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印刷2011/01/04 14:00

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CPUとRadeon GPUを統合したAPU時代,開幕。AMD,新世代プロセッサ「E-Series」「C-Series」を正式発表

ZacateはE-Series,OntarioはC-Series,そしてLlanoはA-Seriesに。「Fusion」というコトバはマーケティングキーワードとしては使われず,一般消費者向けには基本的に「VISION」ブランドを中心とした訴求が行われるという
AMD E-Series,AMD C-Series
 いよいよ,Fusion APU(Accelerated Processing Unit)時代の幕が開く。AMDは2011年1月4日,開発コードネーム「Zacate」(ザカテ)および「Ontario」(オンタリオ)とされていたAPUを,下記のとおり「E-Series」「C-Series」として正式発表。合わせて,両APUのプラットフォームとなる「Brazos」(ブラゾス)の概要を明らかにし,性能データなども公表した。
 なお,2011年第2四半期中の市場投入計画となっているメインストリーム市場向けFusion APU「Llano」(ラノもしくはリャノ,開発コードネーム)が「A-Series」となることも,合わせて発表されている。

●E-Series(Zacate)
  • AMD Dual-Core Processor E-350/1.6GHz(以下,E-350)
    デュアルコア,512KB×2 L2,1ch DDR3-1066,TDP 18W,DirectX 11
  • AMD Processor E-240/1.5GHz(以下,E-240)
    シングルコア,512KB×1 L2,1ch DDR3-1066,TDP 18W,DirectX 11

●C-Series(Ontario)
  • AMD Processor C-50/1GHz(以下,C-50)
    デュアルコア,512KB×2 L2,1ch DDR3-1066,TDP 9W,DirectX 11
  • AMD Processor C-30/1.2GHz(以下,C-30)
    シングルコア,512KB×1 L2,1ch DDR3-1066,TDP 9W,DirectX 11

※製品名の後ろは順にコア数,L2キャッシュ容量,メモリコントローラ,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力),対応DirectX API


Fusion APUを持つ,AMDのRaymond Dumbeck氏(Product Marketing, AMD)
AMD E-Series,AMD C-Series
 AMDが,Brazosプラットフォームでターゲットとするのは,これから急成長が見込まれる200〜499ドル程度のノートPC市場だ。なかでも,最も高い成長率が見込まれる300ドル台の市場には,これまでAtomベースの(グラフィックス機能が貧弱な)Netbookしか事実上存在しなかったが,AMDはここに,グラフィックス機能&性能が充実するプロセッサを提供すべく,設計を進めてきたとしている。

19×19mmというパッケージサイズになる第1世代のFusion APU。基本的にノートPCや省電力PC向けのため,「FT1」BGAパッケージのみで提供される。自作PC市場で入手するには,搭載マザーボードの購入が必要だ
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series
世界市場で2011〜2015年に急成長が見込まれる価格帯のノートPCをメインターゲットに,AMDはBrazosプラットフォームを開発したという
AMD E-Series,AMD C-Series
AMD E-Series,AMD C-Series
初のFusion APUとして,BobcatコアとDirectX 11世代のGPUコアを統合した18W TDPのZacateと,9WのOntarioを展開
AMD E-Series,AMD C-Series
Zacateが目指すのは,2009〜2010年のCPUとGPU,North Bridgeの機能&性能を1つのシリコンに統合し,大幅に消費電力を低減することだ

 E-SeriesはPentium 6000シリーズの対抗,C-SeriesはAtomの対抗という位置づけ。AMDはGPUで,最も市場性が大きい価格帯に価格対性能比の高い製品を投入できるようシリコン開発を進める「スイートスポット戦略」を推し進めているが,Fusion APUでも同様の戦略をとってきたわけである。

 ちなみにAMDは現在,世界統一ブランドとして「VISION」を推し進めているが,E-350と,ノートPCで用いられるE-240は,カジュアルゲームや一般的なアプリケーション,DVD-Video,HD画質のストリーミングビデオなどの利用に最適とされる“VISION無印”扱い。デスクトップPCで用いられるE-240と,C-Seriesの2製品には,HD画質のストリーミングビデオやEメール,チャット,ソーシャルネットワークなどに最適として新たに用意された「HD Internet」というマーケティングブランドが適用される。

AMD E-Series,AMD C-Series
2011年のVISIONブランディングにおけるBrazosプラットフォームの位置づけと,新たに用意されたHD Internetの概要説明。E-240はノートPCで用いられる場合にVISION,デスクトップPCで用いられる場合にHD Internetブランドがそれぞれ用いられる
AMD E-Series,AMD C-Series
Intel製CPUとの競合関係を示したスライド


Brazosプラットフォームの概要


 ここからは,ようやく明らかになったAPUと,Brazosプラットフォームの主な仕様を見ていきたい。

 4製品に採用された「Bobcat」(ボブキャット)コアは,1コアあたり,容量各32KBのL1データキャッシュとL1命令キャッシュに,容量512KBのL2キャッシュを搭載し,2つの整数演算パイプラインと1つの64bit 浮動小数点演算パイプラインを統合。「アウトオブオーダー型の命令実行と優れた分岐予測により,インオーダー型のAtomよりも低消費電力で効率的な演算処理を実現できる」というのが,AMDの主張だ。

Bobcatコアのブロックダイアグラム。40nmプロセスの10メタルレイヤー構成で小さなコアを実現する。x86整数演算パイプを2つと,64bit浮動小数点演算ユニットを統合し,アウトオブオーダー型命令実行により,演算効率を高めているという
AMD E-Series,AMD C-Series

AMD E-Series,AMD C-Series
BrazosプラットフォームのAPUアーキテクチャダイアグラム。「5x8 PCIe」という表現も見えるが,実際は,拡張スロット&デバイス用にPCI Express 2.0 x4 ×1(またはx1 ×4),FCHとの接続用にPCI Express x1 ×4ベースのUMI(Unified Media Interface)を採用している
AMD E-Series,AMD C-Series
Brazosプラットフォームのブロックダイアグラム
 最上位のE-350は,このBobcatコアを2基搭載し,1.6GHzで動作。GPUコアには,DirectX 11に対応した80基のStreaming ProcessorとUVD 3エンジンを備えた「Radeon HD 6310」を搭載する。性能的には「ATI Mobility Radeon HD 5430」と同等とのことだ。
 Radeon HD 6310は2基のデジタルディスプレイインタフェースと,1基のD/Aコンバータを内蔵しており,最大で3台のディスプレイ出力が可能(うち1基のデジタルディスプレイインターフェースは,ノートPCのパネル出力用としてLVDS出力にも対応する)。メモリコントローラはシングルチャネルのDDR3-1066対応構成で,DIMMスロットは最大2本をサポートする。

 APUのアンコア部に統合されるPCI Expressインタフェースは,Gen.2対応のx1×4レーンで,South Bridge機能となるFCH(Fusion Controller Hub)との接続にはPCI Express 1.1 x4ベースのUMI(Unified Media Interface)が採用される。
 E-350と組み合わされるFCHは,「Hudson M1」(ハドソンM1)という開発コードネームで知られる「FCH A45」(※ただし,Dumbeck氏は「A50」と述べていた。どちらが正しいのかは現在のところ分からない)で,4レーンのPCI Express 2.0インタフェース,6ポートのSATA 6Gbps,14ポートのUSB 2.0,2ポートのUSB 1.1などに対応するものだ。

 一方のC-50は,Bobcatコアを2基搭載し,1GHzで動作。GPUコアには,AMD E-350が搭載するRadeon HD 6310より低クロックで動作する「Radeon HD 6250」が採用されている。
 Radeon HD 6250が搭載するStreaming Processor数は80基で,Radeon HD 6310と同じ。TDPを9W以下に抑えるため,動作クロックは,Radeon HD 6310の500MHzに対して280MHzと半分強にまで抑えられているが,それでも「(Atomベースの)現行Netbookと比べれば,11倍以上のグラフィックス性能を発揮する」(AMD)のが強みだ。

Brazosプラットフォームの概要。ディスプレイインタフェースとして,デジタル×2,D/Aコンバータ×1を内蔵し,最大3基のディスプレイ出力に対応。メモリインタフェースはシングルチャネルDDR3-1066に対応し,1.50Vのほか1.35Vの低電圧DIMMもサポートする
AMD E-Series,AMD C-Series

 なお,冒頭でも紹介したように,AMDはE-350,C-50のそれぞれ下位モデルとして,シングルBobcat仕様のE-240とC-30も用意されており,いずれも上位モデルと同じGPUコアを統合している()。



「よりリッチなグラフィックス体験を実現するFusion APU」


 AMDは,Fusion APUによって第3のパーソナルコンピューティング環境が切り開かれるはずだと主張する。そのカギとなるのが,以下の3要素だ。

  1. Fusion APUによるHD 2.0時代のスタート
  2. ノートPCにおけるパーソナル・スーパーコンピューティングの実現
  3. AllDay Power

AMDがFusion APUで目指すユーザー体験
AMD E-Series,AMD C-Series
 AMDが定義するHD 2.0とは,「より優れたインターネット体験や,ビデオ,ステレオ3D表示,最高のゲーム描画品質を高解像度で再現できるようにすること」。そのためにAMDは,Fusion APUのグラフィックス性能を引き出すべく最適化されたソフトウェアエコシステムを構築すべく,主要ソフトウェアデベロッパの協力を仰ぐ。さらに,DirectX 11世代のGPUコアの統合により,大幅に向上する浮動小数点演算性能を活かし,イメージ検索や顔認識といったアプリケーションを,低価格ノートPCでも利用できるようにしたい考えだ。また,CPUとGPU,そしてNorth Bridgeの機能を1つのシリコンに統合することで,省電力性を高め,6セルバッテリーで8時間強の駆動時間を実現したことを謳うマーケティングキーワード「AllDay Power」も,ノートPCの用途を広げるきっかけになると見ている。

「ユーザーが活用するアプリケーションを分析したところ,400ドル前後のPC製品では,グラフィックス性能向上のほうが,CPU性能の向上よりもより優れたユーザー体験をもたらすことができると分かった」というスライド
AMD E-Series,AMD C-Series
AMD E-Series,AMD C-Series
HD 2.0は,最新のビジュアル体験をエントリー製品にももたらせるだけの実力を持つ。それを活かすためにAMDは,主要ソフトウェアデベロッパと協力し,Fusion APUに対応したソフトウェアエコシステムの構築を目指す
AMD E-Series,AMD C-Series
AMDは,APUで高性能なGPUコアを統合することにより,ノートPCでパーソナルスーパーコンピューティング機能を実現可能だと主張。顔認識やイメージ検索なども容易になると見ている

 AMDが公表したE-350の性能指標によると,Pentium 6000シリーズ――ノートPC向けのPentium P6000シリーズを指すと思われる――との比較において,1080p解像度のAdobe Flash形式ビデオ再生で150%,演算性能の目安となるGFLOPS値で23%,3DMark06の総合スコアで30%高い性能を発揮しつつ,(同じバッテリー容量で比較した場合)バッテリー駆動時間はPentiumシステムが6.24時間のところ,E-350のシステムなら「1日の活動時間とほぼ同じ」(AMD)10.4時間にまで達するとのことだ。

 AtomキラーとなるC-50の場合,「Atom N550/1.5GHz」に対し,1080pのAdobe Flash形式ビデオの再生で150%,3DMark06のスコアでは11倍以上高い性能を発揮できるという。Atomシステムの場合,CPU性能的には足りていても,貧弱なグラフィックス性能が理由でマトモにプレイできないゲームが少なくなかっただけに,11倍高いとされる3D性能には期待が高まるところである。

AMDが公表したパフォーマンスデータ。3D性能でC-50がAtom N550ベースのシステムより10倍以上上回るなど,景気のいい数字が並ぶ
AMD E-Series,AMD C-Series
AMD E-Series,AMD C-Series

 ただ,世界初のFusion APUとなった今回の4製品に,性能面での過度な期待を寄せるのは酷かもしれない。
 というのも,上で示された性能データは,あくまでもE-350やC-50が得意とするジャンルのみの結果だからだ。AMDが別途公開したデータによると,グラフィックスや浮動小数点演算性能で,E-350はK8コアベースの低消費電力版デュアルコアCPUたる「Athlon II N350/2.4GHz」や,Pentium 6000シリーズを上回る一方,「PCMark Vantage」の「Productivity」テストでE-350が出すスコアは,両CPUの半分強に留まっていたりもする。

AMDが公表したもう1つのパフォーマンスデータ。CPUベースワークロードとして,PCMark VantageにおけるProductivityテストの結果も公開されているが,E-350の性能はAthlon II N350やPentium 6000の半分強しかない。なお,本データの「Compute Capacity」におけるPentium 6000のGFLOPS性能はCPUコアのみの値となっているようだ
AMD E-Series,AMD C-Series

 実際,大手ODMベンダー関係者は,「AMD C-Seriesの性能は,グラフィックス周りを除くと,よくも悪くもAtom対抗製品に過ぎない」とし,「ノートPC向けというよりは,タブレット端末などへの展開のほうが向いているかもしれない」と指摘していた。
 また,AMDでクライアント向け製品のマーケティングを統括するBob Grim氏(Director, Client Product Marketing)も,「Brazosは,2010年のAMDプラットフォームに対して10〜50%といったレベルでグラフィックス性能向上を果たすが,CPU性能は,現在のコンシューマアプリケーションで“良好”(Good)なパフォーマンスを示すレベルであり,既存製品から大きく向上するわけではない」と釘を刺している。

BrazosのNetbookやノートPCへの実装イメージ。より高性能を志向する製品には単体グラフィックスの採用が推奨されている
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series
Brazosプラットフォームと,既存のNileプラットフォームとで性能を比較したスライド。Brazosがグラフィックス性能の向上と低消費電力化を優先して開発されてきたことを再認識できるデータだ。なお,Brazosプラットフォーム全体のTDPは21Wで,アクティブ時のコア平均消費電力は6.50W,アイドル時だと同2.71Wというデータも見て取れる
AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series AMD E-Series,AMD C-Series

 AMDはODMに対し,低価格なノートPCで性能を向上させるには,ミドルクラスの単体GPUを拡張するのを推奨しているようだが,前述のとおり,BrazosプラットフォームのPCI ExpressはGen.2のx4接続なので,GPUの性能をどれだけ引き出せるか疑問視する向きもある。その意味で,4Gamer読者の大多数にとって,本格的なAPU時代の幕開けは,2011年半ばといわれているLlanoの登場を待つ必要があるかもしれない。

C-SeriesのAPUを搭載したASUSTeK Computer製Netbook「Eee PC」で,高解像度ムービーを再生しつつ,DirectComputeのデモ「NBodyGravity CS11」を実行させているところ。問題のないムービー再生を実現しつつ,CPU負荷は40%程度に留まっている
AMD E-Series,AMD C-Series
 しかしそれでも,AtomベースのNetbookをはるかに上回る3D性能という響きに,大きな魅力が感じられるのも確かだ。すべては無理だとしても,カジュアルな3Dゲームや3Dオンラインゲームが動いてくれるようになるだけで,PCゲーマーのモバイル環境は劇的に改善するはずだからである。
 2010年12月25日の記事でお伝えしているように,AMDは積極的にFusion APUの高性能化を推進していく姿勢を見せている。低価格なPCゲーム環境を底上げする存在たるFusion APUの今後に期待したいところだ。

AMDのFusion APU製品特設ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    AMD E-Series,AMD C-Series

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