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「The Elder Scrolls Online」のテストプレイを90分間たっぷり体験。レベルキャップ到達後のプレイヤーにも,さまざまなコンテンツを用意
The Elder Scrolls Onlineは,「Dark Age of Camelot」のプロデューサーを務めたことで4Gamer読者にもおなじみの人物,Matt Firor氏が率いるZeniMax Online Studiosが制作を担当する作品だ。2013年内の正式サービス開始を目指して,開発が進められている。
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The Elder Scrolls Onlineの背景になるのは,「The Elder Scrolls V: Skyrim」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)の1000年前のタムリエル大陸で,「第2期」と呼ばれるこの時代は,The Elder Scrollsシリーズで初めて描かれることになる。デイドラの王子達の一人,Molag Balの魔軍によって大陸の中央にあるシロディールの皇帝の座は空位になっており,プレイヤーはソロでキャンペーンを楽しみつつ,Ebonheart Pact,Aldmeri Dominion,そしてDaggerfall Covenantという3つの勢力に分かれてシロディールの支配をめぐって対立したり,魔軍と戦ったりすることになる。
それぞれの勢力に属する種族は,Aldmeri Dominionがハイエルフ,ウッドエルフ,カジート,Daggerfall Covenantがブレトン,レッドガード,オーク,そしてEbonheart Pactがダークエルフ,アルゴニアン,ノルドとなっており,プレイヤーは自分の好きな種族を選ぶことができる。今回のイベントでプレイできたのは,2013年3月に開催された「PAX East」のデモと内容は同じであり,Daggerfall Covenantのみがプレイアブルだった。
ゲーム開始時には,まず種族を選んでから,それぞれの種族に用意されたクラスを設定していくことになる。Daggerfall Covenantの3種族では,Templer,Dragonknight,そしてSorcererという3つのクラスが(現時点では)選択可能だった。ここから筆者が選んだのはレッドガードのDragonknight。The Elder Scrollsシリーズのクラス名としては初めてのものであるようだが,筆者にゲームの解説をしてくれたリードデザイナーのPaul Sage氏の説明によれば,Dragonknightは剣から弓までを比較的オールマイティーに使うことができるクラスで,しかもタンクとして押し出すことも可能,さらに「攻撃的なヒーラー」としても利用できるというから,プレイスタイルの変化にも柔軟に対応してくれそうだ。
続いてキャラクターカスタマイズを行うのだが,身長や胸の厚さ,肌の色,顔のパーツまで非常に多様な変更が可能で,Skyrim以上にさまざまなキャラクターを作成できそうだ。ただ,バーをスライドさせてからその結果が画面に表示されるまで時間がかかったのが気になる点だったが,まだβ段階ということなので,今後の最適化に期待したい。
そして,最後に名前を付けてキャラクター作成は完了するが,デモプレイはレベル6からのスタートだったためか,最初からスキルを3つ選べるようになっていた。
コントロールは,W/A/S/Dキーで移動し,アクションではマウスを使用する。左クリックで攻撃,右クリックで防御となり,左マウスボタンを長く押すことでパワーアタックもできる。移動しながら攻撃することも可能で,素速く動く相手と戦うときや,相手の攻撃をかわすときなどには有効だ。マウスホイールで一人称から三人称への視点変更や視点位置の調整も可能で,PC版のThe Elder Scrollsシリーズをプレイした経験があれば,迷わずプレイできるだろう。
デモは,Daggerfallの城塞都市へ向かっていくという場面から始まった。城門をくぐり,最初に依頼されたのが「人探し」のクエストだが,探す相手は町はずれに死体となって転がっており,あっさりと終了。だがどうやらこの男,王家の情報屋だったらしく,続いて街の警護長であるCaptain Aresinの依頼を受け,男を殺した犯人を追っていくことになった。捜査を進めると,どうやら謎の暗殺者集団Bloodthorn AssassinがDaggerfallの王であるKing Casimirの命を狙っているらしく,筆者も彼らに襲われたりした。
やがて,この暗殺者集団がAngod Gravesingerという人物の配下にあることが分かる。カルト教団のリーダーという彼は,Molag Balとの契約によって強力なネクロマンサーになったという男。デモプレイでは,家臣達の心配をよそに城内を散歩していたKing Casimirが,暗殺グループに襲われ,間一髪のところで筆者が加勢して敵のリーダーを始末するという場面でクエストは終了。王から直々に火炎属性の両手剣をもらった。
Angod Gravesingerを倒すまで,まだいくつもクエストが続きそうで,ゲーム序盤は,そんなAngodを追い詰めていくまでが一連のキャンペーンになっているという印象だった。
続いて,王の城から出たところで一人の女性に助けを求められるという新しいクエストが発生した。郊外にあるDeleyn's Millという村へ向かうことになるが,そこで,人々をモンスターの襲撃から守るためにがんばっている魔女三姉妹に,手を貸すことになる。この魔女達はWyrdと呼ばれる,ドルイドのような特徴を持ったキャラクターで,シリーズではおなじみだ。
このDeleyn's Millのボートハウスに,宝箱が置いてあったので,ロックピックに挑戦した。ロックピックは,鍵の内部にある5つのシリンダーを時間内に順番に押していくというもので,タイミングを間違えると,鍵開けに失敗してしまうと同時に,ロックピックが1つ消耗してしまう。
何度か挑戦して,ようやくアイテムを手に入れられたが,それは相手のヘルスを吸収できるという杖で,かなり使い勝手が良かった。先ほど王に与えられた剣もそうだったが,どちらもDragonknightのクラスにピッタリのアイテムだったのは偶然なのか,それともゲーム側で判断されていたのかは不明。……というあたりで時間になり,デモは終了した。
続いて,Matt Firor氏に短いながらも話が聞けたので,その模様をお届けしよう。
本日はよろしくお願いします。さっそくですが,デモでは体験できなかった本作のRvR(レルムvs.レルム)について教えてもらえますか。
Matt Firor氏(以下,Firor氏):
はい。The Elder Scrolls OnlineにおけるRvRは,3つのプレイアブル勢力に,デイドラ軍を加えた4つの陣営が入り乱れるという形になります。タムリエル大陸の中央,シロディールを中心にして用意された15か所ほどの砦を,3つの勢力が奪い合い,常に勢力図を書き替えているという状況で,そこにデイドラ軍がランダムに攻撃してくるのです。
4Gamer:
城や砦の奪い合いということは,大型兵器を使った攻城戦も想定されているのですか。
Firor氏:
そうですね。攻城塔などを作り,全員が揃って相手の砦に進軍していくというイメージです。合計で200人ほどのプレイヤーが,一つのフィールドで戦える規模にする予定です。
4Gamer:
そうした兵器は,どこで作成することになりますか。
Firor氏:
それぞれの勢力地域内で,プレイヤーが必要なものを集めて大型アイテムを作成し,それをシロディールの戦闘地域に運び込むという手順になります。
4Gamer:
ミッションをこなして,当初のレベルキャップであるレベル50に達したプレイヤーは,その後もRvRで楽しめるというわけですね。PvE(プレイヤーvs.環境)では,いわゆるエンドゲーム(レベルが最上位に達してからのコンテンツ)は用意されているのでしょうか。
Firor氏:
ええ。これは最近発表したばかりなのですが,レベル上限に達した人には,そのインスタンスゾーンのコンテンツが一部リフレッシュされ,例えば,以前と同じダンジョンでも異なるストーリーになっているといったことが発生します。こうしたことにより,ほかのプレイヤーとの戦いに興味のない人にも,かなり長く遊んでもらえると思います。
4Gamer:
プレイヤーは,ほかの勢力の地域内にも足を運ぶことはできるのでしょうか。
いえ,基本的にはできません。しかし,The Elder Scrollsシリーズの良さの1つが,ゲーム世界を自由に探索できることであることは我々も理解していますので,プレイヤーが領域外への旅をできるような仕様を用意しているんです。具体的には,レベルキャップが上限に達したプレイヤーが,ほかの地域へも移動できるようになるというものです。この場合,敵勢力のプレイヤーに出会うことはなく,同じ勢力のキャラクターだけにしか会わない仕組みになっています。そして,レベル50に調整されたクエストがあり,同様のモンスター,アイテムのみが登場するのです。
4Gamer:
つまり,プレイヤーは別の地域を探索するために,ほかの勢力向けのキャラクターを新たに作る必要はないということですね。
Firor氏:
そのとおりです。通常のエリア内でエンドゲームに達するまで150時間ぶんのコンテンツが用意してあり,ほかの2つの地域が50時間ずつ,全体としてPvEコンテンツは250時間ぶんということになります。先ほどお話したインスタンスゾーンでリフレッシュされるコンテンツを含むと,さらに増えることになります。
4Gamer:
開発スタッフがBethesda Softworksのメンバーではないということで,The Elder Scrollsシリーズとの整合性が気になるところですが。
Firor氏:
心配ありませんよ。ロア(背景ストーリー)だけを専用に担当するコンテンツデザイナーが3人いますし,我々のオフィスから本社までは車で一時間ほどですので,何かあればすぐにミーティングが開けます(笑)。
4Gamer:
料金体系など,ビジネスモデルはまだ発表されていませんが。
Firor氏:
今のところ,まだ発表できません。市場動向やファンの希望を考えつつ,決めていこうと思っています。
4Gamer:
分かりました。本日はどうもありがとうございました。
2013年内にローンチされるというThe Elder Scrolls Online。今回デモをプレイした感触では十分にThe Elder Scrollsシリーズの根幹を受け継いでいるうえ,MMORPGとしても十分洗練されており,PvE,そしてRvRコンテンツも豊富だ。まだ発表されていない部分も多いだけに,続報に期待したい。
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