ASUS，GTX 980M搭載のゲーマー向けノートPCなど2015年春モデルを発表。薄型2-in-1デバイスや2万7000円のWindowsタブレットも注目だ

G750JY

　2015年2月13日，ASUSTeK Computer（以下，ASUS）は，都内にて新製品発表会を開催し，2015年春モデルのノートPCとしてゲーマー向け製品ブランド「R.O.G.」の17.3インチモデル「G750JY-T4039H」（以下，G750JY）を発表した。これは2014年5月に発表された「G750JZ」の後継機種で，搭載GPUがG750JZの「GeForce GTX 880M」から，「GeForce GTX 980M」に変更されているのが大きな特徴だ。
　発売日は2月20日の予定。メーカー想定売価は31万9800円（税別）とされているので，単純計算すると税込の実売価格は34万5384円となる。

G750JY背面の巨大な放熱孔。スポーツカーの吸気孔を思わせるフィンが並んでいる

　筐体はG750JZと変わっていないようで，スポーツカーの吸気孔を思わせる背面側の巨大な放熱孔が目立つデザインはそのまま継承されていた。キーボードの周囲にヘアライン加工が施された金属製のパネルを採用している点も共通だ。

　キーボードは10キー付きの日本語配列で，バックライトを備えたアイソレーション（飛び石）タイプとなっている。キースイッチの仕様は公開されていないのだが，キータッチはノートPCでありがちな軽いもので，メカニカルキースイッチ的な打鍵感は感じない。なお，同時押しやロールオーバーの仕様は公開されていなかった。

G750JYのキーボード全景（左）。ノートPCではよくあるアイソレーションタイプで，キータッチも軽くスカスカした感触だ。キーの下にはLEDバックライトを備えているが（右），キートップの周囲から光が漏れるだけで，キーの刻印が光ったりはしない。電源スイッチのデザインが面白い

底面に装備されたサブウーファー「Bass Eye」

　これもまたG750JZから継承した仕様であるが，本体底面に「Bass Eye」と称する出力2Wのサブウーファーを備えている点も特徴の1つだ。本体には2W＋2Wのステレオスピーカーも内蔵しているのだが，スピーカーがどこに内蔵されているのかは，外から見ただけでは分からないデザインとなっている。

　スペック面もチェックしよう。まず液晶パネルは，17.3インチサイズで解像度1920×1080ドット，ノングレア仕様となっている。CPUには「Core i7-4860HQ」を採用し，メインメモリ容量は32GB。内蔵ストレージは，システムドライブが容量128GBのSATA接続SSD×2によるRAID 0構成と，2TBのHDDという構成だ。そのほかに光学ドライブとして，BDXL対応のBlu-rayドライブも搭載する。
　ちなみに，G750JZにはモーションコントローラの「Leap Motion」が付属していたのだが，G750JYには付属していない。

左側面（左）には，USB 3.0（Type A）×2とBlu-rayドライブ，メモリーカードスロットが配置されている。右側面（右）には，3.5mmミニピンのヘッドフォン出力とマイク入力，USB 3.0（Type A）×2，mini DisplayPort出力とHDMI（Type A）出力，有線LAN，アナログRGB（D-sub 15ピン）出力が並ぶ

　GTX 980M搭載に加えて内蔵ストレージも豪華な仕様とあっては，価格が高くなるのも致し方ないところだが，やはり約35万円という想定売価は人を選ぶだろう。

●G750JYの主なスペック

• 液晶パネル：17.3インチ，解像度1920×1080ドット，ノングレア（非光沢）
• CPU：Core i7-4860HQ（定格2.4GHz，最大3.6GHz，4C8T，共有L3キャッシュ容量6MB，TDP 47W）
• メインメモリ：PC3L-12800 DDR3L SDRAM 32GB
• チップセット：Mobile Intel HM87
• GPU：GeForce GTX 980M（グラフィックスメモリ容量8GB）
• ストレージ：128GB SSD×2（SATA，RAID 0構成），2TB HDD
• 有線LAN：1000BASE-T
• 無線LAN：IEEE 802.11a/g/n
• Bluetooth：4.0（Intel Wireless-AC 7260HMW）
• インカメラ：92万画素
• 内蔵スピーカー：2.1ch
• マイク：アレイ仕様
• 外部インタフェース：mini DisplayPort出力，HDMI（Type A）出力，アナログRGB（D-sub 15ピン）出力，ヘッドフォン出力，マイク入力，USB 3.0（Type A）×4
• キーボード：日本配列
• OS：64bit版Windows 8.1
• サイズ：410（W）×318（D）×17〜50（H）mm
• 重量：4.5kg
• バッテリー駆動時間：最大約7.2時間（JEITA測定法 2.0）

Core M搭載Ultrabookや薄型2-in-1も登場。値下げされたペン付きWindowsタブレットが隠れた目玉

　ゲーマー向けの製品ではないが，同時に発表された2-in-1デバイスやUltrabook，タブレット端末についても簡単に紹介しておこう。

V字型に開いたZenBook UX305FAを披露する，ASUS会長のJohnny Shih氏

　発表会のステージで新製品の数々を紹介したASUS会長のJohnny Shih（ジョニー・シー）氏が，一番の目玉商品として披露したのが，同社製Ultrabookの最新作である「ZenBook UX305FA」だ。
　CPUに「Core M-5Y71」または「Core M-5Y10」を採用し，厚さ約12.3mm，重量約1.2kgという薄型軽量さとファンレス仕様が特徴となっている。液晶パネルは13.3インチサイズで解像度1920×1080ドット，タッチ操作には対応していない。

ZenBook UX305FAの全景（左）。閉じた状態の側面は確かに薄い（右）

　発売日は2月20日の予定で，メーカー想定売価は，Core M-5Y71搭載のASUSオンラインショップ限定モデル「UX305FA-5Y71」が約9万9800円（税別）とされているので，単純計算すると税込価格は10万7784円となる。

TransBook T100Chi（写真左）とTransBook T300Chi（写真右）。タブレット本体とキーボードの接続はBluetoothを使用しているので，分離したままでもキーボードを使える

　タブレット型の本体に脱着可能なキーボードがセットになった2-in-1デバイスTransBookシリーズからは，TransBook Chi（トランスブック チー）と名付けられた新シリーズ3機種6モデルが登場した。全製品ともボディの薄型化が特徴で，10.1インチサイズで1920×1200ドットの液晶パネルと「Atom Z3775」が搭載された「TransBook T100Chi」の場合，7.2mmという薄さを実現しているという。

　そのほかのラインナップは，12.5インチサイズで2560×1440ドット，または1920×1080ドットの液晶パネルと，Core Mプロセッサが搭載された「TransBook T300Chi」が3モデルと，8.9インチサイズで1280×800ドットの液晶パネルと「Atom Z3775」が搭載された「TransBook T90Chi」が2モデルとなっている。

TransBook T300Chi

TransBook T90Chi

　メーカー想定売価は，TransBook T100Chiが7万3800円，TransBook T300Chiが9万9800円から，TransBook T90Chiが4万5800円からとなっている。単純計算した税込価格は順に，7万9704円，10万7784円，4万9464円。

VivoTab Note 8

　タブレット製品で隠れた目玉といえるのが，8インチサイズのWindows 8.1タブレット「VivoTab Note 8」（型番：R80TA-3740S）の新モデルだ。
　付属のワコム製スタイラスによるペン入力に対応するという特徴を備えながら，メーカー想定売価が2万4800円（税別），単純計算した税込価格は2万6784円という価格の安さがなによりの魅力となっている。

　スペックを見てみると，液晶パネルの解像度は1280×800ドットで搭載CPUは「Atom Z3740」，メインメモリ容量は2GB，内蔵ストレージ容量は64GB。解像度の低さを除けば，Atom搭載Windowsタブレットとしては高くも低くない程度のスペックを備えている。重量も約380gと軽い。
　低価格のWindowsタブレットを求めている人なら，選択肢に入れる価値がある製品ではないだろうか。

ASUSTeK Computer 日本語公式Webサイト