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印刷2010/09/11 09:20

連載

【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る

西川善司 / グラフィックス技術と大画面とMAZDA RX-7を愛するジャーナリスト

(善)後不覚

blog:http://www.z-z-z.jp/blog/


 夜空を見上げて「あの星々の輝きは,はるか数千年前の昔の光なんだよ。僕の君への愛もあの星の輝きのように幾千年も……」と甘ったるいセリフを吐いたことが誰しもあるかと思いますが(?),これと同じようなことがPCやゲーム機でも起きています。いや,起きているのは「愛のささやき」のほうじゃなくて,「昔の光」という部分ですが。
 そう,PCやゲーム機から出力される映像は,ディスプレイやテレビに出力されるまで若干の遅延がある場合があるのです。

 今回は,そのあたりの話題を取り上げようと思います。


表示遅延がなぜゲーマーにとって恐ろしいのか


 ゲームは基本的に,「プレイヤーとなる人間が,表示された映像を見て,それに対するレスポンスをコントローラに対して入力する」ことで成り立っていますが,PCやゲーム機から出力された映像がディスプレイ機器(※本稿ではPC用ディスプレイとテレビの総称とします)に表示されるまでの間に,若干の遅延が発生していることが多いんです。
 ところてん式というか,パイプライン式な遅延なので,DVDやBlu-rayのビデオを再生していたり,テレビ放送を流していたりといった,連続した映像を見ている限り,この遅延が問題になることはありません。しかし,リアルタイムなレスポンスが連続して求められるゲームプレイだと,この遅延は,ゲームプレイの根幹を揺るがしかねないほど重大な問題になってきます。
 これを示したものが下の図です。

(1)ゲーム機側が映像を出力
(2)ゲーム機側だとプレイヤーキャラクターはすでに攻撃を食らっている
(3)回避操作をした時点でプレイヤーキャラクターはダメージを受けていた
(イラスト:大鷹)

上の図,ひょっとするとほかのメディアで似たようなものを見たことがあるかもしれません。これは実のところ,とある広告企画で提出した,ボクの手描き下絵を基にしたものです。ちなみに,ボクは中学時代美術部だったほどにお絵描きが好きなので,各メディアで掲載している技術解説記事などの下絵は,ほとんど自分で描き起こしています。かなりの余談ですが,「某メディアで見かけるあの絵のマネだ」と指摘される前に,言い訳をしておきたく(笑)
【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る
 ここで示しているように,ディスプレイ機器側は,映像入力端子からやってきた映像をすぐには表示しません。これが遅延です。
 ただ,遅延が起きていることはプレイヤーには分かりませんから,表示された映像をそのまま受け取って,プレイヤーはコントローラを操作します。このとき,コントローラの操作はリアルタイムでPCやゲーム機に伝わりますが,その時点でPCやゲーム機側は「ディスプレイに表示されている映像よりも先の映像」を作り出して,ディスプレイ機器側に伝送を仕掛けています。そのため,格闘ゲームなら,攻撃のガードが間に合わないとか,シューティングゲームならば敵弾の回避が間に合わない,音楽アクションゲームならばタイミングが一律でズレまくるといった事態が生じてしまうわけです。

 この表示遅延は,ゲームシステムそのものに起因する場合もあるのですが(※3Dゲームは最低1フレーム遅れる),より大きな要因として,ディスプレイ機器内部の高画質化ロジックが挙げられます。
 ディスプレイ機器に搭載された映像エンジンは,数フレーム分の時間を費やして,ディスプレイ機器側にやってきた映像を加工処理します。とくに最近の高度な高画質化エンジンを搭載した機種は,フレームバッファを持っており,Adobe Photoshopもかくやという高度な画像加工を行ってから表示するものもあったりして,この遅延時間は機種によってまちまちです。

 もう時効でしょうからお話ししますが,今のブラビアになる前,ソニーのテレビがベガ(WEGA)と呼ばれていた頃,「DRC-MF」という映像エンジンを搭載したモデルがあったのですが,これらは遅延がひどかったんですよね。AVマルチ入力という,PlayStation 2接続用の高画質入力端子を持っていながら,遅延が10フレーム前後かそれ以上あったため,アクションゲームなどはマトモにプレイできなかったのです。
 ゲーム機を作っているソニーですらそんな有様でしたから,「ディスプレイ機器の表示遅延がゲームプレイに大きな問題となっている」ことに気づいて対応してくれるメーカーは少なかったですね。

 ボクはテクニカルジャーナリストとは別にもう1つ,大画面映像機器評論家(笑)を名乗っている関係で,映像機器メーカーの方と会うことも多く,「表示遅延なんとかしましょうよ」と地味なロビー活動を2000年初頭からしていました。当初はあまり真剣に対応してもらえませんでしたが,最近になって,東芝などは,ボクの意見に耳を傾けてくれるようになりました。
 実際には,ボクだけでなく,日本や世界各国のゲームファンが,こうした意見をディスプレイメーカーやテレビメーカーに寄せるようになっていまして,「表示遅延は悪」という空気ができあがったと言っても過言ではありません。なので,一部のメーカーを除けば低表示遅延のプリセット画調モードを搭載した機種が増えてきています。

 これは嬉しいことです。しかも,表示遅延が何フレーム分なのかを正直に言うメーカーも出てきたりして,ゲームファンにとっては製品選びがしやすくなったといえます。


表示遅延が最も少ないディスプレイ機器はどれだ!?


 実際に,最近の液晶テレビやモニターの低表示遅延モードが,どのくらい表示遅延が少ないのかを調べてみることにしました。
 調査対象としたのは,下記のラインナップで,いずれもボクの私物。E2350VRだけがPC用ディスプレイで,あとはテレビになります。

  • 東芝レグザ 46ZH500(2008年モデル)
  • 東芝レグザ 46Z9000(2009年モデル)
  • 東芝レグザ 19RE1(2010年モデル)
  • LG Electronics E2350VR(2010年モデル)

VGA-HDSP4
メーカー:サンワサプライ
問い合わせ先:問い合わせページ
実勢価格:2万5000〜3万2000円程度(※2010年9月11日現在)
【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る
 このテストは,調査対象のディスプレイ機器以外に,いくつかの特別な機器を必要とします。
 1つは,入力した映像信号を,複数のディスプレイへ同時に出力する分配機。今回のテスト対象は最も古いものでも2008年モデルなので,HDMI接続することにして,サンワサプライから「VGA-HDSP4」という製品をお借りしました。
 本製品は1入力を4台のディスプレイ機器に分配する能力があり,HDCP,HDMI 1.3b対応。しかも,フルHDとなる1920×1080ドットを超える1920×1200ドットをサポートしており,PCとの親和性も良好です。PCとゲーム機,AC機器のすべてを接続できるので,今回のテストにはおあつらえ向きなのです。

VGA-HDSP4で1入力を分配。分配機を通すことで表示遅延が発生しても,出力自体は同時なので,相対評価には問題なしだ
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EX-FC150。実勢価格は1万4000〜2万4000円前後(※2010年9月11日現在)
【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る
 もう1つは,表示遅延を定量的に捉えられる装置で,これには毎秒120fps以上の速さで高速撮影できるカメラが最適。いい時代になったもので,民生機でこの要件に応えられる製品があったりするのです。カシオのHIGH SPEED EXILIMシリーズなら,120fpsで,640×480ドット,240fpsでも448×336ドットで動画撮影できます。機種は色々あるのですが,今回は4Gamer編集部にあった「EX-FC150」を使うことにしました。

LCD Delay Checkerのメインメニュー
 表示遅延計測用のテスト映像を出力してくれるソフトは,国内で有名な,新坂秀敏氏作の「LCD Delay Checker」を用います。
 本ソフトの公開ページでも説明されているとおり,絶対的な測定を行うには表示遅延なしのブラウン管ディスプレイ機器が必要なのですが,HDMI(あるいはDVI)入力できるブラウン管製品を持っていないので,今回は相対評価に留まることとなります。つまり,「表示遅延の一番小さいテスト対象機と比べ,ほかがどれくらい遅れているか」を測定するということです。そのため,副次的にですが,4機種のうち,表示遅延が最も小さいものがどれかも調べられることになります。


最速製品と最遅製品とでは3フレームの差!


 接続手順や調査方法は以下のとおりです。

  1. 「GeForce GTX 280」搭載グラフィックスカードを差したWindows 7搭載PCの映像出力を,DVI−HDMI変換しつつVGA-HDSP4に入力。VGA-HDSP4の4出力をテスト対象の各ディスプレイ機器にHDMI接続する。
  2. LCD Delay Checkerは,当該フレーム番号と経過時間などを表示してくれるので,この表示画面をEX-FC150で120fps撮影する。
  3. 撮影結果をコマ送りで見て,フレーム番号や経過時間が最も先行している機器こそ,表示遅延が最も小さく,すなわち最速で表示できる製品と判断できる。

 実際に試したビデオを下に示しました。左上が46ZX9000,右上が46ZH500で,左下が19RE1,右下がE2350VRです。
 テストにあたって,46ZX9000と19RE1は「ゲームダイレクト」をオン,46ZH500は「ゲーム画調モード」をオンにしてそれぞれ表示遅延低減設定を行いました。一方,いわゆるゲームモードを持っていないE2350VRは「NORMAL」画調モードとなっています。なおE2350VRの場合,高画質化ロジックのオンオフに関係なく,常に低表示遅延モードになっているとのことです。


 実際に120fps撮影された動画を細かく見ていくと,19RE1とE2350VRの表示遅延がほぼ同等になっています。経過時間に目をやるとE2350VRのほうが1/100秒の桁で19RE1よりも若干上のことが多いため,厳密にいえばE2350VRのほうがより高速ですが,ほぼ同じと言ったほうが正しいと思います。
 そして,19RE1とE2350VRの2トップから常に1フレーム分遅いのが46ZX9000。そして,46ZH500は2トップから3フレーム遅れました。

テスト中に撮影してみたところ
【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る

 PC用ディスプレイであるE2350VRは非常にシンプルな構造なので,表示遅延が小さいのはある程度予想がつきましたが,19RE1がかなり健闘したことに驚いた人も多いかもしれませんね。
 19RE1が高速なのは,一般的なテレビがHDMI経由でやってきた,「映像データを一度1フレーム分のメモリに書き込み終わってから次の機能ブロックに手渡す」というところを,「約1/5をバッファリングした時点で,次の映像処理機能ブロックに伝送を開始してしまう」オーバーラップ処理が実現されているためです。

レグザ2010年モデルの一部には表示遅延の徹底排除を目指したモデルが存在する
【西川善司】アナタははるか昔の映像を見ている!〜ゲーマーの敵「ディスプレイ表示遅延」の正体に迫る

 このオーバーラップ処理を搭載した低表示遅延モードは,RE1シリーズ以外だと,Z1,HE1にも搭載されているので,気になる人はチェックしてみてください。
 ちなみにこのあたりの低表示遅延機能,ちょうど1年ほど前にレグザ開発チームと意見交換をして実現された機能なんです。今年もまた,要望出しと,ちょっとした表示遅延低減のためのアイデアを提言したので,来年以降のモデルでも乞うご期待といったところでしょうか。

 次回は,実際のゲームでフレーム遅延がどうなっているかを見ていこうと思います。

■■西川善司■■
テクニカルジャーナリスト。4Gamerの連載「3Dゲームエクスタシー」をはじめ,オンライン/オフラインのさまざまなメディアに寄稿したり,バカゲーを好んでプレイしたり,大画面にときめいたり,観切れないほどBlu-rayビデオを買ったり,オヤジギャグを炸裂させたりして毎日を過ごしている。
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