今週から学園MMORPG「ヨーグルティング」のプレイレポート記事をお届けする。これから始めてみようという人の参考になるように,プレイの経過を追いつつテクニックにも言及するので,しばしお付き合いのほどを。
ヨーグルティングのオープンβサービスは9月12日から開始され,現在は無料でプレイできる。学園MMORPGなので,キャラクターの想定年齢は14〜16歳くらい。登録IDの総数は10万を軽く超えているとのことであるから,実に10万人にのぼるセーラー服とブレザーと学ランの軍団がWeb上に組織されていることになる。まあ,たいへん残念なことにそれで我が国の少子化に歯止めがかかったりはしないわけだが。
宵月学院でキャラクター作成したときの画面。誕生日や血液型は,今のところゲーム内容には反映されていない
このゲームの場合,キャラクターを作成する前に入学する学校を選ぶ。「公立エスティバー学園」と「学校法人宵月学院」から選択するのだが,正直どちらで始めてもプレイの内容はそれほど変わらない。ただし制服や校舎のデザインと,プレイにつれて明かされていくストーリーの中身は異なる。エスティバーの校舎と制服は軽さと明るさを,宵月学院のそれは名門私立の雰囲気を漂わせている。とりあえず,制服のデザインで選ぶのがオーソドックスだろう。
ヨーグルティングでは通常のMMORPGと違って,キャラクタースロットは一つしか用意されていない。つまり1アカウントにつき1キャラクターしか作れないのだ。
いきおい,どちらの学校を選ぶか悩むところだが,実は一部のクエストを除き,本作では他校のエピソードもプレイできるので,その点はご心配なく。
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エスティバー学園(左)は実際どこにでもありそうなシンプルな校舎。宵月学院(右)は対照的にその重厚な校舎の構えが,いかにも名門私立校っぽい |
余談といえば余談だが,筆者はここまでずっと公立一本槍の庶民派である。そこであえて宵月学院を選び,経歴詐称すれすれのインチキブルジョア私立校生(女子)を誕生させてみる。まあ,このうえ年齢の詐称については,ツッコミ禁止なのでそのつもりで。
宵月学院でキャラクター作成したときの画面。誕生日や血液型は今のところゲーム内容には反映されていない
キャラ作成でプレイヤーが決定するのは,性別,髪型と色,顔立ち,肌の色,血液型,生年月日,それに"電話番号"の8項目だ。電話番号は他プレイヤーと連絡を取り合うための記号で,下4桁を入力すればよい。まあ携帯電話のようなものと考えればよい。
ここで同じ番号を選んだ人がいる場合は,上3桁が変わる。例えば1234という番号を付けたい人が3人いた場合,3人目は003-1234になるというわけだ。
あくまで私見だが,ヨーグルティングの女性キャラの可愛らしさは抜群である。表情の選択によって,健康的な笑顔を振りまく体育会系キャラに見えたり,クラスに一人はいる物憂げな秀才タイプに見えたりと,眺めていて飽きないくらいだ。それに加えて,装備品のバリエーションや着せ替え要素もプレイの大きな楽しみになる。
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ヘアスタイルはツインテール。ちょっと憂いを帯びた大きな眼がいい感じ。左は冬服セットで右が夏服セット。ツインテールといい,ミニスカート&ニーソックスといい,実在の人間でなく"キャラクター"であることの妙味をフル活用してみる |
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ちなみにエスティバー学園だとこんな感じ。同じく冬服と夏服。このゲームのマスコットキャラクター「アンナ」のイラストでもおなじみだが,エスティバー学園の制服はオレンジと白のかなり派手な組み合わせだ。これは基本装備で最初から所持している |
このクエストでもらえる「飼育帽」は人気の高い1品。そのほかに「看護服」「バスケ部ショートパンツ」などがもらえる可能性も
キャラクターの作成が済んだら,次になすべきはいきなりエピソード/クエストへの挑戦である。ここでのエピソード/クエストとは,先生方や生徒会役員,保健医などからの頼まれごとだ。やれ「廊下に箱が化けたモンスターが湧いたから退治してくれ」だの「名簿を順番に届けてくれ」だのと,最初は使い走りも同然の用事であるが,きちんとこなせばご褒美,つまり回復アイテムやら新しい洋服やらにありつける。クリア後のボーナスアイテムは運次第でもあるので,繰り返し挑戦したいところだ。
一定の学年に達していることなど,挑戦するには何らかの前提条件があるエピソードも多い。順にこなしていこう
ヨーグルティングのフィールドマップにモンスターはおらず,戦闘もいっさいない。依頼をこなすための戦闘は,すべて「エピソードゲート」の中で起こる。
エピソードをプレイするには,ゲートをくぐって待機ロビーに入り,自分の目的のエピソード/クエストをプレイしている空き部屋を探すか,自分がマスターとして部屋を開くかすればよい。自分で部屋を開いた場合,フレンド登録してある相手がオンラインなら,相手がフィールドマップのどこにいても,その部屋への招待が可能になる。
ヨーグルティングではエピソードをクリアすると,そのエピソード内での得点と,得点から算出される"成績",そしてプレイヤー間での順位が明らかにされる。
この順位制がなかなかシビアなシロモノで,エピソードクリア後のアイテム入手に直接影響してくる。ヨーグルティングにおいてエピソードクリアボーナスは,人数分用意された「アイテムボックス」の形で与えられる。
そして,エピソード終了後の画面で時間内に欲しい箱を一つ選び,希望がかち合った場合順位の高いほうの手に収まる。箱の中身は開けるまで明確に示されないので,運の要素があるものの,希望が通ったほうが有利な点は変わらない。
それゆえか,1位を取るためなら他人の邪魔すら辞さずというプレイヤーも多々見られる。そうなると押しの弱いインチキ私立校生たる筆者の運命など知れたものである。相対評価,骨肉相食む受験競争は学校教育の宿命なのだろうかなどと,いきなり慨嘆調でつぶやきつつ,自分のふがいなさを棚に上げてみる。
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苦悩の末に3位に食い込み,成績もA-と良好。詳しくは後述するが,ここまでくるのに二日を費やしてしまった |
箱の中身は開けるまで詳しく分からないが,どれが良さそうかの見当はつく。1位を取るに越したことはない |
何度やっても4人中4位を脱することができない。カレカノエピソードにはかなり苦戦を強いられた
学校という設定をフルに生かしたヨーグルティングには,キャラクターレベルとは別に「進級制度」が用意されている。前述したように,学年が上がることで新しいエピソードに挑戦できるようになったりするのだが,その半面各エピソードのクリア成績が良くないと,落第という結果にもなる。
成績はA+〜F(落第)までにランク分けされており,進級するには用意されたエピソードでB+以上の成績を収める必要がある。成績はエピソードのクリア時間や倒したモンスター数などで判定されるようだが,一緒にプレイする人のレベルや武器の威力にけっこう左右される。
とくに初挑戦のエピソード/クエストではプレイのポイントがなかなか掴みづらいので,他人の動きをじっと観察してマップを頭に叩き込むのが攻略の第一歩になる。粘り強く何度も試せば,いつかはB+以上の成績が取れるはずだ。
などと講釈を垂れている筆者の場合,初心者用エピソード「箱でいっぱいの廊下」「怖がりサム先生」を終え,「オカルトボックス」を何とかクリアした後に,最初の壁にぶつかった。これまでなんとかギリギリ「B+」以上でクリアしてきたが,次のエピソード「彼と彼女の生徒会」(通称カレカノ。しかし,どーなんだろ,この略し方)で,どうしても「B−」しか出せない。
武器を換えてもプレイ仲間を替えてもB−止まり。ノーマルBすら出てくれない。いかにも学校モノらしい回復アイテムの「三角牛乳」は減る一方だし,フトコロは寂しいし……。
このエピソードの成績は進級にモロに響くため,妥協は許されない。さりとて前述のとおり小細工は通用しないため,とにかく自分が上達するほかない様子。結局,かれこれ20回ほどカレカノをプレイし続けるハメになった。……うーん,さながら補習授業といったところか。
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カレカノは校舎の1階と2階を使って進行する2部構成。素早くフロアを制圧し,2階に上がってもやっぱりビリ…… |
オタオタしている間に,優秀なほかのプレイヤーの活躍によってエピソードは終了。とてつもなく空しい…… |
この3点セットを手に入れるために,牛乳を何本飲みまくったことか。次に目指すのは「飼育部セット」と心に決めている
とりあえず基本の制服とは別に,「手芸部セット」を揃えて大満足。パーツ単位で入手する制服をコンプリートするのは,思ったとおりなかなか厳しい。
気がつけば進級よりも,ラブリーな衣装集めに奔走する自分がいるわけだが,まあダメな人達が夕暮れ,さらにダメな人を叩く「TRAIN-TRAIN」な展開よりも,互いのダメさを認め合う馴れ合いで,平和な未来を築いていきたい所存である。
今後ダメさにさらに磨きをかけつつ,4種の武器のみならず,1年生で入手できる衣装のコンプリートを目指してがんばろう。