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FTC,「独占的地位を利用して健全な競争を阻害」としてIntelを提訴
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印刷2009/12/17 11:32

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FTC,「独占的地位を利用して健全な競争を阻害」としてIntelを提訴

 米FTC(Federal Trade Commission,連邦取引委員会)は,「プロセッサ市場における独占的な立場を利用して,過去10年に亘(わた)って市場競争を抑圧し,自社の独占状態を強化した」と,Intelを提訴した。

 FTCが発表した英文リリースによれば,IntelはDell,Hewlett-Packard,IBMなどの大手PCメーカーに対し,脅しをかけたり,逆に報酬を与えたりするといった反競争的な手法によって,競合であるAMDのプロセッサを購入しないよう,強制をかけていたとのこと。これにより,消費者は,Intel製品よりも優れた,もしくは価格の低いプロセッサを手に入れる機会が失われていたという。

 また,FTCは,

  • コンパイラを秘密裏に再設計し,AMD製プロセッサでパフォーマンスが出ないよう仕向けたうえで,その事実を隠したまま「競合よりもIntel製プロセッサのほうが高速」と消費者に説明した
  • GPUの存在によってもたらされる潜在的な競争を排除すべく,CPU市場でとったのと同じような,反競争的な戦略を対NVIDIAでも行った。(同時に)GPU市場でも独占的な地位を獲得しようとする危険な兆候が見られる

とも指摘している。

 なお,この提訴に対してIntelはすぐに反応,「Inteはフェアに,かつ,法律に則って市場競争しており,消費者に利益をもたらしている。FTCによる訴訟は見当違いで,十分な調査に基づくものではないうえに,現行法に沿ったものでもない。ビジネスに新たな規制をもたらし,イノベーションの低下と値上げにより,消費者にも損害をもたらす」と,全面的に反論している。

 FTCは,「米国内の消費者に与えられてきた損害の賠償を求める」と宣言し,一方でIntelは「前例のない規模で賠償を求められている。(このままでは)ビジネスを続けられなくなる恐れがあり,受け入れることはできない」と,全面的に争う構えだ。
 Intelは声明の中で,「この訴訟は,和解に至るべきである」と主張しているが,果たしてどうなるだろうか。今後を注視していきたい。

FTCによるニュースリリース(英文)
Intelによるニュースリリース(英文)

※16:00追記
インテルから,声明の日本語版がリリースされた。その内容は下記のとおり。

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は、米連邦取引委員会(FTC)が提起した訴訟について声明を発表しました。

「インテルは法令を順守して公正な競争活動を行っています。インテルの公正な競争活動は、消費者に利益をもたらしてきました。インテルが重要な役割を果たしているマイクロプロセッサー産業は、競争が極めて激しく、他の産業に比べて常に確固とした技術革新が求められ、また低価格化が早く進行しています。今回の FTC の訴訟は誤った判断です。この訴訟は主に、FTC が直前に追加し、調査していない主張に基づいています。そして、明らかに現行の法律に則していないだけでなく、営業活動を規制する新たな規定を設けようともしています。これらの新しい規定は技術革新の阻害と価格の上昇を招き、消費者に悪影響を与えます」。

インテル コーポレーション 副社長 兼法務担当役員のダグ・メラメドは「この訴訟は本来、和解できた、あるいは和解で解決すべきものです。これまで和解交渉は順調に進展してきましたが、FTC が、訴状に記述されている合法な価格競争に対する制限やその訴状に記載の知的財産権に関する強制など、インテルの事業活動を不可能にする前例の無い措置を強く主張した時点から難航しました」と述べています。

メラメドは「FTC が訴訟を性急に提起したことにより、FTC が十分な調査を行っていない問題を訴訟で争うための数千万ドルの費用を納税者が負担することになります。独占禁止法の執行機関が訴訟を提起する際は、提起前に事実調査を行うのが通常の慣行です。FTC は今回の訴訟ではこれを行っていません」と述べています。

インテルは今年初め、半導体製造のため米国内に 70 億ドルを投資し、また米国内で 4 万人以上を雇用すると発表していました。
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