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印刷2013/07/02 18:35

インタビュー

Xbox Oneは2013年中には出ない? 日本マイクロソフトのゲームビジネスはどうなる? 日本マイクロソフトのキーパーソン3名に直球で聞いてきた

 2013年7月2日,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトは,2014会計年度の経営方針説明会を開催した。ここ数年,会計年度の始まりである7月の第1週に報道関係者を集め,代表執行役社長である樋口泰行氏自らが新会計年度のテーマを語るというのは常態化しているが,そんな説明会が今年も開催されたわけだ。

 「デバイス&サービスカンパニーへの変革」が目標として掲げられたその内容は別途お伝えしているとおりだが,当該記事でも触れているとおり,Xboxビジネスやゲームビジネスについての話は皆無だった。
 ただ「皆無だった」で終わらせるのも忍びない。そこで,説明会後に行われた報道関係者向け懇親会の場で,日本におけるXboxビジネスのキーパーソンとして,樋口氏と,執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水 敬氏,執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当である香山春明氏の3名へ,個別に質問をぶつけてみた。

 以下,その質疑応答だ。日本マイクロソフトとXbox One,そしてXboxビジネスが気になる人はぜひチェックしてほしい。


樋口泰行氏

「2013年には出ないが,国内でのXbox One発売はそう遠くない」


4Gamer:
 説明会のQ&Aセッションで,Xboxビジネスの現状を質問しましたが,お答えは,「Windowsを含めたMSのコンシューマビジネスのなかで,エンターテイメントマシンとして展開していく過渡期にあると認識していて,キーのマイルストーンとなるXbox Oneに向けた準備中」というものでした。失礼ながら,うまい答えだなあと思ったわけですが。

樋口泰行氏(以下,樋口氏)
 (質問を)うまく躱(かわ)したと思ったんですけど(笑)。

4Gamer:
 すいません,追加のお話を聞きに来てしまいました。
 知りたいのは,「過渡期の先に何があるのか」です。北米市場に何が待っているのかは,プライベートイベントE3 2013で見えてきたように思いますが,日本マイクロソフトさんとしては,Xboxにどういった展望をお持ちですか。

樋口泰行氏(日本マイクロソフト 代表執行役社長)
樋口氏:
 日本はXboxの展開においてTier 2(≒優先順位第二陣)であり,Tier 1(≒最優先)にはなっていません。ですから2番めの“波”がきたときのローンチとなり,(北米市場からは)ちょっと遅れることになりますね。

 (いま発表されているXbox Oneは)北米のライフスタイルに基づいていろいろ計画しているところがありますから,それが日本でもそのままいけるかはこれから検討することになります。
 もっといえば,音楽やビデオといったエンターテイメントのサービスも,(Microsoft全体として)どこの国をどのように優先するのかというのもこれからですし。ただ正直なところ,“そのまま”では,なかなか難しいでしょう。

4Gamer:
 見る限り,「リビングにXboxがある」というのが,北米市場では一般的なようですし。一方,日本だと,Xbox 360を持っているのはコアゲーマーが多く,いきおい,リビングではなく自室に置かれるケースが増えますよね。

樋口氏:
 それ以上に,そもそも日本の場合,「コンソールから離れて,スマホやタブレットのゲームにだいぶ行っちゃった」というのがあります。今後,リビングに置かれるゲーム機にボリュームが載る(≒ゲーム機のシェアが大きく拡大する)かというと「なかなか難しいんちゃうかな」と。マニア層は別ですけど,一般層がね。
 ソニーさんの動きも見ていますけど,(一般層の傾向を見ていると)任天堂さんなどは余計にキツいんじゃないかと思っていますが。

4Gamer:
 現在のXbox 360ユーザーがXbox Oneへ移行するシナリオは分かりやすいと思いますが,そうではない人達を“落とす”のが課題ということでしょうか。
 去年の秋に香山さんが,Xboxブランドにおいては「Xbox Video」を軸にしていくというお話をされていましたが(関連記事),むしろXbox Oneでは,「Windows PhoneやWindowsタブレットで外出中に見ていたビデオなどの続きを,自宅のXbox Oneにつないだ大画面テレビで見ていく」といった世界の訴求をしていく感じになりますか?

樋口氏:
 確かにそういった「シームレスにつながる世界」を見ていますが,個人的には,キラーコンテンツ,キラーアプリが出てきてほしいなと。
 Kinectの新しいバージョンは80cmくらいの場所で指の動きを認識できて,音声入力もできる。それはほかのメーカーにはできないことですから(※「そういうものがゲーム,非ゲーム問わず出てくれば,Xbox Oneの強みになる」ということだと思われる)。

4Gamer:
 今回,デバイスとサービスの企業になっていくと宣言されました。たとえば,日本マイクロソフトさんがもっと前に出て,ゲームからビデオ,音楽の配信システムを展開していくといったことも,技術的,規模的には不可能ではないと思うのですが。

樋口氏:
 権利がねえ(苦笑)。とくに音楽のほうは,本当に……。

4Gamer:
 音楽は抜きにしたとしたらどうでしょう。個人的には音楽よりもビデオ配信のほうが,日本マイクロソフトさんが成功する可能性は高いと思いますが。

樋口氏:
 そのあたり,まずはUS本国での動きを見てからですね。

4Gamer:
 それは「北米市場にXbox Oneが投入され,何が起きるか」を確認してから,ということですか。

樋口氏:
 ええ。

4Gamer:
 日本マイクロソフトさんとしては時間的に多少の余裕があるというわけですね。
 ところで,Xbox Oneが国内市場に出てくるとして,その時点で,ゲーム以外のエンターテイメントコンテンツの配信周りに関する諸問題は,解決しているという理解でいいのでしょうか。それとも,ゲーム機としてまずは投入し,その後,“走りながら”実装していく?

樋口氏:
 「売るためにどこまでそろえなければならないのか」「見切り発車で,サービスの一部が準備できてなくても発売するか」は,いろんなディシジョン(decision,決定)が可能になってきますから,正直,この時点で決まっているわけではありません。

4Gamer:
 すべては本社の動きと北米市場を見てから,ですかね。

樋口氏:
 そうですね。

4Gamer:
 ちなみに確認ですが,Xbox OneはTier 1の市場へ向けて2013年11月。これはつまりTier 2である日本市場へ向けて,2013年中には出ないということですよね。

樋口氏:
 そうですね。その(=Tier 1市場の)後ということになりますね。

4Gamer:
 Xbox Oneでゲームをプレイしたい人達は,どれくらい待てばいいでしょう。

樋口氏:
 そんなにUSから遅れることはないですよ。

4Gamer:
 年単位ということはありませんか?

樋口氏:
 それはないですよ(笑) ただまあ正直な話,これからプランニングです。


泉水 敬氏

「今年のTGSには『喜んでもらえるもの』を用意する」


4Gamer:
 東京ゲームショウへ2年ぶりに参加することが明らかとなりましたが(関連記事),何が出るのでしょう?

泉水 敬氏(日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャー)。Xboxなどのエンターテイメント事業における責任者である
泉水 敬氏(以下,泉水氏):
 「皆さんに喜んでいただけるもの」をいろいろご用意しようと思っています。

4Gamer:
 それは想定問答集からのお答えですか(笑)。

泉水氏:
 いえ,その質問は想定していませんでした(笑)。

4Gamer:
 去年は出展せず,今年は出展するとなると,それは「何か新しいものがあるから」と,どうしても想像してしまうわけですが。

泉水氏:
 いえ,実は,去年お休みしてしまったのが例外的なんです。プラットフォーマーとして,我々はやっぱり常に出ているべきだと思うんですね。

4Gamer:
 では,去年出展しなかった理由は何なのでしょうか。

泉水氏:
 ファーストパーティの展開のなかで,「Halo 4」という大きなタイトルがあったわけですが,(去年出展しなかったのは)「Halo 4を中心としたプライベートなイベントで展開をしてみよう」という,ワールドワイドにおける戦略の一環だったんですよ。小規模なプライベートイベントを重ねていくという。
 ですが今年は,大きなイベントには出て行くという方針になっています。

4Gamer:
 なるほど,ちょっとこちらが深読みしすぎだったというわけですね。
 ところで会見では,樋口さんが日本マイクロソフトのエンターテイメントビジネスを「過渡期」と表現していました。その点について,泉水さんの見解を聞かせてください。

泉水氏:
 我々のビジネスもそうですが,業界全体にとってゲームビジネスは過渡期にあると思います。モバイル系の展開ですとか,いわゆるFree-to-Playですとか,新しい変化がここ2〜3年にいくつも起こっています。ユーザーの皆さんもそれに対応して変化が起こっていますし,ゲームメーカー側でも起きているというのがあります。
 そういう意味での「過渡期」感が市場に大きな影響を与えていますね。

4Gamer:
 Xboxだけではなくて,もっと大きな意味での「過渡期」であると。

泉水氏:
 そうです。

4Gamer:
 そんな状況にあって,Windows 8がタブレットを強く意識した形で登場し,そこに載る「Modern UI」(モダンUI)も登場してきました。Modern UI用ゲームの現状を,どう評価していますか。

泉水氏:
 新しいWindowsが展開されていって,ゲームをプレイする皆さんのところへリーチするようになるまでには,少し時間がかかるんですね。ただ,時期も熟してきたと思います。
 先にKONAMIさんのタイトルを発表させていただきましたが(※「グラディウス」や「スーパースターソルジャー」「ツインビー」などが7月以降,Windowsストアアプリとして配信される),大手さんだけでなく,日本の中小メーカーさんによるタイトルの供給も継続して行われるようになりますから,ラインナップは充実していくとお考えください。独立系メーカーさんのものも増えていくと思いますよ。

4Gamer:
 国内ユーザー向けのModern UI用タイトルが今後どんどん増えてくる,と。それはタッチ操作に対応したタブレット型Windows 8デバイスの数が増えてきたからでしょうか。

泉水氏:
 それも大きいと思いますよ。PC上でタッチ操作するタイトルというのはイメージしにくかったですが,タブレットはタッチ操作に向いていますし。

4Gamer:
 となると,Microsoftのゲームビジネスというのは,XboxとPCゲーム,Modern UIの三つに……,

泉水氏:
 いえ,将来的にはWindows Phoneも入ってきますね。

4Gamer:
 あ,そうですね。Xboxブランドを冠しつつも,プラットフォームが四つに分断されてしまわないかという懸念があるのですが。

泉水氏:
 いや,そんなことはないと思いますよ。我々のファーストパーティのスタジオも,それぞれのプラットフォームに適したタイトルの開発を進めています。もちろんリソースとしての分散は生じますが,プラットフォームを持つ企業として,それぞれのデバイスが持つ良さをきちんと見せられるようにしていきますので。

4Gamer:
 現状,まだ統一感というものは見えていませんが,Xboxブランドらしさのようなものが出てくることを期待しています。
 ところで,Xboxは現在,トータルのエンターテイメントブランドとして位置づけられています。そのなかで,「ゲームとエンターテイメントのデバイス」とされるXbox Oneは,どのような存在になっていくのでしょうか。

泉水氏:
 「トータルのエンターテイメント」の軸になるデバイスですね。

4Gamer:
 軸というのはどういう意味ですか。

泉水氏:
 中心,ですかね。Xbox Oneが,Xbox LIVEサービスを通してWindowsプラットフォームと連携したり,Windows Phoneプラットフォームと連携したりというのが将来の姿になります。

4Gamer:
 リビングルームの中心にXbox Oneがあって,持ち運ぶときはWindowsやWindows Phoneデバイスだと。

泉水氏:
 そうですね。ゲームの連携というのは,(Microsoftが提供する)さまざまなプラットフォーム間で出てくると思います。


香山春明氏

「どこまで日本オリジナルの価値を創造できるかがカギ」


4Gamer:
 去年の秋にXboxビジネスの話を聞かせていただきましたが,あのとき「軸」とおっしゃっていたXbox Videoはあれからどうなったのか,まとめていただけますか。
 Xbox Oneの発表会で披露されたスポーツのライブ配信などと,現状のXbox 360やWindows 8におけるビデオ配信サービスを見比べてしまうと,どうしても見劣りして見えてしまうわけですが。

香山春明氏(執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当)。Xboxなどの販売周りを統括する人物だ
香山春明氏(以下,香山氏):
 それは紛れもない事実ですね。(生放送を)提供していないわけですし。「Xbox Oneのタイミングまでに,日本でどれだけそろえられるか」が,我々にとって一番大きな課題であると考えています。

4Gamer:
 ただ,北米のコンテンツ,それこそ「ESPNで流れている大学バスケットの生中継」とかを日本に持ってきたところで,大多数の人には受けませんよね。

香山氏:
 はい。日本なりのコンテンツを用意しないといけません。「何が最適で,何がいまの日本のコンシューマの方々に響くのか。どういったエンターテイメントが求められているのか」は,泉水のグループも交えて,いま検討しています。やはり,マーケットに合ったソリューションでないと意味がありませんから。
 本当に,NFLとか持ってきても,ねえ(笑)。日本は難しい。アイデアをいただきたいくらいですね。

4Gamer:
 ニコニコ動画でうまく行っているように見えることからすると,日本で人気のあるスポーツ中継とアニメーションですかねえ,ぱっと思いつくレベルでは。

香山氏:
 あとはドラマかなとも思いますが,そうなってくると放送局のしがらみなどがあって,なかなか面倒くさいという。

4Gamer:
 失礼を承知でお話ししますが,去年お話を伺ってから半年経って,何かが前に進んだ印象は受けません。「Xbox Oneに向けて本当に準備は進んでいるのかな?」「準備するとなると,Xbox Oneが出るまで相当に時間がかかるんじゃないか?」と不安にもなるわけですが。

香山氏:
 タイミング的には,準備できてから(Xbox Oneを)出したほうがニュースバリューはあるでしょう。(一呼吸置いて)……そろえたいですね。

4Gamer:
 ゲームだけはないというのがXbox Oneのメッセージですしね。

香山氏:
 そこがバリュー(value,価値)ですから,エンターテイメントデバイスとして,どこまで日本オリジナルの価値を創造し,皆さんに受け入れてもらうかというのは大きな課題です。

4Gamer:
 しかも日本の場合,Xbox 360は,ゲーマー個人の部屋にはあっても,「リビングルームに置かれている」ケースはまれだというハンデがあります。

香山氏:
 DVDプレーヤーとして使ってくださっている人はけっこういるんですが,ライブで映像配信が受けられるというところまではご存じない人も多いですしね。ゲーマーじゃない方だと顕著ですが。
 たとえば「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」を買っていただいた一般のお客様が,それ以外の(Kinectの)使い方をするのかどうか。そういった(認知度が低いという)部分も課題ですね。

4Gamer:
 それを,Xbox Oneのリリースまで,そう長くはない時間で解決できるものなのでしょうか。本日の2014会計年度の記者会見でも,その部分に関するメッセージはありませんでした。

香山氏:
 いや,(説明する)場所はあらためて設けますよ。今回はあくまでも「ハイレベルなビジネスのお話」をする場でしたから。部門部門のお話,とくにXboxのビジネスはオーディエンス(audience,ここでは「ユーザー」くらいの意)も違いますし。

4Gamer:
 たしかに,Windows Azureと一緒に説明してもしょうがないですよね(笑)

香山氏:
 です。Xbox Oneのお話はまたあらためて。

4Gamer:
 近々ご案内いただけることを期待しています。

香山氏:
 はい。なので(今日の会見を)あまりネガティブに書かないでくださいよ(笑)。


Xbox.com内のXbox One日本語公式ページ

  • 関連タイトル:

    Xbox One本体

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