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ゲーム映像もついにここまで来た。驚愕のUnreal Technology最新ムービー,「Samaritan」が公開
先週サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference 2011において,Epic Gamesが「Unreal Technology」のデモとして紹介した「Samaritan」。その最新ムービーが公開された。抑圧された社会で,警察の暴力を受ける市民を救うため,主人公がクリーチャーに変身して戦うという内容で,ゲーマーだけでなく,ゲーム開発者も必見の最新テクノロジーが多用されたハイクオリティ映像になっている。
「Unreal Technology」公式サイト
詳細については,2011年3月5日に掲載したGDC 2011のレポートを読んでほしいが,ムービーからは,背景をぼかすことで実写的な表現を実現する「Bokeh Depth of Field」,ネオンサインの反射光に特化した効果「Billboard Reflection」,そして高度なモーフィングを可能にする「Dynamic Tessellation and Displacement」といった新しい技術が多数盛り込まれていることが見て取れる。ちなみに,GDC会場ではこれらがすべてリアルタイムで処理されていた。つまり,プリレンダリングのムービーではなかったわけで,この点には驚かされた。
これらのテクノロジーはすべて,アメリカ時間の3月9日に公開されたUnreal Development Kitの最新版に実装されており,興味のあるデベロッパはその内容を確認することもできるし,ゲームの制作に利用することも可能であるという。
「Unreal Development Kit」公式サイト
ただし,GDC会場でも,このプログラムをリアルタイムで動かすために,「GeForce GTX 580」搭載グラフィックスカードが3枚差さったモンスター級のPCが利用されていたほどなので,現時点では超が付くハイエンドマシンでなければ快適には実行できないだろう。
もちろん,現在のコンシューマ機にも,このプログラムを描画できるだけのパワーはなく,今すぐこのレベルのゲームが登場してくるというわけではない。Epic Games側の主張するように,これは「(次世代ゲーム機を作る)コンシューマ機メーカーに向けたラブレター」であって,ソフトウェア開発者側も「次世代ゲームを作るなら,このクオリティに合わせるべき」と主張しているわけだ。
今回の映像も,ストーリーが用意されているとはいえ,あくまで最新テクノロジーのショーケースとして制作されたものであり,Epic Gamesがこのムービーをベースにした新作タイトルを開発しているわけではないようだ。しかし,数年後にこのSamaritanレベルのゲームが次々と生み出されてくるかも知れないことを考えれば,誰しもワクワクせざるを得ないし,ゲーム開発者もクリエイティブ魂がメラメラと燃えてくるのではないだろうか。
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