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[GDC 2018]「スプラトゥーン」はもともとウサギゲーだった! イカしたゲームになるまでの紆余曲折
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印刷2018/03/23 00:00

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[GDC 2018]「スプラトゥーン」はもともとウサギゲーだった! イカしたゲームになるまでの紆余曲折

イカ研究所の研究員として登場した野上 恒氏。白衣スタイルでプレゼンテーションを行った
画像集 No.002のサムネイル画像 / [GDC 2018]「スプラトゥーン」はもともとウサギゲーだった! イカしたゲームになるまでの紆余曲折
 Wii Uの晩年期に彗星のごとく登場し,今や任天堂の代表的なブランドにまで成長したスプラトゥーンシリーズ。2017年7月に発売となった「スプラトゥーン2」が,発売初年度におけるNintendo Switchの販売台数を押し上げるのに大きく貢献したことを記憶している読者も多いことだろう。
 そんな大人気シリーズの誕生秘話を任天堂の野上 恒氏が語った注目のセッション「Inventing a Stylish Franchise with Global Appeal」(世界にアピールできるようなイカしたシリーズの作り方)をレポートしてみたい。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [GDC 2018]「スプラトゥーン」はもともとウサギゲーだった! イカしたゲームになるまでの紆余曲折


スプラトゥーン誕生秘話


 野上氏によると,Wii Uで発売された「Splatoon(スプラトゥーン)」(以下,初代スプラトゥーン)は最初からスプラトゥーンとして開発が始まったわけではないそうだ。当初は,「既存のジャンルに縛られない,まったく新しいゲームを創出する」プロジェクトとしてスタートしたのだという。

既存のジャンルに縛られない,新しいタイプのゲームとして開発が始まったのであって,最初期は,スプラトゥーン的なものになるとは想定されていなかったそうだ
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 さて,プロジェクトのチームメンバーからからはさまざまなアイデアが出てきたが,その中で「面白そう」と多くの賛同を受けたものがあり,それでプロトタイプを作ることになった。
 それは,「迷路の中で敵と味方に分かれ,白と黒のインクで迷路を塗り合いながら,陣地の広さを競う。同時に,インクを使うことで敵も倒せる」というものだったそうだ。

 まったく初期プロトタイプなので,キャラクターや世界観といったものは存在せず,直方体の“豆腐”が動き回る,見た目としてはかなり地味な内容だった。氏はこれを「豆腐プロトタイプ」と呼んでいたが,「スプラトゥーンの素案」とは言えそうな感じである。

初期の豆腐プロトタイプ。中央の灰色をした直方体がプレイヤーキャラクターだが,この時点でかなりスプラトゥーン的とは言える
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「Wii U Gamepad」の液晶パネルにマップを表示させる仕様や,ジャイロ操作によるエイミングシステムなど,Wii Uのハード特性を活かしたゲームデザインも,最終的なスプラトゥーンの姿へつながっている
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 「攻撃するときは立体化し,移動する際は平面化して高速移動」「敵陣では移動速度が低下する」といったゲームメカニクスはこの時点で実装されていたそうだが,この豆腐プロトタイプに「新しい面白さ」の手応えを感じた開発チームは,製品化に向けて舵を切ることとなった。

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プロトタイプをさらに洗練して,製品化に向けて動き出した
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ゲームメカニクスの細かい作り込みも始まった

 しかし,開発チームは早々に1つの壁にぶつかった。
 ゲームとしては確かに面白いが,「人型に変身する」「インクに潜ると平面化する」という表現にしっくりくるキャラクターと世界観が,当初は見つからなかったのである。

ゲームグラフィックスは単なる見映えではなく,ゲームメカニクスに対する説得力を増強させるものである必要があるというのが任天堂の考え方
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新しいゲームメカニクスを持つゲームには既存のキャラクターや世界観ではなく,新しいものが必要だと,開発チームは考えた
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 「実は,製品化に向けて開発が始まった初期スプラトゥーンのキャラクターはウサギでした」と,野上氏は打ち明ける。ただ,これは任天堂社内でも議論の対象となり,プロトタイプをプレイした同僚達からは「面白いけど,なぜウサギなの?」という質問を多々受けたそうだ。

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スプラトゥーンの開発初期においてメインキャラクターとして設定されたのはウサギ
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なぜウサギか。ウサギは縄張り意識の高い動物という,現実世界のウサギの性質からインスパイアされたためだそうだ
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初期スプラトゥーンのウサギは白か黒の設定。これがカラフルなゲームフィールドにおいてコントラスト感ばっちりであり,見栄えは良かった

 ここで「ゲームメカニクスと世界観の乖離」を感じた開発チームは,この「プレイヤーキャラクターウサギ案」を再考することにした。プレイヤーキャラクターの特性とゲームメカニクスをいま一度整理して,アイデアをひねり出すことになったのである。

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なぜウサギがインクを撃つの? なぜウサギがインクに潜れるの? この問いかけに明確な回答ができないことに開発チームは違和感を覚えた
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そこでウサギ案を廃棄。スプラトゥーンのゲームメカニクスとプレイヤーキャラクタの相関性について整理をしてみることになった

 これは簡単なことではなかったようで,このフェーズでは,多様なキャラクター案や世界観案が出ることになったそうだ。

ウサギ案に変わる新案の一部
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 しかしあるとき,「インクの中に潜ったときの高速移動行為」を「インクの中を泳ぐ」という表現に置き換えることができ,その瞬間,まるで天啓が得られたかのようにデザインが固まることになったという。

「インクに潜って移動する」ことを「インクの中を泳ぐ」という表現に置き換えることができた途端,怒濤のひらめきが押し寄せたという
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 そう,イカの誕生である。
 「イカの姿になってインクの中を泳ぐ」ことに必然性が生まれ,「インクを撃つ」行為も,「墨を吐く」というイカの習性に結びつけて説明することもできるようになったのだ。

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人間モードでは人間のように動き,イカモードではインクの中を泳ぐという,最終的なキャラクターデザインができあがった
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変身イカ種族というキャラクター設定も誕生

 こうなると話は早く,世界観の制作が一気に進むこととなる。
 プレイヤーキャラクターがイカ人間に決まったことで,スプラトゥーンの世界を「海の物」くくりで構築していくアイデアが,開発チームのあらゆる面々から出てくるようになり,ゲーム世界の奥深さが増していくことになった。

開発チームの面々からは,イカ世界を奥深くするアイデアが次々と出てきた
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 たとえば,イカ戦士達が闘い合っている戦闘会場(=ステージ)で流れているBGMは「イカ世界の若者達が夢中になっている人気ミュージシャンのヒット曲」というアイデアが出たかと思うと,アートチームはこのバンドグループのメンバー設定やアルバムジャケットまでもデザインするようになり,当然のように音楽チームも「このイカ世界には幾つかのバンドグループがあって……」と,イカ世界に存在する各バンドの作曲スタイルを意識したうえで制作を進めることになったのだとか。

イカ世界のミュージシャン設定や関連グッズのデザインまで進んだ。これらは実際にゲーム内へ登場したりはしないが,開発メンバーがゲーム世界を深く理解するための素材として大いに役立つことになったそうだ
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 まったく新しいシリーズにもかかわらず,まるで「これまでにも存在していたかのような説得力のある世界観」をスプラトゥーンから感じられるのは,開発チームのメンバーが一丸となって創出したアイデアによって構築された,奥深い世界観ゆえなのかもしれない。

 野上氏によれば,今回のスプラトゥーンのような,「制作を進めながら,開発チームのメンバーそれぞれがアイデアを出していき,作品を育てながら開発していく」スタイルは,任天堂においては珍しくはないとのことだった。

任天堂作品の制作の過程において,開発メンバー各人がアイデアを持ち寄ってゲーム世界観を構築していくことは珍しくないのだとか
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スプラトゥーンに組み込んだ「飽きさせない工夫」


 こうして完成したスプラトゥーンだが,本作はオンライン対戦主体の競技的なゲームであるがゆえに,世のプレイヤーが遊び続けてくれないとゲームとしての寿命が終わってしまうという課題がある。

 これは今までの任天堂のゲーム作品ではあまりなかった課題であり,それだけに開発チームは,各プレイヤーがスプラトゥーンへの関心を維持し続けてくれるような試みの打ち出しを迫られた。

 そこで採用することになった施策の1つが,武器やステージなどといったコンテンツの定期的なリリースだ。
 最初から豊富な武器やステージを用意してしまうと,遊ばれなくなるものが出てきてしまう。しかし,小出しにすればプレイヤーに新しい体験を定期的に提示でき,ゲームに対する関心を維持してもらえる可能性が高まる。

アイテムやステージの定期的なリリースによって関心を維持してもらおうという施策
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 2つめは「フェス」だ。
 スプラトゥーンにおけるフェスは,「マヨネーズとケチャップどっちが好き?」といった,たわいもない二択を提示し,回答した派閥に分かれて一定期間対戦を行って,得票率と派閥の勝率で,どちらの回答が優勢だったかを競うイベントのことである。

フェスでは,スプラトゥーンが販売されている国地域ごとに適した二択を提示したそうだ
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 このフェス企画は主に週末や休日開催となったことから,スプラトゥーンプレイヤーによるゲームへの関心を定期的に盛り立てることに成功した。また同時に,この二択質問がスプラトゥーンというゲームを飛びだして,外部のSNSなどでにまで波及することも多かったため,スプラトゥーン以外のコミュニティに対して本作の存在をアピールすることにもつながったそうだ。

 ここで野上氏は面白いデータを見せてくれた。
 それは,初代スプラトゥーンとスプラトゥーン2におけるアクティブユーザーの推移グラフだ。
 初代スプラトゥーンは2015年5月発売,スプラトゥーン2は2017年7月発売なので,間には2年2か月のギャップがあるが,ここで氏が示したのは,発売年次のズレを無視して,月単位で推移を追ったものとなる。

DAU(Dailyu Active User)の推移グラフ。紫が初代スプラトゥーン,黄緑がスプラトゥーン2のものだ
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 一見して分かるのは,初代より2作めのほうがアクティブユーザーは多いということだ。このグラフからは,初代のプレイヤーがそのまま2作めへ移行しており,同時に新規プレイヤーも多数獲得できていることが読み取れる。
 年末から年始にかけてアクティブユーザーかぐんと増えている理由は説明不要だろう。もちろん,クリスマス商戦の影響だ。

大型アップデートやクリスマス商戦を境にDAUは増加する傾向が見られる
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 深く観察すると,一定期間ごとにアクティブユーザーが瞬間的に上がっている「櫛状」の推移を確認できるが,週末になるとプレイヤー数が増えることと,前述したフェスが週末の開催になることが強く相関していると,野上氏は分析結果を述べていた。

DAUが一定間隔で増減するのは週末とフェスの影響とのこと
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 ちなみに野上氏は「スプラトゥーン2に限っては,10月末から11月にかけてアクティブユーザーが妙に減っていますが,これは『スーパーマリオ オデッセイ』が発売になって,みんなそちらを遊んでいたからでしょうね」と述べ,会場の笑いを誘っていた。

2017年10月末から11月にかけてDAUが減っているのはマリオオデッセイの影響!?
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スプラトゥーン2で開発チームは何に取り組んだか


 野上氏はスプラトゥーン2開発プロジェクトについても振り返っていた。
 いわく,開発自体はNintendo Switchの発売前,初代スプラトゥーン向けアップデート制作のタイミングで始まったそうだ。

スプラトゥーン2の開発は,初代スプラトゥーンのアップデートに前後して早々にスタートしている
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 開発チームは,スプラトゥーンシリーズが持つ対戦メインのゲームコンセプトが,携帯型ゲーム機と据え置き型ゲーム機の両面性を持つNintendo Switchのコンセプトと合致するため,さらに楽しいものになると確信。自宅の自室でもリビングでもオンライン対戦を楽しめ,皆で持ち合えばローカルでわいわいとプレイすることもできるからだ。

スプラトゥーンのゲームの楽しみ方はSwitchのコンセプトと合致すると,開発チームは確信していた
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 Nintendo SwitchとWii Uとではユーザーインタフェースが異なるため,画面レイアウトや操作系の変更は余儀なくされたが,開発チーム的には重大な問題でなかったそうで,合議を重ねて最適化することで解決できたという。

シングルプレイモードを採用
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 初代スプラトゥーンが採用していた,スプラトゥーンの世界観を掘り下げて楽しめるシングルプレイヤー向けキャンペンモード「ヒーローモード」は,最新作でも実装。Nintendo Switchで初めてプレイする新規プレイヤーが多くなるであろうことから,チュートリアル的な役割を果たす同モードは必須と判断したそうだ。
 ちなみにスプラトゥーン2の世界は,現実時間の経過と同じだけの時間,すなわち初代スプラトゥーンから約2年経ったものになっており,ヒーローモードのストーリーも,そんな雰囲気に仕上がっている。

 さらに,前作からのプレイヤーも含めてスプラトゥーン世界への関心を維持してもらうため,協力プレイという新しいゲームモード「サーモンラン」を開発チームは追加している。

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協力プレイという,スプラトゥーン世界の新しい楽しみ方を提供するサーモンラン
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シングルプレイモードで磨いたスキルはメインの対人戦に活かせる。サーモンランで稼いだ報酬はシングルモードや対人戦に活かせる。そうしたエコシステムを開発チームはスプラトゥーン2で構築した

 また,2018年は新しい試みとなる有料の追加コンテンツとして,タコ型種族の世界観を深掘りした「オクトエキスパンション」のリリースも予定している。スプラトゥーンシリーズの世界は今後も,プレイヤーを惹きつけ続ける新要素を継続的に提供していってくれるようだ。

タコ種族の世界観を掘り下げるオクトエキスパンションは2018年夏リリース予定
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スプラトゥーンの世界はこれからも広がっていく


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 野上氏は,スプラトゥーンシリーズがeスポーツ的な対戦競技として認められたことと,老若男女が世代や性別,人種を超えて楽しめる作品になったことを,とても嬉しいと述べていた。
 また氏は,世界中の各所でファンアートが発表されたり,スプラトゥーン世界のマスコットキャラクターであるシオカラーズやテンタクルズをフィーチャーした現実世界でのライブも行われたりと,スプラトゥーンのイカ世界に対するファンの数は着実に増えていることを紹介。ゲームそのものだけでなく,開発チームの作り上げたゲーム世界そのものも楽しんでくれていることにも感激しているそうだ。

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現実世界でのライブイベントは日本とスイス,フランスで開催済み。意外なことに北米大陸へは上陸していないそうだ
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ゲームが人々をつなげていく現象に感動を覚える,と野上氏

 野上氏は「かつての自分も,ゲームについて友達と語り合ったことが楽しかったし,そうした経験のすべてが今の自分を形作った」と振り返る。そのうえで「ゲームの楽しさは『ゲームそのもの』だけでなく,ゲームに関連した記憶や体験のすべてだ」と断言。これからも開発チーム一同は「スプラトゥーン世界」を盛り上げていくことに情熱を注いでいきたい,と述べて講演を締めくくった。

ゲームそのものだけでなく,ゲームに関連した体験のすべてが「ゲームの面白さ」であると野上氏は言う
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任天堂のスプラトゥーン2公式Webページ


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