「エバークエストII」(以下,EQ2)の初心者をサポートする本連載も,今回が最終回。これまでに,役割の認識とヘイトコントロール,攻撃目標の揃え方,クラウドコントロールと,グループプレイをするうえで重要なことは一通り解説してきた。
最後は,技をつなげてより大きな効果を生み出す連続技「ヒロイックチェイン」の,グループ内での使い方について紹介する。また冒険で役立つそのほかの知識も,いくつか最後に紹介しているので,ぜひ見ておいてほしい。
→用語解説は「こちら」
ヒロイックチェイン(英語版表記はHeroic Opportunityで通称「HO」と呼ぶ。以下,HO)の基本的な仕組みの説明は,マニュアルやゲーム内のチュートリアルでも確認できる。ここでは,HOを実戦でどのように使っていけばいいかを考えてみたい。
グループプレイをするうえで最も気になるのは,「HOを完成させることを強く意識したプレイをするべきか?」という点だという人も多いだろう。ソロプレイでHOを完成させるのは簡単だが,グループみんなでHOを完成させるのは急に難しくなる。
実際にプレイしてみると,現状では「できる限り使う」「可能な限り合わせる」という方針でグループプレイに臨んでいるプレイヤーが多いようだ。一般的なハンティングにおいては,この方針で問題はないだろう。
"スターターが出ていないようであれば,とりあえずスタートさせておく" "ホイールが出ていたらできる限り完成させる",そして「完成すればラッキー」くらいの軽い気持ちでどんどんスタートさせて,始まったらとにかくホイールを回す。特定の効果を狙うよりも,その程度の姿勢で進めたほうが戦闘はスピーディに展開するし,何よりプレイはしやすい。
しかし,実際はそううまくいくばかりでもない。グループプレイ中に「この人はあまりホイールを見ていないのかな?」と思ったときは,そのプレイヤーがHOにあまり関心がないというケース以外に,以下のような事情がある可能性も考慮したい。
1.スペル/アーツの出しやすさはアーキタイプによって異なる
アーキタイプによって,戦闘時の操作感覚はかなり異なる。最も多くのスペル/アーツを連発できるのはスカウトで,キャストタイムも再使用までの時間も短いものが多い。次いでアーツを出しやすいのはファイターだ。一方メイジやプリーストのスペルは,キャストタイムも再使用までの時間も長い。多くのアーツが素早く発動可能で,すぐに再使用可能になるアーキタイプはHOにも素早く対応できるが,そうでないアーキタイプもあるということは理解したい。
2.キャストタイムおよび再使用までの時間が長いスペル/アーツの存在
上記にも関連するが,スペル/アーツにはキャストタイムや再使用までの時間が長いものが存在する。比較的HOに対応しやすいスカウトやファイターにも,そのようなアーツはある。そういったアーツをホイール出現の直前に使用したばかりだったりすると,対応が遅れてしまうこともありえる。とくに発動順が指定されているホイールなどでは,一度失敗すると再使用が間に合わないのでキャストも慎重になる。このあたりの兼ね合いで,うまくHOを完成させられないパターンもある。
3.スペルを使用してもレジストされてしまうケース
敵に対して使用するタイプのスペルは,命中しないとホイールにカウントしてもらえない。しかしメイジやプリーストのDDなどは,自分よりもかなり強い敵と戦っている場合は二度三度と使用しても当たらないことが珍しくない。横で見ていてもなかなか分かりにくいのだが,本人はHOを完成させようと努力しているのに,当たらないから進まないというつらい状態に陥っていることもあるのだ。
4.役割上,自由にアーツを出しにくいクラスもある
例えばエンチャンターの場合,クラウドコントロール用のスペルを効果時間の長さを計算しながら計画的に運用しなければならない。ヒーラーはグループの様子を見ながら,HP維持用のスペルを計画的にかけ続ける。ヒーラーが1人しかいないグループの場合,ヒール以外のことには手が回らない状況もある。
敵のヘイト状態も重要な問題だ。慣れてくると「HOを完成させるために該当スペルを使用すると,敵の注意がこちらに向いて悪い結果が出てしまう」といったことが,ある程度予想できるようになる。敢えてHOを完成させないという選択が,ベターなケースだって存在するはずだ。
現在の一般的なグループプレイにおけるHOの使われ方は以上だが,気のあった仲間やギルドメンバー達とプレイする場合は,より効果的な(そして難度の高い)運用方法を研究してみるのも面白いだろう。
EQ2には,グループ全体に作用するバフが豊富に用意されている。これらは一度詠唱すれば効果が持続される。また,グループを組む前に唱えておいた場合は,グループ加入と同時に効果がほかのメンバーにも行き渡るという,とても使いやすいものになっている。
一方,EQ2には味方単体にかけるシングルバフもある。こちらはグループに入った状態でないと,メンバーに対して使用できない。このようなシングルバフ能力を持ったクラスのプレイヤーは,戦闘に赴く前に,然るべきメンバーに対して術をかけたいと考えている。グループバフがあまりにも扱いやすいので見落とされがちだが,すべてのプレイヤーは,そういったバフアップの時間を必要としているクラスがいることを知っておいたほうがいいだろう。せっかくの有用なバフスペルが宝の持ち腐れになってしまっては,もったいない。とくに,以下に紹介するプリースト蘇生用アイテム召喚などを忘れると,大事に至ってしまう可能性もある。
すべてのプリーストキャラクター(クレリック,ドルイド,シャーマン)は,早い段階で"プリーストを生き返らせるアイテムを,対象のインベントリ内に召喚するスペル"を覚える。
このレザレクションアイテムがあれば,戦闘でクレリックが死亡しても,ほかのメンバーがプリーストを蘇生させられる。ハンティングに出掛ける前にはプリースト以外のすべてのメンバーが,これを受け取るのが理想だ。
この蘇生アイテム召喚魔法は,詠唱時間が若干長いうえに,対象メンバーの一人一人に個別に使用する必要がある。互いの不注意で,合流後すぐに戦闘→プリーストが死亡→蘇生アイテムをまだもらっていなかった……,などという切ない状況に陥るのは,できれば避けたいところだ。
ちなみにレザレクションアイテムは「使用可能スロット」に装備後,プリーストの死体をターゲットして,右クリックメニューから使用することで効力を発揮する。
キャラクターが口にする食べ物は「HP」のリジェネレーションレートを,飲み物は「パワー」のリジェネレーションレートを上昇させてくれる。食料はそれほど高価なものでもないので,基本的には常に空腹ではない状態をキープしたい。食べ物を選ぶうえで重要なのは,適正レベルと品質だ。
装備アイテムと同じように,フード/ドリンクにも適正レベルが設定されている。適正レベルはアイテムを「調査」すれば確認できるほか,アイテム名の色でも判断できる。ネームカラーがグレーになっているフードは,そのレベルではもう効果が弱すぎる。逆にレベルが高すぎるフードを摂取しても,一定以上はキャップがかかってしまってリジェネレーションレートは上昇しない。青からオレンジの食料を摂取するようにしていればOKだ。
食料はNPCベンダーからも購入できるが,おすすめはPCが生産スキルを使って作ったフード/ドリンク。職人の手作りの食料は品質が高く,NPCが売っているものよりも腹持ちが良いうえに,リジェネレーションレートの上昇幅も高い。購入には市内や生産ゾーンの中にいるブローカーを利用するとよい。
逆にプリーストの食料召喚魔法を使ってサモンした食べ物は,まず品質が非常に低い。それでもレベル10程度まではなんとか役に立ってくれるが,このスペルはアップグレードできないので,その先のレベルに適した食料を出すことはできない。以降はほかのクラスと同じように,レベルに合ったフード/ドリンクを購入したほうがよさそうだ。
ちなみにEQ2では,EQ1のように座ってもHPやパワーの回復速度が上がることはない。EQ1プレイヤーはお気をつけあれ。