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印刷2008/04/28 22:00

無料体験版

英語版体験版

3DMark Vantage

発売元:Futuremark

Text by 佐々山薫郁


 Futuremarkは,DirectX 10対応のベンチマークソフト「3DMark Vantage」(Build 1.0.0)を発表した。Futuremarkのいう「The Gamers’ Benchmark」最新版は,プログラマブルシェーダ4.0(Shader Model 4.0,SM4.0)仕様のGPUおよびグラフィックス機能統合型チップセット,そして32/64bit版Windows Vista専用となる。Windows XP環境をばっさりと切り捨てた一方で,マルチ(コア)GPU&CPU時代に向けた新機軸がさまざまに取り入れられているのが最大の特徴だ。


※本文で述べられているとおり,3DMark Vantageは32/64bit版Windows Vista専用です。Windows XPでは動作しませんので注意してください。


低負荷から高負荷まで,

四つのテスト用プリセットを用意


3DMark Vantageのメインメニュー。「OPTIONS」の右上にある「PRESETS」から,プリセットを選択できる。「Custom」を選択すれば任意の設定も可能だ
 もう少し具体的に説明すると,「CPUとGPUの両面でマルチパッケージ,あるいはマルチコア化が進み,Windows Vista世代ではPCのパフォーマンスレンジが広がった」(Futuremark)ことへ対応すべく,テストに「Preset」(プリセット)という概念が導入されているのが,3DMark Vantageの新要素といっていいだろう。GPU Test×2,CPU Test×2の合計で総合スコアを求めるという方式そのものは従来製品「3DMark06」から変わっていないが,主に搭載するGPUの“格”やグラフィックスメモリ容量に合わせて,「Entry」「Performance」「High」「Extreme」の4パターン用意されているのである()。

※Entry,Performanceは想定される容量。一方,High,Extremeでは512MB以上が要求される

「Performance」プリセットでスコアを取得した例。スコアの頭に「P」の文字が付く。なお,このスクリーンショットはProfessional Editionで取得したものだ。それ以外のエディションでは,Webブラウザ上でスコアを確認することになる
 公式プリセットが4種類ある以上,公式の3DMarkスコアも4種類存在することになるが,3DMark Vantageでは,プリセットごとに「E」「P」「H」「X」といった文字が「Code Letter」としてスコアの頭に付けられる。「Performance」プリセットなら「P4981」,「Extreme」プリセットなら「X2377」などといった具合だ。

 なお,無料の体験版で行えるのは,「Performance」プリセットのテストを1回だけ。「Performance」プリセットでのテストを複数回実行したい場合は6.95ドルの「Basic Edition」を,「Entry」「High」「Extreme」プリセットのテストも実行したい場合には19.95ドルの「Advanced Edition」をFuturemarkの販売ページで購入する必要がある。
 また,無料体験版やBasic/Advanced Editionでは,Futuremarkのオンラインサービス「ORB」(Online Result Browser)を利用して3DMarkスコアを閲覧する仕様のため,インターネット接続環境が必須となるので,こちらもご注意を。インターネットに接続していない(テスト機などの)環境でスコアをチェックするためには,商用利用が可能な「Professional Edition」(495ドル)が必須となる。

インストール時に悩むとすれば,セットアップ方法の違いくらい。基本的には「Express」でかまわないが,インストール先などを指定したいときは「Custom」を選ぶといい
インストールにはけっこう時間がかかるので気長に待とう。画面は初回起動時のメニューだ。ひとまず動作させたい場合は[GET A KEY]ボタンを押し,体験版用のキーを入手しよう


テストの概要


 3DMarkスコアを算出するためのテストは,以下のとおり四つ。主にGPUパフォーマンスを計測する「Graphics Test」と,同じくCPUパフォーマンスを計測する「CPU Test」が,それぞれ二つずつ用意される。

  • Graphics Test 1: Jane Nash
  • Graphics Test 2: New Calico
  • CPU Test 1: AI(Merry Go Round AI Show)
  • CPU Test 2: Physics(Crash’n’Burn Physics)

 順に見ていくと,Graphics Test 1はテスト名と同じ名前の女性「Jane Nash」が活躍する(?)シークエンス。広さのある屋内のシミュレートが想定されており,複雑な衣装の表現やGPUによる物理シミュレーション,複数の動的な光源とそれが当たるさまの描写が見どころになる。ぱっと見て印象的なのは水と光の表現で,反射や屈折といった計算がきちんとなされている様子が見て取れよう。布の表現もかなりなめらかだ。


 Game Test 2のNew Calicoでは,宇宙空間における戦闘の模様が大きく描かれる。戦艦や戦闘機,惑星の“輪”(と思われる小惑星群)がすべて動的なオブジェクトとして管理されているのが特徴で,DirectX 10のウリの一つであるインスタンシングが効果的に用いられている印象だ。局所/大局的なレイトレーシングによる視差遮蔽マッピング(Parallax Occlusion Mapping)なども駆使されている。


CPU Test 1(上)と2(下)はいずれもエアレースがモチーフになっている
 CPU Test 1となるAIテストで採用されているのは,渓谷に設けられたチェックポイントを,大量の飛行機がエアレースよろしく通過していくデモだ。飛行機が互いに衝突したり,地面や壁に当たったりすることなくチェックポイントを通過できるよう,CPUがそれぞれを操作していく。CPUの並列処理に最適化されており,マルチコアCPUを最大限利用できるようになっているという。

 CPU Test 2のPhysicsは,CPU Test 1と同じエアレース風のデモになるが,飛行機は青や赤,白のスモークを出しながら,チェックポイントや別の飛行機,地面と衝突して壊れていく。ここではNVIDIA PhysX(旧AGEIA PhysX)ライブラリが使われているため,CPUテストではあるが,PhysXアクセラレータを搭載したシステムが有利になるとのこと。
 ミラーサイトに配布されたレビュワーズガイドでFuturemarkは「将来(future generation)のゲーム内物理処理をテーマにした」と述べているが,GeForce-accelerated PhysX構想を考えると,ゆくゆくはNVIDIAに有利なテストとして物議を醸すことになるかもしれない。


Feature Testは6種類

DirectX 10.1に関する言及はない


 Feature Testは1〜6の6種類。3DMark06から引き継いだものは半数となる。DirectX 10ならではのテストにずいぶんと力が入っている雰囲気だ。

  • Feature Test 1: Texture Fill
  • Feature Test 2: Color Fill
  • Feature Test 3: Parallax Occlusion Mapping (Complex Pixel Shader)
  • Feature Test 4: GPU Cloth
  • Feature Test 5: GPU Particles
  • Feature Test 6: Perlin Noise (Math-heavy Pixel Shader)

Feature Test 3。地形表現と光の変化に注目したい
 「入るのでは?」と噂されていたDirectX 10.1がらみのテストに関して,レビュワーズガイドに言及はいっさいない。「DirectX 10.1をサポートしていない」と断言されているわけでもないが,「3DMark Vantageは,Microsoftの最新APIであるDirectX 10のみをベースとした(based exclusively on Microsoft’s latest DirectX 10 API),最初の包括的なベンチマークアプリケーションだ」そうなので,少なくともBuild 1.0.0の時点においては,あくまでDirectX 10世代のベンチマークであるという理解でいいのではなかろうか。

Feature Test 4
Feature Test 5


Janeの乗る船にはSapphire Technologyのロゴが。DirectX 10世代はゲーム内広告が当たり前になるというメッセージ……というのは深読みしすぎ?
 3DMark06がリリースされたのは2006年1月18日のこと。あれから2年以上経って,ようやく新世代の3DMarkが登場したわけである。マルチGPUやマルチCPUへの最適化,PhysXライブラリの支持というFuturemarkの決断が,どういった結果を生むのかはまだ分からないものの,貴重なDirectX 10世代の高負荷テストスイートとして,3DMark Vantageに相応の価値があるのは確かだ。
 3DMark06なら造作もなく1万を超えるスコアを叩き出せるような,2008年4月時点のハイクラスシステムを持ってしても,かなりカクつくあたり,さすがは新世代3DMarkといったところ。DirectX 10世代のグラフィックスカードやグラフィックス機能統合型チップセットをWindows Vista環境で利用している人は,一度試してみるといいだろう。

NVIDIAは,3DMark Vantageのリリースに合わせて,Release 173世代のグラフィックスドライバ「ForceWare 175.12」を公開すると報道関係者に予告している。画像は同社による主要GPUの参考スコアだ。nForce 790i+Core 2 Extreme QX9650ベースのシステムで計測した結果とのこと

●4Gamerによるテスト実行結果(参考)
EntryPerformanceHighExtreme
3DMark ScoreE18046P5253H3044X1813
GPU Score19235431326681733
CPU Score15223151721519215128
テスト環境OS:64bit版Windows Vista Ultimate+SP1,CPU:Core 2 Extreme QX9650/3GHz@4GHz,メインメモリ:8GB,GPU:GeForce 8800 GT(グラフィックスメモリ512MB),グラフィックスドライバ:ForceWare 175.12 Beta


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