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Logicool Gの新型キーボード「G310」レビュー。Romer-G搭載の10キーレスモデルは,価格にさえ納得できるなら買いだ
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印刷2015/07/23 16:30

レビュー

Romer-G搭載の10キーレスモデルは,価格にさえ納得できるなら買いだ

G310 Atlas Dawn Compact Gaming Keyboard

Text by 米田 聡


G310 Atlas Dawn Compact Gaming Keyboard(国内製品名:G310コンパクトメカニカルゲーミングキーボード)
メーカー:Logitech International
問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター
電話:050-3786-2085
メーカー直販価格:1万4630円(税別)
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 2015年7月23日,Logitech International(以下,Logitech)の日本法人であるロジクールは,ゲーマー向け周辺機器ブランド「Logicool G」(海外市場ではLogitech G)に属する新作キーボード「G310 Atlas Dawn Compact Gaming Keyboard」(国内製品名:G310コンパクトメカニカルゲーミングキーボード,以下 G310)を7月30日に発売すると発表した。直販サイト「ロジクール オンラインストア」における価格は1万4630円(税別)とされているので,税率8%で単純計算した税込価格は1万5800円となる。

 G310という型番でピンときた人も多いと思うが,本製品は,2014年12月に発売された「G910 Orion Spark RGB mechanical gaming keyboard」(以下,G910)の下位モデルだ。G910は,Logitech/ロジクールとオムロン スイッチアンドデバイスによる共同開発のメカニカルキースイッチ「Romer-G」(ローマーG)を採用する世界初のキーボードとして話題を集めたが,G310は,その第2弾にして,初の10キーレスモデルというのが最大の特徴である。

オムロン スイッチアンドデバイスの倉吉事業所にある,Romer-G製造ライン
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 4Gamerでは先に,Romer-Gのふるさとであるオムロン スイッチアンドデバイスの倉吉事業所を取材し,Romer-Gの製造ラインをレポートした。そのとき明らかになったRomer-Gの増産スケジュールから,筆者は「Romer-G搭載の新しいキーボードが近いのではないか」と予測したが,このG310が,まさにそれだったというわけだ。

 ではこのG310は,「コンパクトでシンプルなRomer-G搭載キーボード」が欲しかったような人達の期待に応えてくれるのか。テスト結果をお伝えしたい。

●G310の主なスペック
  • 型番:G310
  • キー配列:日本語91+追加ボタン2(Game/Windows key,Backlight key)
  • キースイッチ:メカニカル(Romer-G)
  • キーピッチ:19mm
  • キーストローク:3±0.2mm
  • 押下圧:45.0±0.2mm
  • キーボードバックライト:搭載(※Romer-Gに統合)
  • 複数キー同時押し対応:最大26
  • Anti-Ghosting:対応(全キー)
  • 公称本体サイズ:390.5(W)×185.2(D)×35.5(H)mm
  • 公称本体重量:765g
  • ケーブル長:1.8m
  • 対応OS:Windows 8.x&7,Mac OS X 10.8以降
  • 発売予定日:2015年7月30日
  • 保証期間:2年


G910と比べ,ぐっとシンプルになったG310


ケーブルはUSB Type A×1のみ。USBハブなど,余計な機能はない
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 冒頭でも紹介したとおり,英語圏向けに用意されたG310の愛称は「Atlas Dawn」(アトラスドーン)。ストレートに解釈すれば「世界の夜明け」であり,かなり気合いが入った命名だといえるが,そんなG310を真上から撮影したものが下の写真だ。端的にまとめるのであれば,G910似のデザインを採用しつつ10キーパッドを廃したといったイメージの,日本語91キー配列準拠のキーボードとなっている。本体左側が左と手前に向かって膨らみ,左端に取っ手が用意された外観は,G910とよく似た雰囲気だ。

G310を上から見た様子。キーボード筐体のデザインはG910譲りながら,10キーがない,日本語91キー準拠の配列となっている。標準配列と異なるのは,右[Alt]キーが廃され,代わりに[Fn]キーが用意されている点だ
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本体底面は4か所に滑り止めのゴムシートが貼られていた
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 形状が形状だけにサイズを計るのは難しいのだが,もっとも長い部分の実測で,横幅は約400mm,奥行きは約200mm。高さはキーボード面まで25mmとなっており,これは手前側も奥側も変わらない。奥側を持ち上げたければ,標準で用意されているチルトスタンドを立てる必要があるというわけで,こうした作りはG910譲りと言っていいだろう。

キーボード面までの高さは約25mmでフラット。チルトスタンドを立てると奥側が約32mmになる
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左手用のパームレストが用意されるのはG910と同じ。ただ,G910で「エアフローを生み,手のひらが汗で蒸れるのを防ぐ」と謳われた凹みと溝のうち,溝は廃されている。また,G910では凹みのところが光ったが,G310では光らない。付け加えると,G910では標準添付の着脱式大型パームレストはG310に付属しない
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 ただ,よくよく見比べてみると,G910とはずいぶん異なるのも確かだ。
 10キー部以外での最も大きな違いは,G910で本体左側に用意されていた追加キーが一切合切省略されていることだろう。
 G910では,カスタマイズ可能な「G-key」(Gキー)が,[半角/全角]キーや左[Shift]キーなどの横に並ぶ[G1]〜[G5]キーと,[F1]〜[F4]キーの上に並ぶ[G6]〜[G9]キーとして用意されていたが,G310にはそれがない。G-keyがなくなったことを受けて,G-keyのカスタマイズ内容をプリセットとして切り替えながら使うための[M1]〜[M3]キー,そして,G-keyに対する簡易マクロ登録機能を提供するための[MR]キーも省略されている。

こちらはG910。本体左側にG-keyなど,多くの追加キーが用意されていた。これと比べるとG310はずいぶんとシンプルである
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[Print Screen]キーの上にあるのがGame/Windows key,[Pause]キーの上がBacklight key。[F9]キーと,その右に並ぶキーでは,手前に[Fn]キーとの組み合わせで使える機能がプリントされていた
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 G910で本体右上に置かれていた,いわゆるメディア操作系ボタンにあったサウンドのミュート有効/切り替えボタン,出力音量調整ダイヤルが省略されたのも,G310における大きな特徴といえるだろう。ただ,機能自体は生きており,[Fn]+[F9]〜[F12]キーでメディア操作,[Fn]+[Pause]キーでミュート切り替え,[Fn]+[Print Screen]/[Scroll Lock]キーで,[SCROLL LOCK],[PAUSE]キーによる音量調節およびミュートをサポートしている。
 なお,本体右上には,[Windows]キーなど,いくつかゲームで問題となり得るキーの有効/無効を切り替えるボタン「Game/Windows key」と,キーのLEDイルミネーション有効/無効を切り替えるボタン「Backlight key」のみが残っている。

[W/A/S/D]キーを中心とした,左手で操作するキーは,基本的に,左右と奥のエッジが立ち上がった状態だ
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 その意味で,G910で初めて採用されたキートップ「Facet Keycap」(ファセットキーキャップ)がG310でも採用されているのは,「G310とG910の,数少ない共通点」と紹介することができそうだ。
 Facet Keycapというのは,簡単にいうと,キーの置かれている場所に合わせて形状に変化が付けられているキートップのことで,具体的には,ブロックごとに,以下のとおりのキートップ形状が採用されている。10キーやG-keyなどがないG310だが,それ以外のキーの形状は,G910と完全に同じである。

  • 左右と奥側のエッジが立ち上がった形状:メインキーボードのうち左手の指で操作することになるキーと矢印キー
  • 左右のエッジが立ち上がった形状:メインキーボードのうち右手の指で操作することになるキー
  • 左側のエッジだけ大きく立ち上がった形状:[Tab][Caps Lock]キー,左[Shift][Ctrl]キー
  • 中央がわずかに盛り上がったかまぼこ形状:[Windows]キー,[Fn]キー

左[Ctrl]キーなど,本体左端のキーで左側のエッジが立ち上がるのもG910と同じ(左)。G910の場合,このエッジは,その左に置かれたG-keyを誤爆しないためのものとされていたので,その恐れのないG310では,おそらくコストダウンのために,G910と同じ形状が採用されているのだと思われる。ただ,「ここが左端」だと触感で分かるので,意外と便利だ。右は,右手で操作することになるキーの一部に寄ったところで,矢印キーだけは[W/A/S/D]キーなどと同じ形状になっている
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 もちろん,Romer-Gキースイッチを採用するのも,G310とG910では同じだが,実は,1点だけ大きな違いがある。それは,G310のRomer-Gキースイッチに埋め込まれたLEDイルミネーションが単色になっていることだ。G310のLEDは白で,それが,キートップ側にある,青色をした透光部を通って外に出てくるため,ユーザーからは(Logitech G/Logicool Gのブランドカラーである)水色に見えるという寸法である。

G910のRomer-Gは軸の中心に埋め込まれたLEDが表面実装型のRGB3色発光チップタイプだったが,G310では2.5mm径のドーム型LEDになっている(左)。単価の低いLEDなので低コスト化につながっているはずだ。右は部屋を暗くして光らせたところ。G310のLEDイルミネーションは白。キートップとの合わせ技で水色に見える
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Backlight keyを使うと,消灯を含めた5段階でLEDの明るさを調整できる。「カタカナ/ひらがな」キーだけは,文字情報が多すぎるため,ちょっとグラデーションが強くなってしまっているが,そのほかのキーの色の出方はキレイだ。キーボード面に光が漏れてしまうようなこともない
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本体手前側は机上から約7mmほど浮いたデザイン。本体が軽いので,左手をパームレストにおいて力を入れると,奥側がてこの原理で浮き上がってしまう。わざわざパームレストを机上から浮かせる意味はないように思うのだが……
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 G310で1つ気になったのは,ゲーマー向けキーボードとしてのG310が軽いこと。おそらく,重量を増すための金属板が搭載されていないのだと思われるが,実測重量はケーブル込みで855g。ケーブルを重量計からどかせた状態の参考値も810gしかなかった。
 そのため,チルトスタンドを立てない場合,左手用のパームレストが机上から7mmほど浮いた仕様ということもあって,ゲームプレイに熱が入ると,てこの原理でG310の奥側がバタバタと浮き上がってしまうことがあった。そのため,より大きな安定感を得たい場合は,チルトスタンドを立てて,パームレスト部でてこの原理が働かないようにすべきだとは思う。

本体奥側中央に,スマートフォンやタブレット端末を立てかけるためのスタンドが用意されるのもG910と同じだが,G910のスタンドは本体と一体型なのに対し,G310の場合,完全に引き出して使うタイプに変更されていた。本体が軽量化されたことを受けての仕様変更と思われる
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LGSから行える設定もシンプル化。ただし「ゲーム時に無効化するキー」は柔軟に設定可能


 Logitech G/Logicool G製のキーボードということで,G310も,基本的にはUSBのクラスドライバで動作する。そして,統合ソフトウェア「Logicoolゲームソフトウェア」(海外では「Logitech Gaming Software」,以下 LGS)を導入すると,細かな制御を行えるようになるというのも,従来製品と同じだ。
 ただ,ここまで述べてきたとおり,G310に搭載される機能の多くはキーボード上で完結する。そのため,LGSから調整できる内容も,G910のそれと比べると,ぐっとシンプルなものになっている。

G310を搭載した状態で,LGSをダウンロードして導入し,メイン画面を表示させたところ
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 なお,原稿執筆時点における最新版となるバージョン8.57.145のLGSだと,メニュー画面に表示されるG310の画像は上で示したとおり英語配列なのだが,各種設定を行おうとすると,しれっと日本語配列に変わるので,実用上の問題はなかった。
 たとえば,下に示したのは,前出の「いくつかゲームで問題となり得るキーの有効/無効を切り替えるボタン」ことGame/Windows keyでどのキーを無効化するかの設定画面なのだが,ご覧のとおり,こちらでは問題なく日本語配列になっていた。

Game/Windows keyで無効化できるキーの選択画面
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 というわけで本機能だが,ここでは,[F9]〜[F12]キーと[Print Screen][Scroll Lock][Pause]キー,[Fn]キーを除く全キーを,Game/Windows keyの無効化対象にできる。標準で対象となっているのは[Windows][コンテキストメニュー]キーのみだが,とくにBattlefield系などで日本語キーボードを使うときに問題となりがちな[半角/全角]キーや,意外と“誤爆”しやすい[Caps Lock]キーなども対象として指定可能だ。

 設定内容はプロファイルとして保存し,ゲームアプリケーションの実行に合わせて自動的に切り替えるようにも設定できるので,特定のタイトルでついタイプミスしやすいキーをあらかじめ無効化できるようにしておくというのもアリだろう。
 なお,Windowsにインストールされているゲームのうち,LGSは,認識できたタイトルのプロファイルを自動で作成してくれる。そこから漏れたタイトル(やアプリケーション)のプロファイルを,ユーザーが自分で作るという感じだ。

[半角/全角]キーなど,任意のキーを[Windows]キーなどと一緒に無効化できる(左)。「プロファイル」欄の[+]ボタンをクリックすると,プロファイルを登録するウインドウが立ち上がり(右),ここからゲームごとのプロファイル設定を行うことも可能だ
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LGSに用意される「ライトの設定」
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 G310でLGSから行える設定にはもう1つ,LEDイルミネーション関連がある。G910のようにフルカラーではなく,また,キーごとの調光を行えるわけでもないのだが,LGSを使えば,スライダーによる無段階の輝度設定と,キーが明るくなったり暗くなったりする「ブリージング効果」設定を,追加で行えるようになる。
 なお,ブリージング機能を有効化したときは,キータイプ時に効果を一時的に無効化できる「キープレスの効果を一時停止」チェックボックスや,明滅速度を調整できる「レート」スライダーなども利用可能。ただ,LGS側の設定より,G310本体側のBacklight keyのほうが優先されるので,この点は注意しておきたい。

 そのほか,G910にも実装されていた,使用頻度の高いキーを調べる「ヒートマップ機能」や,スマートフォンとペアリングして使える機能「ARX Control」は,G310で利用できるようになっている。

ヒートマップ機能(左)と,ARX Controlの基本設定(右)
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 ARX Controlについて4Gamerは,G910の時点で,「画期的なツールが出てきたりしない限り,あまり使い物にはならない」という評価を行っているが(関連記事),G310におけるARX Controlで,状況に変化はない。

ペアリングしたPC上のゲームを起動できる「マイゲーム」(左)と,PCのステータスをスマートフォンに表示する「PC統計」(中央),そしてPC上のメディアプレーヤー制御を行う「メディア」(右)が用意されるが……
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事実上の全キー同時押し対応。慣れれば高速にタイプ可能


 気になる同時押し/ロールオーバーだが,「4Gamer Keyboard Checker」(Version 1.0.0)で確認したところ,G910と同じく26キー――組み合わせによってはまれに27キーまで認識された――という仕様になっていた。両手で押せるキーの数を軽く超えており,実用上は「全キーの同時押し対応」と断じて問題ない。

片方の手のひらでキーを押したところ26キーの同時押しが認識された
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 Romer-Gキースイッチの挙動は,筆者が確認した限り,押下に必要な力を示すバネ荷重が約45gで,キーをどこまで押下できるかを示すキーストロークが3mm,キーを押下していったとき,スイッチが入る深さを示すアクチュエーションポイント(Actuation Point,作用点)が1.5mm。これはG910と同じ仕様だ。キースイッチとキーキャップの形状もG910とまったく同一なので,ゲームプレイにおける操作感はG910と基本的に変わらないと述べていいだろう。気を付けるべき点があるとすれば,本体が軽く,操作法次第でG910と比べてプレイ時に本体がガタつきやすいことくらいである。

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 とはいえ,G910のレビューは読んでいないという人もいるだろうから,あらためてRomer-Gの評価を行っておくと,Romer-Gは,メカニカルキースイッチでありながら,底打ち感がソフトで,メンブレン(スイッチで採用されるラバードーム)っぽい印象があるスイッチだといえる。ただ,メンブレンタイプのキーボードだと,一般では3mmほどあるアクチュエーションポイントが,Romer-Gでは1.5mmと浅く,また,キーごとに存在するアクチュエーションポイント誤差がメンブレンに比べると小さく,安定しているため,慣れると,一般的なメンブレンスイッチのキーボードと比べて,明らかに高速な操作が可能になってくる。
 メンブレン風のキータッチということもあり,使い始めは,従来的なメカニカルキーボードに慣れている人ほど,メカニカルらしくない押下感に戸惑うと思う。ただその先には,一般的なメカニカルキーボードと比べても高速に操作でき,かつ指を痛めにくくなる世界が待っている。この点だけでも,Romer-Gは評価に値するだろう。

 「高速なキータイプ」の妨げになりかねない追加キーがなく,ほとんどクセらしいクセもない日本語配列で,かつ,“誤爆”の危険があるキーを片っ端から無効化できるのも,高速操作に貢献してくれる印象だ。

 また,G910と比べて横幅が150mm短く,その分だけマウス用のスペースを広く取れるのも,ゲームで使ってみると重要なポイントだと感じた。もちろん,Logitech G/Logicool Gらしい外装を採用しなければ,キーボードはもっと小さくできたかもしれないが,これだけ横幅が小さければ,大多数の国内ゲーマーは大きさに不満を覚えないのではないかと思う。

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 ところで、G910から引き続いて採用された独特のFacet keycapの使い勝手が気になる読者も多いだろうと思う。その使用感だが,とくに左手用にエッジが立ったキーでは,指の感触でキートップの中心が分かるため,左手を使うゲームプレイ時に指の位置を決めやすいという利点があった。Facet keycapにメーカーが込めた意図はおそらくそこにあるのだろう。
 一方,ゲーム以外の通常のキー入力だと,Facet keycapにある「自ずとキーの中心を押させるというキータイプ矯正具的な機能」が働いて,慣れるまでの間は,とくに左手用のキーで,立ち上がったエッジに指が引っかかることがあった。慣れてしまえばどうということもないのだが,それまでは少し違和感があるかもしれない。

 もう1つ,ゲーム以外の通常利用で気になった点を付け加えておくと,左右非対称のパームレストはちょっとどうかと思った。両手でタイプするときに,左手用しかパームレストがないため,バランスがいまいちなのだ。よりゲームプレイに特化したキーボードだということなのかもしれないが,普段使いも考えると,着脱式パームレストが付属するG910に軍配が上がるだろう。



Razerの「Tournament Edition」対抗? 価格さえ納得できるなら買いだ


製品ボックス
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 というわけで,G310は,ぱっと見こそG910風ながら,その実は,G910から贅肉(ぜいにく)を削ぎ落としたような製品とまとめることができそうだ。
 Razerなら“G910 Tournament Edition”と名付けそうな製品というか,以前,マウスの開発コードネームでRazerを思いっきり意識していたLogitech/ロジクールだけに(関連記事),10キーレスモデルであるRazer BlackWidow Tournament Editionシリーズの対抗としてG310を開発したという可能性も十分考えられそうである。

 課題があるとすると,ここまで何度か指摘した重量と,あとは価格だろうか。G910の実勢価格が2万2000〜2万4500円程度(※2015年7月23日現在)なので,それと比べれば十分安価だが,10キーレスで機能的にシンプルなゲーマー向けキーボードとしてはトップクラスの価格となっており,ここはゲーマーにとって,導入のハードルになるのではないかと思う。

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 ただ,それを差し引いても,G310の完成度は非常に高い。Romer-Gキースイッチが気になっていたが,G910は高すぎる,大きすぎる,余計な機能がありすぎると思っていた人にとっては,間違いなくお勧めだ。また,そうでない場合でも,とにかく高速に打鍵できるキーボードが欲しいが,静電容量方式のようなクリック感のない製品は抵抗がある人や,とにかくゲームにおける性能重視でキーボードを選びたいというなら,選ぶ価値がある。
 要するに,価格にさえ納得できるなら買いということだ。

G310をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)

Logitech G/Logicool Gのキーボード製品一覧ページ





●4Gamer×Amazon共同企画,G310注文の先着310名が310円引きキャンペーン

 4GamerとAmazon.co.jpでは,共同で,G310の予約注文キャンペーンを実施することになった。下に示したのは,Amazon.co.jpのキャンペーンページへのリンクだが,リンク先にあるクーポンコードを入力すると,先着310名に限り,310円引きとなる。

4Gamer×Amazon共同企画,G310注文の先着310名が310円引きキャンペーン


 なお,クーポンコードは,G310をAmazon.co.jp内でカートに入れた後,レジに進んで,決済直前の「注文内容を確認・変更する」ページで入力することになる。下に示したボックスへ入力したら,[適用]ボタンをクリックすると,決済時に割引きが確定となる仕掛けだ。適用されなかった場合は先着順での受付が終了したということでご容赦を。

「注文内容を確認・変更する」ページの例。矢印で示したところにクーポンコードを入力して[適用]ボタンをクリックすれば,割引きが適用される
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 細則はAmazon.co.jpのヘルプを参照してもらえれば幸いだ。
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