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自称「真の新世代ゲーム機」は買いなのか。「ALIENWARE Alpha」をゲーム機として評価してみる
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印刷2015/02/28 10:00

レビュー

自称「真の新世代据え置き型ゲーム機」を,ゲーム機としてガチ評価してみる

ALIENWARE Alpha

Text by BRZRK


ALIENWARE Alpha
メーカー:Alienware(Dell)
問い合わせ先:問い合わせ先一覧ページ
実勢価格:7万5384円(税込)から(※2015年2月28日現在,モデルにより異なる)
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 AlienwareからE3 2014のタイミングで発表され,昨秋には日本市場でも販売が始まった,ゲーマー向けの超小型デスクトップPC「ALIENWARE Alpha」(以下,Alpha)。東京ゲームショウ2014にも実機がズラリと並んだりしたので,記憶に残っている人も少なくないだろう。Dell,そして同社の日本法人であるデルは,本機を「真の新世代据え置き型ゲーム機」と位置づけている。

 Valveのゲーム配信システム「Steam」と高度に融合したとされるAlphaは,Windows 8.1プリインストールながら,ゲームパッドでの操作を前提とするユーザーインタフェース「Alpha UI」を採用しており,基本的にはゲームパッドだけで,システムメニューを操作できる。そして,Alpha UIからSteamのテレビ向け動作モード「Big Picture」を起動すれば,そのままSteamのゲームをプレイできるというのがウリだ。つまりは,「Big Pictureを前提とすれば,ゲームパッドだけでSteamのゲームを起動できるので,その点ではゲーム機風」だから「据え置き型ゲーム機」というわけである。

 ……であれば,PlayStationやXbox,Wiiといった据え置き型ゲーム機と比較しても問題はないはず。今回は,ゲーマー目線で,据え置き型ゲーム機としてのAlphaを評価してみたいと思う。

Alphaは,いわゆるグレイタイプのエイリアンがデカデカと印刷された製品ボックス入り。いかにもALIENWAREといった感じである。中を開けると,「Alphaのオンスクリーンキーボードをどのように操作するか」を記した多言語シートが出てくるが,これについては後述する
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Alphaと付属品一覧。Alphaの“純正”ゲームパッドは「Xbox 360 Wireless Controller for Windows」だ。付属品はそのほか,ACアダプターとHDMIケーブル,そして,ゲーム機としては非常にアレだが,Windows 8.1のインストール用USBフラッシュメモリが用意されている
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AlphaのスペックをPS4&Xbox Oneとガチ比較

〜Alphaの優位性はどこにある?


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PS4
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Xbox One
 4Gamer読者には釈迦に説法だが,PlayStation 4(以下,PS4)とXbox Oneは,いずれも,PCと似たアーキテクチャを採用した据え置き型ゲーム機である。メインのプロセッサはAMDのAPU――CPUコアとGPUコア,メモリコントローラなどをワンチップ化したもの――となっており,3D性能を大きく左右するGPUコアに至っては,PS4もXbox Oneも,ほぼ最新世代といえる「Graphics Core Next 1.0」(以下,GCN)ベースだ。

 もちろんOSが異なり,また,組み合わせられるメモリの仕様も異なるので,スペックの違いイコール絶対性能の違いという単純な話にはならないのだが,それでも,ざっくりであれば,AlphaとPS4,Xbox Oneを比較することはできるだろう。

 というわけでは,AlphaとPS4,Xbox Oneのスペックを比較したものだ。Alphaは,採用するハードウェアコンポーネントによって「スタンダード」「プレミアム」「プラチナ」の3モデルがあるので,それを加味したものになっている。

※一部筆者推測
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24インチクラスの液晶ディスプレイと並べてみると,Alphaの小ささがよく分かる
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 Alphaが持つ,PS4およびXbox Oneに対するメリットは大きく分けて2つある。具体的にはCPU性能とサイズだ。PS4とXbox Oneに採用されるCPUコアは確かに8基あるのだが,そのマイクロアーキテクチャ自体は,タブレットPCや低価格ノートPC向けのものであり,Alphaが採用するHaswell世代のCoreプロセッサには逆立ちしても敵わない。CPU性能は,最下位モデルとなるスタンダードであってもAlphaが圧勝と断言して問題ないレベルにある。

 また,Alphaはとにかく小さい。体積ベースで比較すると,PS4比で約71%,Xbox Oneの約44%だ。この小ささは,リビングなどに置く据え置き型ゲーム機として魅力的だろう。

本体上面と底面。底面吸気仕様だ
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前面は「ALIENHEAD」と呼ばれるエイリアン型電源ボタンとUSB 3.0(Type-A)ポート×2のみで,残る端子,ACアダプター接続用とHDMI(Type A)の入出力,光デジタルサウンド出力,1000BASE-T LAN,USB 3.0(Type-A)×2はすべて背面にまとめられている。背面には排気孔もあり
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本体両側面には何もない
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 ただ,PS4やXbox Oneと比べた場合,見劣りする部分もある。なかでも最も重要だと思われるのが,3Dゲームをプレイするうえで最大のキモとなる,GPUおよびメモリ周りだ。
 かたやNVIDIA製カスタムGPU,かたやAPUに統合されたAMD製GPUコアなので,直接比較自体にそれほど大きな意味があるとは言えないものの,とくにPS4のGPUコアが持つスペックと比較すると,Alphaのそれは明らかに数字が小さく見える。また,とくに重要なのがメモリ周りで,Alphaはメインメモリとグラフィックスメモリのスペックで,“競合”にまったく歯が立たない

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 今日(こんにち)の据え置き型ゲーム機は,ゲーム自体の高解像度化に合わせて,とにかくメモリ性能を重視した設計になっている。それと比べると,「据え置き型ゲーム機」を名乗りながらも,PCの枠組みに縛られているAlphaのメモリ性能はかなり貧弱だ。とくに「スタンダード」だと,メインメモリアクセスがシングルチャネルなので,あくまでも数字上のこととはいえ,相当に悲惨な感じになる。

 付け加えると,Alphaにとって厳しいのは,いくらDellが「据え置き型ゲーム機」だと言っても,Alpha自体はPCそのものだという点である。
 PS4やXbox Oneは,少なくとも向こう数年間,そのハードウェア仕様に大きな変化が生じないことがほぼ約束されている。しかし,GPUのスペックが現時点でも十分すぎるほどエントリークラスで,交換のできないAlphaは,今後も,進化し続けるPC用GPUという“脅威”に晒され続けるのだ。
 価格を見ても,PS4やXbox One(あるいはALIENWAREの上位モデルなどといった一般的なゲームPC)のほうが魅力的だとしか思えない。このことは,Alphaを据え置き型ゲーム機として導入するに当たって,最大のハードルになるのではなかろうか。

 付け加えるなら,据え置き型ゲーム機として見た場合は,「付属のワイヤレスゲームパッド用レシーバーがUSB接続で,本体からだらりと垂れ下がる」というのが,見栄えを大層損ねている。

USBレシーバーが外付けなのは,据え置き型ゲーム機として見ると非常にダサい。これは何とかならなかったのだろうか
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実際にAlphaを動かしてみる

Steamを使えるようになるまで90分程度は必要


 では,実際にAlphaの火を入れてみよう。

後述するとしたオンスクリーンキーボード解説に寄ったところ。「Alphaの使い方」に関するドキュメントは,事実上,これだけだ
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 初回起動時のAlphaは,いきなり,PCとしての牙を剥きだしにしてくる。具体的にはWindows 8.1の基本設定を行う画面が表示されるのだ。
 もちろんこの設定も付属ゲームパッドのアナログスティックとボタンで行えるので,基本的にはゲームパッドとインターネット接続ができていれば問題なくセットアップできる。ただ,セットアップ周りは全力でWindowsなので,別途キーボードとマウスを接続したほうが,手っ取り早く作業を行えるとは思う。

初回起動時にはまず,国と言語やタイムゾーンを選択し,続く画面でWindows 8.1のライセンス条項を確認。しっかり読んだら[同意します]ボタンを押すと,今度は「Alienwareアップデート」という画面が出てきた。詳細は後述するが,Alphaはドライバの管理法などが一般的なPCとは異なるので,「システムアップデート」「効率的なサポート」のチェックボックスはチェックしておいたほうがいいだろう。メールアドレスの入力は任意だ
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再びWindows 8.1のセットアップに戻り,PCのこまごまとした設定を自動で行う(「簡単設定を使う」)か,手動で行う(「自分で設定する」)かを選択することになる。筆者は前者を選択したが,するとMicrosoftアカウントでサインインもしくは新規のMicrosoftアカウント作成,Microsoftアカウントを使わずのサインインかを選択することになる。Microsoftアカウントでのサインインを選択すると,クラウド上で利用できるストレージ「OneDrive」の説明文が出てきた
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「PCのセットアップをしています」という,ゲーム機とは到底思えないようなメッセージが表示され,若干脱力。いやいや,うん,分かるけど,ちょっとね……。ここからしばらくはWindows 8.1用のセットアップに関わる待ち時間が発生する。ゲームプレイ開始までの道は長い
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 ここまでで最も気になったのは,Microsoftアカウント周りに何の説明もなかったことだ。「Steamと連携したゲーム機なのに,利用にはMicrosoftアカウントが必要」というのは非常に分かりづらいわけで,そこの説明が皆無というのは,不親切だと思う。
 なお,Alphaで初めてWindows 8.xへ触れる人のため,簡単に述べておくと,Microsoftアカウントというのは,複数のWindowsデバイスで共通して利用できるアカウントのこと。MicrosoftはMicrsoftアカウントの利用を推奨しており,実際,使わないと後々不都合があったりするので,どうしても使いたくない理由がない限りは,Microsoftアカウントでのサインインするか,新規に作成するのをお勧めする。

 さて,Windows 8.1のセットアップが終わると,ついにAlpha UIがお目見えする。
 が,この時点ではまだAlphaのセットアップは終わっていない。画面にも「電源を落とさないように注意」とあるとおり,電源ボタンを押したりしないよう注意しよう。ここでゲームパッドの[A]ボタンを押すと,画面中央にあるとおり,「コンソールモード」が立ち上がる。

姿を見せたAlpha UI。「コンソールモード」が何なのかの説明はないが,ざっくり言えば,これが「Steamと連携した据え置き型ゲーム機」としてAlphaを使うためのモードだ。ここではWindowsのタスクバーが表示されているが,コンソールモードに入るとこれは隠れる
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「コンソールユーザー登録」の画面
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 コンソールモードに入ると,最初に「コンソールユーザー登録」の画面が出てくる。何度もゲームパッドで文字入力しているとイヤになってくるのだが,ここはぐっと我慢して入力しよう。ただ,このパスワードが何のパスワードなのかは分からない。入力を終えて[送信]を選んで[A]ボタンを押すと,Alphaは再起動し,「Alpha Console」というユーザー名でWindows 8.1へのサインインが行われるので,このAlpha Consoleのパスワードという可能性は高そうだが,説明はなし。このあたりは実にDellの製品らしい。

ソフトウェアキーボードでパスワードを入力して[DONE]ボタンを押すと,Alphaは一度再起動し,Alpha Consoleというユーザー名で自動的にサインインする
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初回起動時はAlphaのアップデートが入る
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 さあ,ついにAlpha UIが起動! ……と思いきや,今度はAlpha自体のアップデートを行わねばならない。
 もっとも,ダウンロード中に,接続先のテレビ(≒ディスプレイ)解像度や画面サイズ,サウンド出力方法の設定を済ませておけるのはグッドだ。

アップデートのダウンロード中に,画面設定やサウンド設定を済ませておく。最後にドラマ「ナイトライダー」を彷彿とさせるプログレスバーが表示され,しばらくするとAlphaはもう一度再起動した
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今度こそAlpha UIは起動した,起動した,のだが……
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 さあさあ,今度こそAlpha UIの起動だ!!
 しかし,今度は「『新しい更新プログラム』があるから,それをダウンロードしてインストールせよ」と言われてがっくり。「何で1回で終わらせないんだよ!」と激高してもしょうがないので,泣く泣く従った次第である。後で分かったのだが,この「新しい更新プログラム」は「システムアップデート」と呼ばれており,NVIDIA製カスタムGPUのグラフィックスドライバなど,重要なアップデートが含まれているようだった。

そしてまたアップデート
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 今度こそ,今度こそAlpha UIの操作を開始できる。選択肢は「Steamの起動」「設定」「ヘルプ」「電源」で,いずれも問題なく日本語化されているのだが,いわゆる中華フォントな字体なのはちょっと気になる。

これといった注意書きもない状態。これが平常時のAlpha UIだ
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 ほかの3項目も気になるところだが,何はともあれSteamを起動。すると,言語選択を行って,次に利用規約をチェックという流れになる。規約をよく読んだら[同意する]を選択。その後は,手持ちのSteamアカウントでログインする(「Login」)か,新規にSteamのアカウントを作成する(「Join」)かを選ぼう。

4Gamer読者の多くはSteamアカウントを持っていると思われるので,「Login」を選択のうえ,アカウント情報を入力,その後,Steam Guard(Steamガード)によって自動発行されるアクセスコードを入力することになる。右下は「Join」を選択したところで,AlphaからもSteamアカウントの新規登録は可能だ
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 と,いうわけで,ついにBig Pictureモード(関連記事)のSteamが立ち上がった。初回の電源投入から,ここまでざっと90分といったところで,ゲーム機のセットアップとしては,さすがに時間がかかりすぎとは思う。

とうとうここまでやってきた
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 ここで,Alpha UIに用意された「『Steamの起動』以外の項目」も簡単に紹介しておくと,「設定」メニューでは,Alpha UIのセットアップ時に行った,ディスプレイやネットワーク,サウンドといった基本設定の確認や変更を行える。「ヘルプ」では,「アナログスティックでマウスカーソルを動かすための操作法」などといった特殊な操作法を確認可能だ。最後に「電源」は基本的に文字どおりだが,ここからWindowsのデスクトップへ移動することもできる。この点は後述したい。

左から順に「設定」「ヘルプ」「電源」の各メニュー
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インストールしたタイトルをプレイできるだけでなく

ストリーミングやWindowsデスクトップも利用可能


 実際にSteamのゲームタイトルをプレイしてみよう。ここでは,

  1. AlphaでSteamタイトルをプレイする
  2. Alphaからゲームの家庭内ストリーミングを利用する
  3. 非Steamゲームをプレイする

 ことを考えてみたい。


1.AlphaでSteamタイトルをプレイする


ライブラリを見ると,プレイしようとしているゲームがゲームパッドで遊べるのか,一目で分かるようになっている。ゲームパッドアイコンがあるものは,Alpha付属のゲームパッドでプレイ可能だ
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 まずは,Alphaにインストールするケースだが,これはもう,ストアで購入するか,ライブラリから選択するかして,Alphaの内蔵HDDにインストールするだけであり,難しいところはとくにない。注意すべき点があるとすると,ライブラリで,ゲームタイトルの右にゲームパッドアイコンがあるものでないと,ゲームパッドではプレイできないことくらいだろうか。

インストール済みでなければインストールが自動的に行われ,プレイできるようになる。「プレイ」の文字と再生ボタンが表示されたら[A]ボタンを押せばOK
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 ちなみに,キーボードとマウスが必要なゲームではタイトル名の横にキーボードのアイコンが表示されるのだが,このアイコン付きタイトルをプレイしようとすると,注意を促すダイアログが表示された。

プレイするのにキーボードとマウスが必要なタイトルでは,タイトル名の右隣にキーボードのアイコンが表示される(左)。起動時には必ず注意が表示された(右)
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 なお,ゲームパッドとキーボード&マウスの両方に対応しているタイトルの場合,全部の入力デバイスを接続した状態で起動すると,自動的にキーボードとマウスが無効化されるケースがあった。初めからキーボードでプレイするときは,起動の前にゲームパッドを外しておくのが(面倒だが)安全かもしれない。


2.Alphaからゲームの家庭内ストリーミングを利用する


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 Steamには,別のPCを「ホスト」とし,ホストPC上でゲームを実行したうえで,家庭内LANで別のPC(以下,「クライアント」)へゲーム画面を配信して,ホスト上で動作中のゲームをクライアントからリモートでプレイできるようにする「In-Home Streaming」(以下,ホームストリーミング,関連記事)機能があり,Alphaは,このクライアントとして利用することができる(※ホストとしても利用できるが,スペック的に,ホストで使う人はまずいないだろう)。

 ホームストリーミングにあたっては,まず,ホスト上でSteamを起動し,ログインしておく。次に,同じ家庭内LAN内に置いたAlphaから,ホストと同じSteamアカウントでログインする。これで準備完了だ。
 このとき,ホスト側でプレイしたいタイトルを起動しておいたり,ホストあるいはクライアント側で追加のネットワーク設定を行ったりする必要はとくにない。

「Luftrausers」というタイトルをIn-House Streamingでプレイしようとしたところ。「プレイ」が「ストリーム」に変わり,「ストリーム元」にはホストPCの名前が表示された
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 そこまで済んだら,AlphaのSteamから,プレイしたいゲームタイトルを選ぶ。すると,本来「プレイ」と表示されるところが「ストリーム」となり,ホストとなるPCの名称が表示されるのに気づくはずだ。この状態で[A]ボタンを押すと,ホームストリーミングを利用できるようになる。

ホームストリーミングの準備が整うと,ライブラリからゲームを選択したときの起動法が「ストリーム」になる。ここで[A]ボタンを押せば,確認ダイアログ(中央)を経て,ホスト上でのゲーム実行が始まり,画面がAlphaとつながったディスプレイに表示される(右)。なお,左の画面で[Y]ボタンを押して「他のプレイ方法」を選択すれば,Alphaにインストールされたゲームアプリケーションをローカルで起動することも可能だ
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 ホームストリーミングでは,家庭内LANのルーターがよほど低性能なものでない限り,操作上の遅延をあまり感じない。ただ,スポーツ系FPSや格闘などといった,シビアな操作や瞬時の判断が求められるようなタイトルにはあまり向かないのも確かだ。この点は押さえておいてもらえればと思う。

 あと,使っていると,ちょっと困ったことがあった。Alphaからホスト側のゲームを起動するとき,何らかの原因によってホスト側でエラーが出ると,Alphaが操作を受け付けなくなるケースがあったのだ。
 筆者の場合は,解決にあたって,ホストまで歩いて行ってホスト上のSteamを終了させ,再起動することになった。まあ,頻繁に生じる問題ではないと思うが,念のため付記しておきたい。


3.非Steamゲームをプレイする


写真では見切れているが,ワイヤードマウスを接続すると,「デスクトップにアクセス」を選択できるようになるので,これをマウスカーソルで選択する。これでWindowsのデスクトップへアクセス可能だ
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 前段で紹介したとおり,AlphaではWindows 8.1が動作している。では,見慣れたWindowsデスクトップに下りられるのか,という話だが,デスクトップには,比較的簡単に移動することができる。
 具体的には,ワイヤードもしくはワイヤレスのマウスを接続した状態で,Alpha UIの「電源」メニューから「デスクトップにアクセス」を選択するだけだ。マウスの接続がカギになっており,マウスを接続しない限り,本項目はグレーアウトして選択できないようになっている。

 あとは,初回起動時に入力したWindowsのアカウント情報――前々段で「Microsoftアカウント」を推奨したアレだ――を選択して,ログイン情報を入れてやれば,グレイ型エイリアンの鎮座するデスクトップを利用できるようになる。

ここまで来ると,どこにでもあるWindows PCといった感じになる
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 このデスクトップは,Windows 8.1そのものだ。なので,マウスとキーボードがあれば,何の問題もなく利用できる。

試しに,非Steamタイトルとして,GoG.comで販売されている「Aliens vs Predator Classic 2000」をインストールしてみようと思う。ALIENWAREだけに……なんてダジャレを言いつつ,順調に進むインストールを見守ると,問題なくインストールされ,もちろん問題なく起動した
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 こうなってくると,ゲーム機でもなんでもないといった感じのAlphaだが,1つだけ,Alphaらしい部分があった。それが,前段でも軽く触れたグラフィックスドライバ周りだ。
 AlphaはMaxwellアーキテクチャに基づくNVIDIAのカスタムGPUを搭載するのだが,これには型番がなく,そして何より重要なことに,NVIDIA公式WebサイトからダウンロードできるGeForce Driverを導入できないのである。

 Alphaのグラフィックスドライバは,システムアップデートで提供される。この点を押さえておいてもらえればと思う。

Alphaに汎用のGeForce Driverはセットアップできず。ドライババージョンは,SteamのBig Pictureモードから「ドライバのバージョン」を見ることで確認できる。右から5桁が汎用のGeForce Driverに相当するリリース番号だ。仕様上,「常に最新のGeForce Driverを利用し続ける」というのは難しいだろう
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 最後に,デスクトップからAlpha UIへの戻り方だが,Alphaを再起動するしかない。再起動すると,また自動的にAlpha UIで立ち上がる仕掛けである。

デスクトップ上の「Alpha UI」というショートカットを起動して,ゲームパッドの[A]ボタンを押すか,通常の流れでシャットダウン処理をするかして,Windows 8.1を再起動すると,再びAlpha UIを利用できるようになる
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実際にAlphaで遊んでみる

重要なキーワードは「リビング」だ


 以上,基本的な使い方と使い勝手を紹介してみたが,ここからは,Alphaを日常のゲーム生活においてどう使うべきかを考えてみよう。

 筆者は買い物をするとき,「買った後どうするか」をアレコレ考えて,具体的なビジョンが見えてから行動に移すことが多い。そこで,ここまでのテスト結果を踏まえて,「買ったらどのように使えばいいのか」を考えてみたところ,そのパターンは下記のとおり4つ想像できた。

  1. メインのSteamゲーム機として使う
  2. リビング専用のSteamゲーム機として使う
  3. リビングに置いて“接待用Steamゲーム機”化して使う
  4. Steamのホームストリーミングにおけるリモートプレイ用クライアントとして使う

「Skullgirls」のような“軽い”タイトル専用であれば,メインのSteamゲーム機として利用できるが,そのように割り切れる人は多くないと思う
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 ただ,1.は,本稿の序盤で紹介した理由により,正直,厳しい。「Steamで配信されているタイトルのうち,負荷が低く,かつゲームパッドだけでプレイできるタイトル」をプレイするなら,Alphaでも全然問題ないのだが,Steamで配信されている,ありとあらゆるタイトルでがっつり使おうとすると,性能面での限界がすぐ見えてしまうからだ。仮に「プレミアム」「プラチナ」仕様のAlphaを選んだ場合でも,GPU性能が上がるわけではないことからして,メインのSteamマシンとして使うのはあまりお勧めできない。

 というわけで,現実的な選択肢は2.〜4.のいずれか,ということになるだろう。

 実際にやってみたが,まず2.の,リビングに置いて遊ぶというのは,環境が整っていればアリだと思う。たとえば,「メインのゲームPCだと画面は24インチワイドクラスだが,リビングには,ゲームで使っても違和感のない遅延仕様を持つ,より大きな画面サイズのテレビがある」という場合は,Alphaをリビングに常設しておくと,なかなか贅沢な気持ちでプレイできる。

ハメコ。氏にSteam版の「ウルトラストリートファイターIV」をプレイしてもらったところ。Alphaは小さいので,リビングに常設するのも,使うときだけ自室から持ち出すのもアリだと感じた
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 続いて3.だが,「オンラインでプレイするより,ローカル対戦したほうがはるかに面白い」とか,「そもそもローカル対戦しかサポートされていない」といったSteamタイトルを,友人知人とワイワイ遊びたいなら,Alphaの手軽さはアリだ。自分の家にそういうスペースがなかったとしても,Alphaの小ささなら持って歩くのも苦にはならないので,自宅にそういったポータル的な場所がなくとも,友人宅にあるなら,Alphaの使い道はあると思う。
 ただ,ここは日本である。そういった米国的な,広くて,人の集まりやすいリビングを持った家が,果たしてどれくらいあるだろうか?

XInput対応のゲームコントローラを4台まで簡単に接続できるため,複数人数でのゲームプレイは容易。「Broforce」のような,ローカルでのマルチプレイに対応したタイトルを複数人数でワイワイとプレイするには,やはりリビングくらい広い部屋があったほうがいいわけだが,そういったときにもAlphaは有用だった。問題は,そういうニーズが日本でどれくらいあるかのほうだ
画像集 No.076のサムネイル画像 / 自称「真の新世代ゲーム機」は買いなのか。「ALIENWARE Alpha」をゲーム機として評価してみる

 最後に4.は,Alpha側の処理能力では厳しいタイトルを自室のメインPCで実行し,リビングの大画面テレビでプレイするといったスタイル。これはこれで便利なのだが,「なぜこんなことをしなければならないのか。自室でプレイすればいいのではないか」という思いは最後まで拭えなかった。自室とリビングの物理的な距離が遠い,一部の恵まれた環境では意味があるのだろうが。

前段で触れたとおり,ホームストリーミングは,アクション性がシビアな一部タイトルを除けば,ほぼ違和感なくプレイできる。ここでは「Dying Light」を遊んでいるが,ローカルでプレイしているのと,体感的には何も変わらなかった。自室のゲームPCでプレイすればいいじゃないかという無粋なツッコミは置いておこう
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 いずれにせよ,Alphaをゲーム機として使いこなすうえでキーワードになるのは「リビング」だ。そして,実のところ,ここが日本におけるAlphaの取捨選択において,大きなハードルになるような気がしている。
 3.のところでも触れたように,「オフラインで集まって,Steamを中心としたPCゲームをプレイする」スタイルが,日本で定着しているかというと,大きな疑問が残る。もっというと,PS4やXbox One,Wii U,PlayStation Vita,ニンテンドー3DSなどを差し置いて,主にSteamのゲームを皆でわいわいプレイする姿を想像できないのである。Dellと日本法人であるデルは,どういう使い方を想定しているのだろうか。そのメッセージは,公式に出てしかるべきだと思う。

Vanguard Personal Gaming EnvironmentにAlphaを突っ込んでみた。うん,悪くない
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 ちなみに個人的には,以前4Gamerでハメコ。氏が取り上げていたディスプレイ一体型ゲーム機キャリングケース「Vanguard Personal Gaming Environment」との相性がよいと感じた。もっとも,Alphaとセットで購入しようとすると,「ゲーマー向けノートPC買ったほうがいいんじゃない?」と言えるくらいの金額になってしまうのは玉に瑕だが。


Steamの入門機としてはまずまずだが,

それを求めるユーザーがどれだけいるか?


 以上,「据え置き型ゲーム機のレビューで3Dベンチマークなんて回さないだろう」と,とにかく据え置き型ゲーム機としての使い勝手にフォーカスを当てながら,Alphaを使ってみた。
 確かに,キーボードとマウスを前提とするようなPCゲームに抵抗を感じるような人にとって,Alphaはとっつきやすいと思う。しかも,キーボードとマウスを差せば,それを使ってもゲームはプレイできるので,懐も深い。

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 ただ,そういった魅力をもってしても,据え置き型ゲーム機としてのAlphaは微妙な存在と言わざるを得ない。序盤でも述べたとおり,据え置き型ゲーム機として見た場合,性能面から期待されるAlphaの製品寿命は短すぎるからだ。しかも,その欠点を覆い隠すほど使い勝手がよいかというと,全然そんなことはない。説明は全体的に不足しており,初心者向けと言えるわけでもなかったりする。
 もちろん,ホームストリーミング端末にすれば延命も図れるが,すべてのPCゲームをホームストリーミングでプレイするというのも考えづらい。初めからタワー型のゲームPCを購入したほうが手っ取り早いうえ,コストパフォーマンス的にも有利だ。

 Steamというゲームプラットフォームの入門機として,Alphaはまずまずの完成度を持つエントリーモデルと言える。しかし,Steamを本気で楽しみたいなら,「ゲーム機」ではなく「ゲームPC」を購入すべきだろう。これが,筆者の正直な感想である。

DellのALIENWARE Alpha製品情報&販売ページ

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