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[COMPUTEX]Intelのベンチマーク担当に,LynnfieldやArrandaleなどの話をいろいろ聞いてきた
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印刷2009/06/11 10:30

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[COMPUTEX]Intelのベンチマーク担当に,LynnfieldやArrandaleなどの話をいろいろ聞いてきた

 Intelは,COMPTUEX TAIPEI 2009の期間中,全世界の報道関係者を対象に,次世代CPUの技術的な詳細を説明する,少人数のクローズドセッションを,期間中連日,複数回開催した。
Francois Piednoel氏(Senior Performance Analyst, Performance Group, Intel)
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]Intelのベンチマーク担当に,LynnfieldやArrandaleなどの話をいろいろ聞いてきた
 場所は,サブ会場となったTaipei World Trade Center近くのホテル,「Grand Hyatt Taipei」の一室。4Gamerは,北米のPC系メディアと一緒に,Intelの上級パフォーマンスアナリストであるFrancois Piednoel(フランソワ・ピエノエル)氏から,いろいろな話を聞く機会が得られたので,その内容をここにまとめてみたいと思う。

 なお,ノリのいいPiednoel氏による本セッションでは,未発表のCPUコードネームが,説明抜きにどんどん出てくるので,事前にざっとまとめておきたい。少々紛らわしいので,間違えないようご注意を。

Lynnfield(リンフィールド):45nmプロセス技術で製造される,次期主力デスクトップPC向けプロセッサ。4コア,8スレッド動作をサポートする
Clarksfield(クラークスフィールド):45nmプロセス技術で製造される,4コア,8スレッド対応のノートPC向けプロセッサ。Lynnfieldのモバイル版だ
Clarkdale(クラークデール):グラフィックス機能を統合した,2コア,4スレッド動作のデスクトップPC向けプロセッサ。32nmプロセス技術で製造される
Arrandale(アランデール):32nmプロセス技術で製造されるノートPC向けプロセッサ。Clarkdaleのモバイル版で,2コア,4スレッド+グラフィックス機能という構成になる
Westmere(ウエストミア):現行のNehalem(ネヘイレム)マイクロアーキテクチャをベースに,32nmプロセスへとシュリンクしたCPUアーキテクチャ
Sandy Bridge(サンディブリッジ):32nmプロセス技術を採用した次々世代マイクロアーキテクチャ。Nehalem→Westmere→Sandy Bridge,という流れになる


次世代CPUの優れた電力管理技術をアピール


 クローズドセッションの会場には,3台のデモ機が用意されていたが,Piednoel氏が最初に紹介したのは,SilverStone Technology製のミニタワーPCケースに入った小型のPCだ。「この小さなmicroATXのシャーシに,『Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz』が入っている。2GPU構成だから,動作音は少し大きめだね。でも,小さなスモールファクタでも,ゲームはスムーズに動く」と,「Far Cry 2」を実行し,「ガーデニングだ」と称して,銃で草木を撃って刈り始めた。

Piednoel氏が“ガーデニング”を行ったデモシステム。草を刈っているとき,北米の報道関係者から,「物理シミュレーション(Physics)の効果は絶大だね!」と声がかかると,氏は「Physics,PhysX……なんだっけそれ?」と返していた。余談だが,Far Cry 2はPhysXをサポートしていないので,この点は誤解なきよう
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 Far Cry 2をプレイしながら氏は続ける。
 「このPCの何が興味深いのか? Extreme Editionのプロセッサは,オーバークロックに使うCPUと思われているんだけど,もう一つ,別の特徴がある。動作電圧が低いということなんだ。クロックは3.33GHzで,Turbo Boost時には3.60GHzで動くけれど,実のところ,コア電圧は1.07V以下で発熱が少ない。だから,Extreme Editionを搭載しながら,こんな小さなマシンを作れるのさ」

 確かに,レビュー記事でも,Core i7-975 Extreme Editionの消費電力は従来製品から下がっていたので,氏のアピールに,一定の根拠はある印象だ。

Clarksfieldが載っているという,ASUSTeK Computer製ノートPCの試作機。話の流れのなかで,ちらっと表示してくれただけなので,寄った写真がないのは申し訳ないが,確かに8スレッドが動いていることは確認できる
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 さて,ここからが本題。氏は続けてノートPCを触りながら,「こっちでも同じゲームが動いているんだ」と述べて“ガーデニング”を開始。「見てごらん。ちょっとしたサプライズだよ」といって,8スレッドが動作するWindowsのタスクマネージャを表示した。「そう,Clarksfieldだ」。

 Piednoel氏はここでも「CPUはとても“冷たい”」と,低発熱であることを強調。CPUはタッチパッドの左側の下にあるから触ってみろというので触れてみたが,確かに,触れてみても,温度は人肌よりかなり低いレベルだった。
 ノートPC側の冷却能力によってCPU温度は左右されるうえ,動作クロックは「まだ言えないことになっていてね(笑)」とはぐらかされてしまったため,かなり低いクロックで動作している可能性はある。そのため,これだけで一概に「Clarksfieldは低発熱」と断言することはできないが,ファンの回転数が高い(=うるさい)わけでもなかったこと,Far Cry 2が問題なく動作していることを考えると,氏の言う「冷たい」に,相応の根拠はあると言ってもよさそうだ。


Lynnfieldでさらに進化したTurbo Boost


「32nmプロセス技術で製造され,グラフィックス機能が統合された,Westmere世代のプロセッサに対応する」マザーボードだが,COMPUTEX TAIPEI 2009の会場で動作デモ展示されていた。写真はMSIの「Intel H57 Express」搭載マザーボード「H57-ED65」
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 もう1台のデモ機には,Lynnfieldが搭載されていた。このデモ機は「32nmプロセス技術で製造され,グラフィックス機能が統合された,Westmere世代のプロセッサに対応する」(Piednoel氏)というもの。

 写真の撮影は許可されなかったが,そんなデモ機を前にPiednoel氏は,Lynnfieldにおける「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)がCore i7と比べてさらに強化され,マルチコアCPUにとってのブレイクスルーになったと話し始めた。
 一般論として,マルチコアCPUでは,コア数を増やせば増やすほど消費電力が大きくなってしまう。そのため,同じTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)の枠内で,コアの数が少ないCPUと比べると,どうしても動作クロックは落とさざるを得ず,結果,シングルスレッド性能は低下してしまうのだ。

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 その点Lynnfieldでは,「非常に高速なパワー制御ユニット」(Piednoel氏)を搭載することで,使用されていないコアの消費電力を非常に低い状態に抑えることができたという。その分の余裕を,タスクが割り当てられたコアをブーストするのに使うため,シングルスレッドのタスクでも高い性能が得られる――これが,氏のいうブレイクスルーである。
 「Lynnfieldプロセッサには二つのパワーステージがある。ジョブがあるとき,ジョブがないときだ。パワー制御ユニットがジョブのないコアの電力をカットして,ジョブがあるコアをブーストする」(Piednoel氏)。

 その例として見せてくれたのが,ビデオのトランスコードデモである。下の写真では,デュアルディスプレイ環境でデモが行われているのが分かると思うが,写真向かって右側のディスプレイで,CPUの動作クロックと,Turbo Boostの効き具合を見られる,DirectX 10ベースのアプリケーションだそうだ。ウインドウの表示によれば,名称は「Turbo Visualization Tool」とのこと。
 「シェーダを用いた反射を使っている,とても興味深いソフトウェアだ。CPUIDから入手できるようになるはずだよ」とのことなので,興味のある人は,記憶に留めておくといいかもしれない。

Lynnfield搭載機によるデモ。左がメインのディスプレイで,右のディスプレイに見えている四つの青いバーが,各コアのクロックを示している。これはアイドル時なので,バーはどれも非常に低い
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左はシングルスレッド対応のトランスコードアプリケーション,右は同マルチスレッドで,「Adobe Premiere」だそうだ。グラフで,黄色く見えているのがTurbo Boostの効果で,左だと,1コアだけTurbo Boostがかかり,残る3コアはクロックが下がっているのに対し,右では4コアすべてでTurbo Boostが有効になる
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LynnfieldにおけるTurbo Boostの効き方を示したスライド。Lynnfieldでは,シングルスレッドアプリケーションで最大3 Bin(ベースクロック倍率3段階分),マルチスレッドアプリケーションで同2 Bin(同2段階分)の動作クロック引き上げを実現する。ちなみに上のスライドで灰色なのは,アイドル状態になっているコアだ
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 「Nehalemプロセッサファミリは,短いプログラムをバッファリングしてしまうので,実行ユニットはとてもビジーになっている一方,デコーダは暇を持て余している。そこで,Lynnfieldの非常に高速なパワー制御ユニットは,休んでいる部分の電力を落としたりすることで,ワークロードに応じて,自由にクロックを変えることができるんだ」(Piednoel氏)。

 パフォーマンスという観点では,メモリコントローラの仕様変更から,目をそらすわけにいかない。Core i7ではトリプルチャネルなのに対し,Lynnfieldではデュアルチャネルへとスペックダウンするが,これはパフォーマンスに,どれだけの影響を与えるのだろうか。
 「メモリバス帯域幅は確かに小さくなる。でも実際にはキャッシュが吸収するから,両者の違いはとても小さいんだ。例えば3DMark Vantageだと,スコアの違いはたった2%だよ。同時に,トリプルチャネルのメモリインタフェースを使うCore i7用のマザーボードは,6層基板が必要でコストがかかるのに対し,Lynnfieldは4層基板で対応できる。価格差が大きければ,2%程度の性能差は,誰も気にしないだろう?」

 もちろん,3DMark Vantageよりも違いが出やすいベンチマークアプリケーションはある。そうでなくても,メモリ周りに高負荷がかかったときには,メモリバス帯域幅の違いは,パフォーマンスの違いとなって確実に表面化してくるものだ。したがって,氏のいう「2%」が,あらゆる状況に当てはまるわけではない。
 ただ,それこそゲームをはじめとした,一般PCユーザーが使うアプリケーションでは,Core i7との差は小さいだろう。安価かつ高速な選択肢として,Lynnfieldが期待できる存在であることは間違いなさそうだ。


Windows 7を心待ちにするIntel。Vistaへの“ダメ出し”も


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 Lynnfieldのパワー制御ユニットはスレッドの割り当てに非常に高速に反応し,その反応速度は「計測できないほど」だとPiednoel氏。そして氏は,「LynnfieldはWindows 7でより実力が発揮できる」と付け加えた。
 何となくマーケティングワードというか,宣伝文句っぽい雰囲気だが,そうではない。「Microsoftのアーキテクトは,現在のスレッドスケジューリングに無駄があることを理解し,実際にWindows 7ではスレッドスケジューラが作り替えられた」というのが,その理由である。

 ここで少し,現在,すなわちWindows Vistaまでのスケジューラにどういう問題があるのかを,ざっと説明しておこう。
 Windows Vistaに限ったことではなく,Windows XPもそうなのだが,一つのCPUコア上にある物理コアと論理コアに,「データをまったく共有していない二つのスレッド」など,競合するスレッドを割り当てるという悲劇は起こり得る。この場合,Hyper-Threadingのパフォーマンスは,極端に低下してしまうのだ。

※お詫びと訂正
 初出時,現行世代のWindowsが物理コアと論理コアを判断できず,負荷バランスだけを根拠としてスレッドを割り当てていくため,「ある物理コアにスレッドが割り当てられている状況で,別の物理コアは完全に空いているにもかかわらず,『すでにスレッドが割り当てられている物理コアの論理コア』へ,新たにスレッドが割り当てられる」ことが生じる可能性があるとしていましたが,少なくともWindows XP Service Pack 2以降のWindowsには,論理コアを認識するスレッドスケジューラが搭載されています。お詫びして訂正いたします。

 これに対して,Windows 7のスレッドスケジューラは,論理コアを正しく認識して,最適なスレッドの割り当てを実行してくれるようになっているという。
 「Windows 7では,スレッドをco-packing(=荷造り)し,負荷バランスだけでなく,“それ以上”の判断を行ってベストなコアに割り当てる。例えば,複数のスレッドを割り当てるとき,物理コアが空いていれば,異なる物理コアに割り当ててくれるし,そうでなければ,近い内容のスレッドがすでに動いている物理コアの論理コアに割り当ててくれる」(Piednoel氏)。

 ちなみに,Piednoel氏は――というより,主語は「Intelは」にしたほうがいいのかもしれないが――Windows Vistaにはかなりの不満を持っている様子。「Windows Vistaには新しいフィーチャーがたくさんあって,3DのUI(ユーザーインタフェース)もクールだけれど,ウインドウを開くたびに引っかかりがある」と感想を述べたうえで,パフォーマンスモニタを起動してみせた。

Windows Vistaのパフォーマンスモニタ「ディスク」で確認できるSearchIndexer.exeの群れ
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 「これがWindows Vistaを殺しているのさ」と氏が指を指した先にあったのは。「SearchIndexer.exe」の群れである。
 これは,アプリケーションを起動させたり終了させたりするごとに生成されるサービスで,Windows Vistaを標準設定で利用している人なら,パフォーマンスモニタの「ディスク」を開きながら,何かアプリケーションを起動してみれば,すぐにわらわらと増えるSearchIndexer.exeを見ることができるはずだ。

 Windows Vistaでは,「Low Priority I/O」という仕組みが導入されたと,大々的にアピールされていたのを,憶えている人も少なくないと思う。これは,ディスクアクセスに代表される,入出力の優先順位をきめ細かく制御できる機構で,優先度の低いバックグラウンドジョブのI/Oを後回しにできるようになったのである。

 問題は,Windows Vistaが,このLow Priority I/Oを使ったディスクアクセスを行うサービスを大量に走らせていること。SearchIndexer.exeは,その代表みたいなもので,「Low Priority I/Oが使えるようになったから,調子に乗ってディスクアクセスを行うバックグラウンドジョブを増やしたら,OS全体のパフォーマンス低下につながってしまった」のが,Windows Vistaというわけだ。

 ただ,Windows 7で最も重要なのは,「問題が改善する」に過ぎないこのポイントではなく,Windows 7の世代では64bitが主流になっていく点にあるとPiednoel氏。「だから,64bitのパフォーマンスが重要になる」と述べており,64bit環境化でのパフォーマンスがCore 2世代と比べて優れるという事実が,Lynnfieldを選ぶ理由になると,Piednoel氏は考えているようである。


「ArrandaleのTDPは45W」


 Windows 7とLynnfieldへの期待を語るPiednoel氏。トークが一段落したタイミングで,北米の報道関係者からふと出てきたのが,「このLynnfield搭載機の消費電力はどのくらい?」というものだった。
 これに対して氏は,「このマシンはLynnfieldのシステムに,『GeForce 9600 GT』を積んでいる。これで,アイドル時はだいたい70〜80Wかな。高負荷時で130Wくらいだったはず」と回答。続けて「LynnfieldのTDPは96Wだけど,十分低いよね。でも。Arrandaleはもっとすごい。たったの45Wだよ!」

Arrandale搭載のノートPC。これはCeBIT 2009で展示されていたものだ
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 冒頭でざっと紹介したとおり,Arrandaleは,次世代の32nmプロセス技術で製造されるノートPC向けプロセッサで,デュアルコアCPUと,従来の「GMCH」機能,つまりはグラフィックス機能やメモリコントローラ,PCI Expressコントローラなどが内蔵された製品となる。現行のノートPC向けCPUは,通常電圧版でTDP 35W,チップセットは12W前後なので,45Wというのはまったくもって想像の範囲内ではあるのだが,Intelの関係者が公式に述べたという点では意義がありそうだ。
 「Lynnfieldは8スレッドが動作する,高い性能をもったプロセッサだけど,日常用には少しオーバースペックだ。Arrandaleはそこに最適化した2チップソリューションで,低価格帯のPCに大きなバリューをもたらすはずだよ」(Piednoel氏)。

 では,その「日常用」というのはどういうレベルなのか? とくに,グラフィックス機能のパフォーマンスは気になるところだ。
 この点についてPiednoel氏は,オンラインのフォーラムで,Intelのグラフィックス機能が持つ3D性能は,もう少しなんとかならないのかとよく言われると苦笑しつつも,より多くの人々にフォーカスした製品づくりを行っており,Windowsのインタフェースを快適に利用できることが,Intelのグラフィックス機能の目的になっていると述べていた。「もっとも,Arrandaleのグラフィックス性能は,G45の3倍高いけどね!」(※編注:「G45」はMobile Intel GM45 Expressを指すと思われる)

 その性能に不足を感じるユーザーはどうしたらいいのか? に対する答えは「AMDでも買って付ければいい」「NVIDIA」が出てこないあたりに,いまのIntelがどこを最大の敵と見なしているのかが垣間見えて大変興味深いのだが,氏は続けて,「でも,グラフィックスはチップセットに統合され,今度はCPUに統合される。さて,その次はどこに行っちゃうのかな?」とも言って笑っていた。ユーザーが十分に満足できる性能を持つグラフィックス機能は,最終的にプロセッサなどに統合されてしまうだろう,という強い意志が,Piednoel氏の発言から窺えよう。


 ……以上,Piednoel氏と北米の報道関係者,筆者による,ほとんど“フリートークの会”のようなセッションとなったが,最後に「Intelの向こう1年のロードマップは?」と,一応聞いてみたところ,「まず6コアのプロセッサをメインストリームに投入する。そして,Sandy Bridge世代では,シングルスレッドの性能を向上させる」という,残念ながらあまり新鮮さのない答えが返ってきた。
 ただ,「CPUのシングルスレッド性能は頭打ちでで伸び代がない」とNVIDIAが主張しているなか,Sandy Bridgeで,どこまでシングルスレッド性能を伸ばせるのか,というポイントは注目だろう。上から下までバランスよく製品を用意するIntelが,どのようにSandy Bridge世代までの製品をつないでいくのか,今後も目は離せそうにない。
  • 関連タイトル:

    Core i7&i5(LGA1156,クアッドコア)

  • 関連タイトル:

    Core i5&i3(LGA1156,デュアルコア)

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