が必要だ。
●アイテム
自国では役に立たないアイテムが敵国では強力なアイテムとして重宝されたりする。敵対する勢力同士でも中立地帯などでアイテムの売買が可能なので,武力衝突だけではなく経済的な駆け引きをも楽しめる。自分では使えないからと叩き売りした武器で自分が殺される,などということもあるかも……。
●スキル
アレスではレベルが上がるとスキルポイントが支給され,ポイントを割り振ることによりスキルツリーの枝を伸ばし,スキルを習得/強化していく。どのスキルを習得/強化するかによって,同じ職業でも異なる特性を持ったキャラクター作りが可能だ。また国家が異なると,一部のスキルの効果やエフェクトが変化する。
PvPシステム
アレスのPvPは,フィールドを歩いているほかのPCに見境なく襲いかかるといったものではなく,相手と正面から競い合う,いわばスポーツ系のPvPだ。「ギルド戦争」と「領土戦争」の2種類がシステムとして用意されており,どちらにも決着をつけるための明確なルールが存在する。また中立地帯でなければ,通常のフィールドでも自由にPvPが可能だ。
ランクシステム |
●ギルド戦争
ゲーム内通貨を奪い合う,ギルド間の中規模戦闘。互いのギルドが賭け金を用意し,宣戦布告を行うと戦争が開始される。1時間の短期戦と3時間の長期戦どちらかを選択でき,勝敗はギルドマスターの死亡,あるいは降伏で決まり,掛け金は勝利ギルドの総取りとなる。時間内に決着がつかない場合は引き分けとなり,賭け金はそれぞれのギルドに返却される。
●領土戦争
領土を奪い合う,国家間の大規模戦闘。戦闘時間は30分。勝利条件は敵対勢力の指揮官(NPC)の撃破。両勢力の指揮官が健在の場合,戦争の展開で評価される点数が多かったほうが勝利となる。指揮官がピンチになると増援を呼べたり,戦争の前にアイテムを与えることによって指揮官を強化できたり,といったシステムが戦争ごとに異なる展開を演出してくれそうだ。
●ランクシステム
アレスではすべてのプレイヤーに「階級」が与えられ,階級に応じた特殊効果が付与される。階級は戦争中に敵対するプレイヤーを倒す/倒されることで増減するポイントによって上下する。昇格/降格は同階級のプレイヤーと戦闘した場合に限定されるので,初心者が上級者に一方的に狙われるなどの状況はなく,同じ実力の者同士の熱い戦いが期待できる。
勝てば勝つほど面白くなっていくMMORPG
最近のMMORPGではプレイヤー間の格差を是正する傾向が強いせいか,プレイヤー間の競い合いの結果として得られる報酬も控え目な作品が多い。あるいは,目的も見返りもなく,ただ戦いを繰り返すモノもそう珍しくない。
経過や名誉だけでは必ずしも満足できず,尽力した結果をカタチとして求めたくなったりするのも,人として自然な感情だろう。アレスはそんな欲望に応じるように,GvG,RvR,それぞれに明確なルールと活躍によって得られる報酬を定め,プレイヤーのモチベーションを引き上げている。
今ほど「平等」を求める声がうるさくなく,誰もがオンリーワンを目指していた頃の空気を再び味わいたいという人は,英雄を目指して厳しい戦乱の世界を駆け抜けてみてはどうだろうか?
スクリーンショット