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インディー系のスマホアプリ開発者が陥りがちな“大作病”とは。若きクリエイターに向けたエールが送られた講演をレポート
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印刷2017/04/27 17:15

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インディー系のスマホアプリ開発者が陥りがちな“大作病”とは。若きクリエイターに向けたエールが送られた講演をレポート

Moontm代表 ジ・グッファン氏
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 ネクソングループが主催するゲーム開発者向けカンファレンス「Nexon Developers Conference 17」(以下,NDC 17)。その会期2日目となる2017年4月26日に,スマートフォン向けアプリを手がける個人開発者のジ・グッファン氏による講演が行われた。

 ジ氏が代表を務めるゲーム開発会社Moontm(従業員はジ氏の1名)は,過去に何作かリリースしており,現在はそのうちの1つ「ダンジョン999」iOS/Android)の後継作となる「Finding the Dungeon」を開発中だ。今回の講演では,ジ氏のこれまでの経験を踏まえて,インディー系の開発者が陥りがちな“罠”について紹介がなされた。

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「Finding the Dungeon」の開発に関しては,キャラクターイラストを友人にお願いしているが,それ以外はすべてジ氏が個人で行っているそうだ
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 ジ氏によると,アプリの開発に取りかかる前は,さまざまなアイデアが次から次へと思い浮かび,ついついあれこれ盛り込みたくなることが多いそうだ。また,“オープンワールド”“ランダムダンジョン”“オートプレイ”などといった魅力的なキーワードに心を動かされることもあるだろう。

 しかし,実際にそれらのアイデアや理想を実現しようとすると,想像を遙かに超える作業量になる場合が珍しくないとのこと。ここで,早々と諦められればまだいいほうで,意地になってこだわり続けた結果,数か月以上を無駄にしてしまった経験もあるそうだ。生活が決して安定しているとはいえないインディー系の開発者であれば,その判断ミスが致命傷ともなりかねない。

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 このように,思わずあれこれと詰め込みたくなって,あとで泣きを見ることを,ジ氏は“大作病”を呼んだ。この大作病は非常にやっかいで,高い理想を掲げるクリエイターほど陥ってしまいやすいという。もともとインディーの道を選んだからには,自分の理想を実現したい気持ちは人一倍強いと思われるので,それも何となく分かる気がする。ジ氏が披露した大作病への処方を含め,個人開発者に向けたアドバイスを整理して紹介しよう。

●費用対効果を十分に検討する
現在自分が行っている作業に対し,時間を費やす効果・価値が十分あるかどうかを常に吟味する。もし,その価値が無いと判断したら,たとえ途中まで進めていてもスパッと諦めねばならない。この勇気を持つことが,実際には思いのほか難しいそうだ。

●とりあえず形にする
個人制作者にとっては,自分が行った作業が形として見えにくい。そこで,最初は細かなオブジェクトやUIなどはダミーでも構わないので,とりあえず形にしてみると良いそうだ。形になったモノを目にすることでモチベーションが上がり,また課題点などが浮き彫りになることも多いそうだ。

●作業の優先順位を付ける
そのままズバリ,優先順位を付けて作業を進める。todoリストも必須。

●作業の効率化を考える
たとえばマップデータの作成など,単純作業に長時間を費やすのであれば,早い段階でそれらの一部を自動化するシステムを構築すれば,トータルの作業時間を大幅に短縮できる。

●自身のメンタルに注意する
自身のメンタルに気をつける。個人制作者は,さまざまなストレスと向き合うことになり,これは避けられない。その結果,燃え尽きてしまう人も,これまでに多く見かけたとのこと。ジ氏は,大好きなラーメンを食べたり,旅行に行ったりと,ゲーム開発以外にも趣味を持っており,これがメンタルを保つために大いに役立っているそうだ。

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 このように,インディー系のアプリ開発は前途多難である。しかし,大作病をはじめとした困難を乗り越え,アプリのリリースまで漕ぎ着けたときの喜びは,ほかの何にも変えられないとのこと。アプリの開発を志すのなら,ぜひこの喜びを体験してほしいと来場者にエールを送り,本講演は締めくくられた。
 今回のNDC 2017は学生を含む一般人も参加できる。講演内容は基本的なことも多かったが,会場を訪れた若いクリエイターにとっては励みになったことだろう。

 なお,ジ氏が現在手がけている「Finding the Dungeon」は,今のところ2017年7月の配信に向けて鋭意開発中である。また,前作にあたる「ダンジョン999」は日本語版の配信も行われているので,もし興味を持ったら試しにストアで詳細をチェックしてみてはいかがだろうか。


「ダンジョン999」ダウンロードページ

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