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ハロー!Steam広場 第53回:メディアにボロクソに書かれても挫けないゲーム会社経営シム「Mad Games Tycoon」
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「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者の独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,サムダウンされたゲームをあえて購入して,サムアップのレビューを投稿する上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第53回は,ゲーム会社経営シミュレーション「Mad Games Tycoon」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,小規模なゲームデベロッパの代表となり,コツコツとゲームを開発&販売しながら会社を大きくしていくのだ。このほか,トルコの映画監督が手掛けるホラーアドベンチャー「The Dark Inside Me」もあるので,お見逃しなく。
小規模なゲームデベロッパーを立ち上げてコツコツとゲームを開発していくゲーム会社経営シム「Mad Games Tycoon」
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アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,Eggcodeが手掛けるゲーム会社経営シミュレーション「Mad Games Tycoon」を紹介しよう。
本作では,プレイヤーが立ち上げた小規模デベロッパを,いかにして大きくするかが目的となる。そのためにも,まずは会社の名前やロゴ,そして代表者のプロフィールや拠点を置く国をしっかり考えて決め,会社を作るところから始めよう。ちなみに今回は4Gamerという日本を拠点にしたデベロッパを立ち上げてみた。代表者はもちろんYamaChanだ。
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会社を立ち上げると,タイルだけが敷かれた空き地に放り出されるので,ここにゲームを開発するための環境を作っていこう。画面下のメニュー欄にある「Build room」(家のアイコン)にアクセスすると,開発室や研究室といった部屋を作成するツールが確認できる。これを使って,オフィスの間取りを考えていくのだ。
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部屋が完成したら,次にメニュー欄の「Buy Objects」(ソファーのアイコン)を選択して,作業をするのに必要なデスクや,仕事の効率を上げるキャビネットなどを配置していこう。アイテムの向きはマウスのホイールで変更可能だ。スペースに無駄が生まれないように,うまくオフィスをデザインしていきたい。
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環境が整ったらいよいよゲーム開発の始まりだ。まずは,開発室のアイコンをクリックして,「Develop a game」を選択しよう。最初に決めるのは,ゲームタイトル,販売形態,ジャンル,使用するゲームエンジンだ。ジャンルは研究を進めると選択肢が増えていき,ゲームエンジンは「Head Office」という部屋を作れば購入できる。とはいえ,序盤にそんな余裕はないので,とりあえずはあるもので間に合わせよう。
続いて,どのプラットフォームに向けて開発するか,どこの地域で販売するかを選択し,グラフィックスやストーリー,ゲームプレイといった中から,どの部分に力を入れるかを決めて,ゲーム制作を開始する。
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ゲーム制作が始まったら,あとは完成を待つのみ。開発の進捗状況はパーセントで確認できるので,クオリティの高い作品に仕上がることを祈ろう。
ゲームが完成したら,次にパブリッシャを選ぶことになる。パブリッシャの選択画面では,抱えているユーザー層や,マーケティング力が確認可能だ。
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パブリッシャを決めて販売を開始すると,さっそくゲームメディアによるレビューが公開される。気になる4Gamer Questはというと……「グラフィックスは良いがそれだけ,買う価値もない」と酷評を受けてしまい,ミリオンどころか3000本にも届かずあえなく撃沈。2万5000ドルという赤字を出してしまった。
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記念すべき処女作が赤字ということで,さっそく資金的なピンチを迎えてしまった。ただ,本作では資金が底を尽きても借金という形で経営を続けることができる。
ということで,今度は最新のゲームエンジンを購入し,開発スタッフも数名増やし,20万ドルの負債を抱えながら,4Gamer Questの原点を描く新作アクションRPG「4Gamer Quest Origin」を制作することに。
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さて,新体制で開発に取り組んだ4Gamer Quest Originだが,その結果はというと,メディアから高評価を受けただけではなく,Fun Awardも受賞し,最終的には18万本を売って46万8000ドルの純利益を上げることに成功した。筆者にも意外と経営の才はありそうである。
4Gamer Quest Originの売り上げに気を良くしてリリースした「4Gamer Quest HD Remaster」が2万6000ドルの赤字を出したことは,この際なかったことにしよう。
![]() 相変わらずテトリス風のゲーム画面だが,今度は「絶対にプレイすべき」とプッシュされている。残る課題はサウンドだ |
![]() 一方の4Gamer Quest HD Remasterは,まさかの大赤字 |
今回は,開発環境をアップグレードしたことが利益につながったわけだが,このほかにも,流行のジャンルやハードウェアを調べて,それにあったゲームを開発したり,自社製のゲームエンジンを開発してライセンス料をもらったりなど,稼ぎ方はさまざまだ。
資金に余裕ができたら大きめの社屋を購入して,設備を増やしていこう。こうして会社を大きくしていくのだ。
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アーリーアクセス版なので,操作性やスタッフのAIなど,多少荒削りな部分も見られるが,それでも十分遊べる内容になっているので,ゲーム会社の経営に興味のある人は,挑戦してみてほしい。
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ちなみに4Gamer Questは,その後7作品リリースし,ナンバリングシリーズ6作めの「4Gamer Quest VI」はダブルミリオン,次世代機向けの「4Gamer Quest Next」は,すべてのアワードを総なめという快挙を達成している。これから始めるという人は,ぜひ4Gamer Quest超えを狙ってほしい。
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「Mad Games Tycoon」Steamページ(1480円)[税込]
トルコのホラー映画監督が手掛けるホラーアドベンチャー「The Dark Inside Me」
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「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,トルコのホラー映画監督Akçay Karaazmak氏が手掛ける「The Dark Inside Me」を紹介しよう。
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本作は,ポイント&クリックの操作をベースにしたホラーアドベンチャーだ。プレイヤーは,とある病院のベットに横たわる主人公が体験した悪夢のような日々を,記憶を遡りながら追って行くことになる。
ゲーム内には,ゴアとエロの表現がふんだんに盛り込まれおり,対象年齢は18歳以上を想定して作られているという。
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本作を手掛けるAkçay Karaazmak氏は,前述したとおりトルコの映画監督であり,代表作は2014年に公開されたホラー映画「Reminiscence」。日本では上映されていないが,YouTubeにトレイラーがあるので掲載しておこう。とてつもなく恐ろしいので心臓の弱い人はご注意を。
映画の評判は上々のようで,ホラー作品を作る腕は確かなようだ。したがって,今回紹介した「The Dark Inside Me」も期待大といったところ。IndiegogoおよびPayPal経由で開発資金の募集も行っているようなので,興味のある人はバッカーになりつつ“いいね”も押しておこう。
「The Dark Inside Me」GREENLIGHTページ
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