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印刷2012/06/23 00:00

レビュー

実勢価格は1万円超え。破格のゲームパッドにはどんな価値があるのか

Mad Catz MLG Pro Circuit Controller

Text by Gueed


MLG Pro Circuit Controller for PlayStation 3(左),MLG Pro Circuit Controller for Xbox 360(右)
メーカー:Mad Catz
問い合わせ先:jpsupport@madcatz.com
実勢価格:1万1800円前後(2012年6月23日現在)
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ゲームパッド派なら腰を浮かさずにはいられない製品が,2012年5月24日にMad Catzから発売された。D-Pad(十字キーともいう)とアナログスティックの形状や配置を交換可能であること,そして何より1万1800円(税込)という強烈な価格設定が話題となっているワイヤードゲームパッドだ。
 製品名は「MLG Pro Circuit Controller」(国内製品名 MLG プロサーキット コントローラー,以下 PCC)。PlayStation 3向けの「for PlayStation 3」と,Xbox 360向けの「for Xbox 360」が用意されている。

 「D-Padとアナログスティックの位置を変えられる」と聞くと,現在はMad CatzのブランドとなっているSaitek製ゲームパッド「Cyborg Rumble」を思い浮かべる人も多いだろうが,Mad Catzによれば,Cyborg Rumbleとは異なるコンセプトの製品とのこと。そもそも,北米のe-Sports団体「MLG」(Major League Gaming)のライセンスを受けているという時点で,その方向性が異なるのは明白だったりする。
PCCの製品ボックス。安くないデバイスだからといって妙に扱いが丁寧な自分がちょっとイヤ
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 では,PCCというのはどんなゲームパッドなのか。今回はプレイヤーの受けられる恩恵という点から,PCCの特徴ををじっくり見ていきたいと思う。

 なお,今回4GamerではPCCのPlayStation 3(以下,PS3)版とXbox 360版を両方入手しているが,仕様面で似たところが多いため,基本的にはPS3版を用い,必要に応じてXbox 360版の言及を加えることにする。以下,とくに説明なくPCCと書く場合はPS3版のことを指すので,その点はあらかじめご了承を。


まずは部品構成と本機の基本的な特徴を確認

もちろん目玉は交換可能な「ProModule」だ


Mad Catz,Saitek,TRITTON
PCCの製品ボックスはこんな感じで開く
Mad Catz,Saitek,TRITTON
PCC一式をProCaseにしまってみたところ。中は,マジックテープ式の仕切りによって,レイアウトを自由に変更できる
 半分に割れる形となっているPCCの製品ボックスをパカッと開くと,一方にPCCの本体となるパッド部が,もう一方にオプションパーツが収納されている。「そもそもどんなゲームパッドなの?」という疑問はもっともだが,ここはこらえてもらって,まずは内容物の確認から始めさせてほしい。

 というわけで下の写真は,PS3版PCCの内容物を並べてみたものだ。持ち運んだり片付けたりするときに使うバッグ「ProCase」とPCC本体,マニュアル兼保証書以外は,すべてなんらかの形でPCC本体に装着して使うことになる。

 写真に即した形で紹介すると,まずProCaseの下に見えるのは専用ケーブル「ProCable」。本体の左下に三つ並んだのは交換用アナログスティックおよびD-Padモジュールで,総称は「ProModule」となる。その下に3つ並んだプレートは「フェイスプレート」だ。
 写真右端のカバーは「ウェイトドア」だが,これの詳細は後述する。

PS3版PCCの内容物。写真左上がProCaseで,その下が着脱式のケーブル「ProCable」,さらにその下がマニュアル兼保証書だ。写真右側には,本体と交換用アナログスティック&D-PadのProModule,交換用フェイスプレート,ウェイトドアを並べてある
Mad Catz,Saitek,TRITTON

 以下,どのようにして各パーツをPCCに装着していくのか,部位ごとにチェックしてみたい。


■3ピースのフェイスプレート


フェイスプレートは,マグネットの磁力でパッド本体に「カシャッ!」と吸い付く。なかなか面白い機構だ
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ゲームパッドにしては珍しく,PCCではフェイスプレートを交換可能。フェイスプレートは,パッド正面部と両グリップ部の3ピース構造で,光沢およびマットの2種類が3ピースずつ同梱されている。
 今後,デザインや手触りの違いだけでなく,グリップ部分に吸水性の素材を用いたものなどが出てきたりすると面白いかもしれない。現実的なところではタイアップ品が出る可能性もあるだろう。

フェイスプレートは光沢(左)およびマット(右)タイプが用意される。今回は3ピースの仕様を揃えて撮影しているが,もちろん好みに合わせて自由に変更できる
Mad Catz,Saitek,TRITTON Mad Catz,Saitek,TRITTON


■ProModule


 上でも述べたとおり,D-PadとアナログスティックはProModule(プロモジュール)という単体部品になっている。これがPCCのメインフィーチャーだ。
 ProModuleは,パッドの本体部に用意された“穴”に装着して使用する。以下本稿では便宜上,その穴を,下に示した写真のとおり,それぞれホールA・B・Cと呼ぶ。

フェイスプレートをとったPCCのパッド本体部。ProModuleを差し込める穴が3つ空いている。本稿では3つのホールを以下,写真で示したとおりに呼ぶのでご注意を
Mad Catz,Saitek,TRITTON
Mad Catz,Saitek,TRITTON
ProModuleをホールにはめて,右に回すとロック,左に回すとリリース。ProModuleはフェイスプレートを外した状態で脱着する
Mad Catz,Saitek,TRITTON
ProModuleの接点はこのような形になっている。左がD-Pad,右がアナログスティックで,接点の形状自体は変わらない

Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ホールAとホールBには,D-PadとアナログスティックのProModuleをどちらも装着可能で,ホールCはアナログスティックのみを取り付けられる。下に示した写真のとおり,PS3の純正ゲームパッド「DUALSHOCK 3」(以下,PS3パッド)よろしくアナログスティック2本を隣り合うよう並べたり,Xbox 360の純正ゲームパッド「Xbox 360 Controller」(以下,Xbox 360パッド)のように,左アナログスティックをホールAに取り付けるスタイルをとったりということができるわけだ。

Mad Catz,Saitek,TRITTON
PS3パッド風のスタイル
Mad Catz,Saitek,TRITTON
Xbox 360パッド風のスタイル

D-PadとアナログスティックのProModule。いずれも左がPS3風,右がXbox 360風だ
Mad Catz,Saitek,TRITTON
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 PS3版かXbox 360版かを問わず,PCCの製品ボックスには,PS3パッド風のD-Pad×1とアナログスティック×2,Xbox 360パッド風のD-Pad×1とアナログスティック×2が標準で付属するため,ユーザーは,このなかから好きな組み合わせを選択可能。左と右でアナログスティックの形状を変更したり,アナログスティックはPS3風で,D-PadだけXbox 360風にしたりすることも簡単に行える。

 また,Amazon.co.jpの「Mad Catz ショップ」では,セガサターン風D-PadのProModule,あるいは,アナログスティックの高さや“傘”部分の大きさをカスタマイズできるキットなどを購入できる。追加コストを払えるのであれば,さらに細かく設定を追い込んでいくことも可能なのだ。

Mad Catz,Saitek,TRITTON
PS3風のアナログスティックProModuleは傘の部分を着脱可能。オプションパーツとなるスペーサーを入れればその長さを調整できる
Mad Catz,Saitek,TRITTON
定評ある「セガサターン コントロールパッド」に近いD-Pad「MLG ProModule DPad FightPad Style(DF)」も用意される


■3段階の重量調整を可能にする「ウェイトカートリッジ」


手に持っているのがウェイトカートリッジ(+カバー),写真下に見えるのがウェイトドアだ。ウェイトを使わない場合は,ウェイトドアによって本体背面の見た目をスリム化できる
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 PCCには1個35gの「ウェイトカートリッジ」が2つ付属しており,ウェイトなし,ウェイト×1,ウェイト×2という3段階の重量調整が行える。
 ケーブルとウェイトカートリッジを除いたPCC本体の公称重量は,PS3版,Xbox 360版ともに275g。
 Xbox 360版だけ振動機能を搭載しているので,PS3版のほうが軽くなりそうなのだが,実際のところはどうなのか。PS3/Xbox 360版に標準でセットされているProModuleと光沢フェイスプレート,ウェイトドアを取り付けた「パーツあり」時と,それらをすべて取り外した「パーツなし」時とで実測した結果は下記のとおりだ。

  • PS3版:パーツあり270g,パーツなし202g
  • Xbox 360版:パーツあり267g,パーツなし204g

 パーツなしの状態ではXbox 360版のほうが2g重いが,アナログスティック2本の重量は,傘の着脱機構を持つPS3版のほうが5g重いため,パーツをすべて装着した総重量ではPS3版のほうが重くなっている。要するにPS3版では,Xbox 360版と重量をなるべく揃えるべく,取り外せない形で錘(おもり)が内蔵されているということなのだろう。


■付属品に関するまとめ


 以上を踏まえて,PS3版とXbox 360版の違いを下記のとおり整理しておきたい。厳正を期せば,「工場出荷時のProModule配置」も異なるが,変更すればいいだけなので,リストには加えていない。

  • ボタンのラベルやカラーリング
  • 振動機能の有無(PS3版:なし,Xbox 360版:あり)
  • 「クイックリリースコネクタ」の有無(PS3版:なし,Xbox 360版:あり)
  • 2.5mmマイク入力端子の有無(PS3版:なし,Xbox 360版:あり)
  • 「ポートランプ」の有無(PS3版:あり,Xbox 360版:なし)

Mad Catz,Saitek,TRITTON
いずれも,ケーブルは布巻きで頑丈。Xbox 360版にはクイックリリースコネクタが付いている
Mad Catz,Saitek,TRITTON
PCC本体のジョイント部とケーブルの先端は金属性で,やたらとゴツい。だがそれがいい

 PS3版,Xbox 360とも,連射機能はなし。PS3パッドにある「SIXAXIS」(6軸検出システム)は,PS3版PCCに搭載されていない。
 このあたりは「競技用と割り切った製品だから」と考えれば納得だが,それならなぜXbox 360版にだけ振動機能が搭載されているのかという疑問は残る。競技には必要がないならどちらでも省略すべきだし,日常使いを想定するならどちらにも搭載すべきだからだ。
 このあたりは,Xbox 360版のみがプラットフォームホルダーのライセンス品である点に起因しているのかもしれない。

フェイスプレート中央にある「PRO CIRCUIT」のロゴがステッカーなのはちょっぴり気になるところ。指が届きにくい場所ではあるのだが,それでも剥がれるときは剥がれそう
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ともあれ,ProModuleがPCCにおける最大の特徴である点は揺るがない。配置変更というカスタマイズ要素,そしてモジュールそのものの変更という拡張要素を合わせ持っている点にはワクワクさせられる。実用の面でも,アナログスティックという,比較的壊れやすい(というか消耗品に近い)部品が交換可能というのは安心感が強い。
 なお,PCCには2年の保証が付いている。部品化の進んだパッドの構成に,付属品に,サポート体制にと,プレイヤーと長く付き合うのを前提に設計されているということなのだろう。


形状や基本的なレイアウトはXbox 360パッドを踏襲

一方,パーツはPS3ともXbox 360とも異なるフィーリング


 ここからは実際に手にとって細かく見てみよう。
 下の写真を見れば分かるとおり,PCCの形状は,Xbox 360パッドを踏襲したものになっている。カラーリングや,フェイスプレート周りにあるエッジのアールや面の取り方が異なるため,Xbox 360パッドと並べてみると違和感もあるのだが,実際にサイズを測ってみると,寸法はほとんど同じだ。

PS3版PCCとPS3パッドを並べてみたところ(左)と,Xbox 360版PCCとXbox 360パッドを並べてみたところ(右)。PCCとXbox 360パッドで縦横高さの寸法はほぼ同じ
Mad Catz,Saitek,TRITTON Mad Catz,Saitek,TRITTON
背面と側面はさらさらした手触りのラバーでコートされている。フェイスプレート以外は基本的にコーティング済みという理解でいい
Mad Catz,Saitek,TRITTON Mad Catz,Saitek,TRITTON
上側面から見たところ(左)。ウェイトカートリッジを収める部分が,左右グリップよりも高く突起している。中央はPS3版PCCの下側面にあるポートランプで,右は同じくXbox 360版PCCにあるヘッドセット入力端子
Mad Catz,Saitek,TRITTON Mad Catz,Saitek,TRITTON Mad Catz,Saitek,TRITTON

 以下,各部を細かく見ていこう。


■D-Pad部


 前段で,PCCにはPS3パッド風とXbox 360風,2種類のD-PadがProModuleとして用意されていると述べたが,PS3パッド風のD-Padは,PS3パッドのそれと比べてストロークが大きく固めで,クリック感も強い。
 一方のXbox 360パッド風のほうはもっと強烈で,端的に述べて,Xbox 360のD-Padとは全然違う。Xbox 360パッドよりも上下左右の出っ張りが大きく,上下左右4方向と斜め入力の違いを,手触りで明確に認識できる形だ。また,こちらもストロークは大きく固めになっている。

Mad Catz,Saitek,TRITTON
PS3パッド風D-Pad。PS3パッドとは操作感がかなり異なる
Mad Catz,Saitek,TRITTON
Xbox 360風D-Padの操作感はXbox 360パッドとまったく違う印象


■アナログスティック部


Mad Catz,Saitek,TRITTON
PS3パッド風アナログスティック
Mad Catz,Saitek,TRITTON
Xbox 360パッド風アナログスティック
 PS3風とXbox 360風のアナログスティックとされるProModuleだが,実のところ,両者で異なるのは,スティックの傘となる,指に当たる部分だけだ。倒すときの反力はPS3風,Xbox 360風で変わらず,PS3パッドやXbox 360のそれよりも大きな印象を受ける。反発の強さ順に並べると,PCC>Xbox 360パッド>PS3パッド といったところか。

 スティックの軸の太さや,スティックの可動範囲を規定する枠の径は,Xbox 360パッドと同様。スティックを目いっぱい倒したときの角度もほぼ同じだが,枠から上に見えている軸部分は,PCCの方が1mm長い。


■[△/○/×/□]ボタン


Mad Catz,Saitek,TRITTON
 クリアパーツとなっている[△/○/×/□](※Xbox 360版は[A/B/X/Y])ボタンは,形状,クリック感とも,Xbox 360パッドに近い。あえていえば,PCCのほうがXbox 360パッドより少し柔らかいが,誤差の範囲だろう。
 一点指摘しておくと,今回4Gamerで入手したPS3版PCCは,底打ちしてからの反発が少し鈍かった。PS3版とXbox 360版で同じスイッチが採用されているのだとすれば個体差だが,購入後,きちんとチェックしておきたいところといえそうだ。


■トリガー


Mad Catz,Saitek,TRITTON
 トリガー部(ショルダー部)の形状も基本的にはXbox 360パッド準拠となっているので,ここではXbox 360の表記に倣った形で説明しておきたい。

 トリガー部のデジタルトリガーボタン[LB/RB]は,Xbox 360パッドと比べると,正面から見たときのアールが小さく,クリック感が強い。押下時の音も大きめだ。
 アナログトリガー[LT/RT]のストロークはPCCとXbox 360パッドとでほぼ同じだが,Xbox 360パッドと比べると,PCCのほうが「指の当たる部分」の形状が直線的で,ほんの少しだけ固い。

 なお,今回入手したPCCだと,Xbox 360版で,アナログトリガーを引くときに少し“壁をこする”ようなぎこちなさがあった。これも個体差だと思われるが,致命傷になりかねない部分なので,ここも購入後にはすぐチェックしておくのが無難だろう。


■そのほかのボタン


Mad Catz,Saitek,TRITTON
 PS3版PCCにおける[PS]ボタンと[SELECT][START]ボタン,Xbox 360版PCCにおける[Xboxガイド]ボタンと[BACK][START]ボタンは,ともにパッド中央上部の高い位置に置かれている。
 PS3パッドではゴムだった[SELECT][START]ボタンはプラスチック製になっており,押した感触も固めだ。


FPS,ドライブ,RPG,格闘で試す

パーツ単体というより,セッティングで恩恵を受けられる


 さて,本題。ゲームを使った検証である。PCCでプレイして,PCCの特徴がどう活きてくるのかを見ていこう。
 今回テストに用いるのは,以下のとおり,PS3用が3本,Xbox 360用が1本だ。

  • FPS「バトルフィールド 3」(PS3)
  • ドライブシミュレータ「グランツーリスモ5 Spec II」(PS3)
  • RPG「Dragon’s Dogma」(PS3)
  • 3D格闘「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」(Xbox 360)

 PCCのProModule選択と配置は,試したうえで,筆者が個人的に「最適」と判断したものをテストに用いた。基本となる方針は,「キャラクターの移動など,最も使用頻度の高いと思われるProModuleをホールAに装着する」というものだ。どのホールにどのProModuleを装着したかは以下,タイトルごとに説明してきたい。


■バトルフィールド 3


ホールA:アナログスティック(Xbox 360風)
ホールB:D-Pad(PS3風)
ホールC:アナログスティック(Xbox 360風)
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 プレイヤーキャラクターの移動がメインと考えて,アナログスティックをホールAにセット。フラッシュライトの点灯/消灯や,射撃モード/武器の切り替えといったデジタルな操作には,上下左右の4方向を押し分けやすいPS3タイプのD-Padを使う。
 アナログスティックにXbox 360風のものを使用しているのは,傘部分にあるくぼみのおかげで指が滑りにくいから。倒したスティックを一定の角度で維持することの多い,バトルフィールド3(以下,BF3)のようなタイトルならこれと考えたわけだ。

 プレイしてみると,AIMにおいては,やはり少し固めのスティックが精度を高めてくれる印象である。ゲーム側のセンシビティ設定を同じとした場合,柔らかいスティックと固いスティックでは,後者のほうが「微妙な操作を固さに頼り,素早い操作を筋力に頼る」ことができる分,精度と速度を両立させやすいということだろう。
 PS3風のD-Padを利用できるため,射撃モード変更などのデジタル操作における誤入力はほとんどない。これまでXbox 360パッドを使ってきたプレイヤーには嬉しいポイントではなかろうか。


■グランツーリスモ5 Spec II


ホールA:アナログスティック(PS3風)
ホールB:D-Pad(PS3風)
ホールC:アナログスティック(PS3風)
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ステアリングには,PS3用のアナログスティックを選択し,これをホールAに装着した。これは,BF3でいうキャラクター移動とは異なり,ステアリングには「ニュートラルに戻す」,つまり「アナログスティックをパッと離す」操作が存在するためだ。PS3風のアナログスティックが持つ「指を滑らせやすい」特性が活きてくると判断した結果である。

 プレイしてみると,PS3パッドと比べてアナログスティックが固いというのが,BF3と同様,スティックを一定の角度で保つ必要のある高速コーナーにおける安定感を高めている。固いスティックは本当にメリットが分かりやすい。
 また前述のとおり,PCCには,スティック長を調整できるスペーサーがオプションで販売されている。スティックが長くなればそれだけステアリングの分解能も高まると思われるので,こちらを試してみるのもアリだろう。


■Dragon’s Dogma


ホールA:アナログスティック(Xbox 360風)
ホールB:D-Pad(PS3風)
ホールC:アナログスティック(PS3風)
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 メインとなるホールAには,キャラクター移動のためのアナログスティックを装着。Dragon’s Dogma(以下,DD)では,急いでニュートラルに戻したりする必要がないので,傘の部分が指にフィットするXbox 360風のものを選択した次第である。
 一方,カメラ位置変更のためのアナログスティックには,ちょんと押せて引っかかりの少ないPS3風を選択している。デジタルな操作しか行わないので,D-PadはPS3風だ。

 ……と,細かく設定しておいてなんだが,DDにおいて,PCCを使用することによる明確なメリットは見えない。キャラクターの移動速度はスティックを倒した量によって段階的に変化するが,忍び足などの微妙な操作を行うシチュエーションはまれだ。プレイ中は,長距離移動時に使用するダッシュ(=[L3]を押しながらのスティック操作)をはじめ,スティックを倒し切っていることが多いので,むしろアナログスティックは,PS3パッドのような軽いもののほうがよさそうだ。

 もっとも,PCCではXbox 360パッドのデザインが踏襲されており,PS3パッドに比べてグリップのホールド感が高いことと,ホールAにアナログスティックを装着できることによって,片手持ちでのプレイしやすさが増している印象は受けた。「ながら」とまではいかないものの,キャラクターの長距離移動時などに右手がフリーとなって,近くの飲食物などに手を伸ばしやすくなっているというのは,相応にポイントが高いと感じている。


■スーパーストリートファイターIV アーケードエディション


ホールA:D-Pad(Xbox 360風)
ホールB:アナログスティック(PS3風)
ホールCアナログスティック(PS3風)
※写真はPS3版PCCですが,テストはXbox 360版PCCで行っています
Mad Catz,Saitek,TRITTON
 ホールAには斜め入力のしやすいXbox 360風D-Padを装着し,ホールBとCにはPS3タイプのアナログスティックを装着した。ゲームプレイにあたってアナログスティックは基本的に使わないので,PS3風でもXbox 360風でもいいのだが,今回はPS3タイプをセットして,傘の部分を外して,誤操作を避けることにした次第だ(※前述のとおり,傘の部分を外せるのはPS3風スティックのみ)。

 気になるD-Padの操作感だが,きちんと斜め方向に入力でき,Xbox 360パッドのそれよもり上下左右をはっきりと押し分けられるのは見ためのとおりである。Xbox 360パッドのD-Padは,底打ち気味に押さないと,6644といった入力でステップが出損ねる場合があったが,本機にそういう問題はなかった。

 ただ,これは筆者の指ポジショニングに問題があるからかもしれないが,あと少し,本当にあと少しだけ,斜め入力を入れやすくなればなとも感じている。たとえばキャラクターがしゃがみ状態にあって「指に下向きの力がかかっている」とき,斜め押し要素を含む昇龍拳コマンドなどを出すとミスが出やすい傾向にあったのだ。斜め方向にボタン部分がないせいだと考えられるので,“サターンパッド”に近いD-PadのProModuleを試してみたほうがいいのかもしれない。


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 このほか,アクション系タイトルに共通のメリットとしては,PCCの重量調整機構も挙げられよう。
 個人的には,パッドを空中に浮かせたような状態で握ることはまずなく,膝の上に置くようにして操作しているため,ウェイトカートリッジもとくに取り外したりせず,装着したままプレイしていたのだが,ウェイトのおかげで,ボタン押下時の無駄な振動は抑制されていた。片方の手の操作がもう片方の操作に与える影響を減らせるというのは,ゲームパッドにおいては重要なポイントだ。


価格対性能比を考えるのは野暮

「必要条件」を満たしている人なら検討に値する


Mad Catz,Saitek,TRITTON
 カスタマイズ性を前面に押し出してきているPCCだが,今回いくつかのゲームを試した結果,そのカスタマイズ性は「人の好みに合わせる」というより,「ゲーム側の要求に合わせる」意味合いが強い印象を受けた。ProModuleのレイアウト決めは,まず当該タイトルで使いやすいことを重視して行うことになるからだ。汎用性の高いゲームパッドということになるだろう。
 また,ProModuleのラインナップが拡充していけば,特定のゲームジャンルやゲームタイトルに向けた特化というのもあり得る話である。その意味で,今回,オプションのProModuleをテストできなかったのは残念だが,今後の展開に期待が持てるのも,また確かだ。

 メインボタンやトリガーなどの性能や耐久性が,ベースとなるXbox 360パッドと比べて極端に高いとか,そういうものではない。そのため,ProModuleの存在や,フェイスプレートの交換機構,ウェイト調整機能といったカスタマイズ性に,ケーブルの頑丈さやホールド感のよさ,そしてメーカー2年保証といったプラスアルファのある製品と捉えるのが正解ではなかろうか。

ざっくばらんな話をさせてもらうと,ProModuleが「パッド本体と端子でのみ結合する」点にはワクワクさせられる。オリジナルのインタフェース(!)を自作する場合に,ゲームパッドそのものを実験台とする必要がないということだ。たとえば,特定タイトルに対する超特化型のモジュールを“魔改造”で生み出す猛者が出てきたりすると,面白いような怖いような,でもやっぱり面白いような気がする
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 では,具体的な取捨選択のポイントはどこにあるか。

 競技用のデバイスとして考える場合は,「そもそも大会規則に違反していないか」を確認する必要がある(※MLGのライセンス品で,かつ,連射やマクロといった機能もないため,多くの場合は問題ないと思われるが)。
 問題なく利用できるとして話を続けると,あとは競合製品との比較のなかで,PCCに「これだ」という感覚を持てるかどうかがカギとなる。「勝つ」という目的に向けてPCCが最適だということになれば,本製品の価格が1万円強というのは些細な問題に過ぎなくなるだろう。

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 一方の一般ゲーマーでは,複数のタイトルを,何らかの理由からすべてゲームパッドでプレイする必要があるかどうかがカギとなる。たとえば,家庭や住宅の事情から,ステアリングコントローラやアーケードスティックなど,場所を取り,ときには動作音も大きくなるコントローラは使えないとかいったケースだ。「ゲームパッドを使わねばならない」層からすると,さまざまゲームジャンルをものともしないPCCの汎用性は,相当魅力的に映ると思う。

 ただこれらはつまり,いま挙げたような人達以外にとって,1万円強というコストと引き替えにPCCを入手するメリットが乏しいということでもある。最初から「Pro」を名乗っているので当たり前といえば当たり前だが,PCCはやはり,「コストパフォーマンス」という概念の外にある製品なのだ。

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    Mad Catz,TRITTON

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