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機能追加に性能向上,バグフィックスの行われた「ATI Catalyst 7.12」公開
結論からいうと,Catalyst 7.12のアップデートは比較的小粒だが,それでも機能追加に一部アプリケーションでの性能向上,広範なバグフィックスと,見どころは少なくない。以下,順にまとめたので参考にしてもらえれば幸いだ。
●Catalyst 7.12の新機能
- ATI Radeon HD 2900シリーズにおけるATI OverDriveの拡張サポート
ATI Radeon HD 2900シリーズのCrossFire構成時に,2枚のグラフィックスカードそれぞれについて,GPUコアクロックとメモリクロックを設定できるようになった - Avivo Technologyアップデート
システムにインストールされたATI Radeonがサポートする内容に合わせて,ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)の表示内容を切り替える。これにより,Avivo非対応のGPUを搭載した環境でも,CCCにAvivo関連の選択項目が表示されてしまう(※もちろん変更しても効果はない)問題をクリアした
●Catalyst 7.12で実現したパフォーマンス向上
- ATI Radeon HD 2600/2400シリーズ搭載環境で,アンチエイリアシングおよび異方性フィルタリングを無効化したとき,「3DMark05」で5%以上
- ATI Radeon HD 3800シリーズ搭載環境で,DirectX 10版の「Company of Heroes」で最大5%
●Catalyst 7.12で解決した主な問題(Windows XP)
- CrossFire構成時にSuper AAを適用した状態で「Call of Juarez」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に「Colin McRae: DIRT」を実行すると,ゲームの起動に失敗し,エラーメッセージが表示される問題
- Super AAを適用して「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると,画面がちらつく問題
- CCCから8x AAを有効化した状態で,解像度を2560×1600ドット,Soft Particleを有効に設定して「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- 「Loki」のデモ版を実行すると,オープニングムービーが表示されない問題
- 4x AAおよび「Full Dynamic Lighting」を有効化して「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」をプレイすると,画面がちらつく問題
- CrossFire構成時に,すべてのゲーム内グラフィックスオプションを「Maximum」に設定して「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」をプレイすると,OSが反応しなくなる問題
- CrossFire構成時にハイバネート(休止状態)に入り,そこから復帰しようとすると,OSが反応しなくなる問題
- ハイバネート(休止状態)に入り,そこから復帰しようとすると,OSがハングアップする問題
- セカンダリディスプレイとHDMI接続し,拡張デスクトップを利用しようとしてCCCから適用してもうまくいかない問題
- ATI Radeon HD 2600シリーズをDell製の30インチ液晶ディスプレイに接続すると,画面表示がおかしくなったり,何も表示されなくなったりする問題(※ATI Catalyst 7.11の修正内容と同じ。再掲載の理由は不明)
- ATI Radeon HD 2600/2400搭載環境で「TianLongBaBu」(※おそらく中国のオンラインゲーム「天龍八部」のことと思われる)を2時間以上プレイすると,OSが反応しなくなる問題(※ATI Catalyst 7.11の修正内容と同じ。再掲載の理由は不明)
- CrossFire構成時に,CrossFireを無効化しようとすると,OSを再起動する必要があった問題
- CCCのATI OverDriveオプションを有効化しようとしてもできない場合がある問題(※ATI Catalyst 7.11の修正内容と同じ。再掲載の理由は不明)
●Catalyst 7.12で解決した主な問題(Windows Vista)
- CrossFire構成時に,Super AAを適用して「Call of Duty」をプレイすると,プレイヤーキャラクターが死んだときにゲームが反応しなくなる問題
- 「Combat Mission: Shock Force」のデモ版(Version 1.02)で,ゲーム側の設定にある「ATI left-click compatibility option」を無効にしたまま新規にゲームを開始すると,左クリックした時点でゲームが反応しなくなる問題
- 「Crysis」をプレイすると,瞬間的に画面表示がおかしくなる問題
- 「Crysis」で,プレイに支障を来すほど,氷の表現がまぶしくなってしまう問題
- ATI Radeon HD 2000シリーズ搭載環境で「Dark Messiah of Might and Magic」あるいは「Sin Episodes」をプレイすると,フォグが異常に発生してしまったり,あるいはフォグの表示がおかしくなったりする問題
- 「El Matador」をプレイすると,影の表示がおかしくなる問題
- Super AAとSoft Particleを有効化して「Enemy Territory: Quake Wars」をプレイすると,ゲームのメインメニューやゲームプレイ中の画面表示がおかしくなる問題
- 「F.E.A.R.」をプレイすると,「Slo-Mo」(※いわゆるバレットタイム)のビジュアルエフェクトがうまく表示されない問題
- ATI Radeon HD 2900シリーズ搭載環境で「Microsoft Flight Simulator X」をプレイすると,影の表示がおかしくなったり,表示されなくなったりする問題
- CCCからアンチエイリアシングを適用して「Grand Theft Auto:San Andreas」を実行すると,ゲームが起動しない問題
- 「Grand Theft Auto:San Andreas」で,ゲーム側のグラフィックスオプションを「High Quality」に設定すると,ディスプレイの垂直同期が失われたり,画面に何も表示されなくなったり,画面表示がおかしくなったりする問題
- DirectX 10版「Hellgate: London」で,MSAAを利用できない問題
- ATI Radeon HD 2600搭載環境で「Hellgate: London」を実行し,マルチプレイを開始すると,画面がまたたいたり,ゲームが反応しなくなったりする問題
- 「Infernal」で新規ゲームを開始出来ない問題
- CrossFire構成時に「The Lord of the Rings: The Return of the King」をプレイすると,ゲームの背景がまたたいてしまう問題
- CrossFire構成時に「Lost Planet: Extreme Condition」を実行し,2x AAと16x AFを有効化した状態でゲーム内オプションを最高に設定すると,画面表示がおかしくなる問題
- CrossFire構成時に「Quake 4」を実行し,ゲーム内オプションから解像度を1600×1200ドット,アンチエイリアシング設定を4xに設定すると,画面表示がおかしくなる問題
- 「The Sims 2」をプレイすると,特定の場面で画面がちらついたり,表示がおかしくなったりする問題
- 「World in Conflict」で,ゲームオプションから4x AAを有効化してベンチマークモードを実行すると,画面がちらつく問題
- BIOSからフレームバッファサイズを256MBに指定すると,ATI Catalystをインストールできない問題
- S4ステートからレジュームするとディスプレイが真っ白な画面表示になる問題
- ハイバネーションからレジュームすると,復帰後数秒間,ディスプレイが真っ白な画面表示になる問題
- ATI Radeon HD 2400のCrossFire構成時に,CCCから8x AAを選択すると,アンチエイリアシング設定周りがグレーアウトして,変更できなくなる問題
- ディスプレイ解像度設定を1776×1024もしくは1920×1024ドットに指定すると,S3ステートからのレジューム時にディスプレイが応答しなくなる問題
以上,バグフィックスについては,例によってゲームに関係したところを中心に和訳してある。このほかディスプレイとの接続やビデオ再生周りで複数のバグも潰されており,ATI Radeonを使っているなら,アップデートしておくのが正解だろう。ドライバの更新作業は自己責任となるが,4Gamerの不定期連載「PCゲームのお作法」第11回と第13回で手順を詳しく説明しているから,ちょっと自信がないという人は参考にしてほしい。
- 関連タイトル:
AMD Software
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