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GeForce GTX 700
  • NVIDIA
  • 発表日:2013/05/23
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印刷2013/06/25 22:00

レビュー

想定売価249ドルで登場した「GK104コアのリブランド品」を試す

GeForce GTX 760
(GeForce GTX 760リファレンスカード
GIGABYTE GV-N760OC-2GD
Palit NE5X760H1024-1042J)

Text by 宮崎真一


GTX 760リファレンスカード
GeForce GTX 700
 日本時間2013年6月25日22:00,NVIDIAは,GeForce GTX 700シリーズの第3弾となる「GeForce GTX 760」(以下,GTX 760)を発表した。Fermi世代の「GeForce GTX 460」以降で,3桁数字の2桁めが「6」のGPUを「価格と性能のベストなバランスを狙った製品」として訴求し続けているNVIDIAにとって,搭載カードの想定売価が3万円(北米では249ドル)となるGTX 760は,その最新世代モデルという位置づけとなる。

 置き換え対象である「GeForce GTX 660 Ti」(以下,GTX 660 Ti)の場合,リファレンスクロック採用モデルの実勢価格は2万8000円〜3万3000円程度(※2013年6月25日現在)なので,ちょうどその後釜に置かれることとなるGTX 760だが,果たしてその実力はどれほどか。今回4Gamerでは,NVIDIAのリファレンスカードだけでなく,GIGA-BYTE TECHNOLOGY(以下,GIGABYTE)から「GV-N760OC-2GD」,Palit Microsystems(以下,Palit)から「NE5X760H1024-1042J」と,計3枚の搭載グラフィックスカードを入手できたので,これらの検証を通じ,GTX 760の価値を探ってみたいと思う。

GeForce GTX 700
GV-N760OC-2GD
メーカー:GIGA-BYTE TECHNOLOGY
問い合わせ先:CFD販売 GIGABYTEサポート
販売代理店想定売価:3万5000円前後(※2013年6月25日現在)
GeForce GTX 700
NE5X760H1024-1042J
メーカー:Palit Microsystems
問い合わせ先:ドスパラ(販売店)
価格:未定(※2013年6月25日現在)


GTX 660 Tiの後継というより“GTX 670 LE”な雰囲気

GTX 700番台の特徴であるGPU Boost 2.0に対応


GTX 760 GPU。ダイ上の刻印は「GK104-225-A2」となっていた
GeForce GTX 700
 さて,いきなり結論めいたことから述べておくと,GTX 760のGPUコアは「GK104」である。GK104内でのグレードを示す3桁数字は「225」。ここまでに登場したGK104コアの一覧を下にまとめたが,GPUのグレードとしては,今回のGTX 760が最も格下であることが,この数字からは見て取れよう。

  • GeForce GTX 770:GK104-425
  • GeForce GTX 680:GK104-400
  • GeForce GTX 670:GK104-325
  • GeForce GTX 660 Ti:GK104-300
  • GeForce GTX 760:GK104-225

 となると,GTX 760のスペックは,置き換え対象となるGTX 660 Tiよりも低いのかという疑問は当然出てくるかと思うが,その答えは「半分正解」だ。

GTX 760の概要
GeForce GTX 700
 第1世代Keplerアーキテクチャにおいて,GPUは,ミニGPUといえる「Graphics Processor Cluster」(以下,GPC)と,GPCを構成する演算ユニット「Streaming Multiprocessor eXtreme」(以下,SMX),そして,SMXの主要素であるシェーダプロセッサ「CUDA Core」という3段構造で構成されている。
 1基のGPCは最大2基のSMXとラスタライザから成り,1基のSMXは192基のCUDA Coreと,L1キャッシュやテクスチャユニット,ジオメトリエンジンである「PolyMorph Engine 2.0」から成る。

 そして,GK104コアのフルスペックだと,GPCの数は4基で,SMXの数は8基,CUDA Core数は1536基だ。GK104-4xxシリーズだと,SMX数はフルスペックの8基。GK104-3xxシリーズだと,GPCの1基でSMXが1基無効化されて,合計7基となっている。

GTX 760のブロック図。NVIDIAへ問い合わせたところ,2パターン存在することが確認された
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700
 ……と書くと,GK104-225を採用したGTX 760のSMX数は容易に想像できるだろう。そう。フルスペックから2基削減された6基だ。NVIDIAに確認したところ,1基のGPC内でSMXが2基とも無効化された仕様の個体と,2基のGPCでSMXが1基ずつ無効化された仕様の個体が存在するが,「どちらも性能に違いはない」とのことだった。
 いずれにせよ,GTX 760のGPU規模は,GK104のフルスペック比で4分の3であり,置き換え対象となるGTX 660 TiよりもSMX数にして1基分小さい

 ただし,足回りは話が別で,これが先ほど「半分正解」とした理由となる。
 GTX 660 Tiの場合,メモリインタフェースが192bit幅となり,ここが上位モデルとの大きな違いになっていたのだが,GTX 760ではフルスペックの256bit幅となる。ミドルクラス以上のGPUでは,高解像度や,高いグラフィックス設定が前提となり,いきおい,グラフィックスメモリ周りの性能が重要になってくるだけに,ここは見逃せないポイントといえるだろう。

NVIDIAはGTX 760をHD 7950 wBキラーと位置づけている
GeForce GTX 700
 そのほか,GTX 760とGTX 660 Tiに,「GeForce GTX 770」(以下,GTX 770),「GeForce GTX 670」(以下,GTX 670),そしてNVIDIAが競合製品と位置づける「Radeon HD 7950 with Boost」(以下,HD 7950 wB)をまとめ,主なスペックを比較したものが表1だ。
 冒頭から,GTX 760はGTX 660 Tiの後継であると繰り返してきたが,スペックを見ると,むしろ,GTX 670からSMXを1基削減し,その代わりにベースクロックを約7%,ブーストクロックを約5%引き上げてきたモデルと紹介したほうが適切かもしれない。全体的なイメージは“GTX 670 LE”的,といったところか。


 ちなみに,GeForce GTX 700シリーズを冠することもあって,自動クロックアップ機能「GPU Boost 2.0」はGTX 760でも有効化されている。つまり,GTX 770や「GeForce GTX 780」「GeForce GTX TITAN」と同じく,「Temperature Target」(温度ターゲット)を設定すると,GPUコアの温度に余裕がある場合,自動的に動作電圧を引き上げることによって,より高いGPUコアクロックを狙えるようになっているわけだ。
 GPU Boost 2.0の詳細はGeForce GTX TITANのレビュー記事を参照してもらえればと思う。


リファレンスカードはGTX 670と瓜二つ

クロックアップモデル2枚はどちらもユニークな内容に


 GTX 760のスペックを押さえたところで,以下,入手した3枚のカードを順に見ていくこととしよう。
 なお,グラフィックスカードのGPUクーラー交換は保証外の行為であり,取り外した時点で保証は受けられなくなる。今回は検証用として特別に取り外しているが,この点はくれぐれも注意してほしい。

外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D×1,Dual-Link DVI-I×1,DisplayPort×1,HDMI×1で共通。ただ,3製品ではそれぞれデザインやレイアウトが少しずつ異なっていた
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700 GeForce GTX 700


■GTX 760リファレンスカード

 まずはGTX 760リファレンスカードからだが,カード長は実測で242mm(※突起部含まず)。GTX 770の同266.7mmから25mm強短くなっている。さらに言えば,基板自体は173mmほどしかなく,GPUクーラーが70mm近くもはみ出した格好となるため,基板の端に用意された2基の6ピン補助電源コネクタは,カードのほぼ前後中央に配置されたような印象だ。

GTX 760リファレンスカード。ブロワーファンによって生じる直線的なエアフローで,熱をPCケース外へ排出する設計になっている。カード後方へ大きくはみ出したクーラーと,PCI Express補助電源コネクタの配置に注目
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GTX 670のレビュー記事より,GTX 670リファレンスカード
GeForce GTX 700
 記憶力のいい読者ならピンときたと思うが,このデザインは,GTX 670のリファレンスカードとまったく同じだ。GPUクーラーを取り外してみると,「GPUと電源部用のパッシブヒートシンクを搭載し,それを70mm角相当のブロワーファンで冷却する」というクーラーの構造も,GTX 670リファレンスカードから変わっていないのが分かる。

GTX 760リファレンスカードのクーラーを外したところ(左)と,クーラーからGPU用のヒートシンク部を取り出したところ。左の写真では,クーラーを取り出した状態でもまだヒートシンクが付いている部分があるが,ここが電源部だ
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GTX 760リファレンスカードの基板
GeForce GTX 700
 基板も,GTX 670リファレンスカードと並べてみると,間違い探しの様相を呈してくる。4+2フェーズ構成と思しき電源部や,メモリチップ容量4GB版を見越した空きパターン,そのほかのパーツの配置を含めたデザインが,GTX 670からまったく変わっていないからだ。
 搭載されるグラフィックスメモリチップも,SK Hynix製のGDDR5「H5GQ2H24AFR-R0C」(6Gbps品)で,やはりGTX 670リファレンスカードと同じである。

 なお,リファレンスカードなので,GPUコアクロックやメモリクロックは先に示した表1のとおりだが,後述する表2のテスト環境では,最大動作クロックが1149MHzに達するのを確認できている。

GeForce GTX 700
搭載するメモリチップはSK Hynix製の2Gbitモデル。基板両面に4枚ずつ搭載し,容量2GBを実現している
GeForce GTX 700
EVGA製オーバークロックツール「Precision X」(Version 4.2.0)実行結果。最大クロックは1149MHzに達した


■GV-N760OC-2GD

GPUクロックは最大で1215MHzに達した
GeForce GTX 700
 GIGABYTEのGV-N760OC-2GDは,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルだ。具体的には,コアクロックが定格の980MHzから1085MHzに,ブーストクロックが1033MHzから1150MHzへと引き上げられている。後述するテスト環境では最大クロックが1215MHzに達するのを確認できた。
 なお,メモリクロックは6008MHz相当(実クロック1502MHz)で,こちらは定格どおりである。

GV-N760OC-2GD。リファレンスカードとは明らかに異なるデザインである
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GeForce GTX 700
 カードサイズは実測278mm(※突起部除く)。基板自体は同256mmで,GPUクーラーが22mmほど後方にはみ出した格好だが,そのクーラーは,すでに国内市場へ登場しているGIGABYTE製のGTX 780カード「GV-N780OC-3GD」やGTX 770カード「GV-N770OC-2GD」で採用されていたのと同じく,新型「WINDFORCE 3X」だ。なので,80mm角ファンを搭載した2スロット仕様のクーラーで,エアフローを整流する機構を備えた,2ブロック構成の放熱フィン部を持つ点などは変わりない。
 1か月のうちに3度目の紹介となるので,さすがに語ることがなくなってきたが,優秀な冷却能力を持ったクーラーである。

WINDFORCE 3Xクーラーを取り外したところ
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

GV-N760OC-2GDの基板。リファレンスカードと比べると80mm以上も長い
GeForce GTX 700
 カードの外観で特徴的なのは,PCI Express補助電源コネクタが6ピン+8ピンという構成になっていることだが,実際,クーラーを取り外して見ると,リファレンスカードよりも長い基板上では,5+2フェーズ構成と思われる電源回路が,かなりの面積を占めている。電源周りには相当の強化が入っていると見ていいだろう。
 なお,搭載するグラフィックスメモリチップはリファレンスカードと同じくH5GQ2H24AFR-R0Cだが,空きパターンは用意されていない。

GeForce GTX 700
カード後方は5+2フェーズ構成と見られる大型の電源部でほぼ占拠されている。ミドルクラスのカードらしからぬ規模だ
GeForce GTX 700
搭載するGDDR5メモリチップはリファレンスカードと同じ。ただ,刻印はSK Hynix仕様に切り替わっていた


■NE5X760H1024-1042J

 「Palit GeForce GTX 760 Jetstream OC」という愛称が付けられたNE5X760H1024-1042Jは,リファレンスカードと似たデザインの製品となっている。基板長が実測約173mm(※突起部除く)で,カード後方に突き出ているクーラーも含めた全長が同247mmというのは,リファレンスカードと完全に同じである。

NE5X760H1024-1042J。PCI Express補助電源コネクタの仕様はリファレンスカードと同じ6ピン×2だ
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

「風」のプリントが目を引くJetstreamクーラー
GeForce GTX 700
 そのクーラーは,愛称にも含まれる「Jetstream」で,90mm角相当のファンを2基搭載した,3スロット仕様のものとなっている。GPUダイのすぐ上から,3本のヒートパイプが大型の放熱フィン部へと伸び,ヒートパイプによって運ばれた熱を,ファンのエアフローによって冷却する設計だ。
 リファレンスカードと比べ,動作音は5dB低く,(同じ動作クロックなら)GPU温度は10℃下げられると,Palitは謳っている。

クーラーを取り外したところ
GeForce GTX 700
 さて,このGPUクーラーを取り外して基板を確認すると,そのデザインはリファレンスカードと似て非なるものであることが分かる。電源フェーズ数が4+2構成である点などは共通なのだが,Driver MOSFETの搭載によって電源回路をシンプルにしていたり,メモリチップの空きパターンを省いていたりするなど,いろいろと手が入っている印象だ。
 なお,グラフィックスメモリはH5GQ2H24AFR-R0Cで,リファレンスカードと同じだった。

基板(左)と,電源部に寄ったところ(右)。GPU用の電源部にはFairchild Semiconductor製のDriver MOSFET(DrMOS)「FDMF6823A」が採用されていた。なお,基板上にメモリチップを追加するための空きパターンは用意されていない
GeForce GTX 700 GeForce GTX 700

 動作クロックはベースがリファレンスの980MHzから1072MHzに,ブーストがリファレンスの1033MHzから1137MHzに引き上げられ,さらに,メモリクロックも定格の6008MHz相当から6200MHz相当(実クロック1550MHz)に引き上げられている。
 後述のテスト環境で検証したところ,GPUコアクロックは1228MHzまで上がったので,今回入手した3枚のカードでは,総合的に最も動作クロックの高い製品と述べることができるだろう。

GeForce GTX 700
メモリチップは6Gbps品。なので,クロックはマージンを超えて引き上げられている計算になる
GeForce GTX 700
今回のテスト環境だと,GPUコアクロックは最大で1228MHzに達するのを確認できた


GTX 660 TiやHD 7950 wBなどと比較

ドライバはレビュワー向けの320.39を利用


MAXIMUS VI HERO
シンプルさを志向したゲーマー向けZ87ボード
メーカー:ASUSTeK Computer問い合わせ先:テックウインド(販売代理店) info@tekwind.co.jp
実勢価格:3万〜3万2000円程度(※2013年6月25日現在)
GeForce GTX 700
 テストのセットアップに入っていきたい。
 今回は表1で挙げたGPUを比較対象として用意している。そのうち,GTX 660 Ti搭載カードとなるZOTAC Internationalの「ZTGTX660Ti-2GD5R0」はメーカーレベルのクロックアップモデルであるため,Precision Xを用いてリファレンス相当にまでクロックを下げて利用することにした。
 HD 7950 wBは,「Radeon HD 7950」リファレンスカードに「AMD PowerTune Technology with Boost」有効化VBIOSを適用させたものだ。

 そのほかのテスト環境は表2のとおりで,GeForceのテストには,NVIDIAからGTX 760のレビュワーへ配布された「GeForce 320.39 Driver」を用いる。一方,HD 7950 wBでは,テスト時の最新版となる「Catalyst 13.6 Beta2」を使うことにした。


SMD-32G28CP-18ML-Q
メーカー:サンマックス・テクノロジーズ
問い合わせ先:パソコンショップ アーク
パソコンショップ アーク販売価格:3万5980円(税込,※2013年6月25日現在)
GeForce GTX 700
 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション14.0準拠。解像度は,NVIDIAがGTX 760の主なターゲットを1920×1080ドットとしているため,それと,さらなる高負荷環境での挙動を確認するために2560×1600ドットを選択している。

 今回からテスト用のCPUをHaswell世代の「Core i7-4770K」に変更しているが,自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」の挙動がテスト状況によって変わる可能性を排除すべく,同機能をマザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化しているのは,これまでのGPUレビューと同じだ。
 なお以下,スペースの都合上,グラフ中ではGV-N760OC-2GDを「GBT 760 OC」,NE5X760H1024-1042Jを「Palit 760 OC」とそれぞれ表記して区別することを,あらかじめお断りしておきたい。


リファレンスカードはGTX 660 Ti以上,GTX 670以下

クロックアップモデルはGTX 670と互角に


 3製品の紹介があって,前置きが非常に長くなったが,ここからはテスト結果を順に見ていこう。
 グラフ1は「3DMark」(Version 1.1.0)の結果だ。GK104コアのフルスペック仕様,かつ,弱点だったメモリ周りに手が入っているGTX 770が頭1つ抜け出ている印象だが,GV-N760OC-2GDとNE5X760H1024-1042Jは,GTX 670,HD 7950 wBともども第2グループを形成し,その少し下にGTX 760が収まる,といった傾向になっている。
 リファレンスクロック版のGTX 760から見ると,GTX 660 Tiに対しては9〜12%程度高いスコアを示せている一方,GTX 670に対しては約95%,GTX 770に対しては約80%というところに留まった。「GTX 660 Tiと比べてSMXが1基少ない」というマイナスは,高いGPUコアクロックと広いグラフィックスメモリバス帯域幅で十分挽回できるものの,定格動作する限り,当たり前だが,上位モデルは脅かせないというわけである。

 HD 7950 wBキラーのはずなのにHD 7950 wBよりスコアが低いのは,3DMarkの特性,ということになるだろうか。

※グラフ画像をクリックすると,Fire Strikeのスコア順で並び変えたグラフを表示します
GeForce GTX 700

 実際のゲームタイトルを用いたテスト結果から,グラフ2,3は「Far Cry 3」となるが,ここでもGTX 770のトップは揺るぎない。GTX 760はGTX 770の77〜81%程度というスコアなので,両者の関係は,3DMarkの結果を踏襲すると述べていいだろう。
 気になるのは,GTX 660 Tiに対して,92〜102%程度と,いい勝負を“演じてしまっている”点だが,これは純粋に「SMX数か,メモリバス帯域幅か」ということだと思われる。要するに,Far Cry 3ではSMX数(≒シェーダプロセッサ数やテクスチャユニット数)がスコアを左右する傾向にあり,GTX 660 Tiに有利な結果が出たということだ。
 このクラスのGPUは,結局のところ「何を残して何を削るか」という話になるので,タイトルによって差が広がったり縮まったりするのは珍しい話ではない。

 その証拠に……というわけでもないだろうが,GPUコアクロックが引き上げられたGV-N760OC-2GDとNE5X760H1024-1042Jは,GTX 660 Tiに対して6〜16%程度高いスコアを示し,GTX 670ともいい勝負を演じている。
 HD 7950 wBに対して,高負荷設定時のスコアで大きく引き離しているのも目を引くところだ。

※グラフ画像をクリックすると,1920×1080ドット解像度のスコア順で並び変えたグラフを表示します。以下グラフ13まで同
GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 「Crysis 3」のテスト結果がグラフ4,5だが,GTX 760のスコアは対GTX 770で79〜85%程度,対GTX 660 Tiで102〜112%程度と,3DMarkを踏襲する結果となった。とくに高負荷環境でGTX 660 Tiとのスコア差を広げているのは,256bitメモリインタフェースの効果といえそうだ。HD 7950 wBに対しても,スコアは安定的に上回っている。

 GV-N760OC-2GDとNE5X760H1024-1042JがGTX 670と互角の勝負を演じているのも,ここまでと同じ傾向である。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 続いて「BioShock Infinite」の結果がグラフ6,7だが,GTX 770の78〜82%程度,GTX 660 Tiの103〜107%程度というスコアは,Far Cry 3と似た傾向,と述べてよさそうだ。グラフィックスメモリ負荷がそれほど高くない場合には,どうしてもGTX 660 Tiとの違いは出にくくなる。
 一方,GV-N760OC-2GDとNE5X760H1024-1042Jは,ここでも安定的にGTX 760比で10%前後高いスコアを示し,GTX 670と同等のところにまとまった。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 公式の高解像度テクスチャパック導入によってグラフィックスメモリ負荷を高めてある「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)。本作を用いたテストの結果がグラフ8,9となる。
 ここでは,8xアンチエイリアシングと16x異方性フィルタリングを適用した「Ultra設定」において,192bitメモリインタフェースのGTX 660 TiがHD 7950 wBの後塵を拝しているのに対し,GTX 760が対GTX 660 Tiで12〜18%程度高いスコアを示し,HD 7950 wBも上回っている点がトピックといえるだろう。グラフィックスメモリ負荷の高い局面では,やはりメモリ周りが“効く”というわけだ。

 なお,「標準設定」であまり大きなスコア差がついていないのは,このクラスのGPUにとって十分に負荷が低く,CPUボトルネックが生じているためである。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 グラフ10,11は「SimCity」の結果となるが,SimCityのようにGPU負荷が相応にある一方でグラフィックスメモリ負荷はそれほど高くないタイトルだと,GTX 760はGTX 660 Tiに対してスコア的な優位性を保てなくなる。クロックアップ版の2モデルがGTX 670を若干上回るレベルなので,スコアの傾向はFar Cry 3やBioShock Infiniteと同じ,ということになるはずだ。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700

 3D検証の最後はグラフ12,13の「F1 2012」である。1920×1080ドット解像度では,CPUのボトルネックからか,スコアが揃いつつあるが,2560×1600ドット解像度におけるスコアは3DMarkやCrysis 3,Skyrimと同じような傾向になっている。

GeForce GTX 700
GeForce GTX 700


GTX 670比で消費電力は若干増加か

オリジナルクーラーの冷却性能は高い


 表1で示したように,GTX 760のTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は170Wである。これはGTX 670と同じ値であり,また,GTX 770の230Wと比べると60Wも低い値でもある。では,実際のところはどうなのか。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してみよう。
 テストにあたってはゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果がグラフ14となるが,アイドル時はさほど大きな差異を確認できない。もちろん,HD 7950 wBは,アイドル時にディスプレイ出力を切るように設定しておくと,「AMD ZeroCore Power Technology」で消費電力が大きく下がり,システム全体の消費電力は56Wにまで低下するので,その点は押さえておく必要があるわけだが。

 というわけで各アプリケーション実行時を見ていくと,GTX 760のスコアはGTX 670を1〜22W上回った。その一方,GV-N760OC-2GDとNE5X760H1024-1042JはGTX 760からあまり増えていないことからすると,筆者が入手したGTX 760リファレンスカードは“外れ”だったという可能性もあるが,ともあれ,「GTX 670と比べると若干高そう」とは述べていいように思われる。

※そのまま掲載すると縦方向のサイズが大きくなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
GeForce GTX 700

 3DMarkの30分間連続実行時を「3DMark時」として,アイドル時ともども,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.7.2)から温度を追った結果がグラフ15だ。24℃の室内で,システムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いたときのスコアとなる。

 搭載するクーラーもファン回転数制御方法も異なるため,厳密な意味での横並び比較に意味はないのだが,3DMarkの実行時に,GTX 760リファレンスカードだと,Temparature Targetの規定値である80℃まで温度が上がってしまうのに対し,GV-N760OC-2GDは61℃,NE5X760H1024-1042Jは73℃と,まだ冷却能力に余裕があるのは見て取れよう。オリジナルクーラーの持つ冷却性能の高さ(≒自己責任で行うオーバークロックに向けたヘッドルーム)が窺い知れる。


 ちなみに肝心の動作音だが,毎度,筆者の主観であることを断ったうえで述べると,アイドル時は3枚ともいたって静かだ。3DMark時は,GTX 760とGV-N760OC-2GDがほぼ同程度で,まずまず静かである。
 NE5X760H1024-1042Jは2製品と比べると若干大きな印象を受けるが,ウルサイというほどではない。ミドルクラスのグラフィックスカードとして及第点という印象だ。3スロット仕様のクーラーを搭載する以上,もう少し頑張ってほしい気はしないでもないが。


どこからどう見てもGTX 670の焼き直しだが

性能と価格のバランスは良好


GeForce GTX 700
 以上のテスト結果からするに,GTX 760は,非常に妥当な性能を持つGPUだとまとめることができるだろう。発表時点のメーカー想定売価で言うと,GTX 660 Tiが299ドル,GTX 670が399ドルだったところ,GTX 760は249ドルなので,かなり思い切った価格設定がなされてきた印象だ。
 発売から時間が経って,市場在庫であるGTX 660 Tiカードの実勢価格は2万8000円〜3万3000円程度,GTX 670カードの場合は3万4000〜4万円程度(※いずれも2013年6月25日現在)にまで下がってきてはいる。また,GTX 760の登場に合わせて処分特価が設定されたりもするだろうから,一概に言い切ることはできないのだが,それでも,リファレンスクロック採用モデルの国内想定売価が3万円程度というのは,悪くないように思われる。
 “GTX 670 LE”なので,クロックアップモデルであればGTX 670と同等の性能を期待できるという点にも,魅力を感じる人はいるのではなかろうか。

 もちろん,そういう立ち位置のGPUである以上,目新しさは微塵もない。その意味ではNVIDIAの巧妙な(?)リブランド戦略に乗せられているのだが,GTX 660 Tiに代わるミドルクラスGPUとして歓迎すべき存在なのも,また確かだ。

ちなみにNVIDIAは,少なくとも2013年秋まで,新製品の投入予定はないというロードマップを示していたりする。冬(≒年末商戦)は分からないものの,ひとまずは,GTX 760以上がGK104コアの焼き直し+GK110コア,「GeForce GTX 660」以下が現状維持というラインナップで落ち着くわけである
GeForce GTX 700

GeForce公式情報サイトGeForce.com(英語)

NVIDIAのGeForce製品情報ページ

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